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傷害罪と示談

2020-09-15

傷害罪示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します

福岡県久留米市に住むAさんは、Vさんと口論となり、Vさんの顔面や腹部等を足蹴にするなどの暴行を加え、Vさんに加療約1か月間を要する傷害を負わせた傷害罪で久留米警察署に逮捕されてしまいました。逮捕後、Aさんは自分のしたことをひどく後悔し、Vさんに謝罪した上、示談したと考えています。
(事実を基に記載したフィクションです。)

~傷害罪~

傷害罪は刑法204条に規定されています。

刑法204条
 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

まず、傷害罪の規定から分かることは、傷害の対象者は「人」の身体だということです。つまり、「人」以外の動物などを傷害しても傷害罪に問われることはありません(この場合は、器物損壊罪(刑法261条)に問われることになります)。また、「傷害」の意義については諸説ありますが、判例、裁判例は、人の生理機能に障害を与えること、又は人の健康状態を不良に変更することとする生理機能障害説に立っているものと思われます。打撲、骨折、創傷が「傷害」に当たることは明らかですが、中毒症状を惹起し、めまい、嘔吐をさせる、病菌を感染させるなども「傷害」に当たるとされています。

次に、規定上は単に「人の身体を傷害した」と行為の結果しか書かれていませんが、その前提として、

1 暴行の故意+暴行行為
2 傷害の故意+傷害行為

が必要とされています。暴行とは人の身体に対する不法な有形力の行使をいい、殴る、蹴る、突く、押す、投げ飛ばすなどがその典型といえるでしょう。暴行の故意とは、要は、怪我させるつもりはなかったという場合です。この、暴行の故意で暴行行為を働き、結果、傷害を発生させた場合でも傷害罪に問われ得ることになります。他方、傷害の故意とは、傷害させるつもりだったという場合です。傷害の故意で傷害行為を働き、結果、傷害を発生させた場合は傷害罪に、傷害を発生させなかった場合は暴行罪(刑法208条)に問われ得ることになります。

最後に、暴行行為、又は傷害行為と傷害との間に因果関係があることが必要です。この因果関係の考え方についても諸説ありますが、基本的には「その行為がなかったならばその結果は発生しなかった」という関係が認められれば因果関係を認められるとされています。よって、例えば、暴行行為により被害者に骨折を負わせたとされても、暴行行為の前に、被害者が別の原因で骨折していたということが判明した場合は、「その行為がなくても結果は発生していた」といえますから因果関係は否定されることになり、傷害罪は成立しないことになります。

本件では、幸いにもVさんの一命は取り留められたようですが、仮に、その後Vさんが死亡した場合、Aさんはどんな罪に問われるのでしょうか?

刑法205条
 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。

これは傷害致死罪と呼ばれる罪名の規定で、Vさんが死亡した場合、Aさんは傷害致死罪に問われる可能性が出てきます。有期懲役の上限は20年(刑法12条1項)ですから、傷害罪に比べると格段に刑は重くなっています。また、裁判員裁判対象事件であるため、起訴されれば一般人が裁判員としえ裁判に参加することになります。ただし、傷害致死罪の場合も、行為(暴行行為、傷害行為)と死亡との間に因果関係があることが必要です。したがって、Vさんの入院中に、医師の手術が原因でVさんが死亡したという場合は、傷害致死罪ではなく傷害罪が成立する可能性が高いでしょう。

~示談とは~

示談」とは、裁判外(話し合い)で、紛争の当事者同士の合意によって事件を解決することをいいます。広い意味で和解といいます。
示談を成立させると、当事者は合意した内容に法的に拘束されます。
つまり、たとえば「BさんがAさんに対して金10万円を払う」という内容の合意をした場合は、AさんはBさんに10万円を支払う義務が生じます。そして、示談書を公正証書で作成した場合、仮にAさんがBさんに10万円を支払わなかった場合は、Aさんはこの示談書を基に財産を強制的に差押えられるなどの強制執行を受ける可能性もあるのです。他方で、上記内容は、「AさんがBさんから合意した金額以上の額を請求されることはない。」という意味も含まれています。
なお、傷害罪の示談金は10万円から50万円が相場ですが、被害者の怪我の程度などにより上記の金額以上となることもあります。

示談は紛争当事者話し合いによって解決するものですから、示談交渉は紛争の当事者同士(加害者、被害者)で進めていくことも可能です。
しかし、Aさんのように身柄を拘束されている場合は物理的に示談を行うことは不可能です。また、Aさんが釈放され物理的に示談が可能となった場合でも、法律の素人である当事者同士では、そもそも感情の縺れなどから示談交渉を進展させることが難しいでしょうし、仮に進展させることができたとしても、有効に示談が成立したかどうかも不明な場合もあります。これではのちのちのトラブルにも発展しかねません。
示談交渉を円滑、適切に進めていくためには弁護士の力を借りた方が無難でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、傷害罪をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。傷害罪などでご家族の方が逮捕された、警察の捜査、呼び出しを受けて困っている、被害者と示談したいなどとお考えの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。

過失傷害罪に強い弁護士

2020-04-29

過失傷害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

◇過失傷害罪に強い弁護士に相談◇

福岡市早良区に住むAさん(24歳)は、地下鉄西新駅の駅構内をスマホを操作しながら歩いていました。
そうしたところ、Aさんは、前方を歩いていた高齢のVさん(80歳)に気づかず、Vさんの背後からVさんにぶつかってしまい、Vさんを前のめりに転倒させて、Vさんに全治2週間の怪我を負わせてしまいました。
Aさんは、駅員を呼び、救急車を手配してVさんを近くの病院まで運んでもらいました。そして、後日、AさんはVさんの息子さんと会い、事故の状況などを話したところ、息子さんから「治療費を支払って欲しい。」「誠意が見られなければ警察に告訴する。」と言われました。
不安になったAさんは、今後の対応について弁護士に相談しました。
(フィクションです)

◇過失傷害罪◇

歩きスマホをしながら

・他人に怪我を負わせた場合は、過失傷害罪(刑法209条)
・他人を死亡させた場合は、過失致死罪(刑法210条)
・重大な過失により人を死傷させた場合は、重過失致死傷罪(刑法211条後段)

に問われる可能性があります。
歩きスマホによって自ら負傷した場合、もちろん刑事的な責任を問われることはありません。
しかし、上記のように他人に怪我を負わせたあり、死亡させた場合は、刑事責任を問われることがありますので注意が必要です。

過失傷害罪は刑法209条に規定されています。

刑法209条
過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。

「過失」とは、要は、注意義務違反のことで、「~すべきだったのに(~することができたのに)、~しなかった」といえる場合に成立します。
これを歩きスマホに当てはめると、歩行者としては、前や周囲をよく見て歩くべきだったのに、(スマホの画面に注意を取られ)、前や周囲をよく見て歩かなかった、と言えます。
おそらく「過失」は優に認められるでしょう。
「~より~」とは過失と傷害との間に「因果関係」が必要であることを意味しています。よって、本件では、Aさんの「過失」と傷害との間に「因果関係」が認められる場合は、Aさんは過失傷害罪で処罰されそうです。
過失傷害罪は起訴するにあたって、被害者の告訴を必要とする親告罪です。

◇過失致死罪◇

過失致死罪は刑法210条、重過失致死傷罪は刑法211条後段に規定されています。

刑法210条
過失により人を死亡させた者は、50万円以下の罰金に処する。

刑法211条後段
重大な過失により、人を死傷させた場合も、同様とする。(5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金)

「重大な過失」とは、重過失、つまり、過失の程度が酷い、悪質なことをいいます。
歩きスマホの場合、どんな場合に酷い、悪質かと判断するかについては、当時の交通状況、歩きスマフォの態様などによって判断されるものと思われます。
なお、両罪は過失傷害罪と異なり、親告罪ではありません。

◇不起訴を目指すなら◇

親告罪である過失傷害罪の場合も、非親告罪である過失致死、重過失致死傷罪の場合も被害者、ご遺族との示談を成立させることが必要です。
過失傷害罪の場合は、被害の程度によっては示談を成立させやすく、被害者に告訴の提出をやめていただいたり、すでに提出している場合は取り消していただける可能性があるでしょう。そして、刑事処分時に告訴がなければ刑事処分が自動的に不起訴となります。

他方で、過失致死罪重過失致死罪の場合は遺族感情が厳しく示談交渉が難航する可能性があります。
しかし、まったく不可能ではありませんので、粘り強く交渉する必要があります。
そのためには、弁護士の力が必要不可欠といえるでしょう。

◇過失傷害罪に強い弁護士◇

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方はフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談等を24時間受け付けております

【傷害】傷害罪の示談金と慰謝料

2020-02-14

【傷害】傷害罪の示談金と慰謝料について弁護士が解説

傷害罪示談金慰謝料について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士が解説します。

~事例~

福岡県久留米市で工場を経営するAさんは,日頃のVさんの勤務態度やVさんの営業成績に不満を持っていました。そして,ある日,AさんはVさんに勤務態度や営業成績について口頭で指導,注意したところ,Vさんから「あんたの指示が曖昧やけん,こっちも困っとるちゃんね」「毎日,2時間も,3時間も残業させられりゃ,そりゃ効率も悪くなりますよ」などと言われました。AさんはVさんの言動に腹を立て、Vさんの胸ぐらをつかんだ上、右拳でVさんの左頬を殴り、さらにVさんの腹部を足蹴にするなどの暴行を加えました。そうしたところ、騒ぎを聞きつけた社員がAさんとVさんを引き離し,なんとか自体は沈静化しました。しかし、Vさんが病院を受診したところ、医師から「加療約2週間の傷害」との診断を受け、福岡県久留米署に傷害罪での被害届を提出しました。そこで、Aさんは後日、久留米警察署から傷害罪の被疑者として事情を聴かれることになりました。AさんはVさんに行ったことを反省し、慰謝料を支払ってVさんと示談したいと考えています。そこで、傷害罪に詳しい弁護士に、傷害罪示談金慰謝料について話を聞きに行くことにしました。
(フィクションです。)

~傷害罪とは~

傷害罪は刑法の204条に規定されています。

刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

「人の身体を傷害」するに至る過程としては、

①暴行の故意+暴行行為→傷害
②傷害の故意+傷害行為→傷害

という2つのパターンがあります。つまり、

①は「相手に怪我させるつもりではなかったけど、結果として怪我させてしまった」というパターン
②は「(はじめから)相手に怪我させるつもりで、その予想通り怪我(傷害)を負わせた」というパターン

です。なお、②について、「相手に怪我をさせるつもりだったが、運よく怪我(傷害)を負わせなかった」という場合は傷害罪ではなく暴行罪(刑法208条)が成立します。暴行罪の規定も確認しておきましょう。

刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,2 年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

「暴行」は、殴る,蹴る,突く,押す,投げ飛ばすなど直接身体に触れる行為が典型ですが、相手に向かって物を投げつける、衣服を引っ張るなど直接身体に触れない行為も含まれます。傷害の故意がある暴行が傷害行為と考えてください。
そして、①、②と「傷害」との間に「因果関係」が認められることによって傷害罪が成立します。

~傷害罪の示談金と慰謝料~

傷害罪で被害者と示談したいという方にとって、一番関心が高いのは

示談金いったいはいくらかかるのか(示談金の相場は)?
慰謝料はいくらかかるのか(慰謝料の相場は)?

ということではないでしょうか?

=慰謝料は示談金の一部=

まず、前提として慰謝料は示談金の一部であるということです。
示談金は正確には「損害賠償金」のことであり、慰謝料はその損害賠償金の一部です。

暴行・傷害行為は民法上の不法行為に当たり、加害者は暴行・傷害行為によって被害者に生じさせた「損害」を賠償する義務を負います(民法709条)。
この損害については「身体的損害」と「精神的損害」に分けることができます。
身体的損害は、治療費などの積極損害から休業損害などの消極損害まで様々です。
他方、精神的損害に当たるのが慰謝料というわけです。

=示談金を決める要素~示談金の相場=

正直いうと示談金(損害賠償金)の相場というものはありません
なぜなら、示談金は傷害事件で現れた諸情状により変動するからです。
「情状」には

・被害者の怪我の程度
・被害者の処罰感情
・犯行態様(武器使用か否か)
・犯行に至るまでの経緯、動機(計画的か偶発的か)

などがありますが、このうち傷害罪で最も重要視されるのは「被害者の怪我の程度」です。
なぜなら、被害者の怪我の程度が重たければ重たいほど、上記でご紹介した治療費、休業損害、慰謝料も大きくなり、結果として損害賠償金(示談金)も大きくなるからです。

示談とは被害者側との話し合いです。
しかし、傷害罪の場合、加害者が示談交渉に乗り出しても、ほとんどの場合、被害者は示談交渉のテーブルには乗ってくれないでしょう。
また、どこまでの損害を賠償をするのか被害者側とよく話し合わなければなりません。
それには大変な知識と経験が必要ですし、労力・時間もかかります。
傷害罪で示談をご検討中の方は傷害罪に詳しい弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

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傷害罪~逮捕後の流れと釈放

2020-01-20

傷害罪~逮捕後の流れと釈放

傷害罪での逮捕後の流れと釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県久留米市に住むAさんは、久留米市内の居酒屋で学生時代の友人と酒を飲みました。その際、Aさんはついつい飲みすぎてしまい、同じ店で酒を飲んでいたVさんと些細な理由で口論になりました。怒りが収まらなかったAさんは、いきなりVさんの顔面を右拳で1回殴り、さらにもう1回Vさんを殴ろうとしたところで近くにいた友人に慌てて制止されました。Aさんはなお興奮が収まらず、居酒屋の店員の通報で駆けつけた久留米警察署の警察官により、暴行罪で逮捕されました。そして、後日、Vさんから久留米警察署に「加療約1週間を要する傷害」との診断書が提出されたことから、Aさんに対する容疑は暴行罪から傷害罪に切り替えられました。Aさんと接見した弁護士は、Aさんの早期釈放を目指すことにしました。
(フィクションです。)

~ 傷害罪 ~

傷害罪は刑法204条に規定されています。

刑法204条 
 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

「傷害」の意義については諸説ありますが、判例、裁判例は、人の生理機能に障害を与えること、又は人の健康状態を不良に変更することとする生理機能障害説に立っているものと思われます。

・打撲
・骨折
・創傷

傷害」に当たることは明らかですが、中毒症状を惹起し、

・めまい
・嘔吐
・病菌の感染

なども「傷害」に当たるとされています。

次に、規定上は単に「人の身体を傷害した」と行為の結果しか書かれていませんが、その前提として、

1 暴行の故意+暴行行為
2 傷害の故意+傷害行為

が必要とされています。
「暴行」とは人の身体に対する不法な有形力の行使をいい

・殴る
・蹴る
・突く
・押す
・投げ飛ばす

などがその典型といえるでしょう。
「暴行の故意」とは、要は、怪我させるつもりはなかったという場合です。この、暴行の故意で暴行行為を働き、結果、傷害を発生させた場合でも傷害罪に問われます。
他方、「傷害の故意」とは、傷害させるつもりだったという場合です。傷害の故意で傷害行為を働き、結果、傷害を発生させた場合は傷害罪に、傷害を発生させなかった場合は暴行罪(刑法208条)に問われます。

最後に、暴行行為、又は傷害行為と傷害との間に因果関係があることが必要です。この因果関係の考え方についても諸説ありますが、基本的には「その行為がなかったならばその結果は発生しなかった」という関係が認められれば因果関係を認められるとされています。よって、暴行、傷害を加え怪我を負わせたとしても、その暴行、傷害と怪我との間に因果関係が認められない場合は傷害罪ではなく暴行罪が成立します。

~ 逮捕後の流れと釈放について ~

逮捕後の流れを大まかに見ると以下のようになります。

①逮捕(この間、釈放あり)→②勾留(この間、釈放あり)→③ア正式起訴→正式裁判→判決(有罪OR無罪)【例:懲役〇〇年 〇間執行猶予】→釈放(無罪、執行猶予付き判決時)
          
                             イ略式起訴→略式裁判→略式命令【例:罰金〇〇円】→釈放

                             ウ不起訴→釈放

まず、①から②(勾留決定まで)の間は、通常、2日から3日を要します。
この間に、釈放されることもあります。
弁護士としては、捜査機関や裁判所に早期釈放に向けて働きかけを行います。

②勾留が決定すると、当初の身柄拘束期間は「10日間」です。この期間については裁判官の裁量がなく、勾留決定を出すと自動的に身柄拘束期間は「10日間」と決まります。
しかし、この間、釈放されることもあります。
弁護士としては、勾留の裁判が間違っていますという「勾留の裁判に対する準抗告」、勾留の理由、必要性がなくなりましたという「勾留取消し請求」を駆使して早期釈放に努めます。

③に至ると、起訴か不起訴かの刑事処分が決められます。
起訴には正式裁判と略式裁判の2通りがあります。
初犯で被害者の怪我の程度が軽い場合は略式起訴されることが多いかと思います。
正式起訴後は「保釈請求」によって釈放を求めることができます。仮に、保釈が許可されず、身柄拘束が継続した場合でも、裁判で無罪か執行猶予付き判決を受けるとその時点で釈放です。
略式起訴された場合は略式命令が出た段階で釈放です。

不起訴処分が決定した場合は、まずは処分保留のまま釈放され、その後不起訴処分とされることが多いでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

【傷害】過失傷害罪との違い~福岡県新宮町

2020-01-03

【傷害】過失傷害罪との違い~福岡県新宮町

過失傷害罪と傷害罪の違いを、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県新宮町に住む会社員のAは、同町の居酒屋で、部下Vさんと酒を飲んでいたところ、仕事の話で議論が白熱し、Aさんは、テーブル上にあったコップをVさんめがけて投げつけました。すると、コップはVさんの顔に当たり、割れた破片でVさんの顔を傷つけてしまいました。現場は騒然となり、店員が福岡県粕屋警察署の警察官を呼びつけたため、Aさんは傷害罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~ 傷害罪 ~

Aさんは傷害罪で逮捕されています。
傷害罪は刑法204条に規定されています。

刑法204条
 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪が成立するためには(傷害罪の構成要件は)、

①暴行行為(暴行の認識(故意))→②傷害→③、①と②との間の因果関係(パターン1)

あるいは、

①傷害故意(傷害の認識(故意))→②傷害→③、①と②との間の因果関係(パターン2)

が必要です。

「暴行」とは、人の身体に対する不法な有形力の行使をいいます。
殴る、蹴る、叩くなどがその典型ですが、本件のように、人の身体に向かってコップを投げつける行為も「暴行」に当たります。
また、「故意」も必要とされます。
「暴行の故意」は、人を痛めつけてやろうという意思ですが、怪我させる意思まではないもの、「傷害の故意」は、人に怪我させる意思、です。
加害者からすれば、突発的なこともあって「そんなつもりはなかった。」とか「そんな意図はなかった。」などと主張されるかもしれません。
しかし、加害者が行った行為からそうした意図があったと認定されることもあります。
本件のように、コップという使い方によっては凶器に代わりうるものを人の身体に投げつける行為は、通常、少なくとも暴行の故意ありとされる可能性が高いでしょう。

~ 過失傷害罪との違い ~

過失傷害罪は刑法209条に規定されています。

刑法209条 
1項 過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。」
2項 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。」

「過失」とは故意のないことをいいます。
そして、故意のない犯罪は処罰しない、というのが刑法の基本原則です。
ところが、刑法209条によって、例外的に、故意のない場合、つまり過失の場合も処罰するとされているのです。

傷害罪と過失傷害罪の大きな違いは、前者は傷害罪の成立に故意を必要とする故意犯、後者は必要としない過失犯ということです。
「過失」をもう少し詳しく説明すると、過失は不注意=注意義務違反ということになります。つまり、「~すべきだったのに、~しなかった。」場合に過失が認められます。
注意義務の内容は、行為当時の具体的状況によって個別具体的に決められます。

また、傷害罪と過失傷害罪の違いとして、前者は非親告罪、後者は親告罪という点です。
親告罪とは、被害者の告訴がなけば起訴できない罪のことをいいます。
したがって、仮に、過失傷害罪に問われたとしても、被害者との間で示談が成立し被害者が告訴を取り下げた場合は自動的に不起訴となります。
この意味では、傷害罪より過失傷害罪の方が不起訴処分を獲得しやすいということがいえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

【暴行・傷害】小郡市~勾留取消し請求とは?

2019-12-12

【暴行・傷害】小郡市~勾留取消し請求とは?

暴行、傷害罪と勾留取消し請求について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県小郡市に住むAさんは、繁華街で通行人のVさんとすれ違った際、肩が当たったことからVさんに「何をするんだ!」「謝れよ!」などと言って、Vさんの胸ぐらをつかみ、顔面や腹部を殴る、蹴るの暴行を加えました。Aさんは周囲の人から制止され、通報で駆け付けた福岡中央警察署の警察官に暴行罪の現行犯で逮捕されました。その2日後、Vさんから加療約2週間との診断書が警察に提出されたことにより、Aさんに対する容疑は暴行罪から傷害罪に切り替わり、傷害罪で勾留されました。Aさんは、時がたって自分に全面的に非があったことを認めており、Vさんに謝罪し被害弁償したいと考えています。また、可能であれば示談を成立させ、早く釈放されることを望んでいます。Aさんは接見に来た弁護士に自分の意向を伝えました。
(フィクションです)

~ 暴行罪 ~

暴行罪の規定は以下のとおりです。

刑法208条
 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

暴行罪の「暴行」とは、人の身体に向けられた不法な有形力の行使をいうとされています。もっとも典型なのが

殴る、蹴る、突く、押す、投げ飛ばすなど

直接人の身体に触れる行為が挙げられます。もっとも、暴行罪の「暴行」は直接人の身体に触れる行為に限らず、

・着衣を強く引っ張る行為
・胸ぐらをつかむ行為
・人に向かって石やガラスコップを投げる行為、棒を振りかざす行為
・毛髪等を切断する行為
・室内で太鼓等を連打する行為
・耳元で拡声器を通じて大声で怒鳴りつける行為
・狭い室内で日本刀を振り回す行為

など、直接人の身体に触れない行為も「暴行」とされることがあります。

傷害罪の規定は以下のとおりです。

刑法204条
 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪は上記の「暴行」の他に「傷害(怪我など)」という結果と「暴行」と「傷害」との間の「因果関係」があってはじめて成立する罪です。したがって、

・「暴行」を加えたものの「傷害」(結果)が発生しなかった場合
・「暴行」と「傷害」との間に「因果関係」が認められない場合

傷害罪は成立せず、暴行罪が成立するにとどまります。

~ 勾留後の身柄解放手段(勾留取消し請求など) ~

Aさんは傷害罪で勾留されています。
勾留後の身柄解放手段には大きく分けて2つあります。

①勾留の裁判に対する「準抗告(不服申し立て)」と②勾留の決定を取消すという「勾留取消し請求」です。
どちらも主張が認められれば釈放が認められる、という点で効果は同じです。しかし、①が「裁判官の勾留決定が誤っている」と主張するのに対し、②は裁判官の勾留決定に誤りはないものの、勾留後に事情の変化が生じ、「勾留の理由・必要がなくなった」と主張する点で異なります。

②の「事情の変化」としてもっとも大きいのは被害者側との「示談」です。
経験則上、被害者と示談を成立させておきながら、事件に関する証拠を隠滅する人は少ないと言えます。また、示談成立は、被疑者の刑事処分にとって有利に働く事情ですから、処分や刑罰をおそれて逃走する人も少ないと言えます。
そこで、示談が成立すれば、勾留の理由である、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがないことの証左となり、勾留取消し請求をする理由の一つとなりえます。
勾留取消し請求は、準抗告に比べて数は少ないと言われていますが、それでも法律上認められている手段ですので検討の余地は十分にあります。
いずれにしても、早め早めに弁護士に依頼し、示談交渉など身柄解放に向けた弁護活動を始める必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、暴行罪、傷害罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

【傷害】中央区で児童虐待

2019-12-04

【傷害】中央区で児童虐待

児童虐待傷害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡市中央区内に住む内縁の夫であるAさんは、自宅アパートで、同居していたBさんの子どものV君(生後1か月)に暴行を加え傷害を負わせたとして、福岡県中央警察署に傷害罪で逮捕されました。Aさんが仕事で不在中にところ、BさんがV君を病院に連れて行ったところ、「児童虐待の疑いがある」として警察に通報されたようです。Aさんは、接見した弁護士に「抱っこしていた際に落としただけ。」などと話しているようです。
(フィクションです)

~ 児童虐待とは ~

児童虐待については、児童虐待の防止等に関する法律2条に規定されています。それによると、児童虐待とは

保護者(略)がその監護する児童(18歳に満たない者をいう。以下同じ)について次に掲げる行為をいう

とされています。
次に掲げる行為とは、以下の行為です。

1号 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれがある暴行を加えること(身体的虐待)
2号 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること(性的虐待)
3号 児童の心身の発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること(ネグレクト)
4号 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(略)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと(心理的虐待)

~ 児童虐待の現状 ~

厚生労働省によると、全国の児童相談所が2018年度に児童虐待の相談・通告を受けて対応した件数は

15万9850件(速報値)

だったとのことです。1990年度の統計開始から28年連続の増加しており、連携が進む警察からの通告がほぼ半数を占めているとのことです。
相談・通告内容の内訳は、

・心理的虐待 55.3%
・身体的虐待 25.2%
・ネグレクト 18.4%
・性的虐待   1.1%

とのことで、心理的虐待が全体の半数を占めていることが分かります。

~ 児童虐待と罪 ~

児童虐待に当たる行為は、刑法などに規定される罪によって処罰される可能性があります。

1号の身体的虐待は、暴行罪、傷害罪で処罰される可能性があります。暴行罪の法定刑は「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です。傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。傷害させ、児童(人)を死亡させた場合は傷害致死罪で処罰される可能性があります。同罪の法定刑は「3年以上の有期懲役」です。

2号の性的虐待は、強制わいせつ罪、強制性交等罪、監護者わいせつ罪、監護者性交等罪で処罰される可能性があります。強制わいせつ罪の法定刑は「6月以上10年以下の懲役」、強制性交等罪は「5年以上の有期懲役」、監護者わいせつ罪は強制わいせつ罪と同様、監護者性交等罪は強制性交等罪と同様です。児童(人)を傷害、死亡させた場合、強制わいせつ致死傷罪、監護者わいせつ致死傷罪として「無期又は3年以上の懲役」、あるいは強制性交等致死傷罪、監護者性交等致死傷罪として「無期又は6年以上の懲役」に処せられる可能性があります。

3号のネグレクトは、保護責任者遺棄罪で処罰される可能性があります。法定刑は「3月以上5年以下の懲役」です。児童(人)を傷害、死亡させた場合は保護責任者遺棄致傷罪、保護責任者遺棄致死罪で処罰される可能性があります。前者の法定刑は「3月以上15年以下の懲役」、後者の法定刑は「3年以上の有期懲役」です。

4号の心理的虐待は、行き過ぎた暴言は暴行罪、それによって精神的な障害を患った場合などは傷害罪で処罰される可能性もあります。

~ 児童虐待で逮捕される可能性は非常に高い ~

児童虐待では、親と子どもが同居していることが通常で、仮に、児童虐待が発覚した場合は、子どもに危害を加えるおそれがあり罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがあるとして逮捕される可能性が非常に高いと思われます。
早期釈放をお望みの場合は、弁護士へご相談ください。

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ちょっとした暴行で傷害致死罪?

2019-11-08

ちょっとした暴行で傷害致死罪?

傷害致死罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県太宰府市に住むAさんは、Vさん、Wさんと福岡市内の居酒屋で飲んだ後、カラオケに行くことになりました。しかし、カラオケ店に行く途中、AさんとVさんはお金の貸し借りのことで喧嘩となりました。Aさんは、もともとVさんが一向にお金を返さないことに不満を抱いており、さらに今回のVさんとの言動からVさんがAさんにお金を返す気がない、と思いました。Aさんは、そんなVさんがカラオケ代までおごってくれ、と頼んできたことから、Vさんに対する怒りが頂点に達し、「お前いいかげんにしろ!」と言って両手でVさんの胸を勢いよく押したところ、Vさんは酔った勢いも加勢して仰向けに転倒させてしまいました。その結果、Vさんの後頭部を道路の縁石に打ちつけさせ意識不明の状態に陥らせてしまいました。Aさんはパニック状態となっていたため、Wさんの119番通報により、Vさんは駆け付けた救急隊員により病院へ搬送されましたが搬送先で死亡してしまいました。その後、Aさんは、警察に傷害致死罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~ 傷害致死罪 ~

傷害致死罪は刑法205条に規定されています。

刑法205条
 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。

本罪は傷害罪(刑法204条)の

結果的加重犯

です。
結果的加重犯とは、

一定の基本となる犯罪(基本犯)の構成要件を実現した後、犯罪行為から行為者(Aさん)の予期しない重い結果が生じたときに、その重い結果について刑が加重される犯罪

のことをいいます。

~ 傷害罪(基本犯) ~

では、傷害致死罪の基本犯である傷害罪をみていきましょう。
同罪は、刑法204条に規定されています。

刑法204条
 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、他方で、傷害致死罪は「3年以上の有期懲役(上限は懲役20年)」ですから、確かに刑が加重されている(重くなっている)ことが分かります。

傷害罪が成立するためには(構成要件)、

①暴行行為(暴行の認識(故意))→②傷害→③、①と②との間の因果関係(パターン1)

あるいは、

①傷害故意(傷害の認識(故意))→②傷害→③、①と②との間の因果関係(パターン2)

が必要です。

~ 「予期しない重い結果が生じたこと」 ~

傷害致死罪が成立するには、さらに、上記要件に加えて

予期しない重い結果(人の死)が生じたこと

が必要です。
「予期しない」という点がポイントで、予期していた場合は、殺人罪(刑法199条)が成立します。

刑法199条
 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

予期していたか、予期していなかったかで法定刑に大きな開きがあることがお分かりいただけるかと思います。

~ 因果関係が必要 ~

傷害罪では、暴行行為や傷害行為と傷害との間に因果関係が必要とされましたが、傷害致死罪でも同様に、

傷害と人の死との間に因果関係が必要

とされます。
仮に、因果関係が認められない場合は、行為者に人の死についての責任を問うことはできませんから、傷害罪が成立するにとどまります。

~ ちょっとした暴行でも傷害致死罪に! ~

これまでご説明してきたことからすると、傷害致死罪は、パターン1によっても成立する可能性があるということになります。
つまり、ちょっとした暴行でも、それによって相手方を死亡させ、その暴行と死亡との間に因果関係が認められる場合は、傷害致死罪に問われることがあるということです。

~ 傷害致死罪は裁判員裁判対象事件 ~

傷害致死罪は、一般人も裁判に参加する裁判員裁判対象事件です。
裁判員裁判対象事件で適切な事実認定、量刑をお求めの方は、ぜひ私選の弁護人選任もご検討ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。

暴行罪から傷害罪へ?

2019-10-28

暴行罪から傷害罪へ?

暴行罪、傷害罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡市東区に住むAさんは、福岡市博多区内の繁華街を歩いている際、Vさんの肩にぶつかったことがきっかけでVさんと口論になりました。Aさんは、Vさんから「何かオレに文句あっとか。」などと言われ喧嘩を売られたように感じたことから、Vさんに近づき右手でVさんの胸ぐらをつかみ、左手でVさんの右頬を1回殴打しました。すると、前を歩いていたAさんの知人WがAさんとVさんとの間に割って入り、さらに周囲の人が110番通報して現場に福岡県博多警察署の警察官が駆け付けたことから事態は収まりました。しかし、警察官がAさんとVさんから事情を聴くと、AさんのVさんに対する暴行の事実が明らかとなったことから、Aさんは暴行罪で逮捕されてしまいました。また、その後、Vさんから博多警察署に「加療約1週間を要する」との診断書が提出されたことから、Aさんに対する容疑が暴行罪から傷害罪へと切り替わりました。
(フィクションです。)

~ 暴行罪から傷害罪に切り替わることも!? ~

Aさんは当初、暴行罪で逮捕されています。
暴行罪は刑法208条に規定されています。

刑法208条
 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

他方、容疑切り替え後の傷害罪は刑法204条に規定されています。

刑法204条
 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

これらの規定からもお分かりいただけるように、傷害罪は「傷害」という結果が生じた場合の罪、暴行罪は「傷害」」の結果が生じなかった場合の罪ということになります。この「傷害」が何を意味するか、については諸説ありますが、ここではとりあえず、人に怪我をさせたこと、という風に理解しておきましょう。

ところで、Aさんのように当初、暴行罪で逮捕されたものの、その後、被害者から捜査機関に医師の診断書が提出されることによって容疑が傷害罪に切り替わることがあります。
ここで、罪名が変化したのだから傷害罪で新たに逮捕されるのかといえばそうではありません。
なぜなら、暴行罪の基礎となる事実(犯行日時・場所、被害者、犯行態様など)と傷害罪の基礎となる事実は、結果の部分を除くほかは同じだからです。同じ考え方で、たとえば、傷害罪で逮捕された方の容疑が、その後、被害者が死亡したことによって傷害致死罪(刑法205条、3年以上の有期懲役)に切り替わるということはよくあり、この場合でも改めて傷害致死罪で逮捕されることはありません。

~ 逮捕後の流れ ~

逮捕後は、①送検→②検察官による弁解録取→④勾留請求→⑤勾留質問→⑥勾留決定、という流れとなります。

①から②まで
警察に逮捕されると警察署内の留置施設に収容されます。その後、警察署内で被疑者の話を聴く「弁解録取」という手続きを受けます。その後、釈放か否か判断されますが、釈放されない場合は、逮捕から48時間以内に送検(検察官の元へ身柄と事件が送られること)の手続きが取られます。この間、警察官の取調べを受けることもあります。

③から④まで
送検されると検察官の元でも「弁解録取」の手続きを受けます。この手続きを経て釈放か否か判断されますが、釈放されない場合は勾留請求の手続きを取られたと考えてよいでしょう。
   
⑤から⑥まで
勾留請求されると、今度は、裁判所で裁判官による「勾留質問」を受けます。勾留質問でも事件について聴かれます。そして、勾留質問を経て検察官の勾留請求を許可するのか、却下するのか判断されます。
勾留請求の許可された場合、10日間の身柄拘束が決定します。ですが、その勾留決定の裁判に対して不服を申し立てることができ、これが認められれば10日間を待たずとも釈放されることがあります。
勾留請求が却下された場合、検察官に不服を申し立てる権利が認められています。検察官が不服申し立てをしない場合は釈放されます。

~ 早期釈放なら弁護士に依頼 ~

早期釈放を望まれるのであれば私選の弁護人を選任されることをお勧めいたします。
なぜなら、上記の①から⑥までには概ね3日間を要しますが、この間、国選の弁護人は選任されないからです。また、国選の弁護人の選任を期待しても、条件を満たさなければ国選の弁護人は選任されず、その場合、弁護人を選任しないか、私選の弁護人を選任するといういずれかの選択肢を取ることになります。
そうした場合、対応が後手後手になる場合もありますから、上記⑥までの段階までに弁護士に弁護活動をはじめて欲しいという方は、私選の弁護人を選任する必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

職場での暴力事件(傷害罪)示談なら刑事弁護士 福岡県大牟田市

2018-10-29

職場での暴力事件(傷害罪)示談なら刑事弁護士 福岡県大牟田市

会社の上司Aさん(50歳)は,部下のVさんの勤務態度に立腹し,右脚でVさんの左太ももを数回蹴る暴力を加え,Vさんに加療約2週間を要する打撲の怪我を負わせました。Aさんは傷害罪福岡県大牟田警察署で事情聴取を受けた際,警察官から「Vさんから歯が折れた件で追加の被害届が出ている」と聞きました。Aさんとしては示談の意向があるものの,Vさんの歯の件は身に覚えがありません。
(フィクションです)

~ 傷害罪(刑法204条) ~

刑法には,傷害罪は,人の身体を傷害した場合に,15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する旨規定されています。具体的には,
1 暴行の故意(怪我をさせるつもりはなく)で人の身体に暴行を加えたところ,相手が怪我した場合
2 傷害の故意(怪我させるつもり)で人の身体に暴行又は傷害を加えたところ,相手が怪我した場合
の2つが考えられます。なお,2の場合で相手が怪我をしなかった場合は,傷害罪の未遂罪というのはありませんから暴行罪が成立するに留まります。

~ 暴行・傷害と怪我との間に因果関係が必要 ~

傷害罪が成立するには,暴行・傷害行為と怪我(結果)との間に因果関係が必要です。刑法上の因果関係については諸説ありますが,実務では,基本的に「その行為がなかったならばその結果は発生しなかった」という関係が認められれば因果関係を認める(条件説)という考え方をとっています。この考え方を本件に当てはめると,Aさんの行為とVさんの歯が折れたという結果との間に因果関係を認めることはできるでしょうか?

~ ときには毅然とした態度が必要 ~

Aさんとしては示談意向があるようですが,自分に身に覚えのない怪我についてまで示談交渉に応じる必要はありません。しかし,当事者同士だと,加害者・被疑者は弱い立場に立たされることがあり,高額な示談金を要求される場合だってあります。そこで,当事者の間に弁護士が入る必要性が出てきます。示談交渉に慣れた弁護士であれば,不当な要求に対しては毅然とした態度を取ることができ,適切な内容・形式で示談をすることが可能です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,暴力事件をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。暴力事件傷害事件暴行事件示談交渉刑事弁護士にお任せください。

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