Archive for the ‘傷害罪’ Category
傷害の共犯事件 手を出していないのに警察から呼び出し
手を出していないのに警察から呼び出されたという傷害の共犯事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
参考事件
高校生A君は、友人が起こした後輩に対する傷害事件の共犯として飯塚警察署に呼び出されて取調べを受けています。
かねてからA君は、友人から「最近、後輩が生意気だ。一度、ヤキ入れてやる。」と聞かされており、事件の日は、友人に頼まれて暴行現場に後輩を連れて来て、その現場に居合わせただけで全く手を出していないA君は、共犯として取調べを受けている事に納得できません。
(フィクションです)
傷害罪
人を暴行して傷害を負わせたら傷害罪となります。
傷害罪の罰則規定は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」なので、起訴されて有罪が確定すれば、この法定刑内で刑事罰を受けることとなりますが、A君は高校生(少年)なので、この法定刑は適用されず、家庭裁判所に送致後は少年法に基づいた手続きが進みます。
共犯
二人以上の者が共謀して犯行に及んだ場合は共犯として刑事罰の対象となります。
共犯が成立するためには
①共謀が行われたこと。
②共謀に基づいて実行行為があったこと。
の2つの要件が必要とされています。
ここでいうところの「共謀」とは、二人以上の者が、特定の犯罪を行うために謀議することをいいます。
今回の事件は、友人に頼まれたA君が、被害者である後輩を暴行現場に連れてきています。
かねてからA君は、友人から「最近、後輩が生意気だ。一度、ヤキ入れてやる。」と聞かされていたので、友人が暴行することを知って、後輩を暴行現場に連れてきましたが、後輩に対する暴行には加担していません。
この様な場合も、傷害罪の共犯が成立するのでしょうか?
まず、暴行の実行行為に加わらなかった者も共犯になるのかという問題ですが、実際に暴行していなくても、事前に暴行する事の共謀があって、後輩を犯行現場に連れて来たのであれば、共犯として認められるでしょう。
また、そもそも共謀があったのかという点についてですが、過去の裁判では
とされています。
また意思の連絡方法については、必ずしも口頭によるものでなくてもいいので、A君と友人の間で「後輩を暴行する」という統一の意思を相互が共有していれば、共謀が認められる可能性は高いでしょう。
まずは弁護士にご相談ください
傷害事件の共犯が認められるか否かは、警察の取調べに対して、どのように対応し、どのような内容の調書が作成されるかによります。
福岡県内の暴力事件でお困りの方、傷害事件の共犯で警察の取調べを受けておられる方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
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傷害事件で在宅捜査 在宅事件と私選弁護士について~②~
~前回からの続き~
在宅事件と弁護士
何らかの刑事事件で捜査を受ける場合、弁護士による刑事弁護を受けたいとお考えになる方もおられると思います。
しかし、在宅事件の場合、起訴前は国から弁護士(国選弁護人)が選任されることはありません。
つまり、ご自身で弁護士を探して私選弁護人を選任するしかないのです。
今回のような傷害事件では、被害者との示談が必要という場合に、私選弁護人を選任する必要性は高いでしょう。
といいますのは、当事者である加害者が被害者と示談交渉すること非常に困難だからです。
しかし、そのまま示談交渉せずにいると、手続きが進んでしまい、起訴され、刑事場合を受け、結果として何らかの刑罰を受けなけばならなくなるかもしれません。
そうした事態を回避したい場合は、起訴前から私選弁護人を選任する必要があるでしょう。
私選弁護士を選任するデメリット
私選弁護人を選任する最大のデメリットはもちろん、国選弁護人の場合と異なり弁護士費用を負担しなけばならないことでしょう。
弊所でもそうですが、通常、どの法律事務所でも契約時に弁護士費用の一部である「着手金」を支払う必要があります。
この着手金は事件の結果にかかわらず支払わなければならないものです。
つまり、被疑者と示談交渉ができなかった、交渉はできたが示談を成立させることができなかった、などという場合でも支払う必要があります。
まずは相談
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
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傷害事件で在宅捜査 在宅事件と私選弁護士について~①~
傷害事件で在宅捜査を受けている事件を参考に、在宅事件と私選弁護士について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
傷害事件の在宅捜査
福岡県宗像市にある運送会社の倉庫で働いているAさんは、1週間ほど前に同じ倉庫で働いている従業員とトラブルになり、相手の従業員の顔面を拳で殴ってしまいました。
その場は、上司が仲裁に入って何事もなくおさまったのですが、相手の従業員が病院で診断を受け、診断書と共に、福岡県宗像警察署に被害届を提出したらしく、Aさんは警察署から呼び出しを受けました。
警察官曰く、在宅事件として捜査が進むらしく、今後の刑事罰を避けたいAさんは、私選弁護人を選任することを検討しています。
~フィクションです。~
在宅事件
刑事事件は大きく分けると、在宅事件と身柄事件に分けることができます。
身柄事件とは、犯罪を疑われている被疑者、被告人が捜査機関による拘束(逮捕、勾留)を受けている事件です。
対して、在宅事件とは、犯罪を疑われている被疑者、被告人が捜査機関による拘束(逮捕、勾留)を受けていない事件です。
刑事事件というと、身柄事件をイメージされる方も多いでしょう。
確かに、身柄事件の方が社会的耳目を集めやすくマスコミなどによく取り上げられることから、こうしたイメージを抱かれることも致し方ないことかもしれません。
しかし、刑事事件の多くは在宅事件です。
つまり、捜査機関が人を拘束するのはあくまでも例外的措置ですから、身柄事件の数自体は刑事事件の全体の割合からすると少ないのです。
しかし、身柄事件の場合も在宅事件の場合も捜査機関による取調べなどの捜査を受けた後、何らかの刑事処分(起訴、不起訴)を受け、起訴された場合は刑事裁判を受けなければならないという点では全く異なるところはありません。
検挙(逮捕など)→捜査(取調べなど)→刑事処分(起訴、不起訴)→刑事裁判
ただ、身柄事件の場合、身柄拘束があくまで例外的措置であることから法律上時間的制約が設けられています。
つまり、逮捕から刑事処分までは最大で23日しか身柄を拘束することができないとされており、その間、検察が刑事処分を決することができない場合は被疑者を釈放しなければなりません。
対して、在宅事件の場合、こうした時間的制約はありません。
したがって、在宅事件は身柄事件の「後回し」にされることがよくあり、検挙から刑事処分まで数か月、数年を要した、という例も珍しくはありません。
~次回に続く~
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山口県内の刑事事件に即日対応している弁護士
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山口県の刑事事件(傷害罪)で逮捕
無職のAさん(60代・男性)は、下関市内の国道を運転中に、通行トラブルになった相手の車のドライバーと口論となり、その後、そのドライバーの顔面を複数回殴って、鼻を骨折させる傷害を負わせてしまいました。
目撃者の通報で駆け付けた山口県下関警察署の警察官に逮捕されたAさんは、逮捕の二日後に傷害罪での勾留が決定し、現在は山口県下関警察署に勾留されて、警察の取調べを受けています。
現在、国選弁護人がAさんの弁護活動を行っていますが、Aさんの家族は、刑事事件に強い私選弁護人への切り替えを希望しています。
(フィクションです。)
傷害事件の弁護活動
まず傷害罪については
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
と、刑法に規定されています。
人に傷害を負わせる方法は、暴行によるものがほとんどですが、暴行以外(例えば毒を盛ったり、病原菌に感染させるといった方法)であっても傷害罪は成立します。
Aさんのように、傷害罪で警察に逮捕されて、その後勾留が決定した方の弁護活動は、まずは起訴されないための活動がメインとなります。
そして傷害罪の場合、被害者との示談があるかどうかが、起訴されるかどうかに大きく影響します。
起訴されるかどうかは、勾留の最終段階ですので、勾留期間中に被害者との示談を締結しなければ起訴される可能性が高くなるのです。
ですから弁護士は、この勾留期間中に被害者との示談交渉を行い、示談の締結を目指します。
被害者との示談交渉
被害者との示談交渉は、まず警察や検察庁といった捜査機関に対して被害者情報の開示を求め、開示された連絡先に弁護士から電話をして示談交渉を開始します。
被害者との交渉では、示談金や、示談の条件などを話し合いで取り決め、最終的に書面を取り交わして示談金をお支払いするのですが、電話や書面の郵送で行われることがほとんどとなります。
刑事事件専門の弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件専門に扱っている法律事務所です。
これまで数多くの被害者様と示談を締結してきた実績がございますので、山口県内の刑事事件でお困りの方は、是非一度、ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、刑事事件専門弁護士による法律相談を 初回無料 で承っておりますので、お気軽に
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北九州市の傷害事件 故意がなくても傷害罪は成立するの?~②~
~昨日のコラムからの続き~
故意じゃなくても傷害罪は成立するの?
今回の事例に挙げた刑事事件は、Aさんが同僚に対して行った行為が、暴行罪・傷害罪・過失傷害罪のどれに該当するかということが問題になります。
暴行行為をしたが相手に怪我がなかった場合は暴行罪となり、暴行行為によって相手が怪我をした場合は傷害罪となります。また、不注意で相手を怪我させてしまった場合は過失傷害罪です。
それぞれの犯罪について規定している条文は、以下の通りです。
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
昨日のコラムで解説したように、犯罪は故意でなければ、特別な規定がない限り処罰されません。
今回、Aさんは警察に対し「殴ったことは認めるが、怪我を負わせるつもりはなかった」と主張しています。
殴った行為は認めているため、Aさんには暴行罪の故意はあったとなりますが、怪我を負わせたことに対しては認めていないため、Aさんに傷害罪の故意はなかったとなります。
ただ、傷害罪の故意に関しては、昭和25年11月9日に最高裁で判決された内容で「(傷害罪の)成立には傷害の原因たる暴行についての意思が存在すれば足り、特に傷害の意思の存在を必要としないのである。」と記載されています。
つまり、暴行における傷害罪の故意に関しては『暴行罪に対する故意があれば傷害罪は成立する』と解釈されています。
なので、今回の刑事事件では、Aさんは同僚に対する暴行罪の故意は認めて暴行行為を行った結果、同僚に怪我を負わせているので、Aさんに傷害罪の故意がなくても傷害罪が成立することになります。
傷害罪の刑事弁護活動
今回のAのように、故意でなくても傷害罪が成立してしまうと、警察から取り調べを受けた後に検察に送致され、検察官に起訴判断されると公判(裁判)が開かれる可能性があります。
公判が開かれると、実刑判決が下されたり前科がついてしまったりと、今後の生活に大きな支障をきたします。
弁護士に依頼すれば、弁護人として不起訴処分の獲得や判決の減刑を目指して活動してくれるので、傷害罪による刑事事件を起こしてしまった際は、弁護士に刑事弁護を依頼することをお勧めします。
刑事事件に強い福岡県の弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、傷害罪による刑事事件で不起訴処分を獲得した実績が数多くある弁護士が多数在籍しています。
ご自身で傷害事件を起こしてしまった方や、ご家族が傷害事件で逮捕されてお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡ください。
北九州市の傷害事件 故意がなくても傷害罪は成立するの?~①~
故意ではなくても相手に怪我を負わせた場合は、傷害罪が成立するのかということについて、事例を元に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
参考事件
北九州市八幡東区にある会社で勤務している男性Aさん(27歳)は、同じ職場の同僚のの男性(26歳)に腹を立てて顔面を一発殴打し、同僚に全治2週間ほどの顔面打撲の怪我を負わせました。
同僚は、福岡県八幡東警察署に、医師の診断書と共に被害届を提出し、Aさんは警察から任意の取り調べを受けることになりましたが、「殴ったことは認めるが、怪我を負わせるつもりはなかった」と主張しています。
(フィクションです。)
故意とは?
「故意」を、分かりやすく表現すると「わざと」となりますが、刑法上の「故意」とは、「犯罪事実の認識・認容があること」と解釈されます。
刑法は、故意である犯罪のみを処罰することを原則としています。
これを規定している条文は、刑法第38条1項です。
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
上記条文に記載されている「罪を犯す意思」は故意を指しています。
「罪を犯す意思」とは、犯罪が成立する要件(犯罪事実)に該当することをわかった上(認識)で、犯罪を犯しても構わない(認容)と思う意思のことです。
つまり、前述したように、刑法上の「故意」とは「犯罪事実の認識・認容があること」になります。
また、刑法第38条1項には、例外として故意でなくても処罰される場合もあることを、ただし書きで規定しています。
条文に記載されている「特別の規定」とは、自分の不注意で相手に被害を負わせる「過失」も処罰対象になると規定されている犯罪を指します。
過失傷害罪、過失致死罪などが、刑法第38条1項のただし書きに記載されている「特別の規定」に該当します。
~明日のコラムに続く~
包丁の峰(背の部分)で頭部を殴りつけ 殺人未遂罪で逮捕
包丁の峰(背の部分)で頭部を殴りつけた男が、殺人未遂罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
5日午後、福岡県北九州市で、一緒に酒を飲んでいた友人の頭部を包丁の峰で殴り付けて傷害を負わせた男が、通報で駆け付けた福岡県小倉北警察署の警察官に殺人未遂罪で逮捕されました。
逮捕された男は「年下なのに態度が横着」として犯行に及んだようですが、その後の取り調べで、「殺すつもりはなかった」と容疑を一部否認しています。
殺人未遂罪
人を殺してしまうと殺人罪となります。
今回の逮捕容疑は殺人未遂罪ですが、未遂罪とは、犯罪の実行に着手したが、犯罪を最後まで成し遂げなかったことを意味します。
つまり今回逮捕された男性は、友人を殺そうと包丁の峰で頭を殴ったけど死ななかった(殺せなかった)として殺人未遂罪が適用されたのでしょう。
ところで今回逮捕された男は「殺すつもりはなかった」と容疑を一部否認しているようですが、殺人罪(殺人未遂罪)が成立するには、必ず殺意(殺人の故意)が必要となります。
この殺意(殺人の故意)がない場合、傷害致死罪(傷害罪)が成立するにとどまるので、今回の事件についても、今後の捜査次第では、殺人未遂罪ではなく、傷害罪となる可能性があるでしょう。
殺人未遂罪で逮捕されると
殺人罪の法定刑は「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」と非常に厳しい法定刑が定められており、逮捕されると間違いなく勾留されるでしょう。
人の命にかかわる事件なので、警察等の捜査も慎重に行われ、逮捕容疑である殺人未遂罪で立件できるかどうかは、殺意を認定できるかどうかに大きく左右されるので、今後の取調べでは、殺意の有無に焦点があてられるでしょう。
なお、殺意が認定された場合は、正式に起訴(公判請求)されて刑事裁判となる可能性が高いでしょうが、傷害罪にとどまった場合は、略式起訴による罰金刑もあり得るでしょう。
殺人未遂事件で逮捕されたら
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、ご家族が警察に逮捕された方から 初回接見 を承っております。
この初回接見サービスは、電話でご予約が完了する非常に便利なサービスで、ご予約いただいたその日のうちに弁護士を派遣することもできますので、詳しくは
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海外旅行先で女性に暴行 帰国して被害届を提出されたら…
海外旅行先で彼女に暴行した事件で、日本に帰国して被害届を提出されたらどうなるかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
事件内容
会社員のAさんが交際していた女性がいました。
Aさんは、この女性と3ヶ月ほど前に海外旅行に行ったのですが、旅行先の外国で女性と口論になり、女性に対して突き飛ばす等の暴行をしてしまいました。
そしてそのまま、その女性とは別れて交際が終わったのですが、共通の知人から「帰国してから女性が福岡県東警察署に被害届を提出しているかもしれない。」という話しを聞いたAさんは、今後のことが不安です。
さて、海外旅行先の外国で、日本の法律を犯すとどうなるのでしょうか?
(フィクションです。)
海外旅行先で事件を起こすと
Q.海外旅行先(日本国外)で事件を起こすと、日本の法律が適用されるのでしょうか?
A.適用される場合もあります。
刑法第3条には、「国民の国外犯」が規定されています。
国民の国外犯とは、日本国外であっても、刑法第3条に列挙された犯罪を犯した日本人については、日本の法律で裁くことができるという意味です。
その法律(犯罪)とは
1.刑法第108条(現住建造物等放火)及び第109条第1項(非現住建造物等放火)の罪、これらの規定の例により処断すべき罪並びにこれらの罪の未遂罪
2.刑法第119条(現住建造物等浸害)の罪
3.刑法第159条から第161条まで(私文書偽造等、虚偽診断書等作成、偽造私文書等行使)及び前条第5号に規定する電磁的記録以外の電磁的記録に係る刑法第161条の2の罪
4.刑法第167条(私印偽造及び不正使用等)の罪及び同条第2項の罪の未遂罪
5.刑法第176条から第181条まで(強制わいせつ、強制性交等、準強制わいせつ及び準強制性交等、監護者わいせつ及び監護者性交等、未遂罪、強制わいせつ等致死傷)及び第184条(重婚)の罪
6.刑法第198条(贈賄)の罪
7.刑法第199条(殺人)の罪及びその未遂罪
8.刑法第204条(傷害)及び刑法第205条(傷害致死)の罪
9.刑法第214条から第216条まで(業務上堕胎及び同致死傷、不同意堕胎、不同意堕胎致死傷)の罪
10.刑法第218条(保護責任者遺棄等)の罪及び同条の罪に係る刑法第219条(遺棄等致死傷)の罪
11.刑法第220条(逮捕及び監禁)及び第221条(逮捕等致死傷)の罪
12.刑法第224条から第228条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等、未遂罪)の罪
13.刑法第230条(名誉毀き損)の罪
14.刑法第235条から第236条まで(窃盗、不動産侵奪、強盗)、刑法第238条から第240条まで(事後強盗、昏酔強盗、強盗致死傷)、刑法第241条第1項及び第3項(強盗・強制性交等及び同致死)並びに第243条(未遂罪)の罪
15.刑法第246条から第250条まで(詐欺、電子計算機使用詐欺、背任、準詐欺、恐喝、未遂罪)の罪
16.刑法第253条(業務上横領)の罪
17.刑法第256条第2項(盗品譲受け等)の罪
です。
怪我をしていれば傷害罪で処断される
Aさんの暴行行為によって、女性が怪我をしていれば、傷害罪となるので、国民の国外犯が適用されますが、逆に、女性が怪我をしていない場合は、暴行罪となるので、Aさんの暴行行為を、日本の法律で裁くことができません。
国民の国外犯に該当する事件であれば、日本国外で起こった刑事事件であっても日本の警察が捜査することとなりますが、実際に日本で起こった刑事事件と同様の捜査が行われるとは限らず、Aさんのような事件であれば、立件するだけの証拠を獲得するのは非常に困難だと思われます。
まずは弁護士に相談を
外国における刑事事件で捜査を受けている方、外国で起こした傷害事件で被害届を提出されてしまった方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
殴っていなくても傷害罪になるの?共犯について
共犯って?自分が殴っていなくても傷害罪になるのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
参考事件
建設会社に勤務するAさんの会社には全く仕事をしない後輩がいます。
Aさんは、同僚のBさんと共に、これまで何度もこの後輩に対して注意してきましたが、後輩の仕事態度は全く改善されません。
そんな中、Bさんから「〇〇(後輩)にヤキを入れてやろう。」と話を持ち掛けられたAさんは、それに同意し、事前にBさんと打合せて、仕事終わりに、後輩をBさんの待つ会社の倉庫に連れて行きました。
そしてそこで、Bさんが後輩に対して殴る蹴るの暴行を加えたのです。(Aさんは暴行行為には加担していません。)
そしてBさんの暴行によって、後輩は鼻の骨を骨折する傷害を負ったようです。
それから数日して、Aさんは、Bさんと共に福岡県糸島警察署に傷害罪で逮捕されてしまいました。
Aさんは「自分は殴っていない。」と主張しています。
(フィクションです。)
傷害罪
人を殴って怪我をさせれば傷害罪となります。
傷害罪は刑法第204条に規定されている犯罪行為で、その法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
起訴されて有罪が確定すればこの法定刑内の刑事罰が科せられますが、実際にどういった刑事罰が科せられるのかは、動機や、行為態様、被害者の怪我の程度等によって異なり、被害者に対して謝罪や賠償ができている場合は処分が軽くなるでしょう。
共犯
Aさんは「自分は殴っていない。」と主張しているようですが、実際の暴行行為に加わっていなかったとしても
①共謀が行われている
②共謀に基づいて実行行為が行われている
の2つの要件を満たせば、共犯として扱われて、行為者と同じ扱いを受けることになります。
Aさんの場合、事前にBさんと打合せをして、暴行の現場まで後輩を連れて来ているので共犯として扱われることは間違いなく、傷害罪の適用を受けることになるでしょう。
つまり有罪が確定すれば、上記した傷害罪の法定刑内で刑事罰を受けることになるのですが、実際に科せられる刑事罰は暴行したBさんよりも軽減される可能性が高いでしょう。
共犯事件を扱っている法律事務所
警察や検察は共犯の認定に対してとても慎重に捜査をする傾向にあり、取調べの段階でどういった対応をするかによって、共犯として認定されるかが左右される場合もあるので、共犯事件で警察の捜査を受けている方は、一刻も早く弁護士に相談することをお勧めします。
糸島市の傷害事件、共犯事件でお困りの方は、是非一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
喧嘩相手が重傷~②~正当防衛にならないのですか?
喧嘩相手が重傷なった傷害事件を参考に、正当防衛について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
参考事件
~昨日からの続き~
警察署に出頭したAさんは警察官の取調べを受けています。
Aさんは、男性を突き飛ばしたことは認めていますが、相手から先に胸倉を掴まれたので防御するために突き飛ばしたと主張しています。
はたしてAさんに正当防衛は成立するのでしょうか。
またAさんは、どの様な刑事罰を受けるか分からず不安に感じているようです。
(フィクションです)
正当防衛
今回の事件でAさんは、男性から先に胸倉を掴まれており、その手を振り払うために男性の身体を押しています。
暴行の故意は認められるでしょうが、積極的な加害意思があったのかと言われれば疑問が残ります。
それならば正当防衛が成立するのではないでしょうか。
正当防衛とは、急迫不正の侵害に対し、自己又は他人の権利を守るために、やむを得ず行った防衛行為のことです。
Aさんが先に胸倉を掴まれたことについては、正当防衛でいうところの「急迫不正の侵害」といえるでしょうが、その後、Aさんが男性の身体を押す行為が「自己又は他人の権利を守るために、やむを得ず行った防衛行為」といえるかどうかによって、Aさんの行為が正当防衛と認められるかどうかが判断されるでしょう。
ちなみに、正当防衛の防衛行為は「必要最小限」であることが必要とされていますが、防衛行為によって生じた結果が必要最小限であることまでは要求されていません。
量刑
傷害罪の量刑は、被害者が負った傷害の程度、被害者との示談、前科・前歴の有無等によって左右されます。
初犯で、被害者が軽傷である場合は、被害者と示談していれば不起訴となる可能性が非常に高いですが、逆に、今回の事件のように被害者が意識不明に陥る重傷を負ってしまった場合は、初犯であっても実刑判決が言い渡される可能性があります。
ただ、今回の事件でAさんは、自首や、正当防衛が認められる可能性があり、その場合は不起訴の可能性もあるでしょう。
傷害罪で逮捕された場合は
ご家族、ご友人が警察に逮捕された方、傷害事件で警察に出頭を考えている方は、福岡県で刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
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