Archive for the ‘交通違反・交通事故’ Category

飲酒後、お酒が抜けるまでの時間は?残酒運転について~②~

2022-11-25

~昨日からの続き~

「もうお酒は抜けてると思っていた」というのは通じるのか

今回、問題にしているような事例で、時々出会うのは、「もうお酒は抜けていると思っていた」という主張です。
これは、法律上では、故意がなかったという主張になります。
罪に問われるためには、原則として法律上故意というものが必要になり、今回の飲酒運転についてもそれは当てはまります。
難しいことは省きますが、要は、飲酒運転の罪に問われるためには、酒気を帯びている状態であることを認識していたことが必要になります。
そして、「もうお酒は抜けていると思っていた」という主張は、酒気を帯びている状態であることを認識していなかったと主張することに当たると思われます。

では、そのように主張すれば、罪に問われることはないのでしょうか。
残念ながら、法律上はそのような仕組みにはなっておらず、そのような主張をしたにもかかわらず、罪に問われる場合があります。
運転時に、酒気を帯びている状態であることを認識していたかどうかは、運転者の内心の問題です。
しかし、この点が問題になる場合には、客観的な事情からして、運転時に、酒気を帯びている状態であることを認識していたかどうかが判断されることになります。
この客観的な事情としては、事案に応じて様々ですが、一例を挙げるとすれば、まずは飲んだお酒の量が考えられます。
一般的な感覚からしても、かなり多い量を飲んでいるとすれば、まだお酒が残っていたと思っているだろうといえることが多いと思われます。
また、今回は飲酒後6時間を経過しているというケースを想定していますが、実際には飲酒してから何時間経過しているかという点も重要になります。
長ければ長いほど、もうお酒が抜けていたと認識していたという判断に傾きます。
さらには、発覚の経緯も重要になってくると思われます。
たとえば、事故をしてしまい、それがお酒の影響を受けていると思われる事故態様であれば、酒気を帯びている状態であることを認識していたという判断に傾きますし、事故を起こしていなくとも、ふらついて運転していたため、職務質問されたということも同様に評価されることになります。
結局は、単に「飲み終わってから6時間経過していたので、もうお酒は抜けていると思っていた」と主張するだけでは、飲酒運転の罪に問われないわけではなく、具体的な根拠(特に、上に挙げたような客観的な事情)をもってそのような主張をする必要があります。

もうお酒が抜けていると思っていたのに飲酒運転の容疑を掛けられたら…

これまでお話ししてきたとおり、飲酒運転の容疑がかかった際、単に「もうお酒を抜けていると思っていた」と主張するのでは、最終的に罪に問われ、刑事裁判になってしまう可能性があります。
しかし、実際に飲酒運転の罪が成立するかどうかは、先ほどお話ししたように、詳細な事実関係を検討し、それを踏まえて、警察に対してどのような話しをしていくか(あるいは、どのような話しはしないのか)を決める必要があります。
なぜなら、警察段階で話し、その話した内容が書かれた書類(供述調書と呼ばれます)が、後々の裁判での証拠になるからです。
どのような事情が重要になってくるかどうかは事案に応じて様々ですので、飲酒運転の容疑を掛けられた場合には、まずは弁護士に相談をし、事実関係を整理するところから始めるべきだと思われます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、飲酒運転残酒運転に関するご相談を随時受け付けております。
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飲酒後、お酒が抜けるまでの時間は?残酒運転について~①~

2022-11-24

福岡県内でも飲酒運転で逮捕されたといったニュースをよく見かけます。
これから、忘年会シーズンを迎えることもあり、お店で飲酒をする機会も増えてくると思います。
お店で飲酒する際に気を付けるべきなのは、帰り道、絶対に飲酒した状態で運転をしてはいけないということ。
この飲酒運転に関してよく聞くのが、「飲酒してから6時間経てば、運転しても大丈夫」というフレーズです。
実際に、飲酒してから6時間経過すれば、運転しても、飲酒運転にならないのでしょうか。
本日から2日間にわたっては、飲酒運転の弁護活動経験が豊富な、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士が、飲酒運転残酒運転について解説します。

飲酒運転とは

まず、飲酒運転に関する法律をみていきます。
なおここでは、飲酒運転をした本人の刑事責任について考えます。
道路交通法(以下「道交法」といいます。)65条1項は、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と定めています。
その上で
道交法117条の2第1号は、「第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあったもの」については『5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する』としています。

また
道交法117条の2の2第3号は、「第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあったもの」については『3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する』としています。

そして、道路交通法施行令44条の3は、道交法「117条の2の2第3号の政令で定める身体に保有するアルコールの程度は、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムとする。」としています。

①と②の違いは、簡単にいえば、酒に酔っている「程度」の違いです。
飲酒運転の容疑がかかり、警察に声を掛けられた段階で、通常は呼気検査が行われます。その結果、呼気1リットル当たり0.15ミリグラム以上のアルコールが検出された場合は、②の罪に問われることになりますが、さらに、「酒に酔った状態」にあると判断された場合には、①の罪に問われることになります。

ここで、今回問題になっている、飲酒後6時間経過した場合を考えてみると、当然、アルコールが体から抜けるスピードには個人差があります。
そして、これまで話した法律の定め方を見ると、飲酒後6時間経過したかというのは関係なく、呼気からどれくらいのアルコールが検出されたかどうかによって、上記②に該当するかどうかが決まります。
なお、あまり考えられないですが、飲酒後6時間経過したにもかかわらず、「酒に酔った状態」(つまり、①の罪に問われるような状態)で運転したというのは、当然、①の罪に問われる可能性があります。

~明日に続く~

無免許でモペットを運転!!全国で摘発…逮捕されたケースも ~②~

2022-11-14

昨日に引き続き、モペットの運転に関する刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

昨日のコラムは こちらをクリック

警察が摘発した例

モペットの無免許運転等を警察が摘発した事例を紹介します。

(1)無免許運転で書類送検
今年の9月に、東京都品川区の路上で、モペットを、無免許であるにもかかわらず運転したとして、20代の男性が書類送検されています。
この男性は、「ペダルをこぐ乗り方なら許されると思っていた」などと供述しているようです。

※実際に無免許運転に該当するかどうかは、実際使用していたモペットの構造やその構造をどのように認識していたかといった点を詳細に検討する必要がありますが、いずれにせよ、乗る前に、どういう乗り物で、どういったルールに従う必要があるのかをきちんと確認する必要があります。

(2)ひき逃げ事件を起こして逮捕
過去には、モペットを運転中に歩行者と接触し、歩行者に傷害を負わせたにもかかわらず、救護措置をとらずに逃走したとして、モペットを運転していた男性が逮捕されています。
逮捕された男性は運転免許を保有していたものの、着用が義務付けられているヘルメットを着用しておらず、また乗っていたモペットには、ナンバープレートやブレーキランプ等の必要とされる装備が装着されていなかったようです。

※「原動機付自転車」に該当するモペットを運転する際は、原動機付自転車に装着が義務付けられている装備品がきちんと装備されているかを確認する必要があります。
また乗車にはきちんとヘルメットを装着し、交通ルールを守って運転しなければなりませんし、事故を起こした際は、どういった状況であれ、警察に届け出ましょう。
また事故に備えて、きちんと保険に加入することをお勧めします。

交通ルールはきちんと守ろう

これはモペットに限ったことではありませんが、交通ルールはきちんと守る必要があります。特に注意したい点は、次の点です。

(1)交通事故を起こすと怪我人や死者も
モペットを運転する際には、車と同様、「当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」という安全運転義務があります(道交法70条)。こうした義務違反し、不注意で、人にぶつかり、怪我人や場合によっては死者を出してしまうと、過失運転致傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条)の罪に問われることになります。
自転車の場合にはこの法律の適用はありません(過失致死傷罪などに問われる可能性があります)が、モペットは原動機付自転車に該当しますので、この法律の適用があります。

(2)事故を起こした場合にはすぐに止まり必要な措置を
モペットに乗っていて交通事故を起こしてしまった場合、車のとき同様に、すぐに停止し、怪我人がいないか確認し、怪我人がいる場合には安全を確保し、救急車を呼ぶといった措置を、また警察へ通報など必要な措置を講じる必要があります
こうした措置をきちんと取らないと、いわゆるひき逃げをしたとして、刑事責任を問われることになってしまいます。

(3)自賠責に入っているか確認を
モペットが原動機付自転車に該当するということは、自賠責保険に加入する必要があります。
きちんとしたお店で購入した場合には、購入時に自賠責保険に関する手続をしてくれることが考えられますが、たとえば、友達から譲ってもらったといったような場合には、自賠責保険に加入せずに乗ってしまったということも考えられます。
自賠責保険に加入せずにモペットを運転してしまうと、無保険車走行として自動車損害賠償保障法5条違反として、刑事責任が問われることになります(法定刑は50万円以下の罰金又は1年以下の懲役です)。
なお、民事上の問題ですが、モペットを友人に貸し、その友人が交通事故を起こして被害者に損害が発生してしまうと、モペットを貸した人も損害賠償責任を問われることになることは注意が必要です。

(4)ヘルメットの着用を
モペットが原動機付自転車に該当するということは、ヘルメットの着用義務があります。
着用せずに運転した場合、刑事罰はありませんが、違反点数1点となります(行政手続上の問題になります)。
また、そもそも、モペットを乗った状態で交通事故に遭った場合、大変危険なので、ヘルメットは必ず着用しましょう。

刑事責任を問われることになってしまったら

これまで解説したところでも、法律に違反した状態でモペットに乗っていると、いくつかの刑事責任に問われる可能性があります。
どういった容疑かけられているのかによって、今後の対応は異なります。
たとえば、無免許運転であった場合でも、どのような状況・認識の中で運転していたのかを詳細に検討し、犯罪が成立するのかどうかをチェックした上で対応を考える必要があります。
また、過失運転致傷ひき逃げの容疑がかけられている場合において、事実関係に争いがなければ被害者と示談するという方法を検討するといったことが考えられます。
モペットに乗っていることで警察沙汰になってしまった場合には、まずは弁護士に相談しましょう。

無免許でモペットを運転!!全国で摘発…逮捕されたケースも ~①~

2022-11-13

無免許でモペットを運転!!全国で摘発されており逮捕されたケースもあります。
そこで本日は、このモペットの運転に関する刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

モペットとは

最近、たまに聞く乗り物、モペット
モペットとは、ペダルが付いているオートバイで、エンジンや電気モーターなどの原動機のみで走行することもできるし、ペダルをこぐことによって人力のみで走行することも可能な乗り物をいいます。
実際に、福岡市内でも、それらしいものをたまに見かけますが、見た目が自転車(特に電動アシスト自転車)にとても似ており、なかなか見分けがつきにくいです。

モペットと電動アシスト自転車との違い

モペットは、道路交通法(以下「道交法」といいます。)上「原動機付自転車」に該当します。
「原動機付自転車」とは「内閣府令で定める大きさ以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であって、自転車、身体障害者用の車いす及び歩行補助者等以外のもの」をいいます(道交法2条1項10号)。
それに対し、電動アシスト自転車は、道交法上「軽車両」に該当します。
「軽車両」とは、「自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽けん引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)」又は、「原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であって、車体の大きさ及び構造を勘案してイに準ずるものとして内閣府令で定めるもの」であって、「身体障害者用の車椅子及び歩行補助車等以外のもの」をいいます(道交法2条1項11号)。
ここでポイントとなるのは、人の力によるかどうかという点です。
モペットの場合、人の力がなくとも走行できるので「原動機付自転車」に該当するのに対し、電動アシスト自転車は、人の力がないと走行できないので「軽車両」に該当することになります。
ただ、最近では、車両区分を変化させることができる機能を持つモペットがあるようです。これは、人力のみで走行するモードと電力等で走行できるモードの切り替えが、機能として備わっているもので、単に、電力等で走行できる状態だが人力のみで走行するというタイプのものとは区別できます。
こうした機能が備わっているものは、場合によっては、「軽車両」として走行できます。

モペットは免許が必要

モペットが基本的には「原動機付自転車」に該当するということは、原動機付自転車を乗るための運転免許が必要になります。
道交法64条1項は、「何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで」、「自動車又は原動機付自転車を運転してはならない」と定めています。
そして、道交法117条の2の2第1項1号は、「法令の規定による運転の免許を受けている者(第107条の2の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は国際運転免許証等を所持しないで(第88条第1項第2号から第4号までのいずれかに該当している場合又は本邦に上陸をした日から起算して滞在期間が一年を超えている場合を含む。)運転した者」は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処するとしています。

~明日に続く~

【即日対応可能】福岡県小倉北警察署に弁護士を派遣※電話予約OK

2022-11-09

【即日対応可能】福岡県小倉北警察署への弁護士派遣について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県小倉北警察署への弁護士派遣(初回接見サービス)

フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)

までお電話ください。

参考事件

福岡県小倉北警察署は、歩行者と接触する事故を起こして怪我を負わせたが、歩行者を救護せずに逃走したとして、北九州市小倉北区に住む建設作業員の男を逮捕しました。
逮捕された男は「酒を飲んでいたので、飲酒運転が発覚するのがこわくて逃走した。ただ歩行者が怪我をしているとは思わなかった。と一部容疑を否認しているようです。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)

福岡県小倉北警察署

〒803-8567
福岡県北九州市小倉北区大門1-6-19
電話番号 093-583-0110

福岡県小倉北警察署に弁護士を派遣する費用

交通費込み 40,480円

ひき逃げ

「飲酒運転の発覚をおそれて」という理由でひき逃げしてしまう方がよくいますが、ひき逃げは「非常に重たい罪」であることを覚えておいた方がよいでしょう。
今回のようなひき逃げは、道路交通法第117条2項に違反することになり、その法定刑は「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
また刑事処分が重くなるだけでなく、ひき逃げ事件を起こすと、逮捕される可能性が非常に高くなります。
例え飲酒運転が発覚したとしても、きちんと事故を届け出て負傷者に対して必要な救護措置をとっていれば、逃走や罪証を隠滅するおそれが低いと判断されて逮捕を免れれる可能性がありますが、ひき逃げの場合は、こういったおそれが大いに認められるので、逮捕されるリスクも非常に高いでしょう。

「歩行者が怪我をしているとは思わなかった。」は認められるの?

ひき逃げ事件が成立するには「故意」が必要です。
そのためか「歩行者が怪我をしているとは思わなかった。」という供述をする方がいるかと思いますが、実際にそうだったとしても、それだけで、ひき逃げ故意がなかったと認められる可能性は低いかと思います。
ひき逃げの故意は、「歩行者が怪我をしている」という明確な認識まで必要とされておらず、少なくとも「人に接触した」という認識さえあれば、ひき逃げの故意が認められる可能性があるでしょう。

ひき逃げ事件の詳細については こちらをクリック

福岡県小倉北警察署に弁護士を派遣

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福岡県小倉北警察署に弁護士を派遣する 初回接見サービス のご予約については、24時間対応しているフリーダイヤルでお待ちしております。

【即日対応可能】 福岡県東警察署に弁護士を派遣※電話予約OK

2022-10-20

【即日対応可能】福岡県東警察署への弁護士派遣について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県東警察署への弁護士派遣(初回接見サービス)

フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)

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参考事件

会社員のAさんは、仕事を帰りに同僚と酒を飲みに行き、その帰路に、飲酒運転をしてしまい福岡県東警察署現行犯逮捕されました。
夫の帰宅が遅いことを心配した妻が、Aさんの携帯電話に電話してもつながらず、近所の警察署に相談して事件が発覚したのですが、妻は「飲酒運転で逮捕している。」としか教えてもらうことができませんでした。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)

福岡県東警察署

〒812-0053
福岡市東区箱崎7-8-2
電話番号 092-643-0110

福岡県東警察署に弁護士を派遣する費用

交通費込み 36,740円

飲酒運転

皆さんご存知のとおり、お酒を飲んで車等を運転すると飲酒運転となり刑事処罰の対象となります。
福岡県内では飲酒運転が相次いでおり、福岡県警も取締りを強化していると聞きます。
ところで皆さんは「飲酒運転」には、「酒気帯び運転」「酒酔い運転」の2種類の違反があることをご存知でしょうか?

酒気帯び運転

飲酒検知の結果が、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上である場合、酒気帯び運転となります。
酒気帯び運転の罰則規定は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
この罰則規定は、いわゆる刑事手続きにおける刑事罰ですので、こういった刑事罰の他に、行政処分が科せられます。
行政処分については、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.25mg以上の場合は、免許が取り消される可能性が非常に高くなります。

酒酔い運転

飲酒検知の結果に関係なく、酒に酔った状態で車等を運転すると酒酔い運転となります。
酒に酔っているかどうかは、取締り時に、警察官が、違反者の言動や歩行状態等の検査を行って判断します。
酒酔い運転の罰則規定は、酒気帯び運転よりも厳しく「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
また行政処分は、免許が取り消される上に、欠格期間も3年と非常に厳しい処分となる可能性が高いです。

運転手以外も刑事罰の対象に

飲酒運転は、実際にハンドルを握って運転していた者だけでなく、飲酒運転することを知って車両を提供したり、車を運転することを知って酒を提供したり、飲酒運転である事実を知って同乗している場合も、刑事罰の対象となります。

福岡県東警察署に弁護士を派遣

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人身事故の量刑 重傷と重体の違いは・・・?

2022-10-10

交通事故(人身事故)を報じるテレビのニュースや新聞記事などで、被害者の怪我の程度を「意識不明の重体です。」だったり「全治●カ月の重傷です。」等と表現していますが、「重傷」「重体」の違いはなんなんでしょうか?また怪我の程度が量刑にどのように影響するのでしょうか?人身事故の刑事弁護活動に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律福岡支部が解説します。

重傷と重体の違い

人身事故で被害者の怪我の程度を表現するのに使われるのは「重体」「重傷」「軽傷」の何れかであることがほとんどです。
脳や内臓などに損傷がおよんで生命の危険がある場合に使われることが多いのが「重体」です。
これに対して骨折等の大きな怪我を負っているが、生命に影響がない場合に使われることが多いのが「重傷」です。
「重傷」は完治するまでに1カ月以上を要する場合に使用され、全治1カ月以内であれば「軽傷」という表現が使われています。

「心肺停止の状態で病院に搬送されました。」という表現もよく耳にしますが、「心肺停止」というのは、心拍と呼吸がない状態を意味しますが、その後の蘇生措置によって一命を取り留める可能性があります。
交通事故の場合、事故現場で救急隊員が死亡確認をすることは珍しく、病院に搬送後に医師が死亡確認をする場合がほとんどなため、この「心肺停止」という表現がよく使われているのです。

怪我の程度が量刑に大きく影響する(量刑)

危険運転やひき逃げ等ではない、過失運転致死傷罪が適用される一般的な人身事故の場合、どういった刑事罰が科せられるかは

・過失(不注意)の程度
・被害者の怪我の程度

が大きく影響します。
少しでも過失が認められる場合、被害者が重体や重傷の場合は、初犯であっても略式起訴による罰金刑ではなく、公判請求(正式裁判)されて執行猶予判決となる場合があるので注意が必要です。
また被害者が死亡してしまった場合、運転手に過失(注意)が認められない等の特別な事情がない限りは公判請求(正式裁判)されるでしょうし、場合によっては、初犯であっても実刑判決が言い渡されることもあります。

人身事故の弁護活動

人身事故を起こしてしまった際に「被害者対応は保険屋に任せている。」と言って、被害者対応を加入している任意保険会社に任せきりな方が多いようです。
物損事故であればそれで十分かもしれませんが、人身事故の場合は刑事手続きとなるので、保険会社の行う被害者対応だけでは足りないことがほとんどなので注意が必要です。
人身事故を起こして罰金を支払ったり、刑事裁判で執行猶予付きの判決を受けた場合でもそれは前科となり、仕事や資格に影響を及ぼすこともあるので、そういった事態を回避したいのであれば、早めに弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へ交通事故に関する法律相談をご希望の方は
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一般道でスピード違反 速度超過でも前科が付く~②~

2022-09-19

~昨日の続き~

法定最高速度違反

本日は法定速度違反について解説します。

法定最高速度違反が成立するのは

①当該区域、区間等において公安委員会による速度指定がなされていないこと
②当該車両について定められている法定最高速度を超えて進行したこと

が必要となります。
なお、法定最高速度を知らなかったといっても、それは理由とはならず、速度違反の故意を阻却する(故意がなかった)ものではありません。
法定最高速度違反の場合の罰則も指定最高速度違反の罰則と同じです。

速度超過で検挙されると

速度違反の場合、一般道なら30キロ未満、高速道なら40キロ未満の速度超過であれば、拒否をしない限りは、交通反則通告制度(青切符)によって処理されるので、反則金を納めたり、違反点数が累積されるだけの行政手続きで済み、刑事手続きはおこなわれません。
しかしそれ以上を超過すると、赤切符で処理され、その場合は刑事事件となります。。
刑事手続きがとられたとしても、Aさんのように逮捕されるとは限りません。
ただ違反があまりにも悪質、逃亡のおそれがある場合などはその場で逮捕されることもあります。
Aさんは、停止を求めたパトカーから実際に逃走しているので、逮捕されたのでしょう。
また、すでにご紹介したように、速度違反の罪についても懲役刑が規定されていますから、起訴されれば正式裁判を受けなければならない場合もあります。
初犯であれば執行猶予が付く可能性が高いと思われますが、執行猶予期間中である場合、常習性が認められ悪質な場合などは実刑となる可能性がないわけではありません。

交通事件に関するご相談は

刑事事件を専門にしている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡では、速度超過のような交通違反であっても、刑事事件に移行する可能性がある事件については無料で法律相談を承っております。
秋の行楽シーズンになり、車をご利用する機会が増える方も多いかと思いますが、速度超過のような交通事件にお困りの方がいらっしゃいましたら、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の無料法律相談をご利用ください。
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一般道でスピード違反 速度超過で逮捕~①~

2022-09-18

一般道でスピード違反した事例を参考に、速度超過でも逮捕される可能性があることを、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事例

福岡県嘉麻市で自営業を営むAさんは、ドライブを趣味にしています。
特に昨年、若いころから憧れていたスポーツカーを購入してからは毎週末のように市外にまで足をのばしてドライブを楽しんでいます。
そんなある日のドライブで、Aさんは、道がすいていたので思わずアクセルを踏み込んでしまい、40キロ規制の一般道路を、60キロメートル超過する時速約100キロメートルで走行してしまい、パトカーに停止を求められました。
しかし、逃げ切れるかもしれないと思ったAさんは停止命令に従わず数百メートル逃走しました。
そしてその先の赤信号で停止したAさんは、その場で福岡県嘉麻塚警察署の警察官によって道路交通法違反(速度超過)で逮捕されたのです。
(フィクションです)

道路交通法違反~速度超過~

道路交通法に定められた速度超過の違反は、大きく2種類あります。
一つは指定最高速度違反の罪、もう一つは法定最高速度違反の罪です。
Aさんの場合は、40キロ規制のある道路で速度超過しているので、指定最高速度違反の罪となります。

指定最高速度違反

それでは指定速度違反について解説します。
指定最高速度違反が成立するには

①当該日時に、公安委員会によって適式な道路標識等による最高速度の指定がなされていること
②指定最高速度を超えて走行したこと

に加えて、運転者が上記①、②を認識していることが必要です。
この認識が、指定速度違反の「故意」となり、故意的に速度違反した際の罰則は「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金」です。

仮に、運転者に①、②の認識がないと認められる場合は、過失による速度違反の罪に問われることになります。
この時の罰則は軽減され「3月以下の禁錮又は10万円以下の罰金」です。

それでは、Aさんが違反した道路のように、法定最高速度(60キロメートル)を下回る最高速度指定(40キロメートル)がなされている道路において、Aさんが最高速度の道路標識を看過して(つまり、上記①の認識がなく)、法定最高速度(60キロメートル)を超える速度(100キロメートル)で運転した場合の罪責はどうなるのでしょうか?

その場合

ア 法定最高速度違反の故意犯が成立
イ 指定最高速度違反の過失犯が成立

ウ 指定最高速度違反の故意犯が成立

が考えられますが、裁判例の多くはウ説が採用されています。

~明日のコラムに続く~

福岡県内で飲酒運転 相次ぐ逮捕者

2022-08-18

福岡県内で飲酒運転 相次ぐ逮捕者

福岡県内において、飲酒運転の逮捕者が相次いでいる件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

相次ぐ飲酒運転の逮捕者

報道各社によりますと、17日未明、福岡県内で飲酒運転逮捕者が相次ぎました。
福岡市南区では、基準値の4倍を超えるアルコールを摂取した状態で車を運転していた50代の男性が酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕されました。
また北九州市小倉北区では、50代の男性が酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕されています。
(8月17日配信のFBS福岡放送のネットニュースを引用)

飲酒運転

アルコールを摂取した状態で車を運転すれば飲酒運転となり、警察の摘発を受けると刑事罰の対象となります。
飲酒運転は道路交通法違反ですが、交通反則通告制度の対象となりませんので、警察の摘発を受けると、反則切符(青切符)で処理されることなく刑事手続きが進みます。
飲酒運転には

①酒気帯び運転
②酒酔い運転

の何れかの法律が適用され、二つの違反の大きな違いは、違反者が酒に酔っていたかどうかです。 
アルコールを摂取して運転したが、酒に酔っていたとまでは言えないという場合は①酒気帯び運転が適用されますが、アルコールを摂取して酒に酔った状態で運転していたという場合には②酒酔い運転が適用されます。
酒気帯び運転の法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですが、②酒酔い運転の法定刑はそれよりも厳しく「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
ちなみに①酒気帯び運転は、道路交通法で「血液1mlあたりのアルコール量が0.3mg以上の場合、または呼気1Lあたり0.15mg以上」と明確な基準値が設けられていますが、②酒酔い運転には明確な基準が定められているわけではありません。
ろれつが回らず会話が成立しなかったり、まっすぐ歩けない、視線が定まっていない等の状態が見受けられた場合に酒酔い運転と認定されることがあります。

飲酒運転の取締り強化

警察は、飲酒運転の撲滅に向けて取締りを強化していますが、全国的に見ても飲酒運転の絡む交通事故が後を絶たない現状にあります。
飲酒運転で警察に摘発されてしまった方のほとんどは「ちょっとぐらいなので大丈夫だと思った。」「酔っていなかったので大丈夫だと思った。」等と、違反と認識しているものの、「大丈夫だろう。」という安易な考えで飲酒運転してしまっているようですが、アルコールは、身体能力だけでなく判断能力に対しても大きな影響を及ぼしていますので、飲酒運転は絶対にしないでください。
また「飲酒運転ぐらいで逮捕されないだろう…」「飲酒運転ぐらいで報道されないだろう…」という安易な考えもやめておいた方がいいでしょう。
最近は交通事故の絡まない単なる飲酒運転であっても警察に逮捕されたり、ネットニュース等で報道される可能性が高く、そうなってしまえば、刑事罰や免許取消等の行政罰を受けるだけでなく日常生活を送る上で大きな不利益を被る可能性が高くなってしまい、失職等取り返しのつかない事態に陥る可能性もあります。

飲酒運転で逮捕、摘発された方は

福岡県内の飲酒運転で警察に逮捕されてしまった場合や、警察の摘発を受けてしまった場合は、こういった交通事件の弁護活動の実績豊富な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
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