Archive for the ‘告訴事件’ Category

告訴と告発の違い 

2020-04-11

告訴、告発の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県大牟田市に住むAさんは,日頃のVさんに対する鬱憤を晴らす目的で,Vさん方駐車場に停めてあったVさんの車に千枚通しを使ってキズを付けました。その後,Aさんは,福岡県大牟田警察署器物損壊罪逮捕されました。Vさんからの被害届を受け警察が捜査を始めたところ,駐車場に設置していた防犯カメラ映像にAさんの犯行の一部始終が映っていたことから逮捕につながったようです。Aさんの妻は,Aさんとの接見を刑事事件専門の弁護士に依頼しました。
(フィクションです)

~器物損壊罪~

器物損壊罪は、刑法261条に規定されています。

刑法261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

「前三条に規定するもの」とは、公用文書等(刑法258条)、私用文書等(刑法259条)、建造物等(刑法260条)を指しますから、器物損壊罪の対象(客体=「他人の物」)とは、これら以外の有体物ということになります。ちなみに、動物も「物」に含まれます。
ここでの「損壊」とは動物以外への毀棄、「傷害」とは動物に対する毀棄をいいます。毀棄とは、物理的な毀損・破壊行為のみならず、ひろく物の本来の効用を失わせる行為を含むと解されています。

器物損壊罪の罰則は、上記のとおり

3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料

です。科料(1万円未満)も定められていますが、器物損壊罪において科料が科されるケースは稀だと思います。

器物損壊罪は検察官が起訴するには告訴を必要とする親告罪です。裏返せば、告訴がなければ必然的に不起訴となります。
親告罪は他にも,未成年者略取・誘拐罪(刑法224条),名誉棄損罪(刑法230条),侮辱罪(刑法231条),過失傷害罪(刑法209条),親族間の窃盗罪(刑法244条2項,235条等)などがあります。

親告罪において不起訴を目指すには、一刻もはやく被害者と示談し、被害者に告訴を取消していただく必要があります。
被害者との示談は交渉に慣れた弁護士にお任せください。

~告訴,告発の違い ~

告訴とは,犯罪の被害者その他法律上告訴権を有する者が,捜査機関(検察官,司法警察員)に対し,犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示をいいます。告訴は書面でも口頭でもすることが可能ですが,書面による場合は被害届と異なり,代筆は許されません。被害事実と処罰意思を記載した告訴権者名義入りの書面(告訴状)を提出する必要があります。

他方、告発とは,犯人又は告訴権者以外の第三者から捜査機関に対し,犯罪事実を申告して,犯人の処罰を求める意思表示をいいます。告発も告訴同様,書面あるいは口頭によることが可能です。

告訴告発は,犯人に対する処罰を求める意思表示という点で共通していますが,次の点で異なります。
まず,告訴は,告訴権者が決められているのに対し,告発は,犯罪があると思料するときは誰でもすることができます。また,告発は,告訴のように期間が決められているわけではありません。よって,時効完成までの告発は有効ということになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は,器物損壊罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は,まずはお気軽に0120-631-881までご連絡ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。

【名誉棄損】告訴取消し

2020-02-29

【名誉棄損】告訴取消し

名誉棄損不起訴獲得について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県大川市に住む会社員のAさんは、ある日突然、長年交際していた同僚のVさんから別れを告げられてしまいました。これに、憤りを感じたAさんはSNS上に、「Vは枕営業(性交等の対価として契約をとるといった意味の俗語)で営業成績を残している売女だ」「Vは課長とも部長とも寝ている」など投稿しました。すると、Aさんは、福岡県筑後警察署の警察官から名誉棄損罪の被疑者として警察署に出頭するよう言われてしまいました。Vさんの友人がこの投稿を発見しVさんに伝えたところ、Vさんが福岡県筑後警察署に告訴状を提出したようです。Aさんは月日が経つにつれ反省の度合いを深め、現在ではVさんに謝罪して示談し、告訴を取り消していただきたいと考えています。
(フィクションです。)

~名誉毀損罪~ 

名誉棄損罪は刑法230条に規定されています。

刑法230条
1 公然と事実を摘示し、人の名誉を棄損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
 
「公然と」(公然性)とは、不特定又は多数人が認識できる状態をいい、必ずしも現実に認識したことは必要ではありません。
特定であっても多数であれば、あるいは、少数であっても不特定であれば、「公然と」と言えます。
SNSは公然性が認められるでしょう。

「事実を摘示」とは、人の社会的評価を低下させるに足りる「具体的な事実」を表示することをいいます。
まず、ポイントとなるの摘示する対象が「具体的な事実」という点です。
「意見、憶測」は「具体的な事実」には当たりませんから侮辱罪(刑法に問われることはあっても名誉棄損罪に問われることはありません。

刑法231条
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

また、よく勘違いされるのが、摘示した「具体的な事実」の「事実」は真実か虚偽かを問いません。
つまり、Vさんが枕営業をしている、会社の課長、部長と寝ていることが仮に虚偽だとしても「事実」」に当たります。

「名誉」とは人の社会的評価又は価値のことをいいます。
「毀損」とは、人の社会的評価又は価値を低下させることをいいます。ただし、その評価、価値が現実に低下したことまでは必要とされていません。

なお、名誉棄損罪は以下のすべての要件を満たす場合は成立しません(刑法230条の2)。
憲法上保障される表現の自由との調和を図る趣旨です。

① 事実の公共性 
② 公益目的
③ 事実の真実性 

本件では、①事実の公共性や②公益目的を認めることは困難でしょう。

~名誉棄損罪は被害者の告訴を必要とする罪~

名誉棄損罪は、被害者の告訴がなければ公訴提起(起訴)できない親告罪です。

刑法232条
この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

名誉棄損罪による処罰を免れたい方は、まずは被害者に謝罪し示談交渉をはじめて示談を成立させ、被害者に告訴を取り消してもらう必要があります。
しかし、被害者の処罰感情が強いことも予想されますから、示談交渉、告訴取消しをご希望される場合は弁護士にご依頼ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、名誉棄損罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談(★無料法律相談サービスのご案内はこちら→★無料法律相談のご案内★)、初回接見サービス(★初回接見サービスのご案内はこちら→★初回接見サービスのご案内★)を24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。

【告訴】被害届と告訴の違い

2020-02-20

【告訴】被害届と告訴の違い

被害届告訴の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県太宰府市に住むAさんは、Vさん方駐車場に停めてあったVさんの車のボンネット等を金づちで数回叩き、Vさんの車を損壊(損害額約30万円)させました。これを見たVさんは福岡県筑紫野警察署に告訴状を提出し、捜査の結果、Aさんが犯人であることが特定されました。そして、Aさんは福岡県筑紫野警察署に器物損壊罪の容疑で呼び出しを受けてしまいました。Aさんは自分が犯人であることを認めており、被害者と示談して被害者に告訴を取り消してもらいたいと考えています。そこでAさんは、告訴事件の経験豊富な弁護士に無料法律相談することにしました。
(フィクションです。)

~被害届と告訴の違い~

被害届とは、捜査機関(主に警察)に対し被害があった旨を申告した届出のことをいいます。器物損壊罪でいえば、いつ、どこで、何を壊されたのか、被害額はいくらなのか、届出を出すまでの経緯はどうかといったことを捜査員に聴取され、捜査員が「被害届」という書類に代筆します。刑事訴訟法に被害届に関する規定はありません。
他方、告訴とは、犯罪の被害者その他法律上告訴権を有する者が、捜査機関(検察官、司法警察員)に対し、犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示をいいます。告訴は書面でも口頭でもすることが可能ですが、書面による場合は被害届と異なり、代筆は許されません。被害事実と処罰意思を記載した告訴権者名義入りの書面(告訴状)を提出する必要があります。

被害届は被害があった旨の申告であるのに対し、告訴はそれに加えて処罰を求める意思表示が必要な点で異なります。
また、告訴は、告訴できる方(告訴権者)が刑事訴訟法で決められているのに対し、被害届に関してはそのような決まりはありません。さらに、告訴は、「犯人を知った日から6か月を経過したとき」はすることができませんが、被害届にはそのような決まりはありません(時効が完成するまで提出することができます)。

~器物損壊罪は親告罪~

器物損壊罪は、告訴がなければ公訴を提起(起訴)することができない罪で、これを「親告罪」と言います。
ですから、Aさんが公訴を提起されず、裁判を受けずに済むため(不起訴を獲得するため)には、Vさんに告訴を取消してもらう必要があります。

刑法264条
第259条、第261条及び前条の罪は、告訴がなければ控訴を提起することができない。

刑法261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
 
Vさんに告訴を取り消してもらうためには、まずはVさんに対し真摯に謝罪し、速やかに示談交渉に移る必要があるでしょう。
しかし、当事者間での示談交渉は感情のもつれなどもあって非常に困難を伴いますから、被害者との示談交渉はに弁護士に依頼することをお勧めいたします。
弁護士であれば適切な内容で示談を成立させることが可能であり、その結果、Vさんに告訴を取消していただき、不起訴という刑事処分を獲得できる可能性も上がります。
また、この場合、Aさんに前科も付きません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、器物損壊罪などの告訴事件をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。

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【名誉棄損】告訴取消し~福岡県福津市

2020-01-28

【名誉棄損】告訴取消し~福岡県福津市

前科公表の名誉棄損告訴取消しについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県福津市に住むAさんは、飲食店の口コミサイトで、福岡市内にある敵対するレストランの口コミ欄に「ここの店主は前科持ちだ。」という書き込みをしました。そうしたところ、Aさんは福岡県宗像警察署に名誉棄損罪の被疑者として呼び出しを受けてしまいました。Aさんは弁護士に相談すると、名誉棄損罪は被害者の告訴を必要とする親告罪であることを教えてもらいました。そこで、Aさんは被害者に謝罪し、示談を成立させた上で、被害者に告訴を取り消してもらいたいと考えています。
(フィクションです。)

~ 名誉毀損罪 ~ 

名誉棄損罪は刑法230条に規定されています。

刑法230条
1 公然と事実を摘示し、人の名誉を棄損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
 
「公然と」(公然性)とは、不特定又は多数人が認識できる状態をいい、必ずしも現実に認識したことは必要ではありません。
特定であっても多数であれば、あるいは、少数であっても不特定であれば、「公然と」と言えます。
飲食店の口コミサイトの口コミ欄は、インターネットを通じて誰でも閲覧可能ですから公然性を認めることができます。

「事実を摘示」とは、人の社会的評価を低下させるに足りる「具体的な事実」を表示することをいいます。
まず、ポイントとなるの摘示する対象が「具体的な事実」という点です。
つまり、たとえば、「この店の●●はまずい」などというような「意見、憶測」は「具体的な事実」には当たりません(侮辱罪に問われる可能性はあります)。
また、よく勘違いされるのが、摘示した「具体的な事実」は、結果として真実でも虚偽の事実でも問いません。
つまり、店主が「前科持ち」ということが真実でも虚偽でも「具体的な事実」を摘示したことに当たります。
もっとも、前科というのは個人情報の最たるものですから、検察庁というお役所が現住に管理しており、一般私人が知る由はありません。
したがって、店主が前科持ちという事実は虚偽である可能性もあります。

「名誉」とは人の社会的評価又は価値のことをいいます。
「毀損」とは、人の社会的評価又は価値を低下させることをいいます。ただし、その評価、価値が現実に低下したことまでは必要とされていません。
Aさんが、店主は前科持ちと摘示する行為は、人の社会的評価を害するおそれのある行為といえ「名誉を毀損」したことに当たるでしょう。

もっとも、以下のすべての要件を満たす場合は名誉棄損罪は成立しません(刑法230条の2)。
事実の摘示行為は表現の自由として憲法上保障される権利であり、個人の名誉権との調和を図る趣旨です。

① 事実の公共性 
② 公益目的
③ 事実の真実性 

Aさんは敵対するレストランを攻撃する意図で本件書き込みをしたものと考えられます。
そこで、少なくとも②を認めることは困難でしょう。

~ 名誉棄損罪は被害者の告訴を必要とする罪 ~

名誉棄損罪は、被害者の告訴がなければ公訴提起(起訴)できない親告罪です。

刑法232条
 この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

名誉棄損罪による処罰を免れたい方は、まずは被害者に謝罪し示談交渉をはじめて示談を成立させ、被害者に告訴を取り消してもらう必要があります。
しかし、被害者の処罰感情が強いことも予想されますから、示談交渉、告訴取消しをご希望される場合は弁護士にご依頼ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、名誉棄損罪をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。刑事事件でお困りの方、告訴取消しをご希望の方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。

【告訴事件】北九州市小倉北区~器物損壊罪で緊急逮捕?

2019-12-05

【告訴事件】北九州市小倉北区~器物損壊罪で緊急逮捕?

器物損壊罪緊急逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

Aさんは、会社の飲み会で大量にお酒を飲み、泥酔した状態で北九州市小倉北区にある自宅の最寄り駅に着きました。そして、Aさんが駅の近くにあったVさん管理の自動販売機でペットボトル入りの水を買おうとしたところ、自動販売機が故障しており、お金を入れてボタンを押してもペットボトルが出てきませんでした。そのことに腹を立てたAさんは、右足で自動販売機の飲料の取り出し口を思いっきり蹴って取り出し口を壊し、周囲に「ガン」という大きな音を響かせました。その後、Aさんは自宅に向かって歩いていたところ、福岡県小倉北警察署の警察官の職務質問を受け、通報内容と背格好、服装が似ていることなどから器物損壊罪緊急逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたAさんの家族は、Aさんとの接見を弁護士に依頼しました。
(フィクションです。)

~ 器物損壊罪とは ~

器物損壊罪は、刑法261条に規定されています。

刑法261条
 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

「前三条に規定するもの」とは、公用文書等(刑法258条)、私用文書等(刑法259条)、建造物等(刑法260条)を指します。よって、器物損壊罪の対象(客体=「他人の物」)とは、これら以外の有体物ということになります。ちなみに、動物も「物」に含まれます。
ここでの「損壊」とは動物以外への毀棄、「傷害」とは動物に対する毀棄をいいます。毀棄とは、物理的な毀損・破壊行為のみならず、ひろく物の本来の効用を失わせる行為を含むと解されています。

器物損壊罪の罰則は、上記のとおり

3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料

です。科料(1万円未満)も定められていますが、器物損壊罪において科料が科されるケースは稀だと思います。

~ 緊急逮捕とは ~

緊急逮捕とは、重大な犯罪を犯したと疑うに足りる充分な理由がある場合に逮捕状なしで逮捕し、逮捕後に裁判官の発する逮捕状を必要とする手続のことをいいます(刑事訴訟法210条)。「重大な犯罪」とは、

死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪

のことで、たとえば、

・殺人罪
・傷害罪
・強盗罪
・窃盗罪
・強制性交等罪
・強制わいせつ罪
・詐欺罪
・恐喝罪
・横領罪
・公務執行妨害罪
・住居侵入罪
・名誉毀損罪

などの罪がこれにあたります。
ちなみに、器物損壊罪は、法定刑が「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」ですから、「長期3年以上」に当たり(3年以下は3年以上に含まれます)、やはり緊急逮捕の対象となります。
他方、

・暴行罪
・脅迫罪

などは「死刑又は無期若しくは長期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪」に当たらず緊急逮捕の対象ではありません。

~ 告訴取消し、不起訴 ~

器物損壊罪は、告訴がなければ公訴を提起(起訴)することができない罪で、これを「親告罪」と言います。
ですから、Aさんが公訴を提起されず、裁判を受けずに済むため(不起訴を獲得するため)には、Vさんに告訴を取消してもらう必要があります。

刑法264条
 第259条、第261条及び前条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

Vさんに告訴を取り消してもらうためには、まずはVさんに対し真摯に謝罪し、速やかに示談交渉に移る必要があるでしょう。
しかし、当事者間での示談交渉は感情のもつれなどもあって非常に困難を伴いますから、被害者との示談交渉はに弁護士に依頼することをお勧めいたします。
弁護士であれば適切な内容で示談を成立させることが可能であり、その結果、Vさんに告訴を取消していただき、不起訴という刑事処分を獲得できる可能性も上がります。
また、この場合、Aさんに前科も付きません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。

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間接正犯で器物損壊罪の告訴取消し

2019-07-07

間接正犯で器物損壊罪の告訴取消し

福岡県太宰府市に住むAさんは隣に住むVさん家族が夫婦仲睦まじく、週末は必ず遠出するなど裕福な生活を送っていることを妬んでいました。そこで、Aさんは、Vさんの夫が日頃運転している、Vさん方駐車場に停められている高級外車に傷をつけてやろうと考えました。しかし、自ら直接傷をつけると万が一見つかった場合に、今後の付き合いに支障が出てはいけないと思い、いたずら好きな息子B君(9歳)に、「ねえ、B君、あの車、隣の人が傷つけていいっていってたよ。」「傷つけてきてごらん。」といいました。B君はAさんから言われるがまま、Vさん夫が運転する高級外車の運転席ドアに長さ10センチほどの傷をつけました。そのとき、Vさんが自宅から出てきてB君を捕まえました。VさんがB君から事情を聴くと、B君は「お母さんから傷つけていいって言われたから。」といいました。そうして、後日、Aさんは、Vさんから福岡県筑紫野警察署告訴状を提出され、器物損壊罪で事情を聴かれることになりました。
(フィクションです)

~ 器物損壊罪とは ~

器物損壊罪は、刑法261条に規定されています。

刑法261条
 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

「前三条に規定するもの」とは、公用文書等(刑法258条)、私用文書等(刑法259条)、建造物等(刑法260条)を指しますから、器物損壊罪の対象(客体=「他人の物」)とは、これら以外の有体物ということになります。ちなみに、動物も「物」に含まれます。
ここでの「損壊」とは動物以外への毀棄、「傷害」とは動物に対する毀棄をいいます。毀棄とは、物理的な毀損・破壊行為のみならず、ひろく物の本来の効用を失わせる行為を含むと解されています。

器物損壊罪の罰則は、上記のとおり

3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料

です。科料(1万円未満)も定められていますが、器物損壊罪において科料が科されるケースは稀だと思います。

~ Aさんは処罰される?(間接正犯について) ~

ところで、今回、実際に車に傷つけている人(これを「正犯」といいます)はV君です。法律上は、実際に犯罪に当たる行為をした者を処罰するのが原則です。しかし、V君は14歳未満の刑事未成年者であり、V君を刑法上の罪に問うことはできません。

では、Aさんはどうでしょうか?この場合、Aさんは実際に犯罪に手を下していない、犯罪に当たる行為をしていないからといって処罰できないとするのでは、あまりにも不合理です。そこで、実務などでは、Aさんを間接正犯として処罰できるとしています。
間接正犯とは、間接的に正犯を実行する、つまり

人を道具として使って犯罪を実行すること

をいいます。間接正犯には

・被利用者(V君)が責任能力を欠く場合(本件の場合)
・被利用者が強制により意思を抑圧されている場合
・被利用者に故意がない場合
・被利用者の行為が適法である場合

などがあります。
間接正犯も正犯と刑責は同じですから、減軽事由などはありません。正犯と同じく、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処せられる可能性があります。

~ 器物損壊罪は親告罪 ~

告訴がなければ、検察が公訴を提起(起訴)できない犯罪を親告罪といいます。器物損壊罪は親告罪です。他にも,未成年者略取・誘拐罪(刑法224条),名誉棄損罪(刑法230条),侮辱罪(刑法231条),過失傷害罪(刑法209条),親族間の窃盗罪(刑法244条2項,235条等)などがあります。

* かつては親告罪,現在は非親告罪 *

他方で、告訴が不要な犯罪を非親告罪といいます。ほとんどの罪が非親告罪ですが,性犯罪の中には親告罪だと誤解されやすい犯罪もありますから注意が必要です。以下の犯罪は、すべて非親告罪です。強制わいせつ罪(刑法176条),準強制わいせつ罪(刑法178条1項),強制性交等罪(旧強姦罪)(刑法177条),準強制性交等罪(旧準強姦罪)(178条2項),ストーカー規制法のストーカー行為の罪(同法18条),営利目的等(わいせつ・結婚目的等)略取・誘拐の罪(刑法225条)など。

~ 告訴取消し,不起訴を求めるなら示談を ~

親告罪において,告訴取消されれば起訴されることは絶対にありません。つまり,確実に不起訴処分を獲得できます。不起訴処分の獲得を目指すに当たっては,まずは被害者様に謝罪の意を示し,示談交渉を始めて示談締結を目指します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、器物損壊罪など親告罪などの刑事事件を専門の法律事務所です。被害者との示談から告訴取消し、不起訴処分獲得をご検討中の方は、弊所の無料法律相談初回接見サービスのご利用をご検討ください。

政治家ポスターへの落書きと器物損壊罪

2019-05-24

政治家ポスターへの落書きと器物損壊罪

福岡県飯塚市に住むAさん(70歳)は、政治信条として現在の政権与党の政策に強い反対を示しており、その意思表示のため、同市内にある党事務所前に設置されていた首相や党員ポスターの顔に落書きしました。ちょうどそのとき、Aさんは、落書きを警戒していた党事務職員に犯行を目撃され、通報を受け駆け付けた飯塚警察署の警察官に器物損壊罪で現行犯逮捕されました。逮捕の通知を受けたAさんの妻はショックを隠し切れず、早急にAさんを釈放してもらいたいと思い、Aさんとの接見を弁護士に依頼しました。
(フィクションです。)

~ ポスターへの落書きは器物損壊罪 ~

器物損壊罪は刑法261条に規定されています。

刑法261条
 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

首相や党員のポスターが「他人の物」であることは明らかでしょう。
また、「損壊」とは、物の本来の効用を失わせることをいうとされています。したがって、ポスターの場合、「破った」だけではなく、ポスター落書きした場合も「損壊」に当たる可能性があるのです。

~ 政治的意図は関係ある? ~

よくこの種の事案が話題となった場合、

ポスターへの落書きは政治的意思の表明の一環だ
・政治的意思の表明は憲法で保障されている「表現の自由(憲法19条)」の一部だ
・これを取り締まることは、権力の横暴だ、憲法違反だ

などという声を目にすることがあります。確かに、一般的に、形式的には罪に当たる行為であっても、それが正当防衛(刑法36条)、緊急避難(刑法37条)、正当行為(刑法35条)などに当たるのであれば違法性が阻却され(違法性が「ない」ということになり)、罪に問われることはありません。しかし、当該行為が政治的意思表明の一環で、それが憲法の保障する表現の自由の一部だったとしても違法性は阻却されないと考えられます。なぜなら、表現の自由が憲法21条で保障されているといっても、

公共の福祉(憲法12条、13条)による制約があり、他人の権利を侵してまで表現することが認められているわけではない

からです。

憲法12条
 この憲法が国民に保障する事由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又は、これを濫用してはならないのであって、公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。

憲法13条
 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

表現の自由といっても全く無制約や権利ではなく「公共の福祉」による制約を受けるということになるのです。

* 公共の福祉とは *

「公共の福祉」の意味については、様々な説がありますが、通説は、憲法上の規定にかかわらずすべての人権に論理必然的に内在している、人権相互の矛盾・衝突を調整するための実質的公平の原理としています。
本件の場合、Aさんの「表現の自由」と党事務所のポスターへの「財産権」が衝突している場面ですが、本件では「財産権」が優先されるでしょう。なぜなら、Aさんとすれば、当事務所に直接意見を言う、手紙等を郵送する、電話をするなど政治的意思を表明するため他に取り得る手段はいくらでもあったからです。

~ 器物損壊罪は親告罪 ~

器物損壊罪は、刑事告訴がなければ検察官が起訴することができない「親告罪」です。したがって、すでに刑事告訴されたという場合、起訴を回避する(不起訴処分を獲得する)ためには、被害者(本件の場合、党ポスターを管理する管理者)に告訴を取消していただく必要があります。被害者に告訴を取消していただくには、まずは被害者に誠心誠意謝罪し、示談交渉を始めて示談を締結させることが必要でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,器物損壊罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。弊所には示談交渉を得意とする弁護士が所属しております。お困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

保護命令下での未成年者略取罪

2019-04-24

保護命令下での未成年者略取罪

会社員のAさん(37歳)は,大牟田市内の一軒家で,妻(33歳)と長女(3歳)の3人で暮らしています。しかし,Aさんは,日頃の妻に対する不満などから日常的に暴力を繰り返すようになり,お互い別居することとなりました(長女は妻が引き取る)。そして,Aさんは,ある日突然,裁判所から「保護命令」を受けました。その内容を見ると,「6か月間,申立人(妻)の身辺につきまとったり,申立人の住居や勤務先等の付近をうろつくことを禁止する」「6か月間,申立人と同居している子の身辺につきまとったり,住居や学校等その通常いる場所の付近をうろつくことを禁止する」と書かれておりました。一方的に保護命令を申し立てられたことや,子供との接触を禁止されたことに激怒したAさんは,妻と長女が住む自宅へ行き,妻が不在の間に長女を無理矢理自宅へ連れ戻しました。その後,Aさんは,未成年者略取罪福岡県大牟田警察署に逮捕されてしまいました。そこで,Aさんの両親が,弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)

~ 保護命令とは ~

保護命令とは,裁判所が,被害者からの申し立てに基づき,その生命又は身体に危害を加えられることを防止するため,相手方に対し,次の行動をしてはならない旨の命令をいい,要件や手続等は,配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律という法律に規定されています。

①被害者への接近(つきまとい,住居,勤務先その他通常所在する場所の付近のはいかい)
②被害者と生活の本拠としている住居からの退去及び当該住居付近のはいかい
③被害者への電話等
④子への接近
⑤親族等への接近

* 保護命令に違反したら? *

保護命令に違反したら,配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律29条により処罰される可能性があります。法定刑は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。

~ 未成年者略取罪とは ~

未成年者略取誘拐罪は刑法224条に規定されています。関連する規定をご紹介します。

刑法224条
 未成年者を略取し,又は誘拐した者は,3月以上7年以下の懲役に処する。

刑法229条
 第224条の罪(略)は,告訴がなければ公訴を提起することができない。

「略取」とは,略取された者の意思に反する方法,すなわち暴行,脅迫を手段とする場合や,誘惑に当たらない場合でしかも相手方の真意に反する方法を手段として,未成年者を自分や第三者の支配下に置くこと,「誘拐」とは,欺罔(騙すこと)や誘惑を手段として,他人を自分や第三者の支配下に置くことをいいます。「誘拐」と「略取」とをあわせて「拐取」ということもあります。

* 未成年者誘拐罪は親告罪 *

刑法229条からわかるように,本罪は告訴がなければ公訴提起(起訴)できない親告罪です。よって,すでに捜査機関に告訴が提出されている場合,告訴を取消してもらうことによって公訴提起(起訴)及びその後の刑事裁判を回避することができます。

~ 本件の弁護活動 ~

まずは,妻と示談交渉を始め,示談成立を目指します。示談を成立させることができれば,妻に告訴を取消してもらえる可能性が高くなります。その場合,弁護士が間に入ることが必要です。本件のような場合,当事者同士では,まず示談を成立させることは期待できないでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,未成年者略取罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

過失傷害罪で告訴取消し

2019-03-19

過失傷害罪で告訴取消し

北九州市若松区に住むAさん(31歳)は,交際中のVさん(28歳)と居酒屋へ行きました。AさんとVさんはお座敷の小さなテーブルを挟んで対面して座りました。Aさんは,そこで突然,Vさんから別れ話を突き付けられました。驚いたAさんは,Vさんに理由を聞きましたが納得できず,Vさんと口論となりました。そして,タバコを吸っていたAさんは,テーブルの上に置いてあったガラス製の灰皿を机の上に向けて叩きつけたところ,ガラスコップが割れ,破片の一部をVさんの顔面部に飛散させてしまいました。Vさんは,それにより,加療約10日間の前額部切創の傷害を負いました。後日,Aさんは,Vさんから福岡県若松警察署宛に告訴状が提出され,過失傷害罪で取調べを受けることになりました。
(フィクションです)

~ 過失傷害罪(刑法209条) ~

過失傷害罪は,刑法209条1項に規定されています。

刑法209条1項
 過失により人を傷害した者は,30万円以下の罰金又は科料に処する。

同罪の「過失」とは,不注意により,人を傷害することに対する認識,認容(そうなっても構わない,仕方がないという意図)を欠いていることをいいます。「不注意」があったというためには,①傷害の発生を認識,予見することができ,②傷害の発生を回避するために必要な措置を講ずることができた,といえることが必要です。

まず,①についてですが,AさんとVさんは小さなテーブルを挟んで座っていたのですから,ガラスコップをテーブルに叩きつければガラスコップが割れ,破片が飛散してVさんに危害を与えるであろうことは容易に認識,予見できたと考えられます。また,②ガラスコップを叩きつけなければ,ガラスコップは割れなかったですし,ガラスコップを叩きつけないという行為は容易に取ることができます。
つまり,今回のケースでは,Aさんには「過失」ありと判断されるおそれが極めて高いです。

* 故意ありとされた場合は? *

過失ではなく故意がある(人の傷害に対する認識,認容がある)と判断された場合は傷害罪に問われるおそれがあります。傷害罪の法定刑は15年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。傷害罪は過失傷害罪と異なり親告罪(検察官の公訴提起(起訴)に告訴を必要とする罪)ではありません。

~ 過失傷害罪は親告罪 ~

検察官が公訴を提起(起訴)するにあたって被害者等の告訴を必要とする犯罪を親告罪といいます。そもそも,告訴とは,被害者等が捜査機関に対し,犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示をいいます。よって,親告罪が設けられたのは「被害者の処罰を求める意思」を尊重するためにあるとも考えられるのです。

刑法209条2項
 前項の罪(過失傷害罪)は,告訴がなければ公訴を提起することができない。

* 刑法に規定される親告罪 *

刑法に規定される親告罪は,過失傷害罪の他にも,未成年者略取・誘拐罪(刑法224条),名誉棄損罪(刑法230条),侮辱罪(刑法231条),器物損壊罪(刑法261条)などがあります。

~ 親告罪で不起訴を目指すなら ~

先ほどもご説明したとおり,親告罪は被害者等の処罰意思を尊重する制度ですから,検察官が公訴を提起する前に被害者等が「処罰は望まない」「許してほしい」などといって告訴取消すことができます。被害者等が告訴取消せば,刑事処分は自動的に「不起訴(親告罪の告訴取消し)」となります。
このように,被害者の方々の処罰感情を緩和させ,告訴取消していただくには,まずは被害者の方々に誠心誠意謝罪した上で,示談交渉を開始し,お互い納得のいく条件で示談を成立させることが肝要かと考えます。交渉には様々な困難が伴いますし,のちのちのトラブルを防ぐには適切な内容・形式で示談を成立させる必要があります。そのためには弁護士の力が必要です。

* 起訴後を告訴を取消すことは可能か? *

起訴後に告訴取消すことはできません(刑事訴訟法237条1項)。よって,示談による告訴取消しを目指す場合は,検察官の公訴提起(起訴)前に示談を成立させる必要があります。

刑事訴訟法237条1項
 告訴は,公訴の提起があるまでにこれを取り消すことができる。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,過失傷害罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は,まずはお気軽に,「0120-631-881」までお電話ください。初回接見サービス無料法律相談を24時間受け付けております。

被害届,告訴,告発の違い

2019-03-13

被害届,告訴,告発の違い

福岡県大牟田市に住むAさんは,日頃のVさんに対する鬱憤を晴らす目的で,Vさん方駐車場に停めてあったVさんの車に千枚通しを使ってキズを付けました。その後,Aさんは,福岡県大牟田警察署に器物損壊罪で逮捕されました。Vさんからの被害届を受け警察が捜査を始めたところ,駐車場に設置していた防犯カメラ映像にAさんの犯行の一部始終が映っていたことから逮捕につながったようです。Aさんの妻は,Aさんとの接見を刑事事件専門の弁護士に依頼しました。
(フィクションです)

~ 被害届,告訴,告発 ~

被害届告訴告発という言葉は耳にされる方が多いと思われます。しかし,その意味や違いについてはっきり認識されている方は少ないと思われます。そこで,今回は,被害届告訴告発の意義やその違いについてご紹介いたします。

= 被害届 =

被害届とは,捜査機関(主に警察)に対し被害があった旨を申告した届出のことをいいます。器物損壊罪でいえば,いつ,どこで,何を壊されたのか,被害額はいくらなのか,届出を出すまでの経緯はどうかといったことを捜査員に聴取され,捜査員が「被害届」という書類に代筆します。刑事訴訟法に被害届に関する規定はありません。

= 告訴 =

告訴とは,犯罪の被害者その他法律上告訴権を有する者が,捜査機関(検察官,司法警察員)に対し,犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示をいいます。告訴は書面でも口頭でもすることが可能ですが,書面による場合は被害届と異なり,代筆は許されません。被害事実と処罰意思を記載した告訴権者名義入りの書面(告訴状)を提出する必要があります。

= 告発 =

告発とは,犯人又は告訴権者以外の第三者から捜査機関に対し,犯罪事実を申告して,犯人の処罰を求める意思表示をいいます。告発告訴同様,書面あるいは口頭によることが可能です。

* 告訴,告発した後は? *

告訴告発をしても捜査機関が受理してくれないことがあります。その理由は,告訴告発も犯罪事実を申告することですから,そもそも告訴告発状の内容が犯罪事実を申告していないこと,形式的に不備があることなどがあるようです。不受理となれば捜査が開始されることはありません。

~ 被害届,告訴,告発の違い ~

以上,被害届告訴告発の意味についてご紹介いたしました。これからは,三者の違いについてみていきたいと思います。

= 被害届と告訴の違い =

上記でもご紹介しましたが,被害届は被害があった旨の申告であるのに対し,告訴はそれに加えて処罰を求める意思表示が必要な点で異なります。
また,告訴は,告訴できる方(告訴権者)が刑事訴訟法で決められているのに対し,被害届に関してはそのような決まりはありません。さらに,告訴は,「犯人を知った日から6か月を経過したとき」はすることができませんが,被害届にはそのような決まりはありません(時効が完成するまで提出することができます)。

= 告訴と告発の違い =

告訴告発は,犯人に対する処罰を求める意思表示という点で共通していますが,次の点で異なります。
まず,告訴は,告訴権者が決められているのに対し,告発は,犯罪があると思料するときは誰でもすることができます。また,告発は,告訴のように期間が決められているわけではありません。よって,時効完成までの告発は有効ということになります。

= 告訴と被害届・告発の違い =

検察官が公訴提起(起訴)時に告訴を必要とする犯罪を親告罪といいます。すなわち,告訴は公訴提起の条件であるのに対し,被害届告発はそのような条件ではありません。

* 親告罪 *

器物損壊罪は親告罪です。他にも,未成年者略取・誘拐罪(刑法224条),名誉棄損罪(刑法230条),侮辱罪(刑法231条),過失傷害罪(刑法209条),親族間の窃盗罪(刑法244条2項,235条等)などがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,器物損壊罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は,まずはお気軽に0120-631-881までご連絡ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。

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