Archive for the ‘傷害罪’ Category

【事例解説】傷害事件における「同時傷害の特例」の適用と弁護活動(遭遇した暴行現場に乗じた架空の事例に基づく解説)

2023-12-16

 共犯関係によらずに同時に加えられた暴行により発生した架空の傷害事件を参考に、傷害罪における「同時傷害の特例」の適用とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

 福岡市内在住の男性Aは、帰宅途中に、以前トラブルが起きた知人のVが、Bに暴行されている現場に遭遇しました。Bが現場を立ち去った後、AはVへの恨みから、路上に倒れ込んでいるVの顔面を1回足蹴し、立ち去りました。
 なお、AとBに面識はなく、共同してVに暴行するという意思の疎通はありませんでした。
 Vは、一連の暴行により、鼻骨骨折と肋骨骨折の怪我を負い、Aは、後日、Vに対する傷害の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

傷害罪における「同時傷害の特例」とは

 本件で、AとBに共同してVに暴行するという意思の疎通は認められないため、「二人以上共同して犯罪を実行した」として共犯(刑法第60条)が成立する可能性は低いと考えられます。
 この場合、Aの暴行(顔面の足蹴)がVの傷害(鼻骨骨折と肋骨骨折)に寄与したという、個別の因果関係が証明されなければ、「疑わしきは被告人の利益に」の原則により、Aに傷害罪が成立しないとも考えられそうです。

 しかしながら、こうした傷害事件においては、個々の暴行と傷害の因果関係の証明が一般的に容易でないことから、暴行を加えた者全員に傷害罪が成立しないという不合理な結論を回避するため、刑法207条で、2人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくとも、共犯の例による、と規定されています。
 これを「同時傷害の特例」と呼び、この特例が適用されると、Aの暴行とVの傷害の個別の因果関係の証明がなくとも、AにVに対する傷害罪が成立し得ることとなります。

「同時傷害の特例」が適用され得る傷害事件の弁護活動

 「同時傷害の特例」は、あくまで、個別の因果関係を推定する規定とされるため、自身の暴行が特定の傷害の発生に寄与していないとして、個別の因果関係がないことを立証し、推定を覆すことができれば、特定の傷害に対する傷害罪の責任を回避することが可能であると考えられます。

 また、判例によると、「同時傷害の特例」の適用の前提として、各人の暴行が特定の傷害を生じさせ得る危険性を有することが必要とされるため、例えば、暴行を加えた部位と全く異なる部位に生じた傷害については、そもそも特例の適用の前提を欠くと判断されることもあり得ます。

 そのため、本件で、Vの肋骨骨折の傷害については、Aの暴行(顔面の足蹴)が当該傷害を生じさせ得る危険性を有しない、又は発生に寄与していないとして、「同時傷害の特例」の適用や因果関係を争う余地があると考えられます。

 傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金と幅があり、負わせた傷害の程度が量刑に大きく影響し得ると考えられるため、本件で、鼻骨骨折での傷害罪の責任は争い難い場合であっても、肋骨骨折での傷害罪の責任を回避できれば、その分量刑を軽減できる可能性があります。

 このような事件では、同時に暴行を行った者が、自らの責任を軽くするため、暴行の態様について虚偽の供述をする可能性もあることから、不当に重い責任を負わされることのないよう、弁護士が被疑者との接見に際し、取調べ対応についてアドバイスを行うことが重要になると考えられます。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、傷害事件において、不起訴処分や刑の減軽を獲得している実績が数多くあります。
 傷害事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

【事例解説】正当防衛における「侵害の急迫性」について

2023-09-20

 運転手間でトラブルになり、相手を突き飛ばし負傷させた架空の傷害事件を参考に、正当防衛における「侵害の急迫性」の要件などについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

 福岡市内在住の自営業男性A(42歳)は、県道を自動車で走行中、男性V(48歳)の運転する自動車の割り込みに腹を立て、クラクションを鳴らしました。
 Aのクラクションに怒ったVが停車し、後続のA車両に駆け寄って来て口論となり、Vが窓からAの手首を掴んできたため、AはVを突き飛ばして転倒させ、車を発進させました。
 Vは転倒の際に全治3週間の手首の捻挫を負い、警察に被害届を提出したことで傷害事件として捜査が開始され、後日、Aは警察から取調べのための呼び出しを受けました。
(事例はフィクションです。)

正当防衛における「侵害の急迫性」の要件

 AがVを突き飛ばし転倒させたことで、全治3週間の怪我を負わせたことから、Aに傷害罪(刑法第204条)が成立すると考えられますが、Aは、手首を掴んできたVの暴行から身を守るために行った正当防衛であると主張することが考えられます。

 正当防衛の要件は、(1)急迫不正の侵害に対して(「侵害の急迫性」)、(2)自己又は他人の権利を防衛するため(「防衛の意思」)、(3)やむを得ずにした行為であること(「防衛行為の必要性・相当性」)、と定められています(刑法第36条第1項)。

 (1)「侵害の急迫性」について、「急迫」とは、相手方からの暴行などの法益侵害の危険が、現存又は切迫していること、とされます。
 侵害を予期できた場合でも急迫性は否定されないとされますが、その機会を利用し積極的に相手方に対して加害行為をする意思(「積極的加害意思」といいます。)で侵害行為を待っていたときなどは、侵害の急迫性の要件を充たさないとされます。

 「積極的加害意思」までなかったとしても、侵害の予期の程度や侵害回避の容易性などの観点から、警察などの公的機関の保護を求めずに反撃行為を行うことは相当でないとして、要件を充たさないとされる可能性があります。

 本件Aは、VがA車両に駆け寄ってきた時点で、Vから何らかの危害を加えられることも予期し得たと考えられるところ、すぐに自動車の窓や鍵を閉め、必要に応じて警察に通報するなどして、Vの暴行を容易に回避し得たともいえることから、この要件を充たさないと判断される可能性もあります。

傷害事件の弁護活動

 傷害罪で起訴され、正当防衛の主張が認められず有罪となれば、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられることとなります。

 本件は、先に述べたように、正当防衛の主張が容易に認められない可能性もあるため、被害者の怪我の程度も比較的軽微であることから、被害者との示談を成立させることにより不起訴処分で事件の終了を目指すことも、現実的な選択肢の一つと考えられます。

 弁護士であれば通常、示談交渉のために捜査機関から被害者の連絡先を教えてもらえると考えられ、刑事事件に強い弁護士であれば、しっかりした内容の示談が成立する可能性が見込まれ、不起訴処分で事件が終了する可能性を高めることが期待できます。

 仮に起訴されたとしても、刑事事件に強い弁護士であれば、現場の状況や目撃証言など被疑者に有利な証拠を収集し、正当防衛の成立が認められなかったとしても、刑の減軽や執行猶予の獲得に繋げる弁護活動を行うことが期待できます。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強く、傷害事件において、示談成立による不起訴処分を獲得している実績が多数あります。
 傷害事件で自身やご家族が警察の取調べを受けるなどしてご不安をお抱えの方、正当防衛が成立するのではないかと疑問を持たれる方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

【事例解説】配偶者の虐待を黙認した場合に罪に問われる可能性(後編)

2023-08-15

 前回に引き続き、同居の母に対する虐待の疑いで、傷害の容疑で息子夫婦が逮捕された架空の事件を参考に、配偶者による虐待を黙認した場合に共謀共同正犯や不作為の幇助犯として罪に問われる可能性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

 福岡市在住の会社員男性A(55歳)は、妻B(54歳)と母V(88歳)と3人で同居していましたが、Bは要介護認定を受け寝たきりのVの在宅介護のストレスから、Vの腕をつねるなどの虐待を行うようになりました。
 Aは、BからVに対する虐待が行われている様子を目にすることがあっても、Bとの関係悪化を恐れ、見て見ぬふりをしていました。
 Vの娘XがA宅を訪問した際、Vの腕の多数の内出血に気づき、AとBによる虐待を疑い警察に通報したことにより捜査が開始され、AとBはVへの傷害の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

 前回の前編では、共謀共同正犯の成立について解説しました。

不作為の幇助犯の成立について

 Aに傷害罪共謀共同正犯が認められなかった場合でも、BのVに対する暴行を黙認したことが、Aの犯行を手助けしたものとして、なお傷害罪幇助犯が成立するか問題となります。

 幇助犯の成立には、正犯の犯行を容易にする行為がなされたこと(作為)が通常必要とされるため、具体的な行為を行わなかったこと(不作為)を、作為と同視して処罰するには、(1)正犯の犯行を阻止する義務を有すること、(2)阻止することが可能かつ容易であったこと、が必要とされます。

 本件では、(1)について、Aは実母であるVの扶養義務(民法877条)を負う上、要介護認定を受け寝たきりのVと妻Bの3人で同居していることから、BのVに対する虐待が行われている様子を目にした場合は、それを阻止する義務を有すると認められる可能性があります。
 (2)について、AはBの夫であり、特段の事情がない限り、Vに対する暴行を阻止することが可能かつ容易であったと認められる可能性が高いと考えられます。

 なお、子の虐待死事件において、夫から子への暴行を阻止する行為をとらなかった妻に対し、傷害致死罪の幇助犯を認定した裁判例があります。

虐待を黙認したことで逮捕された場合の弁護活動

 傷害罪共謀共同正犯の場合、通常の法定刑である15年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される可能性があり、幇助犯の場合でも、刑の減軽はされますが、なお懲役刑の実刑などの重い処罰を受ける可能性はあります。

 共謀共同正犯不作為の幇助犯の成立の認定に際し、実行行為者との意思の連絡の有無犯行への関与の形態などについて、逮捕後の取調べで厳しく追及されることが予想されるため、早めに弁護士と接見し、事件の見通しや取調べ対応などについて法的な助言を得ることが重要です。

 また、捜査機関が押さえている物的証拠実行行為者の供述内容など、捜査状況を的確に把握した上で対応を検討する必要があるため、刑事事件に強い弁護士に依頼し、適切な弁護活動を早く開始してもらうことをお勧めします。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件に強く、様々な刑事事件において不起訴処分刑の減軽などを獲得した実績があります。

 配偶者による虐待を黙認したことによる傷害の容疑でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

【事例解説】配偶者の虐待を黙認した場合に罪に問われる可能性(前編)

2023-08-12

 同居の母に対する虐待の疑いで、傷害の容疑で息子夫婦が逮捕された架空の事件を参考に、配偶者による虐待を黙認した場合に共謀共同正犯や不作為の幇助犯として罪に問われる可能性について、前編・後編に分けて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

 福岡市在住の会社員男性A(55歳)は、妻B(54歳)と母V(88歳)と3人で同居していましたが、Bは要介護認定を受け寝たきりのVの在宅介護のストレスから、Vの腕をつねるなどの虐待を行うようになりました。
 Aは、BからVに対する虐待が行われている様子を目にすることがあっても、Bとの関係悪化を恐れ、見て見ぬふりをしていました。
 Vの娘XがA宅を訪問した際、Vの腕の多数の内出血に気づき、AとBによる虐待を疑い警察に通報したことにより捜査が開始され、AとBはVへの傷害の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

共謀共同正犯の成立について

 人の身体を傷害した者には、傷害罪が成立します(刑法第204条)。

 本件で、Vの腕をつねる暴行を加え、内出血を負わせたBに同罪が成立することは明らかですが、Bの当該行為を黙認したAにも同罪が成立するか問題となります。

 2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする、と定められています(刑法第60条)。
 「正犯」とは、自ら犯罪を実行する者とされ、原則、法定刑で処罰されるのに対し、正犯を幇助、つまり手助けするに過ぎない者は「従犯」とされ、刑が軽減されます(刑法第62条)。

 2人以上の者がそれぞれ、(1)互いに共同で犯罪を実行するという意思の連絡のもと、(2)犯行の一部を実行した、という(1)及び(2)の要件を充たす場合に正犯と認められるのが通常ですが、(2)の要件を欠く、つまり犯行の一部を実行していない者であっても、実行した者との関係性、犯行に至るまでに果たした役割、犯行による分け前の分与その他の事情を考慮し、正犯と認められることがあります(これを「共謀共同正犯」といいます。)

 本件で、BはVへ暴行を加えていませんが、Vへの暴行についてAとBの間で意思の連絡があったと認められる場合、共謀共同正犯としてBも傷害罪が成立する可能性があります。

 なお、子の虐待死事件において、子に死因となる暴行を加えたのは妻であっても、それをあえて制止せず黙認した夫との間の意思の連絡を認め、夫に傷害致死罪の共謀共同正犯を認定した裁判例があります。

 次回の後編では、不作為の幇助犯の成立について解説していきます。

虐待を黙認したことで逮捕された場合の弁護活動

 傷害罪共謀共同正犯の場合、通常の法定刑である15年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される可能性があり、幇助犯の場合でも、刑の減軽はされますが、なお懲役刑の実刑などの重い処罰を受ける可能性はあります。

 共謀共同正犯不作為の幇助犯の成立の認定に際し、実行行為者との意思の連絡の有無犯行への関与の形態などについて、逮捕後の取調べで厳しく追及されることが予想されるため、早めに弁護士と接見し、事件の見通しや取調べ対応などについて法的な助言を得ることが重要です。

 また、捜査機関が押さえている物的証拠実行行為者の供述内容など、捜査状況を的確に把握した上で対応を検討する必要があるため、刑事事件に強い弁護士に依頼し、適切な弁護活動を早く開始してもらうことをお勧めします。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件に強く、様々な刑事事件において不起訴処分刑の減軽などを獲得した実績があります。

 配偶者による虐待を黙認したことによる傷害の容疑でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

傷害の共犯事件 手を出していないのに警察から呼び出し

2023-06-03

手を出していないのに警察から呼び出されたという傷害の共犯事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

高校生A君は、友人が起こした後輩に対する傷害事件の共犯として飯塚警察署に呼び出されて取調べを受けています。
かねてからA君は、友人から「最近、後輩が生意気だ。一度、ヤキ入れてやる。」と聞かされており、事件の日は、友人に頼まれて暴行現場に後輩を連れて来て、その現場に居合わせただけで全く手を出していないA君は、共犯として取調べを受けている事に納得できません。
(フィクションです)

傷害罪

人を暴行して傷害を負わせたら傷害罪となります。
傷害罪の罰則規定は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」なので、起訴されて有罪が確定すれば、この法定刑内で刑事罰を受けることとなりますが、A君は高校生(少年)なので、この法定刑は適用されず、家庭裁判所に送致後は少年法に基づいた手続きが進みます。

共犯

二人以上の者が共謀して犯行に及んだ場合は共犯として刑事罰の対象となります。
共犯が成立するためには

①共謀が行われたこと。
②共謀に基づいて実行行為があったこと。

の2つの要件が必要とされています。
ここでいうところの「共謀」とは、二人以上の者が、特定の犯罪を行うために謀議することをいいます。

今回の事件は、友人に頼まれたA君が、被害者である後輩を暴行現場に連れてきています。
かねてからA君は、友人から「最近、後輩が生意気だ。一度、ヤキ入れてやる。」と聞かされていたので、友人が暴行することを知って、後輩を暴行現場に連れてきましたが、後輩に対する暴行には加担していません。
この様な場合も、傷害罪の共犯が成立するのでしょうか?

まず、暴行の実行行為に加わらなかった者も共犯になるのかという問題ですが、実際に暴行していなくても、事前に暴行する事の共謀があって、後輩を犯行現場に連れて来たのであれば、共犯として認められるでしょう。
また、そもそも共謀があったのかという点についてですが、過去の裁判では

『犯罪の実行について相互に意思の連絡があれば、犯行の手段や、方法等に具体的な謀議がなくても「共謀」があったことになる』

とされています。
また意思の連絡方法については、必ずしも口頭によるものでなくてもいいので、A君と友人の間で「後輩を暴行する」という統一の意思を相互が共有していれば、共謀が認められる可能性は高いでしょう。

まずは弁護士にご相談ください

傷害事件共犯が認められるか否かは、警察の取調べに対して、どのように対応し、どのような内容の調書が作成されるかによります。
福岡県内の暴力事件でお困りの方、傷害事件の共犯で警察の取調べを受けておられる方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

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傷害事件で在宅捜査 在宅事件と私選弁護士について~②~

2023-05-01

~前回からの続き~

在宅事件と弁護士 

何らかの刑事事件で捜査を受ける場合、弁護士による刑事弁護を受けたいとお考えになる方もおられると思います。
しかし、在宅事件の場合、起訴前は国から弁護士(国選弁護人)が選任されることはありません。
つまり、ご自身で弁護士を探して私選弁護人を選任するしかないのです。
今回のような傷害事件では、被害者との示談が必要という場合に、私選弁護人を選任する必要性は高いでしょう。
といいますのは、当事者である加害者が被害者と示談交渉すること非常に困難だからです。
しかし、そのまま示談交渉せずにいると、手続きが進んでしまい、起訴され、刑事場合を受け、結果として何らかの刑罰を受けなけばならなくなるかもしれません。
そうした事態を回避したい場合は、起訴前から私選弁護人を選任する必要があるでしょう。

私選弁護士を選任するデメリット

私選弁護人を選任する最大のデメリットはもちろん、国選弁護人の場合と異なり弁護士費用を負担しなけばならないことでしょう。
弊所でもそうですが、通常、どの法律事務所でも契約時に弁護士費用の一部である「着手金」を支払う必要があります。
この着手金は事件の結果にかかわらず支払わなければならないものです。
つまり、被疑者と示談交渉ができなかった、交渉はできたが示談を成立させることができなかった、などという場合でも支払う必要があります。

まずは相談

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
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傷害事件で在宅捜査 在宅事件と私選弁護士について~①~

2023-04-28

傷害事件で在宅捜査を受けている事件を参考に、在宅事件と私選弁護士について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

傷害事件の在宅捜査

福岡県宗像市にある運送会社の倉庫で働いているAさんは、1週間ほど前に同じ倉庫で働いている従業員とトラブルになり、相手の従業員の顔面を拳で殴ってしまいました。
その場は、上司が仲裁に入って何事もなくおさまったのですが、相手の従業員が病院で診断を受け、診断書と共に、福岡県宗像警察署被害届を提出したらしく、Aさんは警察署から呼び出しを受けました。
警察官曰く、在宅事件として捜査が進むらしく、今後の刑事罰を避けたいAさんは、私選弁護人を選任することを検討しています。
~フィクションです。~

在宅事件

刑事事件は大きく分けると、在宅事件と身柄事件に分けることができます。
身柄事件とは、犯罪を疑われている被疑者、被告人が捜査機関による拘束(逮捕、勾留)を受けている事件です。
対して、在宅事件とは、犯罪を疑われている被疑者、被告人が捜査機関による拘束(逮捕、勾留)を受けていない事件です。

刑事事件というと、身柄事件をイメージされる方も多いでしょう。
確かに、身柄事件の方が社会的耳目を集めやすくマスコミなどによく取り上げられることから、こうしたイメージを抱かれることも致し方ないことかもしれません。
しかし、刑事事件の多くは在宅事件です。
つまり、捜査機関が人を拘束するのはあくまでも例外的措置ですから、身柄事件の数自体は刑事事件の全体の割合からすると少ないのです。

しかし、身柄事件の場合も在宅事件の場合も捜査機関による取調べなどの捜査を受けた後、何らかの刑事処分(起訴、不起訴)を受け、起訴された場合は刑事裁判を受けなければならないという点では全く異なるところはありません。

検挙(逮捕など)→捜査(取調べなど)→刑事処分(起訴、不起訴)→刑事裁判

ただ、身柄事件の場合、身柄拘束があくまで例外的措置であることから法律上時間的制約が設けられています。
つまり、逮捕から刑事処分までは最大で23日しか身柄を拘束することができないとされており、その間、検察が刑事処分を決することができない場合は被疑者を釈放しなければなりません。
対して、在宅事件の場合、こうした時間的制約はありません。
したがって、在宅事件は身柄事件の「後回し」にされることがよくあり、検挙から刑事処分まで数か月、数年を要した、という例も珍しくはありません。

~次回に続く~

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山口県内の刑事事件に即日対応している弁護士

2023-04-25

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の刑事事件専門の弁護士は、山口県内の刑事事件に即日対応しています。
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山口県の刑事事件(傷害罪)で逮捕

無職のAさん(60代・男性)は、下関市内の国道を運転中に、通行トラブルになった相手の車のドライバーと口論となり、その後、そのドライバーの顔面を複数回殴って、鼻を骨折させる傷害を負わせてしまいました。
目撃者の通報で駆け付けた山口県下関警察署の警察官に逮捕されたAさんは、逮捕の二日後に傷害罪での勾留が決定し、現在は山口県下関警察署勾留されて、警察の取調べを受けています。
現在、国選弁護人がAさんの弁護活動を行っていますが、Aさんの家族は、刑事事件に強い私選弁護人への切り替えを希望しています。
(フィクションです。)

傷害事件の弁護活動

まず傷害罪については

刑法第204条

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

と、刑法に規定されています。
人に傷害を負わせる方法は、暴行によるものがほとんどですが、暴行以外(例えば毒を盛ったり、病原菌に感染させるといった方法)であっても傷害罪は成立します。

Aさんのように、傷害罪で警察に逮捕されて、その後勾留が決定した方の弁護活動は、まずは起訴されないための活動がメインとなります。
そして傷害罪の場合、被害者との示談があるかどうかが、起訴されるかどうかに大きく影響します。
起訴されるかどうかは、勾留の最終段階ですので、勾留期間中に被害者との示談を締結しなければ起訴される可能性が高くなるのです。
ですから弁護士は、この勾留期間中に被害者との示談交渉を行い、示談の締結を目指します。

被害者との示談交渉

被害者との示談交渉は、まず警察や検察庁といった捜査機関に対して被害者情報の開示を求め、開示された連絡先に弁護士から電話をして示談交渉を開始します。
被害者との交渉では、示談金や、示談の条件などを話し合いで取り決め、最終的に書面を取り交わして示談金をお支払いするのですが、電話や書面の郵送で行われることがほとんどとなります。

刑事事件専門の弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件専門に扱っている法律事務所です。
これまで数多くの被害者様と示談を締結してきた実績がございますので、山口県内の刑事事件でお困りの方は、是非一度、ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、刑事事件専門弁護士による法律相談を 初回無料 で承っておりますので、お気軽に
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北九州市の傷害事件 故意がなくても傷害罪は成立するの?~②~

2023-02-23

~昨日のコラムからの続き~

故意じゃなくても傷害罪は成立するの?

今回の事例に挙げた刑事事件は、Aさんが同僚に対して行った行為が、暴行罪・傷害罪・過失傷害罪のどれに該当するかということが問題になります。
暴行行為をしたが相手に怪我がなかった場合は暴行罪となり、暴行行為によって相手が怪我をした場合は傷害罪となります。また、不注意で相手を怪我させてしまった場合は過失傷害罪です。
それぞれの犯罪について規定している条文は、以下の通りです。

暴行罪(刑法第208条)

暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

傷害罪(刑法第204条)

人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

過失傷害罪(刑法第209条)

過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。

昨日のコラムで解説したように、犯罪は故意でなければ、特別な規定がない限り処罰されません。
今回、Aさんは警察に対し「殴ったことは認めるが、怪我を負わせるつもりはなかった」と主張しています。
殴った行為は認めているため、Aさんには暴行罪故意はあったとなりますが、怪我を負わせたことに対しては認めていないため、Aさんに傷害罪の故意はなかったとなります。

ただ、傷害罪の故意に関しては、昭和25年11月9日に最高裁で判決された内容で「(傷害罪の)成立には傷害の原因たる暴行についての意思が存在すれば足り、特に傷害の意思の存在を必要としないのである。」と記載されています。

つまり、暴行における傷害罪故意に関しては『暴行罪に対する故意があれば傷害罪は成立する』と解釈されています。
なので、今回の刑事事件では、Aさんは同僚に対する暴行罪の故意は認めて暴行行為を行った結果、同僚に怪我を負わせているので、Aさんに傷害罪の故意がなくても傷害罪が成立することになります。

傷害罪の刑事弁護活動

今回のAのように、故意でなくても傷害罪が成立してしまうと、警察から取り調べを受けた後に検察に送致され、検察官に起訴判断されると公判(裁判)が開かれる可能性があります。
公判が開かれると、実刑判決が下されたり前科がついてしまったりと、今後の生活に大きな支障をきたします。
弁護士に依頼すれば、弁護人として不起訴処分の獲得や判決減刑を目指して活動してくれるので、傷害罪による刑事事件を起こしてしまった際は、弁護士に刑事弁護を依頼することをお勧めします。

刑事事件に強い福岡県の弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、傷害罪による刑事事件で不起訴処分を獲得した実績が数多くある弁護士が多数在籍しています。
ご自身で傷害事件を起こしてしまった方や、ご家族が傷害事件で逮捕されてお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡ください。

北九州市の傷害事件 故意がなくても傷害罪は成立するの?~①~

2023-02-22

故意ではなくても相手に怪我を負わせた場合は、傷害罪が成立するのかということについて、事例を元に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

北九州市八幡東区にある会社で勤務している男性Aさん(27歳)は、同じ職場の同僚のの男性(26歳)に腹を立てて顔面を一発殴打し、同僚に全治2週間ほどの顔面打撲の怪我を負わせました。
同僚は、福岡県八幡東警察署に、医師の診断書と共に被害届を提出し、Aさんは警察から任意の取り調べを受けることになりましたが、「殴ったことは認めるが、怪我を負わせるつもりはなかった」と主張しています。
(フィクションです。)

故意とは?

「故意」を、分かりやすく表現すると「わざと」となりますが、刑法上の「故意」とは、「犯罪事実の認識・認容があること」と解釈されます。

刑法は、故意である犯罪のみを処罰することを原則としています。
これを規定している条文は、刑法第38条1項です。

刑法第38条1項

罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。

上記条文に記載されている「罪を犯す意思」故意を指しています。
「罪を犯す意思」とは、犯罪が成立する要件(犯罪事実)に該当することをわかった上(認識)で、犯罪を犯しても構わない(認容)と思う意思のことです。
つまり、前述したように、刑法上の「故意」とは「犯罪事実の認識・認容があること」になります。

また、刑法第38条1項には、例外として故意でなくても処罰される場合もあることを、ただし書きで規定しています。
条文に記載されている「特別の規定」とは、自分の不注意で相手に被害を負わせる「過失」も処罰対象になると規定されている犯罪を指します。
過失傷害罪過失致死罪などが、刑法第38条1項のただし書きに記載されている「特別の規定」に該当します。

~明日のコラムに続く~

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