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【酒気帯び運転】酒気帯び同乗罪で接見禁止~福岡県朝倉市

2020-01-24

【酒気帯び運転】酒気帯び同乗罪で接見禁止~福岡県朝倉市

酒気帯び同乗罪で接見禁止について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

AさんとBさんは会社の同僚でご近所同士で,ある日,地域の忘年会に参加するため,Aさんが車を運転して(BさんはAさんの車に同乗)忘年会の会場まで行きました。AさんもBさんも忘年会でお酒を飲みました。そして,忘年会後,BさんはAさんに「車に乗せてってくんない?」と言ったところ,Aさんはこれを承諾し「帰りもオイが運転するけん乗っていかんね」と言いました。そして,AさんとBさんは車で帰宅途中,警ら中の福岡県朝倉警察署のパトカーの職務質問に遭い,Aさんは飲酒運転(酒気帯び運転)の罪で,Bさんは飲酒運転(酒気帯び運転)同乗罪で逮捕され,その後勾留されました。また,AさんとBさんは他人を介して通謀し,証拠隠滅を図るおそれが高いとして接見禁止決定を受けてしまいました。
(フィクションです)

~ 酒気帯び運転同乗罪 ~

お酒を飲む機会が増える方も多いのではないでしょうか?
そんな中,警察の取り締まりも強化されていますから注意が必要です。

ご存知のとおり,飲酒運転だけではなく,飲酒運転をすることとなるおそれがあるものに対し車両等を提供したり,飲酒運転者に対し自己の運送を要求し,又は依頼して車両に同乗した場合も犯罪となります。
後者は飲酒運転(酒気帯び運転)同乗罪で,道路交通法65条4項に規定があり,罰則は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です(道路交通法117条の2の2第4号)。
なお,条文上は要求,依頼とありますが,明示的な要求,依頼行為がなくても,同乗者と運転者の関係,同乗に至った経緯等個別具体的な事情を勘案して要求,依頼があったと認められる場合があります(つまり,暗黙の了解という場合であっても同乗罪に問われることがあります!)。

道路交通法65条
1 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
2 何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。
3 何人も、第一項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。
4 何人も、車両(トロリーバス及び旅客自動車運送事業の用に供する自動車で当該業務に従事中のものその他の政令で定める自動車を除く。以下この項、第百十七条の二の二第六号及 び第百十七条の三の二第三号において同じ。)の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対し、当該車両を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、 当該運転者が第一項の規定に違反して運転する車両に同乗してはならない。

~ 接見禁止と解除 ~

弁護人以外の者(ご家族など)との接見は,通常,勾留後に可能です。
ところが,勾留後もご家族などとの方との接見が制限されることがあります。それが,

被疑者・被告人に接見禁止決定が出た場合

です。
接見禁止決定とは,通常検察官の請求を受けた裁判官が,被疑者・被告人が逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があると認めた場合に,勾留されている被疑者・被告人と弁護人又は弁護人となろうとする者以外の者との接見を禁じる決定のことをいいます。
今回,Aさん,Bさんの認否が明らかではありません。
また,AさんとBさんはともに身柄拘束を受けていますから,両者が直接通謀して証拠隠滅を図ることは物理的に不可能です。
それでも,他人を介して通謀することは可能です。
今回は,そうした理由から接見禁止決定を出された可能性があります。

接見禁止を解除するための手段として,接見禁止の裁判に対する準抗告・抗告の申立てがあります。これは法律(刑事訴訟法)上認められた手続きです。他に,接見禁止の全部又は一部解除の申立てがあります。全部解除となれば,制限なく接見できます。また,一部解除とは,裁判官・裁判所が認めた範囲の人のみ接見を認める処置です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,飲酒運転をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。

【無免許運転】無免許運転の量刑

2020-01-21

【無免許運転】無免許運転の量刑

無免許運転の刑事弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

配達の仕事をしているAさんは3か月前に自家用車を飲酒運転し(道路交通法違反)て検挙され、略式起訴されて罰金30万円の略式命令を受けて前科が付き、さらに免許取消しの行政処分を受けていました。しかし、Aさんは会社をクビになりたくたいと思って、そのことを会社には報告せずに無免許のまま会社の車を運転していました。そして、Aさんはいつものように、会社の車を運転して配達業に就いていたところ、赤色信号無視違反で福岡県飯塚警察署の警察官が運転するパトカーに呼び止められました。Aさんは警察官から免許証の提示を求められましたが、無免許だったため提示することができず無免許運転が発覚し、道路交通法違反の被疑者として逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたAさんの妻は、弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです。)

~ 無免許運転 ~

無免許運転については道路交通法64条1項に規定されています。

道路交通法64条1項
 何人も、84条1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(略)、自動車又は原動機付自転車(以下、自動車等)を運転してはならない。

なお、無免許運転を分類すると以下のように区分することができます。

純 無 免:いかなる運転免許も受けないで自動車等を運転
取消無免:運転免許が取り消された後に自動車等を運転
停止中無免:運転免許の効力が停止されている間に自動車等を運転
免許外無免:特定の種類の自動車等を運転することができる運転免許を受けているが、その運転免許で運転することができる種類の自動車以外の種類の自動車等を運転すること
失効無免:免許を受けた者が、その運転免許証の有効期間の更新をしないため失効しているのに自動車等を運転

以上はいずれも無免許運転です。
無免許運転となった以上、それまでの経緯に関係なく、自動車等を運転してはいけません。

無免許運転の罰則は

3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

です(法117条の2の2第1号)。

また、無免許運転中に交通事故(人身事故)を起こした場合は、道路交通法とは別の自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、法律といいます)が適用されるおそれがあります。
法律6条では、無免許運転による刑の加重規定が設けられています。

無免許運転+危険運転(人を負傷させた場合に限る)→6月以上の懲役
無免許運転+準危険運転→人を負傷させた場合、15年以下の懲役 人を死亡させた場合、6月以上の懲役
無免許運転+アルコール発覚免脱→15年以下の懲役
無免許運転+過失運転致死傷→10年以下の懲役
 
罰則は単なる無免許運転より格段に重たくなっていることがわかります。

~ Aさんの量刑は? ~

Aさんは、3か月前に飲酒運転(道路交通法違反)で検挙され、罰金30万円の前科を有しています。
そして、また今回、同じ道路交通法違反で検挙されています。
こうしたことから、Aさんは、今回は略式起訴ではなく正式起訴されるおそれが高いでしょう。
正式起訴されると、正式裁判を受けなければなりません。

正式裁判では、懲役刑を言い渡されるおそれが高いです。
懲役刑は6月から1年が相場といえます。
はじめての正式起訴の場合は、実刑に処せられることは少ないと思われます。つまり、執行猶予が付くことが多いかと思われます。
しかし、執行猶予期間中に交通違反を起こすと、ほぼ間違いなく実刑に処せられます。
注意しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

【危険運転】危険運転と過失運転の違い~福岡県豊前市

2020-01-16

【危険運転】危険運転と過失運転の違い~福岡県豊前市

危険運転と過失運転の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県豊前市の運送会社に勤務するAさんは、福岡県豊前市内の道路をトラックで走行中、対面信号が赤色信号表示を示していたにもかかららず交差点に進入し、青色信号表示に従って横断歩道上を横断していたVさんに自車を衝突させて死亡させる交通事故を起こしました。この交通死亡事故により、Aさんは危険運転致死罪の疑いで現行犯逮捕されました。しかし、Aさんと接見した弁護士は、危険運転致死罪ではなく過失運転致死罪の適用と求めていこうと考えています。
(フィクションです。)

~ 人身事故で適用される罪 ~

人身事故で適用される罪の一つに、過失運転致死傷罪、危険運転致死傷罪があります。
ともに、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、法律)(」という法律の中で規定され、前者は法律5条に、後者は法律2条に規定されています。

(過失運転致死傷罪)
法律5条 
 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

(危険運転致死傷罪)
法律5条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
四 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
五 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
六 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

~ 両罪の違い ~

まず、大きな違いは法定刑です。
過失運転致傷罪が「七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金」であるのに対し、危険運転致死傷罪は「人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役」です。
特に、危険運転致死罪の場合、1年以上の有期懲役ですから、起訴され、有罪となれば実刑判決を受ける可能性も十分にあります。

次に、前者は過失、すなわち不注意によって交通事故を起こした場合に適用されるのに対し、後者は故意、すなわち法律5条各号に規定されている状態・状況を運転者が認識しながらあえて自動車を運転して交通事故を起こした場合に適用される法律です。

たとえば、法律5条5号の「赤色信号」を例にとりましょう。
運転者が前方の赤色信号を認識しつつ、あえてこれに従わず交差点に進入したと認められる場合(かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転した場合)は危険運転が適用される可能性が高いでしょう。他方、不注意によって赤色信号を示していた交差点に進入してしまい交通事故を起こした場合は過失運転が適用されるでしょう。

危険運転か過失運転かは、交通事故態様や事故時。事故後の状況などを総合して判断されます。
よって、捜査の結果、危険運転から過失運転になったり、あるいはその逆となることもあります。

危険運転で捜査を受けお困りの方は弁護士までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。

【飲酒運転】新年会と飲酒運転~福岡県久留米市

2020-01-11

【飲酒運転】新年会と飲酒運転~福岡県久留米市

福岡県久留米市に住む会社員のAさんは、会社の新年会に参加し、ビール中ジョッキ2杯、焼酎水割り3杯、日本酒約1合を飲みました。その後、Aさんは体がかなり火照っていることを認識し、飲酒運転がいけないことだとわかっていながら、車を運転して自宅に帰る途中、交差点の赤色信号表示に従って車を停止させたところ、お酒の影響でその場で寝てしまいました。Aさんが次に目を覚ましたのは、現場に駆け付けた福岡県久留米警察署の警察官に声をかけられたときでした。Aさんは、青色信号になってもなかなか発進しなかったため、この様子を見て飲酒運転を疑った後方の車の運転手に110番通報されたようでした。Aさんは、警察官の飲酒検査の結果、「酒酔い運転」と判断され、その場で道路交通法違反の被疑者として現行犯逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたAさんの妻がAさんとの接見を弁護士に依頼しました。
(フィクションです。)

~ 忘新年会のシーズンには飲酒運転に気を付けて ~

「酒酔い運転」とは、アルコールの影響によって正常な運転ができないおそれがある状態で運転をすることをいいます。
「酒気帯び運転」とは、呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上のアルコールまたは血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム以上のアルコールを身体に含んだ状態で運転することをいいます。
このように、酒気帯び運転は、具体的な数値基準が設けられているのに対して、酒酔い運転はそうした基準は特に設けられていません。酒気帯び運転に呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上、という基準を設けていることから、これ以下の数値であれば酒酔い運転に問われることはない、と勘違いされている方もおられます。
しかし、酒酔い運転かどうかは、お酒の量、警察官に対する受け答えの様子、歩行状況などを総合的に勘案して決められるのであって決して具体的数値を基準として決められるのではありません。

また、飲酒運転によって人身事故を起こした場合は、道路交通法違反(酒気帯び運転若しくは酒酔い運転)に加えて過失運転致傷罪が適用されるのが通常です。しかし、アルコールの影響により正常な運転ができないのに運転をして、人身事故を起こしてしまったと判断された場合は、危険運転致傷罪に問われる可能性があります。危険運転致傷罪の法定刑は、非常に厳しく「15年以下の懲役」で罰金刑の規定はありません。

これから忘新年会シーズンとなり、お酒を飲む機会が増える方も多いと思われます。
飲酒運転をしないよう、ハンドルキーパーを確保するなどして、会場までの行き方、会場からの帰宅方法には十分気を払う必要があります。

~ 飲酒運転の処分 ~

飲酒運転単独で、かつ、前科前歴がない場合(初犯の場合)は、略式起訴(→略式裁判→略式命令→罰金刑)で終わる場合が多いでしょう。
他方、過去にも飲酒運転をした前科前歴があるなど、情状が悪質な場合は正式起訴(→正式裁判→判決→懲役刑)となるおそれが高くなります。
正式起訴となれば、実刑を受け、刑務所に服役しなければならない可能性も捨てきれません。
そこで、こうした場合は、実刑回避に向けた情状弁護の準備をする必要があります。

情状弁護とは、裁判において被告人にとって有利な事情(情状)を明らかにし、量刑の軽減や執行猶予付き判決を求めるものです。
裁判で被告人に有利な事情を酌んでもらうには、被告人の方から積極的に事情を明らかにしなければなりません。

情状弁護活動は、弁護士に事件を依頼することをおすすめします。
弁護士であれば、法律の専門家として最適な対応をし、効果的な情状弁護を行うことが期待できるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、飲酒運転をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件でお困りの方は、0120-631-881までお気軽にお電話ください。土日・祝日を問わず、専門のスタッフが24時間、無料法律相談、初回接見のご予約を承っております。

【交通事故】横断歩道上の人身事故~北九州市八幡東区

2019-12-30

【交通事故】横断歩道上の人身事故~北九州市八幡東区

横断歩道上の交通事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

北九州市八幡東区に住むAさんは、自動車を運転して帰宅していたところ、信号のない横断歩道上を歩行中であったVさんを誤ってはねてしまいました。Aさんはこのことに気づいていましたが、このまま警察に報告すると逮捕されるのではないかと怖くなり、道路に倒れたVさんを助けることなくそのまま逃走しました。ところが、後日、Aさんは、福岡県八幡西警察署の警察官により、過失運転致傷罪及び道路交通法違反で逮捕されてしまいました。Aさんの家族は、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。

~ 横断歩道上の交通事故 ~

横断歩道上は「歩行者の聖域」と言われ、自動車の運転者は、横断歩道上を渡ろうとする、あるいは渡っている歩行者を見かけた場合は様々な配慮をしなければなりません。
この点に関し、道路交通法38条では次の規定を設けています。

道路交通法38条
1 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進 路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による 停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断 歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
2 車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除 く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その 前方に出る前に一時停止しなければならない。
3 車両等は、横断歩道等及びその手前の側端から前に三十メートル以内の道路の部分においては、第三十条第三号の規定に該当する場合のほか、その前方を進行している他 の車両等(軽車両を除く。)の側方を通過してその前方に出てはならない。

1項前段(~「速度で進行しなければならない」まで)は横断歩道等に近接する車両等の速度に関する義務、1項後段は、車両等の一時停止、歩行者等の通行を妨げない義務を定めたものです。
2項は、横断歩道等あるいはその直前に車両等がある場合の同車両等の側方を通過する際の一時停止義務、3項は、横断歩道等及びその手前の側端から前に三十メートル以内の道路における追い抜き禁止義務を定めたものです。

2項、3項は、横断歩道等には歩行者等がいるが蓋然性が高いにもかかわらず、各状況下で一時停止することなく車両等を追い抜こうとすれば、横断歩道等に対する見通しが悪いことから、車両等の運転手に一時停止義務や追い抜き禁止義務を課したものです。

このことから、横断歩道上を歩行する歩行者を車ではねて怪我させた場合、歩行者が赤色信号で横断歩道を歩行していた場合など落ち度が認められない限りは「過失」ありとされ、自動車運転処罰法(正規名称、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)の

過失運転致傷罪(被害者が怪我した場合、死亡した場合は過失運転致死罪)

に問われます。
過失運転致傷罪も過失運転致死罪も法定刑は

7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金

ですが、実際の量刑としては、横断歩道上の交通事故は過失を重く見られますから、罰金刑でも高い金額か禁錮刑を選択されることが多いかと思います。
また、ひき逃げ(10年以下の懲役又は100万円以下の罰金)をした場合はさらに刑が重たくなりますので注意が必要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが、24時間体制で、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。

【交通違反】ながら運転③~自転車編

2019-12-20

【交通違反】ながら運転③~自転車編

自転車運転とながら運転ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

前回の「ながら運転①」では、ながら運転やながら運転の罰則、運転中のスマフォ使用がながら運転に当たることなどをご説明しました。また、「ながら運転②-1」ではハンズフリー通話とながら運転、「ながら運転②-2」ではカーナビゲーションの操作とながら運転にうちて解説しました。今回は、自転車運転とながら運転について解説したいと思います。
(フィクションです。)

~ 自転車運転とながら運転 ~

まず、毎回のごとく、ながら運転に関する道路交通法上の規定を確認することとします。

はじめに、道路交通法71条は「運転者の遵守事項」を規定しており、ながら運転についてはその5号の5、6号に規定されています。

道路交通法71条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
1~5の4 (略)
5号の5
 自動車又は原動機付自転車(自動車等)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。118条第3の2において「無線通話装置」という。)を通話(略)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(略)に表示された画像を注視しないこと。
6 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めた事項

道路交通法71条5号の5では

ア、携帯電話装置等を通話のために使用すること
イ、画像表示用装置に表示された画像を注視すること

が禁止されています。

携帯電話用装置とは主に「ガラケー」のこと、無線通話装置とは「スマートフォン」のことと考えられたらよろしいかと思います。
また、画像表示用装置とは主に「ガラケー、スマートフォン、タブレット、カーナビゲーションの画面」のことと考えられたらよろしいかと思います。

しかし、5号の5は「自動車又は原動機付自転車を運転する場合」とされており、自転車は当然これに含まれません。
したがって、自転車運転中にながら運転したとしても道路交通法5号の5は適用されません。

では、6号はどうでしょうか?
この点、6号を見ると、各都道府県の公安委員会に「道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めた事項」を定める権限が委任されています。
そこで、6号によって委任された福岡県道路交通法施行規則の14条には次の規定が設けられています。

福岡県道路交通法施行規則
14条 法第71条第6号に規定する車両等の運転者が守らなければならない事項は、次に掲げるものとする。 ※法=道路交通法

 3号 自転車を運転するときは、携帯電話用装置を手で保持して通話し、若しくは操作し、又は画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと。

これからすると、自転車運転中であっても

ア、携帯電話装置を手で保持して通話すること
イ、画像表示用装置に表示された画像を注視すること

が禁止されているといえます。

罰則は「5万円以下の罰金」です。
 
~ 交通事故を起こすと刑法の罪 ~

自転車のながら運転に対する罰則自体は軽いですが、ながら運転によって交通事故を起こした場合は刑法の

・過失傷害罪(刑法209条)
・過失致死罪(刑法210条)
・重過失致死傷罪(刑法211条後段)

を適用される可能性があります。

刑法209条1項
 過失により人を傷害した者は,30万円以下の罰金又は科料に処する。

刑法210条
 過失により人を死亡させた者は、50万円以下の罰金に処する。

刑法211条
 業務上必要な注意義務を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた場合も、同様とする。

特に、自転車のながら運転による交通事故によって被害者に重度の後遺症が残る傷害を負わせたり、死亡させた場合は取り返しのつかないことになります。
自転車のながら運転は絶対にやめましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、交通事故をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。どうぞ、お気軽にご相談ください。

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【交通違反】ながら運転②-2~カーナビ編

2019-12-19

【交通違反】ながら運転②-2~カーナビ編

ながら運転ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

前々回の「ながら運転①~スマフォ編」では、ながら運転ながら運転の罰則、運転中のスマフォ使用がながら運転に当たることなどを、前回の「ながら運転②-1~ハンズフリー編」では、運転中のハンズフリー運転について、道路交通法違反に当たり得ることもあることなどをご説明しました。今回は、運転中にカーナビげーションを操作した場合にながら運転に当たるのか検討してみたいと思います。
(フィクションです。)

~ ながら運転に関する規定 ~

まず、検討する前に、前回同様、ながら運転に関する道路交通法上の規定を確認することとします。
はじめに、道路交通法71条は「運転者の遵守事項」を規定しており、ながら運転についてはその5号の5に規定されています。

道路交通法71条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
1~5の4 (略)
5号の5
 自動車又は原動機付自転車(自動車等)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。118条第3の2において「無線通話装置」という。)を通話(略)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(略)に表示された画像を注視しないこと。
6 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めた事項

つまり、

ア、携帯電話装置等を通話のために使用すること
イ、画像表示用装置に表示された画像を注視すること

が禁止されています。
そして、

カーナビゲーションの画面

は「画像表示用装置」に当たることから、運転中にカーナビを操作して検挙されるとすれば、イの「画像の注視」で検挙されることになります。

~ 画像注視の罰則 ~

では、画像注視の罰則から確認しましょう。
罰則は2種類あります。

①道路交通法117条の4 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
 1 (略)
 1の2 第71条(運転者の遵守事項)第5号の5の規定に違反し、よつて道路における交通の危険を生じさせた者
 2 (略)

②道路交通法118条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
 1~3 (略)
 3の2 第71条(運転者の遵守事項)第5号の5の規定に違反して無線通話装置を通話のために使用し、又は自動車若しくは原動機付自転車に持ち込まれ た画像表示用装置を手で保持してこれに表示された画像を注視した者(第百十七条の四第一号の二に該当する者を除く。)
 4~8 (略)

①と②の大きな違いは、①は「道路における交通の危険を生じさせた」という条件が必要なのにたいして、②は必要とされていないことです。

そして、①の規定からすると、①違反となるのは

画像の注視+道路における交通の危険を生じさせた

という条件が必要であることがわかります。
「注視」とは「ながら運転①」でもご説明したとおり、画像を見続けることをいい時間的基準はありません。
「道路における交通の危険を生じさせた」か否かは、運転状況、交通状況などに鑑みて判断されるでしょう。

次に、②についてですが、②については「画像表示用装置」はあくまで「手で保持して」とされています。
つまり、

画像表示用装置を手で保持しておらず、かつ、道路における交通の危険を生じさせなかった場合

は①違反も②違反にも問われないことになります(この点につき、ネットやマスコミのニュースなどではカーナビの画像を注視しただけで違反となる、との誤った情報が流れていますから注意が必要です)。

なお、最近ではスマートフォンをカーナビゲーション代わりに使用されている方もおられると思います。
この場合も、

スマートフォンを手で保持しておらず、かつ、道路における交通の危険を生じさせなかった場合

は①違反にも②違反にも問われることはありません。

~ まとめ(カーナビ編) ~

以上をまとめると、カーナビの場合、通常、カーナビを手で保持することはありませんから、

道路における交通の危険を生じさせなかった場合

は違反には問われない(反対に、道路における交通の危険を生じさせた場合は違反に問われる)

ことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、交通違反をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
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【交通違反】ながら運転②-1~ハンズフリー編

2019-12-18

【交通違反】ながら運転②-1~ハンズフリー編

ながら運転ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

前回の「ながら運転①」では、ながら運転やながら運転の罰則、運転中のスマフォ使用がながら運転に当たることなどをご説明しました。ただ、運転中の行為はこれだけに限るものではありません。①運転中にハンズフリーの通話装置で電話をする、②運転中にカーナビげーションを操作するなど様々なケースが想定できます。そこで、今回は、多くの方が関心をお持ちであろうこの①、②の行為がながら運転に当たるのか検討してみたいと思います。
(フィクションです。)

~ ながら運転に関する規定 ~

まず、検討する前に、前回同様、ながら運転に関する道路交通法上の規定を確認することとします。
はじめに、道路交通法71条は「運転者の遵守事項」を規定しており、ながら運転についてはその5号の5に規定されています。

道路交通法71条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
1~5の4 (略)
5号の5
 自動車又は原動機付自転車(自動車等)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。118条第3の2において「無線通話装置」という。)を通話(略)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(略)に表示された画像を注視しないこと。
6 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めた事項

つまり、

ア、携帯電話装置等を通話のために使用すること
イ、画像表示用装置に表示された画像を注視すること

が禁止されています。
携帯電話用装置とは主に「ガラケー」のこと、無線通話装置とは「スマートフォン」のことと考えられたらよろしいかと思います。
また、画像表示用装置とは主に「ガラケー、スマートフォン、タブレット、カーナビゲーションの画面」のことと考えられたらよろしいかと思います。

~ ①についての検討(結論その1:道路交通法71条5号の5違反には当たらない) ~

では、ハンズフリー通話装置についてはどうでしょうか?
この点、道路交通法71条5号の5では「その他の無線通話装置」のことを、

「その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。」

としています。
したがって、ハンズフリー装置は「その他の無線通話装置」には当たらず、運転中に通話のために使用したとしても道路交通法71条5号の5違反に問われる可能性はありません。

~ ①についての検討(結論その2:道路交通法71条6号違反に当たる可能性がある)

しかし、道路交通法71条6号では、運転者は

「前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めた事項」

を遵守しなければならないとされています。
そして、この規定を受けて、各都道府県の公安委員会は「●●(都道府県の名称が入る)道路交通法施行規則」を設けています。福岡県では「福岡県道路交通法施行規則」が設けています。
そして、その14条8号に次の規定が設けられています。

福岡県道路交通法施行規則
14条 法第71条第6号に規定する車両等の運転者が守らなければならない事項は、次に掲げるものとする。 ※法=道路交通法

 8号 大きな音量で、カーラジオ等を聞き、又はイヤホン等を使用して音楽を聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両を運転しないこと。ただし、公共目的を遂行する者が当該目的のための指令等を受信する場合は、この限りでない。

これからすると、ハンズフリーのイヤホンの音の状況によっては道路交通法71条6号違反に問われる可能性がなくはありません。
ちなみに、罰則は5万円以下の罰金です(道路交通法120条1項9号)。

もっとも、捜査機関が同号違反を立証することは極めて難しいと思われます。
したがって、実際問題としてハンズフリーの通話で検挙され処罰されるケースは少ない、と思われます(強引に青切符を切れられる場合は考えられますが、納得がいかない場合は安易に書類にサインしてはいけません)。

しかし、ハンズフリー通話中の運転は、通常の運転に比べて注意力が散漫となると思われます。
そして注意力が散漫となった結果、交通事故を起こせば過失運転致死傷罪(7年以下の懲役又は禁錮若しくは100万円以下の罰金)などの罪に問われるおそれもあります。
運転には十分注意する必要があります。

次回は②-2について検討します。

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【交通違反】ながら運転①~スマフォ編

2019-12-14

【交通違反】ながら運転①~スマフォ編

ながら運転ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県新宮町に住むAさんは、スマートフォンを通話のために使用しながら軽自動車を運転する、いわゆる「ながら運転」をしていたところ、前方に取締りのため立っていた福岡県粕屋警察署の警察官に車を左の空地に停めるよう誘導されました。Aさんは誘導どおりに空地に軽自動車を停め警察官の問いかけに応じたところ、警察官から「ながら運転していましたね。」などと言われ青切符を切られてしまいまし
(フィクションです。)

~ 令和元年12月1日からながら運転の罰則などが強化 ~

改正後の罰則についてですが、以下のとおり

① 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金(道路交通法117条の4第1号の2)

の場合と

② 6月以下の懲役又は10万円以下の罰金(道路交通法118条3号の2)

の2つがあります。

●参考条文

道路交通法117条の4 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
1 (略)
1の2 第71条(運転者の遵守事項)第5号の5の規定に違反し、よって道路における交通の危険を生じさせた者
2 (略)

第118条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
1~3 (略) 第二十二条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者
3の2 第71条(運転者の遵守事項)第5号の5の規定に違反して無線通話装置を通話のために使用し、又は自動車若しくは原動機付自転車に持ち込まれた画像表示   用装置を手で保持してこれに表示された画像を注視した者(第117条の4第1号の2に該当する者を除く。)
4~8 (略) 

「道路交通法117条の4第1号の2違反」のながら運転は①の罰則が適用され、「道路交通法118条3号の2違反」違反のながら運転は②の罰則が適用されます。
いかなる違反で検挙されたかは、交付を受けた切符を見れば分かります。

なお、①違反は反則行為から除外され、直ちに刑事手続が適用される(つまり赤切符を切られる)ことにも注意が必要です。
②違反はこれまでと変わらず反則行為です(つまり、青切符を切られる)。したがって、直ちに刑事手続に移行して罰則を科されることは通常ありませんが、反則金は改正されて高くなっています。
Aさんは青切符を切られていますから、②違反で検挙されたようです。

●②違反の反則金

②違反の反則金は以下のとおりです。

大型車:2万5000円
普通車:1万8000円
二輪車:1万5000円
原付車:1万2000円

~ ながら運転とは? ~

ところで、上の罰則をみると①違反の場合も、②違反の場合も「(道路交通法)第71条第5号の5の規定に違反し」とされています。
そこで、この「道路交通法71条5の5」の規定を確認する必要があります。

道路交通法71条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
1~5の4 (略)
5号の5
 自動車又は原動機付自転車(自動車等)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。118条第3の2において「無線通話装置」という。)を通話(略)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(略)に表示された画像を注視しないこと。
6 (略)

「ガラケー」は「携帯電話用装置」がこれに当たります。
「スマフォ」は「無線通話装置」に当たります。
「カーナビ」は「画像表示用装置」に当たります。「ガラケー」、「スマフォ」の画面も「画像表示用装置」に当たります。

そして、これらのものを運転中に

ア 通話のために使用すること
イ 画像を注視すること

が「ながら運転」ということになります。

なお、アの「使用」は「通話のため」に使用することですから、

・着信音に気づいて携帯電話を手に持つ
・手に持ったまま発信して相手の着信を待つ

など、実際に通話する前の状態でも「使用」に当たります。

また、イ「注視」とは画像を見続けることをいいます。
ネットなどではよく「2秒以上は注視」などという情報が掲載されているのを見かけますが、これは何の基準にもなりません。
つまり、2秒未満であっても画像を見続ければ注視は注視です(そもそも取締りを行う警察官はいちいち秒数を計ってはいません)。

~ まとめ(スマフォ編) ~

以上をまとめると、

・スマフォを通話のために使用した、あるいはスマフォの画像を注視し(スマフォを手に保持していたかどうかを問わない)、かつ、道路における交通の危険を生じさせた場合のながら運転は①違反
・道路における交通の危険を生じさせなくても、スマフォを通話のために使用し、あるいはスマフォを手に保持してスマフォの画像を注視した場合のながら運転は②違反

となります。

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東名あおり運転事故の控訴審はじまる 

2019-11-13

東名あおり運転事故の控訴審はじまる 

東名あおり運転事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

11月6日、東京高等裁判所で、2017年に起きた東名高速道あおり運転の控訴審がはじまります。

~ 東名あおり運転事故とは ~

東名あおり運転事故とは、2017年(平成29年)6月5日、神奈川県足柄上郡大井町の東名高速道路下り線で、夫婦(以下、夫をV1、妻をV2といいます。)及びその娘2人が乗る車(以下、V車といいます。)に対しあおり運転を繰り返した男(以下、男をA、Aの乗る車をA車といいます。)が追い越し車線上にV車を停止させたところ(A車はV車の前方に停止していた)、追い越し車線上を走行してきたトラックにV車を衝突させ、V1、V2を死亡させたほか、娘2人を負傷させた事故です。「東名あおり事故」とも呼ばれています。

事故の経緯を要約すると以下のとおりです。

①A車は、約700メートル,32秒間にわたり,4回,V車の直前に割り込むなどのあおり運転をした
②A車は、V車の前に割り込み,V車を追い越し車線上に停車させた
③V車の停車から約2分後,別の大型トラックがV車後部に衝突
④V1、V2死亡、娘2名負傷

~ 一審の結果は ~

第一審の横浜地方裁判所は、男に「危険運転致死傷罪」を適用し、

懲役18年

を言い渡しています。
この判決に弁護側が不服として控訴し、東京高等裁判所で控訴審が開かれることになった、というわけです。

~ 危険運転致死傷罪の内容 ~

危険運転致死傷罪は、

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、法律といいます)

の第2条に規定されており、第2条には罰則(死亡の場合は1年以上の有期懲役、負傷の場合は15年以下の懲役)のほか、以下のとおりその1号から6号までに危険運転の類型が規定されています。

1号:正常な運転が困難になるほどの飲酒・薬物使用運
2号:進行を制御することが困難なほどの高速度での運転
3号:車を制御する技能を有しないでする運転
4号:人や車の通行を妨害する目的でに著しく接近するなどし、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度での危険な運転
5号:赤信号等を殊更に無視し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度での運転
6号:通行禁止道路の進行し、かつ重大な危険を生じさせる速度での運転

このうち、東名あおり運転事故で適用されたのは4号の

人や車の通行を妨害する目的でに著しく接近するなどし、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度での危険な運転

~ 東名あおり運転事故の争点 ~

ところが、東名あおり運転事故では、A車は停止していたことから(速度は0kmだったことから)、

重大な交通の危険を生じさせる速度

で危険運転をしたと認めらえれるかどうかが争点となりました。

この点に関し、検察側は「高速道路上では停止行為も危険運転に当たるため危険運転致死傷罪は成立する。」と主張したのに対し、弁護側は「A車が停止した時点で危険運転は終わっているため危険運転致死傷罪は成立しない。」と主張しました。
これを受けて横浜地方裁判所は、

高速道路上で停車させた速度ゼロの状態が同罪の構成要件の「重大な危険を生じさせる速度」とするのは解釈上無理がある

とた上で、。

停車させる行為以前のあおり運転(①行為)については通行妨害運転に当たり、停止させた行為(②行為)はあおり運転(①行為)に密接に関連した行為であり、死傷の結果はあおり運転(①行為)によって現実化した

として複数のあおり運転と停止行為とを一連一体の「通行妨害運転」と認め、危険運転致死傷罪を適用しています。

~ 第一審判決に批判的な見方も ~

そもそもV1、V2さんを死亡するなどさせたのはトラック運転手による追突行為が直接の原因です。
弁護側は、「多くの後続車はV車をよけていた。」「事故は追い越し車線を走行してきたトラックの過失に基づくものでAに責任はない。」などと主張して無罪を求める方針のようです。
専門家からも「危険運転致死傷罪を拡大解釈しすぎだ。」との批判もあり、今後の裁判の行方が注目されます。

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