Archive for the ‘人身事故・死亡事故’ Category

【事件解説】被害者の過失が大きい交通事故における加害者の弁護活動(後編)

2023-09-26

 前回に引き続き、被害者の過失が大きいと考えられる過失運転致死事件を参考に、過失運転致死罪における「過失」の認定や加害者の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

事件概要

 Aは、北九州市八幡西区の国道3号線をバイクで走行中、道路を横断中のVをはねてしまいました。現場は片側3車線の国道で、Vは横断歩道のない場所で急に横断を開始したようです。Vは病院に搬送されましたが、約1時間後に死亡が確認されました。
 福岡県折尾警察署は、Aを過失運転致死罪により捜査することにしました。
(実際の事件に基づき作成したフィクションです。)

前回の前編では、過失運転致死罪における「過失」について解説しました。

過失の認定における「信頼の原則」とは

 前編で解説したように、過失を予見可能性と回避可能性を前提とした結果回避義務違反と捉えた場合、被害者が予測し難い不適切な行動をとったことにより、結果が発生してしまったと考えられる場合における過失の有無が問題となります。

 この点について、交通事故関係の判例や裁判例を中心に、「信頼の原則」という考え方が採られています。

 「信頼の原則」とは、被害者等が適切な行動をとることを信頼するのが相当である場合には、被害者等が信頼に反する不適切な行動をとった結果、被害が生じたとしても、行為者に過失責任は問わないという原則です。

 道路交通法上、「歩行者等は、道路を横断しようとするときは、横断歩道がある場所の付近においては、その横断歩道によって道路を横断しなければならない。」、「歩行者等は、車両等の直前又は直後で道路を横断してはならない。」、と道路の横断に関する歩行者の注意義務が規定されています(同法第12条、第13条)

 本件において、Vは片側3車線の国道にて、横断歩道のない場所で急に横断を開始したとのことであり、道路状況などVの横断の際の詳しい状況次第では、上記注意義務に違反するようなVの横断があり、そうした横断がないことをAが信頼するのが相当であったとして、「信頼の原則」により、Aの過失の有無を争う余地も生じ得ると考えられます。

過失運転致死罪の弁護活動

 人の死亡という重大な結果が発生している過失運転致死罪においては、取調べにおいて加害者の過失の有無や程度に関わる事情を厳しく聴取されることが予想されます。
過失運転致死罪
の法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金と非常に重く、過失の程度次第では、起訴され正式な裁判となり、実刑が科される可能性もあります。

 そのため、取調べで供述する内容が、自己の意に反して不利益な証拠とならないよう、取調べに際しては、刑事事件に強く、交通事故加害者の弁護活動の経験豊富な弁護士から、どのように受け答えをすればよいか等のアドバイスを事前に受けることをお勧めします。

 また、本件のように、被害者の過失が大きいと考えられる事故の場合、弁護活動としては、現場の状況や目撃証言など、被疑者に過失が認められない、又は過失の程度が極めて小さいことを示す証拠を収集して、検察官や裁判官に提示し、不起訴処分や刑の減軽が妥当であることを的確に主張することも考えられます。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、交通事故加害者の弁護活動で、不起訴処分刑の減軽を獲得した豊富な実績があります。
 自身やご家族が交通事件で人を死亡させ、過失運転致死の容疑で取調べを受けるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

【事件解説】被害者の過失が大きい交通事故における加害者の弁護活動(前編)

2023-09-23

 被害者の過失が大きいと考えられる過失運転致死事件を参考に、過失運転致死罪における「過失」の認定や加害者の弁護活動について、前編・後編に分けて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

事件概要

 Aは、北九州市八幡西区の国道3号線をバイクで走行中、道路を横断中のVをはねてしまいました。現場は片側3車線の国道で、Vは横断歩道のない場所で急に横断を開始したようです。Vは病院に搬送されましたが、約1時間後に死亡が確認されました。
 福岡県折尾警察署は、Aを過失運転致死罪により捜査することにしました。
(実際の事件に基づき作成したフィクションです。)

過失運転致死罪における「過失」とは

 Aが刑事責任を問われる可能性のある罪として、運転上必要な注意を怠ったことによりVを死亡させたとして、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(自動車運転死傷処罰法)第5条の過失運転致死罪が考えられます。

 過失運転致死罪など、刑罰法令における「過失」が何を意味するかについては、様々な考え方がありますが、結果発生を予見できる状態で、結果発生を回避する義務があるのにそれを怠ったということ、という考え方があります。

 これについて、結果発生の予見や回避が不可能であった場合まで結果発生を回避する義務を課すことは相当でないため、前提として、結果発生の予見が可能であったこと(「予見可能性」)、及び回避が可能であったこと(「回避可能性」)が必要とされます。

 本件において、Vをはねて死亡させたという結果の発生について、仮にAに予見可能性と回避可能性があったとして、結果回避義務違反が認められる場合、「運転上必要な注意を怠った」(=「過失があった」)と認定され、過失運転致死罪が成立し得ると考えられます。

次回の後編では、過失の認定における「信頼の原則」について、解説します。

過失運転致死罪の弁護活動

 人の死亡という重大な結果が発生している過失運転致死罪においては、取調べにおいて加害者の過失の有無や程度に関わる事情を厳しく聴取されることが予想されます。
 過失運転致死罪の法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金と非常に重く、過失の程度次第では、起訴され正式な裁判となり、実刑が科される可能性もあります。

 そのため、取調べで供述する内容が、自己の意に反して不利益な証拠とならないよう、取調べに際しては、刑事事件に強く、交通事故加害者の弁護活動の経験豊富な弁護士から、どのように受け答えをすればよいか等のアドバイスを事前に受けることをお勧めします。

 また、本件のように、被害者の過失が大きいと考えられる事故の場合、弁護活動としては、現場の状況や目撃証言など、被疑者に過失が認められない、又は過失の程度が極めて小さいことを示す証拠を収集して、検察官や裁判官に提示し、不起訴処分や刑の減軽が妥当であることを的確に主張することも考えられます。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、交通事故加害者の弁護活動で、不起訴処分刑の減軽を獲得した豊富な実績があります。
 自身やご家族が交通事件で人を死亡させ、過失運転致死の容疑で取調べを受けるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

【事件解説】ひき逃げ事件の容疑者を緊急逮捕

2023-07-19

 ひき逃げ事件の容疑者が緊急逮捕された事件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

事件概要

 北九州市在住の会社員男性Aは、同市内の国道で自動車を運転していたところ、道路を横断中のVに衝突し、全治3か月の怪我を負わせたのにそのまま逃走した疑いで、福岡県折尾警察署に、道路交通法違反(ひき逃げ)自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで緊急逮捕されました。
 目撃者の証言する車の車種、色やナンバーの情報から、事故現場より帰宅途中のAの車が特定され、Aが緊急逮捕されるに至ったとのことです。
(過去に報道された実際の事件に基づき、一部事実を変更したフィクションです。)

ひき逃げ事件で成立し得る罪

 人身事故を起こした場合、直ちに車両の運転を停止して、負傷者の救護を行う義務(救護義務)警察官に事故を報告する義務(報告義務)があります(道路交通法第72条第1項)。

 人身事故を起こし、救護義務報告義務を怠り逃走することを一般的にひき逃げと呼びますが、本件では、Aの運転によりVが負傷したと考えられるため、Aには、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる可能性があります(道路交通法第117条第2項)。

 また、本件で、Vの負傷が、Aが運転上必要な注意を怠ったことに起因するものであれば、別に「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(自動車運転死傷処罰法)第5条の過失運転致傷罪も成立し、併合罪として処罰される可能性があります。

緊急逮捕とは

 逮捕の種類には、「現行犯逮捕」や裁判官の令状による「通常逮捕」の他に、本件のような「緊急逮捕」があります。

 緊急逮捕については、(ア)検察官、検察事務官又は司法警察職員は、(イ)死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を、(ウ)犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、(エ)急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる、と要件が定められています(刑事訴訟法第210条第1項)。

 本件では、以下の通り各要件を充足するとして、Aを緊急逮捕したと考えられます。

(ア)について、逮捕したのは折尾警察署の警察官(司法警察職員)です。
(イ)について、道路交通法違反(ひき逃げ)だけでも、長期10年の懲役にあたる罪です。
(ウ)について、Aの車の車種、色やナンバーと目撃者の証言が一致したことから、車の損傷の状況も併せて考慮すると、要件を充たし得ると考えられます。
(エ)について、Aはひき逃げ、つまり罪を犯し逃走していることから、すぐに身体を拘束しないと逃亡の可能性が高いとして、要件を充たし得ると考えられます。

ひき逃げ事件の弁護活動

 本件では、被害者Vが全治3か月の重傷を負っていることもあり、Aが起訴され実刑となる可能性もあります。

 弁護活動としては、取調べ対応や身体拘束からの解放に向けてのもののほか、Aに有利な証拠の収集を行いますが、その一つにVとの示談交渉が考えられます。

 本件は自動車事故のため、弁護士は、Aが加入している自動車保険会社とも連携しながら示談交渉を図り、示談の成立により量刑判断に有利な影響を及ぼす可能性を高めることを狙います。
 なお、保険金で完全な賠償を行える場合でも、謝罪とともにA個人からの見舞金等の支払いを別途行うことで誠意を示し、示談書に「重い処分を求めない」旨の宥恕条項を入れてもらえることも考えられるため、交通事故関係の刑事事件の経験豊富な弁護士への依頼をお勧めします。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、交通事故関係の刑事事件も多数取り扱い、被害者との示談交渉を含む弁護活動の豊富な実績があります。
 ひき逃げ事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

トラックのドライバーによる死亡事故 実刑を回避するために

2023-03-14

トラックのドライバーによる死亡事故を参考に、職業運転手の実刑回避について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

トラックのドライバーをしているAさんは、大牟田市内の国道をトラックで走行中、オートバイと接触する事故を起こし、運転手を死亡させてしまいました。
Aさんは過失運転致死罪福岡県大牟田警察署の警察官に現行犯逮捕されましたが、翌日には釈放されました。
実刑を免れたいAさんは、交通死亡事故に強い弁護士を選任して、執行猶予付の判決を望んでいます。(フィクションです。)

交通死亡事故

交通死亡事故を起こせば、過失運転致死罪が適用されます。(危険運転致死罪は別論とする。)
過失運転致死罪とは、自動車の運転上必要な注意を怠って交通事故を起こし、人を死亡させることで適用される罪です。
この法律でいう自動車には、原動機付自転車(いわゆる50CC原付)も含まれます。

過失運転致死罪は、人を死亡させるという結果の重大性が認められる事から、事故直後に警察に現行犯逮捕されることが大半で、重大な過失や勾留の必要性が認められなければ、勾留前に釈放されて、不拘束での取調べとなります。
そしてその後の捜査で、過失が立証された場合は、起訴されることとなり、刑事裁判では「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」が科せられることになります。

過失運転致死罪の量刑

過失運転致死罪の量刑は

  • 過失の程度
  • 被害者遺族との示談内容

に大きく左右されます。
Aさんのような職業運転手は、通常のドライバーに比べると重い注意義務が課せられていると考えられるが故に、裁判では、過失の程度は相当重いと認定されてしまいがちです。
そのため、交通死亡事故を起こした職業運転手実刑を回避するには、被害者遺族に対する謝罪、弁済を十二分に行い、許しを得るしかありません。
ただ家族を亡くした方の被害者感情は非常に厳しいもので、示談交渉には相当な時間が予想されます。
交通死亡事故の被害者遺族に対する示談交渉は、被害者対応の経験豊富な、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士にご相談ください。

人身事故の量刑 重傷と重体の違いは・・・?

2022-10-10

交通事故(人身事故)を報じるテレビのニュースや新聞記事などで、被害者の怪我の程度を「意識不明の重体です。」だったり「全治●カ月の重傷です。」等と表現していますが、「重傷」「重体」の違いはなんなんでしょうか?また怪我の程度が量刑にどのように影響するのでしょうか?人身事故の刑事弁護活動に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律福岡支部が解説します。

重傷と重体の違い

人身事故で被害者の怪我の程度を表現するのに使われるのは「重体」「重傷」「軽傷」の何れかであることがほとんどです。
脳や内臓などに損傷がおよんで生命の危険がある場合に使われることが多いのが「重体」です。
これに対して骨折等の大きな怪我を負っているが、生命に影響がない場合に使われることが多いのが「重傷」です。
「重傷」は完治するまでに1カ月以上を要する場合に使用され、全治1カ月以内であれば「軽傷」という表現が使われています。

「心肺停止の状態で病院に搬送されました。」という表現もよく耳にしますが、「心肺停止」というのは、心拍と呼吸がない状態を意味しますが、その後の蘇生措置によって一命を取り留める可能性があります。
交通事故の場合、事故現場で救急隊員が死亡確認をすることは珍しく、病院に搬送後に医師が死亡確認をする場合がほとんどなため、この「心肺停止」という表現がよく使われているのです。

怪我の程度が量刑に大きく影響する(量刑)

危険運転やひき逃げ等ではない、過失運転致死傷罪が適用される一般的な人身事故の場合、どういった刑事罰が科せられるかは

・過失(不注意)の程度
・被害者の怪我の程度

が大きく影響します。
少しでも過失が認められる場合、被害者が重体や重傷の場合は、初犯であっても略式起訴による罰金刑ではなく、公判請求(正式裁判)されて執行猶予判決となる場合があるので注意が必要です。
また被害者が死亡してしまった場合、運転手に過失(注意)が認められない等の特別な事情がない限りは公判請求(正式裁判)されるでしょうし、場合によっては、初犯であっても実刑判決が言い渡されることもあります。

人身事故の弁護活動

人身事故を起こしてしまった際に「被害者対応は保険屋に任せている。」と言って、被害者対応を加入している任意保険会社に任せきりな方が多いようです。
物損事故であればそれで十分かもしれませんが、人身事故の場合は刑事手続きとなるので、保険会社の行う被害者対応だけでは足りないことがほとんどなので注意が必要です。
人身事故を起こして罰金を支払ったり、刑事裁判で執行猶予付きの判決を受けた場合でもそれは前科となり、仕事や資格に影響を及ぼすこともあるので、そういった事態を回避したいのであれば、早めに弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へ交通事故に関する法律相談をご希望の方は
フリーダイヤル 0120-631-881
までお電話ください。

福岡県糸田町の交通事故・ひき逃げ 勾留延長阻止なら刑事弁護士

2022-08-15

福岡県糸田町の交通事故・ひき逃げ 勾留延長阻止なら刑事弁護士

Aさんは交通事故を起こし,ひき逃げしたとして,福岡県田川警察署に逮捕され,その勾留されました。Aさんのご家族から依頼を受けた交通事故に強い弁護士は,担当の検事から「勾留延長(請求)する予定です」と言われたことから,勾留延長を阻止しようと考えています。(フィクションです。)

~ 交通事故に関する罪 ~

自動車の運転上必要な注意を怠り(過失により),人に怪我をさせた場合は過失運転致傷罪,死亡させた場合過失運転致死罪が成立します。この罪は,自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条に規定されており,罰則7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。

~ ひき逃げに関する罪 ~

交通事故を起こしたにもかかわらず,車両等(軽車両を除く)の運転者が人の救護措置を怠った場合には救護措置義務違反が成立します。義務規定については道路交通法72条1項前段に規定されており,罰則については117条1項・2項に規定されています。2項は,人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであるときの規定で10年以下の懲役又は100万円以下の罰金1項はそうでないときの規定で5年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

~ 勾留延長に対する対抗手段 ~

ひき逃げは特に悪質な犯罪と考えられています。道路交通法117条2項の罰則が交通事故よりも重たいことを見ても法が悪質だと宣言していることが分かります。また,逮捕・勾留される可能性は極めて高いです。はじめの勾留期間は10日間ですが,勾留延長なされることも多いようです。
しかし,勾留延長の期間は最大で10日間ですから,理由のない勾留延長に対しては的確に異議を述べていく必要があるでしょう。そのための手段としては,まず,検察官に対し勾留延長(請求)しないよう意見書を提出するなどの方法が考えられます。また,仮に勾留延長決定が出されても,その裁判に対し準抗告の申立てをすることが考えられます。申立ての全部が認容されることが一番ですが,仮にされなくとも,例えば,延長期間が短縮されることもあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,交通・ひき逃げ事件をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。
0120-631-881までお気軽にお電話ください。

福岡県直方市の人身事故 ひき逃げ事件に強い弁護士②

2022-07-05

~昨日のコラムの続き~

昨日は、ひき逃げとはどんな行為をいうのかご紹介しました。
本日は、ひき逃げ事件を起こしてしまった場合に問われる罪と、その罪の重さをご紹介いたします。

ひき逃げそのものに関する罪

ひき逃げそのものに関する罪は、大きく

①救護義務違反(道路交通法117条)
②事故報告義務違反(道路交通法119条1項10号)

の2つに分けられます。

① 救護義務違反

救護義務違反はさらに、

●人の死傷が当該運転者の運転に起因する場合

●それ以外の場合

に分けられます。
 
人の死傷が当該運転者の運転に起因する事故を起こした場合の罰則は「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と大変重たいです。

「人の死傷が当該運転者の運転に起因する場合」とは、ご自身の運転が原因となって交通事故(人身事故)が発生した、ということ、つまり、ご自身の運転と交通事故による人の死傷との間に因果関係が認められる場合をいいます。
通常、後ほどご紹介する「過失運転致死傷罪」に問われた場合はこの罰則が適用されると考えてもらっていいかもしれません。

ご自身の運転が原因で交通事故が発生していない場合の罰則は「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
ご自身に過失があるかないかにかかわらず、交通事故(人身事故)が起きた場合は、車両等を運転する方は停止義務、救護義務を負い、これに違反した場合は罰則を科されるおそれがある、ということは是非知っていただきたいと思います。

② 事故報告義務違反
  
事故報告義務違反の罰則は「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」です。

ひき逃げと併せて問われる可能性のある罪

ひき逃げと併せて問われる罪としては、主に「過失運転致死傷罪」です。
過失運転致死傷罪は、自動車運転上の過失によって人を死傷させた場合に問われる罪で、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、法律)7条に規定されています。
罰則は「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」です。

福岡県直方警察署の人身事故を扱っている法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、ひき逃げなどの交通事件・刑事事件専門の法律事務所です。
ひき逃げを起こしお困りの方は、まずは

フリーダイヤル 0120-631-881

までお気軽にお電話ください。

また、ひき逃げの容疑ですでに警察に逮捕された方のもとに弁護士を派遣する初回接見サービスについては ⇒⇒こちらをクリック

福岡県豊前警察署の人身事故 危険運転と過失運転の違いについて②

2022-06-30

昨日に続いて、福岡県豊前警察署の人身事故を参考に、危険運転と過失運転の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

過失運転致死傷罪と危険運転致死傷罪の違い

まず、大きな違いは法定刑です。
過失運転致傷罪が「七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金」であるのに対し、危険運転致死傷罪は「人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役」です。
特に、危険運転致死罪の場合、1年以上の有期懲役ですから、起訴され、有罪となれば実刑判決を受ける可能性も十分にあります。

次に、前者は過失、すなわち不注意によって交通事故を起こした場合に適用されるのに対し、後者は故意、すなわち法律5条各号に規定されている状態・状況を運転者が認識しながらあえて自動車を運転して交通事故を起こした場合に適用される法律です。

たとえば、法律5条5号の「赤色信号」を例にしましょう。
運転者が前方の赤色信号を認識しつつ、あえてこれに従わず交差点に進入したと認められる場合(かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転した場合)は危険運転が適用される可能性が高いでしょう。他方、不注意によって赤色信号を示していた交差点に進入してしまい交通事故を起こした場合は過失運転が適用されるでしょう。

危険運転か過失運転かは、交通事故態様や事故時。事故後の状況などを総合して判断されます。
よって、捜査の結果、危険運転から過失運転になったり、あるいはその逆となることもあります。

危険運転致死罪は裁判員裁判になる

危険運転致死罪で起訴(公判請求)されると、刑事裁判は裁判員裁判によって行われます。
裁判員裁判は、裁判所によって無作為に選出された国民が、裁判に参加し、裁判官と共に被告人の処分を決定する裁判のことです。
通常の刑事裁判では裁判官が判決を決定していたことから、法律家目線からの刑事罰しか決定していませんでしたが、裁判員裁判制度が導入されてからは、一般人も審議に参加するようになり、少なからず一般人の意思が刑事罰に反映されるようになりました。
そういった事が影響しているのか、かつては年間10人以上の死刑判決が言い渡されていましたが、裁判員裁判制度が導入されてからは死刑判決が減少傾向にあると言われています。。

危険運転で捜査を受けてお困りの方は弁護士までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に

フリーダイヤル 0120-631-881
までお電話ください。
24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。

福岡県豊前警察署の人身事故 危険運転と過失運転の違いについて①

2022-06-29

福岡県豊前警察署の人身事故を参考に、危険運転と過失運転の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県豊前警察署の人身事故

福岡県豊前市の運送会社に勤務するAさんは、福岡県豊前市内の道路をトラックで走行中、対面信号が赤色信号表示を示していたにもかかららず交差点に進入し、青色信号表示に従って横断歩道上を横断していた歩行者の女性をはねて死亡させる交通事故を起こしました。この交通死亡事故により、Aさんは危険運転致死罪の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、危険運転致死罪ではなく過失運転致死罪の適用と求めていこうと考えています。
(フィクションです。)

人身事故で適用される罪

人身事故で適用される罪の一つに、過失運転致死傷罪危険運転致死傷罪があります。
ともに、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、法律)」という法律の中で規定され、前者は法律5条に、後者は法律2条に規定されています。

過失運転致死傷罪

法律5条 
 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

危険運転致死傷罪

法律5条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。

一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為

三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為

四 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

五 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

六 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

明日のコラムでは、過失運転致死傷罪と危険運転致死傷罪の違いを解説します。

交通死亡事故で示談なら刑事事件専門の弁護士 福岡県那珂川市 

2018-10-30

交通死亡事故で示談なら刑事事件専門の弁護士 福岡県那珂川市 

福岡県那珂川市に住むAさん(25歳)は,車を運転中,スマートフォンを脇見し,前方道路を横断していたVさん(70歳)に気付かず,車をVさんに衝突させて路上に転倒させるなどし,搬送先の病院で死亡させる交通死亡事故を起こしました。Aさんは,刑事事件の対応を含め,示談交渉を刑事事件専門の弁護士に依頼しました。
(フィクションです)

~ 交通死亡事故の過失,法定刑は ~

本件のような自動車運転中に過失により人を死亡させた交通死亡事故については,自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条に規定されています。当然のことながら,自動車運転者には「前方左右をよく確認しながら運転する注意義務」があるわけですが,スマートフォンを脇見しながら車を運転し,その注意義務を怠ったことが過失と言えるのです。5条に規定された法定刑は,7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。

~ 交通死亡事故で示談する刑事事件上の意義 ~

交通死亡事故示談する刑事事件上の意義は
1 正式裁判を回避できる(略式裁判での罰金刑で済む)
2 正式裁判になったとしても軽い量刑となる
可能性があることです。
交通死亡事故の場合,結果の重大性に鑑みると起訴猶予での不起訴は考え難いです。よって,まずは,上記1の正式裁判の回避を目指します。そのためには,検察官が刑事処分を出す前示談を成立させなければなりません。しかし,ご遺族側とすれば,何も加害者の刑事処分が決まる前に示談しなければならない理由はありません。ですから,この場合,刑事処分前に示談できるよう,検察官,ご遺族側の弁護士等と円滑に交渉を進めていく必要があるのです。仮に,ここで示談できなかったとしても,その後示談できれば正式裁判で執行猶予付き判決を獲得できたり,懲役刑ではなく罰金刑となる可能性は残ります。

交通死亡事故の場合,病院へのお見舞い,葬儀・四十九日への参加等初期の対応が極めて重要となります。ここで対応を誤ると,示談が不可能となるといっても過言ではありませんから,はやめに刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご依頼いただくことをお勧めいたします。

« Older Entries

keyboard_arrow_up

0120631881 無料相談予約はこちら LINE予約はこちら