Archive for the ‘交通違反・交通事故’ Category

煽り運転を殺人罪で起訴

2019-01-22

煽り運転を殺人罪で起訴

Aさんは,一般道において普通乗用自動車を時速100メートルで運転中,前方を走っていたVさんが死んでも構わないという意図の下,Vさん運転の大型バイクを執拗に煽った末,同バイクに自車を衝突させるなどしてVさんを死亡させたとして,殺人罪起訴されました。Aさんの弁護を担当する弁護人は,公判で殺人罪の殺意(故意)を争い,殺人罪は成立せず,過失運転致死罪が成立するにとどまるなどと主張しています。
(フィクションです)

~ 危険運転致死罪,過失運転致死罪 ~

通常,交通事故によって人を死亡させた場合,

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律

という法律に規定されている,危険運転致死罪(法律2条)や過失運転致死罪(法律5条)が適用される場合がほとんどです。
前者は,法律2条各号に危険運転の類型が定めらており,行為者(運転者)が各類型の事実や相手方が死亡するであろうという結果を認識しなければ罪が成立しない故意犯です。ちなみに,煽り運転で一番該当しそうな類型は,法律2条4号の

人又は車の通行を妨害する目的で,走行中の自動車の直前に進入し,その他通行中の人又は車に著しく近接し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

だと思われます。法定刑は,1年以上の有期懲役です。
次に,後者の過失運転致死罪ですが,これは名称からもわかる通り,故意犯ではなく過失犯です。過失とは,とある注意義務を不注意によって怠って結果(死亡)を発生させ,かつ,その結果(死亡)発生につき認識・認容がない場合をいいます。法定刑は,7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。Aさんの弁護人は,AさんはVさんが死んでも構わないと思って煽り運転をしていたわけではないなどと主張し,殺意(故意)を否認して過失運転致死罪の成立を主張しているのです。

~ 殺意 ~

殺意とは,一般的には人を殺害する意思を意味しますが,刑法上は,人を殺害することを認識し,認容している心理状態をいうとされています。
このような内心の心理状態は本人にしか分からないため,殺意の有無の判断においては,客観的に死亡の危険性が高い行為をしたのか,あるいはその認識があったのか,などという点が考慮されます。

具体的にいうと,例えば,凶器として日本刀のように刃渡りが長く大きな傷を与えうる刃物を用いたという場合には殺意を肯定する方向に評価が傾きますが,他方で,100円ショップ等で売っているような刃渡りの短いカッターナイフを用いたという場合には殺意が否定される方向に評価が傾きます。
また,同じ刃物を用いた場合でも,心臓や首など,人体の生命活動に必要不可欠な部位を刺したという場合には殺意を肯定する方向に評価が傾きますが,手首など傷を負っても死亡という結果に至りにくい部位を刺したという場合には殺意が否定される方向に評価が傾きます。
用いた凶器や傷の部位,凶器の使い方など実行行為時の事実だけでなく,実行行為終了後の事実が殺意の有無に影響を与えることもあります。
例えば,相手に怪我をさせた後直ちに傷の手当てをするなど相手を死亡させないように努力したという場合には殺意が否定される方向に評価が傾くこともあります。

では,本事例の煽り運転ではどうでしょうか?
今回,明らかになっている事実,つまり,Aさんが時速100キロメートルで普通乗用自動車を運転していたという行為は,死亡という結果発生を惹起しうる危険な行為ですから殺意を肯定する方向に働くでしょう。その他,速度のみならず,走行方法,バイクとの距離,車内の物音,ブレーキの有無などが殺意を認定する上での考慮事情となるでしょう。
また,現在(平成31年1月18日現在),大阪地方裁判所堺支部で公判係属中の煽り運転の事件では,被告人がバイクに追突したその約10秒後に,「はい,終わりー」と陽気に?言ったことが,殺意を認定する上での考慮事情とされているようです。検察側は,これを被害者に向けた言葉だと解釈して殺意有りと主張しているのに対し,被告人側は「事故を起こしたら仕事を辞めやきゃいけない。自分の立場や生活が「終わった」ことだ」と反論し殺意を否定しています。今後,裁判所がどういう判断を下すのか注目です。

~ 起訴 ~

起訴とは,検察官が当該事件を刑事裁判にかけることをいいます。刑事裁判では,被告人が何を行ったのか,行ったとしてそれは犯罪に当たるのか,犯罪に当たるとしてどんな罪が成立するのか,犯罪が成立するとして被告人にはどんな刑罰を科すのが適当かといったことが争われます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,殺人罪などの刑事事件に関する刑事裁判に慣れた弁護士が所属しております。お困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間無料法律相談初回接見サービスを受け付けております。

飲酒運転の犯人隠避罪

2019-01-20

飲酒運転の犯人隠避罪

福岡市小郡市に住むAさんは,飲酒帰りの友人Bさん,Cさん及びDさんから,自動車でそれぞれの自宅まで送って欲しいと頼まれ,B,C及びDを自動車に乗せて出発しましたが,その途中,自動車の運転をBさんに交代しました。すると,飲酒運転をしていたBさんが運転操作を誤ったため,自動車は崖下に転落し,Bさん及びCさんは即死しました。Aさん及びDさんは軽傷で済みましたが,Bさんの飲酒運転の発覚を恐れ,Aさんが運転していて事故を起こしたことにしようと相談し,Aさんは,通報を受けて事故現場に臨場した福岡県小郡警察署の警察官に対し,自分が自動車を運転していて事故を起こしたと説明しました。
(フィクションです)

~ はじめに ~

酒酔い・酒気帯び運転,無免許運転などの同乗者が,運転者の身代わりとなって,警察官に「自分が犯人だ」などと虚偽の供述をする,又は運転者等にさせられるというケースが散見されます。これは事故発生から警察官の現場臨場まで時間があること,同乗者が複数人いる場合,実際の運転行為はその同乗者しか現認していないことなどの理由から比較的,同乗者間で口裏合わせをしやすいからだと思われます。
本件でも,Aさんが虚偽の供述をしています。Aさんはどんな罪に問われるのかみていきます。

~ 犯人蔵匿・隠避罪(刑法103条) ~

刑法103条
 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者(略)を蔵匿し,又は隠避させた者は,3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

= 罰金以上の刑に当たる罪 =

「罰金以上の刑に当たる罪」とは,法定刑として罰金刑以上の刑が規定されていればよく,選択刑として拘留・科料が規定されていても構わないとされています。Bさんが問われる罪として考えられるのは,

1 過失運転致死傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条)
2 危険運転致死傷罪(同法律2条)

ですが,1は選択刑として罰金刑が,2は懲役刑しか規定されていませんから,いずれの罪の場合でも「罰金以上の刑に当たる罪」に当たります。

= 罪を犯した者 =

では,Bさんは「罪を犯した者」といえるでしょうか?
この点については,犯人蔵匿・隠避罪が何に重点を置いて規定された罪なのかとうことに対する考え方で結論が異なってきます。つまり,犯人蔵匿・隠避罪が,捜査機関による犯人の身柄確保に重点を置いているという考え方をとれば,Bさんはすでに死亡していますから,Bさんは「罪を犯した者」に当たります。他方で,捜査機関による犯人の特定に重点を置いているという考え方をとれば,本件のように,小郡警察署の警察官が犯人がまだ誰なのかを特定していない段階で,Aさんが「犯人は自分だ」と名乗り出る行為は,犯人の特定を妨げる行為となりますから,Bさんは「罪を犯した者」には当たりません。
過去には,死亡した犯人の身代わりとなって出頭した事案について,犯人隠避罪を認めた裁判例があります(札幌高判平17年8月18日)。

= 蔵匿・隠避 =

蔵匿とは,犯人に場所を提供してかくまってやることをいいます。隠避とは,蔵匿以外の方法によって官憲による逮捕・発見を免れされる一切の行為を指し,Aさんのように,Bさんの代わりに警察官に「自分が犯人だ」と言う行為,自首する行為,犯人に変装用の衣服や旅費を与える行為などがあります。

= 故意 =

本件の故意としては,Aさんが被蔵匿者又は被隠避者が「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」であることの認識が必要ですが,判例は,罰金以上の刑に当たる材質の犯罪事実を犯した者であることを知っていれば,その罪の法定刑が罰金以上であることの認識までは必要ないとしています。つまり,Aさんが,Bさんが「交通事故を起こし,怪我を負わせた人」であるということが分かっていれば故意は認められそうです。

以上から,Aさんには犯人隠避罪が成立しそうです。

~ 車両提供罪 ~

本罪は,相手方が酒気を帯びている者で,酒気を帯びて車両等を運転すること(飲酒運転すること)となるおそれがあることを認識しながら,相手方に車両等を提供した場合に成立する犯罪です(道路交通法65条2項)。罰則は,5年以下の懲役又は100万円以下の罰金です(道路交通法117条の2第2号)。「提供」とは,提供を受ける者が利用し得る状態に置くことをいい,Aさんのように車の運転を代わる行為,エンジンキーを渡す行為,車の所在を教える行為などがこれに当たります。ただ,車両提供罪が成立するには,提供を受けた者が実際に飲酒運転を行ったことが必要とされており,Bさんが飲酒運転をしていたことが立証されれば,Aさんは,車両提供罪でも問われる可能性が出てくるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,飲酒運転をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。飲酒運転でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービス24時間受け付けております。
福岡県小郡警察署までの初回接見費用:39,200円)

交通違反と反則金制度⑤~反則金制度から刑事手続に移行する場合とは~

2019-01-03

交通違反と反則金制度⑤~反則金制度から刑事手続に移行する場合とは~ 

~ 前回(2018年12月11日付ブログ)の続き ~

前回は,反則金制度において反則金を仮納付しなかった場合の流れなどについてご説明いたしました。本日は,反則金制度から刑事手続移行する場合とはどんな場合か,刑事手続移行した場合のその後についてご説明いたします。

~ 反則金制度から刑事手続に移行する場合 ~ 

前回もご説明したとおり,基本は,①警察本部長の通告を受け,かつ,通行を受けた日の翌日から起算して10日以内に反則金を納付しなかった場合に刑事手続に移行することになります。ただし,次の場合は通告手続を経ずして刑事手続に移行します。

1 次の場合に告知ができなかった場合(道路交通法130条1号)
 ② 居所又は氏名が明らかでない場合
 ③ 逃亡するおそれがある場合

2 次の場合に告知若しくは通告ができなかった場合(道路交通法130条2号)
 ④ 青キップ(告知書),通告書等の書面の受領を拒んだ場合

~ 刑事手続に移行した場合のその後 ~

刑事手続移行した場合は,同じ交通違反でも飲酒運転などと同様,逮捕され,交通違反の種別になどによっては勾留という長期の身柄を受けることもあります。そして,最終的に,検察官の起訴(公訴の提起)を受けた後,(正式,略式)裁判を受け,懲役刑,罰金刑の刑罰を受けることになります。その裁判が確定すれば前科が付きます。

ところで,Aさんは,携帯電話の画面を注視していた件で交通反則告知書を青色キップを切られた(告知を受けた)ものの,その後の通告も無視し続けていたということでした。ということは,Aさんは上記2-④に当たり,刑事手続に移行することとなります。そして,携帯画面の注視は,その態様によっては懲役刑も定められていますから(罰金刑は5万円以下),懲役の身柄拘束を受け,刑務所に収容される可能性も残されることになります。

以上,これまで5回にわたり,交通違反で検挙されてから刑事手続移行するまでの流れについてご説明してきました。興味のある方は,もう一度,第1回からご覧いただければと思います。交通違反で検挙された場合,軽微だからといって甘くとらえず,早め早めの対策を取られることが肝要です。お困りの方は,弊所の無料法律相談初回接見サービスをご利用ください。

福岡県大野城市のあおり運転で死亡事故 危険運転に強い弁護士が解説②

2019-01-02

福岡県大野城市のあおり運転で死亡事故 危険運転に強い弁護士が解説②

Aさんは,Vさんをあおり運転の末に高速道路の追い越し車線に停車させ,後続したトラックによる追突事故を引き起こしてVさんを死亡させる死亡事故を起こしたとして,福岡県春日警察署危険運転致死罪で逮捕されました。この死亡事故について,危険運転に強い弁護士が解説します。
(フィクションです)

~ はじめに ~

昨日は,危険運転致死罪の内容,横浜地方裁判所で行われたあおり運転の裁判で,何が最大の争点だったのかについて解説いたしました。本日は,なぜ,危険運転致死罪が適用されたのかについてご説明いたしたいと思います。

~ 危険運転の中の通行妨害運転 ~

危険運転致死罪を適用するためには,昨日ご紹介した①から⑥の類型のいずれかに当てはまらなければなりません。

では,まず④の通行妨害運転の規定内容からみていきましょう。

「人又は車の通行を妨害する目的で,走行中の自動車の直前に進入し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転させる行為」

~ 検察,弁護側の主張,裁判所の判断は? ~

検察側は④の通行妨害運転に当たると主張しました。他方で,弁護側は,事故の直接の原因となったトラックによる追突事故を引き起こしたのは,あくまで被告人が被害車両を停車させた行為(前日ブログ記載の②行為)で,停車させるという時速0kmの速度は「重大な交通の危険を生じさせる速度」には当たらないから通行妨害運転には当たらないと主張しました。

この点,裁判所は,「高速道路上で停車させた速度ゼロの状態が同罪の構成要件の「重大な危険を生じさせる速度」とするのは解釈上無理がある」と指摘しました。
他方で,停車させる行為以前のあおり運転(①行為)については通行妨害運転に当たるとし,停止させた行為(②行為)はあおり運転(①行為)に密接に関連した行為であり,死傷の結果はあおり運転(①行為)によって現実化したと述べて,あおり運転と結果との間の因果関係を認めました。つまり,裁判所は,複数のあおり運転と停車行為とを一連一体の行為を通行妨害運転と認定し,危険運転致死罪を適用したということになります。

あおり運転危険運転でお困りの方は,まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談下さい。

福岡県大野城市のあおり運転で死亡事故 危険運転に強い弁護士が解説①

2019-01-01

福岡県大野城市のあおり運転で死亡事故 危険運転に強い弁護士が解説①

Aさんは,Vさんをあおり運転の末に高速道路の追い越し車線に停車させ,後続したトラックによる追突事故を引き起こしてVさんを死亡させる死亡事故を起こしたとして,福岡県春日警察署危険運転致死罪で逮捕されました。この死亡事故について,危険運転に強い弁護士が解説します。
(フィクションです)

~ 危険運転致死罪 ~

危険運転致死罪は「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」の第2条に規定されており,①酩酊・薬物運転(同条1号),②制御困難運転(2号),③未熟運転(3号),④通行妨害運転(4号),⑤信号無視運転(5号),⑥通行禁止道路運転(6号)の危険運転によって人を死亡させた場合に成立する犯罪で,法定刑は1年以上の有期懲役です。

~ 何が争点(問題点)か ~

平成30年12月14日,横浜地方裁判所で,Aさんと同じくあおり運転をした末に死亡事故を起こした男性被告人に懲役18年(求刑:懲役23年)の実刑判決が言い渡されましたので,この裁判を例にとって解説いたします。

死亡事故の経過は,

①東名高速道路で,約700メートル,32秒間にわたり,4回,被害者の車の直前に割り込むなどのあおり運転をした
②被害者の車の前に割り込み,同車を追い越し車線上に停車させた
③停車から約2分後,別の大型トラックが被害車両後部に衝突
④被害者2名死亡,2名怪我

というものでした。

①から④からすると,本件死亡事故の発生(被害者2名の死亡の結果)は,被告人の行為(あおり運転等)が直接の原因とはなっていない(直接の原因は,大型トラックが後方から追突したこと)ため,被告人に危険運転致死罪を適用できるのか,適用できるとして何が危険運転なのかが最大の争点となりました。

裁判所は危険運転致死罪の適用を認めたのですが,明日は,なぜそういう結論となったのかについて解説いたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,あおり運転危険運転による死亡事故をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。あおり運転危険運転死亡事故でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間無料法律相談初回接見サービスを受け付けております。
福岡県春日警察署までの初回接見費用:36,600円)

福岡県柳川市で当て逃げ事故~ひき逃げとの違い~釈放に向け弁護士が接見

2018-12-31

福岡県柳川市で当て逃げ事故~ひき逃げとの違い~釈放に向け弁護士が接見 

福岡県柳川市に住むAさんは,当て逃げ事故を起こしたとして福岡県柳川警察署に逮捕されました。Aさんの家族から依頼を受けた弁護士がAさんと接見の上釈放に向けて弁護活動を始めました。
(フィクションです)

~ ひき逃げと当て逃げの違い ~

ひき逃げは,①車両等(軽車両を除く)の運転者が,当該車両等の交通による人の死傷があった場合(交通事故のうち人身事故があった場合)において,直ちに車両等の運転を停止して,負傷者を救護し,道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない(以下,救護義務)にもかかわらず,救護義務を果たさななった場合,あるいは,②①の場合において,人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであるのに,救護義務を果たさなかった場合に成立する犯罪です。①の法定刑は5年以下の懲役又は50万円以下の罰金,②は10年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。

他方,当て逃げは,交通事故のうち物損事故があった場合において,当該交通事故に係る車両等の運転手等が救護義務を果たさなかった場合に成立する犯罪です。法定刑は1年以下の懲役又は10万円以下の罰金です。 

~ ひき逃げ,当て逃げ共通 ~

ひき逃げ当て逃げも,交通事故を起こしたことの認識がなければ成立しません。認識があったかなかったかは,運転者本人の供述ももちろんですすが,交通事故に至るまでの経緯,交通事故の状況,車両等の破損箇所・状況,負傷者の怪我の程度(負傷者の場合),交通事故現場の状況などから総合して判断されます。ひき逃げ当て逃げした方の中には,その後に車両等の破損個所を修理する方もおられます。しかし,そのことが警察に判明してしまえば,そのこと自体が交通事故の認識があったと捜査機関側にとられかねませんし,罪証隠滅の行為をしたとして逮捕のリスクも高まることになることから注意が必要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,ひき逃げ当て逃げなどの交通事故・刑事事件専門の法律事務所です。ひき逃げ当て逃げを起こしお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。

交通違反と反則金制度④~検挙された後の流れ②~福岡の弁護士が解説

2018-12-22

交通違反と反則金制度④~検挙された後の流れ②~福岡の弁護士が解説 

~ 前回(2018年12月8日付ブログ)の続き ~

前回は,交通違反の反則者として検挙された後から仮納付制度により反則金を納付した場合までご説明いたしました。本日は,仮納付制度により反則金を納付しなかった場合の流れについてご説明いたします。

~ その③ 仮納付しなかった場合 ~ 

前回のブログでは,反則金を納付させるまでには
   
ア,検挙→イ,現場警察官による告知→ウ,警察署への出頭→エ,警察本部長による通告

という手続きを踏まなければならないことをご説明いたしました。
仮納付手続きで反則金を納付しなかった場合は,ウの手続へと移行します。つまり,交通反則告知書に記載されてある日に,記載されてある場所(都道府県の通告センター)まで出頭しなければなりません。そこで,警察本部長名義の通告書で通告を受けます(法127条1項)。通告される内容は,道路交通法違反施行令47条に定められています。通告を受けた後は,通告を受けた日の翌日から起算して10日以内に,郵便局等の金融機関で反則金を納付しなければなりません(法128条1項)。ここで,納付すれば刑事手続で処理されることはなくなります(法128条2項)。

~ その④ 通告後に納付しなかった場合は? ~

通告を受けた後も反則金を納付しなかった場合は,いよいよ刑事手続に移行することになります。ただ,直ちに移行するかといえばそうではありません。この点について規定した法130条は,刑事手続に移行するための要件として

1 通告を受けたこと
2 法128条1項の期間が経過したこと

としか規定していないからです。本来,反則者については刑事手続に移行させないことが原則ですから,期間が経過した後も,警察から反則金を納付するよう督促されると思います。そして,それでも納付しない場合に限って刑事手続に移行するのです。ただ,これらの要件を満たさなくても刑事手続に移行することもありますから,次回は,その点についてご説明したいと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,交通違反をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。交通違反でお困りの方は,弊所の無料相談をご利用ください。

交通違反と反則金制度③~検挙された後の流れ①~福岡の弁護士が解説

2018-12-08

交通違反と反則金制度③~検挙された後の流れ①~福岡の弁護士が解説 

~ 前回(2018年11月26日付ブログ)の続き ~

前回は,反則行為と反則者の意義や,交通違反(携帯電話保持等違反)で検挙されたAさんが反則者であることまでご説明しました。本日は,反則者として検挙された後の流れについてご説明したいと思います。

~ その① 警察官の書面による告知 ~ 

道路交通法(以下,法)126条1項では,警察官は,反則者があると認めるときは,反則行為となるべき事実の要旨等を書面で告知すると定められています。書面は,正式には,交通反則告知書,あるいは単に告知書と呼ばれ,告知される内容は道路交通法違反施行令46条に定められています。告知書が青色のため,世間では青色キップとか青切符と呼ばれています。

~ その② 仮納付(仮納付した場合) ~

警察官から交通反則告知書を渡され告知を受けた者は,告知を受けた日の翌日から起算して7日以内に,郵便局等の金融機関で反則金を「仮」に納付することができます。本来,反則金は,ア,検挙→イ,現場警察官による告知→ウ,警察署への出頭→エ,警察本部長による通告,という手続きを踏むことによって反則者に「正式」に反則金を納付させることができるのですが,ウ以降の手続を踏まずして反則金を納付させることができるという意味で「仮」の納付と呼ばれているのです。反則者にとってはわざわざ警察署まで出頭する必要はありませんし,警察としても事務処理を簡約化できるなどのメリットがあります。交通違反検挙され青切符を切られた方のほとんどは,この仮納付制度によって反則金を納付されているのではないでしょうか?

反則金を仮納付した場合は(正式な)反則金を支払ったものとみなされます(法129条3項)。また,上のエの警察本部長による通告手続もなされますが,仮納付をした方については公示方法によるとされています(法129条2項)から,上のウのように警察署へ出頭する必要はありません。当然,刑事手続で処理されることはありませんから前科は付きません。つまり,交通違反は終了となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,交通違反をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。次回以降は,反則金を仮納付しなかった場合やその後の流れなどについてご説明いたします。交通違反でお困りの方は,弊所の無料相談をご利用ください。

交通違反【飲酒検知拒否罪】とは? 逮捕され釈放なら福岡県の刑事弁護士

2018-12-05

交通違反【飲酒検知拒否罪】とは? 逮捕され釈放なら福岡県の刑事弁護士

福岡県行橋市に住むAさんは,福岡県行橋警察署飲酒検知拒否罪で逮捕されました。Aさんのご家族から依頼を受けた弁護士釈放に向けて弁護活動を始めました。
(フィクションです)

~ 飲酒検知拒否罪 ~

飲酒検知拒否罪は,

1 誰が?     →車両等に乗車し,又は乗車しようとしている者
2 どういう場合に?→飲酒運転の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められたとき
3 何をした?   →警察官の飲酒検知検査を拒み,又は妨げた

場合に成立する犯罪で,道路交通法67条3項,同法118条の2に規定されています。
罰則は3月以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

~ 誰が?(上記1について) ~

「乗車しようとしている」の程度については,車両等のドアに手をかけた又はかけようとしている段階と解されています。よって,ある方が居酒屋から飲酒状態で出てきて,ドライブキーを持ちながら駐車場に停めてある車の方に向かっているのを現認したとしても,その段階では「乗車しようとしている」とは言えず,飲酒検知拒否罪は成立しません。

~ どういう場合に?(上記2について) ~

外観上(顔色,呼気,言動等)から飲酒状態と認知できる状態で,車両等を運転する可能性が認められるときという意味です。外観上から認知できればよいのですから,機器等で正確にアルコール保有値を図る必要はありませんし,酒気帯び運転の基準である0.15mg以下であっても飲酒検知拒否罪は成立し得ます。

~ 何をした?(上記3について) ~

拒みとは,言語,動作,態度により,拒否の意思が客観的に明らかになったと認められる段階のことをいいます。明確に「嫌だ」と拒否する,風船を受け取らない,うがいをしない,風船を受け取ったがふくまらせないなどがこれに当たります。なお,拒む前提として,警察官による飲酒検査の要求行為を必要とし,結局,警察官の要求行為も,被告人の拒否行為も認めることができないから被告人を無罪とした裁判例があります(横浜地裁平成27年9月9日)。

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交通違反と反則金制度②~反則行為,反則者の意義~福岡の弁護士が解説 

2018-11-26

交通違反と反則金制度②~反則行為,反則者の意義~福岡の弁護士が解説 

~ 前回(2018年11月15日付ブログ)の続き ~

前回は「交通違反における反則金制度(交通反則通告制度)」についてご説明いたしました。本日は,交通違反における反則行為反則者の意義についてご説明いたします。というのも,反則金制度の適用があるのは,反則者つまり反則行為をした者だからです。

~ 反則行為(道路交通法125条1項) ~ 

反則行為とは,道路交通法第8章に当たる行為のうち別表第2の上覧に掲げるものであって,車両等(重被牽引車以外の軽車両を除く)の運転者がしたものをいうと定められています。
「別表第2の上覧に掲げるもの」の代表といたしましては,
・速度超過
・信号無視
・携帯電話使用等
・車間距離不保持
などがあり,車両の種別によって反則金の額が決められています。なお,一般道の速度超過については30キロ以上,高速道の速度超過については40キロ以上の場合は反則行為となりません。つまり,検挙された場合は,青色キップと呼ばれる「交通反則告知書」ではなく,赤色キップと呼ばれる「告知書」が交付され,反則金制度ではなく刑事手続により処理されます(この点は後日,詳しくご説明いたします)。

~ 反則者(道路交通法125条2項) ~

反則者とは,反則行為をした者と定められています。ただし,次に掲げる者は反則者ではないとされています。
1 無免許,無資格運転運転者(道路交通法125条2項1号)
2 酒酔い運転者,酒気帯び運転者等(同項2号)
3 反則行為をし,よって交通事故を起こした者(同行3号)

よって,たとえば,無免許運転者が信号無視をした場合,信号無視は反則行為ですが,無免許運転者は反則者ではないことから反則金制度は適用されず刑事手続により処理されます。
1から3の行為は,悪質又は危険性の高い行為であり,交通違反を簡易迅速に処理するという反則金制度(交通反則通告制度)の趣旨になじまないことから,はじめから刑事手続により処理することとされたのです。

~ Aさんはどうか? ~

ところで,前回のブログを見ると,Aさんは車の運転中に携帯電話の画面を注視していた「携帯電話使用等」で検挙されたとのことでした。携帯電話使用等は反則行為であり,Aさんは上記1から3のいずれにも該当しませんから,Aさんは「反則者」と言えそうです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,交通違反をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。次回は,反則者として検挙された後の流れにご説明したいと思います。交通違反でお困りの方は,弊所の無料相談をご利用ください。

 

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