Archive for the ‘交通違反・交通事故’ Category

福岡県の交通事件に強い弁護士が危険運転致死傷罪を解説~①~

2023-03-27

福岡県の交通事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士が危険運転致死傷罪を解説します。

車やバイクを運転中に、人身事故を起こしてしまうと、過失とはいえ刑事責任を問われる可能性があります。
その際に適用されるのは、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」という法律の中で規定されている「過失運転致死傷罪」ですが、一定の危険な状態や、危険な運転によって起こした交通事故については、同じ法律の中で規定されている「危険運転致死傷罪」という、別の罪が適用される場合があります。

今から20年以上前は、交通事故は刑法という法律の中で規定されていましたが、飲酒運転無免許運転など悪質な違反によって発生する交通事故が後を絶たないことから、同じ刑法の中に危険運転致死傷罪が新たに規定されました。
ただ施行当初の危険運転致死傷罪は、特に危険な行為にしか適用されなかったため、なかなか適用が難しく、危険運転致死傷罪での立件は非常にハードルが高いものでした。
そういった問題点を改善すべく2013年に施行されたのが、冒頭で紹介した「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」で、この法律の中で危険運転致死傷罪も規定されるようになったのです。

どんな行為が危険運転致死傷罪の対象になるの?

危険運転致死傷罪に該当する適用条件として以下の行為が規定されています。

  • アルコールまたは薬物の影響による走行
  • 制御困難なスピードによる走行
  • 制御する技能を持たずに運転
  • 人や車の通行を妨害する目的での運転
  • 赤信号を無視して危険な速度での走行
  • 通行禁止の道路を危険な速度での走行

以上6項目の何れかの行為によって交通事故を起こし、人を負傷させたり死亡させたりした場合に適用されるのが、危険運転致死傷罪です。

危険運転致死傷罪の罰則

危険運転致死傷罪は、悪質危険な運転によって交通事故を起こして人に死傷を負わせた運転手を厳罰化するための法律です。
そのため過失運転致死傷罪の法定刑「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」よりも厳しい罰則が規定されています。
危険運転致死傷罪の法定刑は、人を負傷させた場合は15年以下の懲役が科され、人を死亡させた場合は、1年以上の有期懲役が科されます。

~次回に続く~

トラックのドライバーによる死亡事故 実刑を回避するために

2023-03-14

トラックのドライバーによる死亡事故を参考に、職業運転手の実刑回避について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

トラックのドライバーをしているAさんは、大牟田市内の国道をトラックで走行中、オートバイと接触する事故を起こし、運転手を死亡させてしまいました。
Aさんは過失運転致死罪福岡県大牟田警察署の警察官に現行犯逮捕されましたが、翌日には釈放されました。
実刑を免れたいAさんは、交通死亡事故に強い弁護士を選任して、執行猶予付の判決を望んでいます。(フィクションです。)

交通死亡事故

交通死亡事故を起こせば、過失運転致死罪が適用されます。(危険運転致死罪は別論とする。)
過失運転致死罪とは、自動車の運転上必要な注意を怠って交通事故を起こし、人を死亡させることで適用される罪です。
この法律でいう自動車には、原動機付自転車(いわゆる50CC原付)も含まれます。

過失運転致死罪は、人を死亡させるという結果の重大性が認められる事から、事故直後に警察に現行犯逮捕されることが大半で、重大な過失や勾留の必要性が認められなければ、勾留前に釈放されて、不拘束での取調べとなります。
そしてその後の捜査で、過失が立証された場合は、起訴されることとなり、刑事裁判では「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」が科せられることになります。

過失運転致死罪の量刑

過失運転致死罪の量刑は

  • 過失の程度
  • 被害者遺族との示談内容

に大きく左右されます。
Aさんのような職業運転手は、通常のドライバーに比べると重い注意義務が課せられていると考えられるが故に、裁判では、過失の程度は相当重いと認定されてしまいがちです。
そのため、交通死亡事故を起こした職業運転手実刑を回避するには、被害者遺族に対する謝罪、弁済を十二分に行い、許しを得るしかありません。
ただ家族を亡くした方の被害者感情は非常に厳しいもので、示談交渉には相当な時間が予想されます。
交通死亡事故の被害者遺族に対する示談交渉は、被害者対応の経験豊富な、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士にご相談ください。

死亡事故で起訴 刑事裁判で無罪を主張

2023-02-20

死亡事故を起こして起訴された事件において、刑事裁判で無罪を獲得できるのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士が解説します。

参考事件

会社員のAさんは通勤に車を使用しています。
ある日の帰宅途中に、道路上に寝そべっていた50歳代の男性をひく交通事故を起こしてしまい、被害者を死亡させてしまいました。
Aさんは、過失運転致死罪起訴されていましたが、Aさんの弁護人は「危険回避が不可能だった。」として、過失を争い無罪を主張しています。(フィクションです。)

過失運転致死罪

自動車を運転していて交通事故を起こし、事故の相手を死亡させてしまうと「過失運転致死罪」にとわれる可能性が大です。(危険な運転によって交通事故を起こして、人を死亡させた場合を除く。)
過失運転致死罪の法定刑は「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」です。
過失とはいえ、人の命を奪うといった結果の重大性から、起訴されて有罪が確定すれば、非常に厳しい処分が予想されます。

危険回避の可能性

過失運転致死罪の刑事裁判では頻繁に「結果回避の可能性」が争点になります。
そもそも過失運転致死罪とは、自動車を運転する運転者の過失によって交通事故を起こして人を死亡させることによって成立します。
過失が認められるかどうかは、事故を回避できる可能性(結果回避の可能性)があったかどうかにより、結果を回避できる可能性が認められなければ、運転者に過失はなかったとして、過失運転致死罪に問うことはできません。

Aさんと同じような交通死亡事故を起こした男性に無罪が言い渡されました判決は存在します。
この裁判では、検察側が「事故を回避できる可能性があった」ことを主張していましたが、裁判官は「前方をよく見ていたとしても、事故を回避することはできなかった疑いが残る」と述べ、無罪判決を言い渡したようです。

福岡県内の交通死亡事故でお困りの方、交通死亡事故の刑事裁判で、過失を争い無罪を主張したい方は、刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、あらゆる交通事件の刑事弁護活動に特化した法律事務所です。
交通事件でお困りの方はお気軽にフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)にお電話ください。

【即日対応可能】福岡県戸畑警察署に弁護士を派遣※電話予約OK

2022-12-05

【即日対応可能】福岡県戸畑警察署への弁護士派遣について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県戸畑警察署への弁護士派遣(初回接見サービス)は

フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)

までお電話ください。

参考事件

Aさんの息子(23歳)は、昨夜、車を運転中に横断歩道を横断中の歩行者をはねる人身事故を起こしました。
被害者は、意識不明の重体とのことです。
Aさんの息子は、事故を起こしたショックで、負傷者の救護や、警察への届け出をすることなく、自宅に逃げ帰ってきていました。
事故を起こしたことを聞いたAさんは、息子と共に警察署と出頭しようか悩んでいたところ、福岡県戸畑警察署の警察官が訪ねてきて息子を連行していってしまいました。
その後Aさんは、警察から連絡で息子の逮捕を知りました。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)

福岡県戸畑警察署

〒804-0067
福岡県北九州市戸畑区汐井町2番1号
電話番号 093-861-0110

福岡県戸畑警察署に弁護士を派遣する費用

交通費込み 40,480円

ひき逃げ事件

新聞やニュースなどで報じられているひき逃げ事件といえば、Aさんの息子が起こしたような、被害者が重傷、重体を負ったような事件ですが、被害者が軽傷であっても、事故を警察に届け出なければ、ひき逃げ事件として警察の捜査を受ける可能性があるので注意が必要です。
例えばこのような事件です。

車を運転中に、サイドミラーが道路脇を歩いていた歩行者に接触し、歩行者が転倒した。
車の運転手は、車を停止させて歩行者に声をかけたところ、歩行者は「大丈夫です。」と答えた。
非常に低速で走行していたので、車の運転手も大丈夫だろうと思い、それ以上歩行者の怪我の有無を確認することもなく、その場所を立ち去った。
そうしたところ、事故から1週間ほどして警察官が自宅を訪ねて来て、転倒した歩行者が転倒した際に膝を擦りむく傷害を負っていたことを知らされ、ひき逃げ事件の犯人として取調べを受けた。
そして、その後検察庁に書類送検されて、略式起訴による罰金刑が科せられた。
(実際に起こった事件を参考にしています。)

きちんと警察に届け出ていれば刑事罰を受けることもなかったのに、被害者に「大丈夫」と言われたので、警察に事故を届け出たり、負傷者の救護を怠ってしまったばかりに前科が付いてしまったのです。
このようなケースは、ひき逃げ事件としてはよくあるケースで、大切なのは、どんな些細な事故でも、きちんと警察に届け出ることで、被害者の「大丈夫」という言葉で安心しないことです。
特に、被害者が未成年の場合は、帰宅後に親に事故の話をして大事になるケースが多いので、特に注意が必要です。

ひき逃げ事件で逮捕されたら

ひき逃げ事件は決して軽い事件ではありません。
事故自体は、過失によるものですが、ひき逃げ行為は「故意犯」として捉えられており、例え、その後被害者との示談が成立したとしても刑事罰が科せられる可能性があります。
ですから、ご家族がひき逃げ事件で警察に逮捕された場合は、まずは弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、ご家族、ご友人がひき逃げ事件を起こして逮捕されてしまった方に 初回接見サービス を提供しています。
初回接見サービスは、お電話で全てのご予約が完了するとても便利なサービスですので、刑事事件でお困りの方は是非ご利用ください。

飲酒後、お酒が抜けるまでの時間は?残酒運転について~②~

2022-11-25

~昨日からの続き~

「もうお酒は抜けてると思っていた」というのは通じるのか

今回、問題にしているような事例で、時々出会うのは、「もうお酒は抜けていると思っていた」という主張です。
これは、法律上では、故意がなかったという主張になります。
罪に問われるためには、原則として法律上故意というものが必要になり、今回の飲酒運転についてもそれは当てはまります。
難しいことは省きますが、要は、飲酒運転の罪に問われるためには、酒気を帯びている状態であることを認識していたことが必要になります。
そして、「もうお酒は抜けていると思っていた」という主張は、酒気を帯びている状態であることを認識していなかったと主張することに当たると思われます。

では、そのように主張すれば、罪に問われることはないのでしょうか。
残念ながら、法律上はそのような仕組みにはなっておらず、そのような主張をしたにもかかわらず、罪に問われる場合があります。
運転時に、酒気を帯びている状態であることを認識していたかどうかは、運転者の内心の問題です。
しかし、この点が問題になる場合には、客観的な事情からして、運転時に、酒気を帯びている状態であることを認識していたかどうかが判断されることになります。
この客観的な事情としては、事案に応じて様々ですが、一例を挙げるとすれば、まずは飲んだお酒の量が考えられます。
一般的な感覚からしても、かなり多い量を飲んでいるとすれば、まだお酒が残っていたと思っているだろうといえることが多いと思われます。
また、今回は飲酒後6時間を経過しているというケースを想定していますが、実際には飲酒してから何時間経過しているかという点も重要になります。
長ければ長いほど、もうお酒が抜けていたと認識していたという判断に傾きます。
さらには、発覚の経緯も重要になってくると思われます。
たとえば、事故をしてしまい、それがお酒の影響を受けていると思われる事故態様であれば、酒気を帯びている状態であることを認識していたという判断に傾きますし、事故を起こしていなくとも、ふらついて運転していたため、職務質問されたということも同様に評価されることになります。
結局は、単に「飲み終わってから6時間経過していたので、もうお酒は抜けていると思っていた」と主張するだけでは、飲酒運転の罪に問われないわけではなく、具体的な根拠(特に、上に挙げたような客観的な事情)をもってそのような主張をする必要があります。

もうお酒が抜けていると思っていたのに飲酒運転の容疑を掛けられたら…

これまでお話ししてきたとおり、飲酒運転の容疑がかかった際、単に「もうお酒を抜けていると思っていた」と主張するのでは、最終的に罪に問われ、刑事裁判になってしまう可能性があります。
しかし、実際に飲酒運転の罪が成立するかどうかは、先ほどお話ししたように、詳細な事実関係を検討し、それを踏まえて、警察に対してどのような話しをしていくか(あるいは、どのような話しはしないのか)を決める必要があります。
なぜなら、警察段階で話し、その話した内容が書かれた書類(供述調書と呼ばれます)が、後々の裁判での証拠になるからです。
どのような事情が重要になってくるかどうかは事案に応じて様々ですので、飲酒運転の容疑を掛けられた場合には、まずは弁護士に相談をし、事実関係を整理するところから始めるべきだと思われます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、飲酒運転残酒運転に関するご相談を随時受け付けております。
専門弁護士による、初回無料の法律相談をご希望の方は
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までお気軽にお電話ください。

飲酒後、お酒が抜けるまでの時間は?残酒運転について~①~

2022-11-24

福岡県内でも飲酒運転で逮捕されたといったニュースをよく見かけます。
これから、忘年会シーズンを迎えることもあり、お店で飲酒をする機会も増えてくると思います。
お店で飲酒する際に気を付けるべきなのは、帰り道、絶対に飲酒した状態で運転をしてはいけないということ。
この飲酒運転に関してよく聞くのが、「飲酒してから6時間経てば、運転しても大丈夫」というフレーズです。
実際に、飲酒してから6時間経過すれば、運転しても、飲酒運転にならないのでしょうか。
本日から2日間にわたっては、飲酒運転の弁護活動経験が豊富な、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士が、飲酒運転残酒運転について解説します。

飲酒運転とは

まず、飲酒運転に関する法律をみていきます。
なおここでは、飲酒運転をした本人の刑事責任について考えます。
道路交通法(以下「道交法」といいます。)65条1項は、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と定めています。
その上で
道交法117条の2第1号は、「第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあったもの」については『5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する』としています。

また
道交法117条の2の2第3号は、「第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあったもの」については『3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する』としています。

そして、道路交通法施行令44条の3は、道交法「117条の2の2第3号の政令で定める身体に保有するアルコールの程度は、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムとする。」としています。

①と②の違いは、簡単にいえば、酒に酔っている「程度」の違いです。
飲酒運転の容疑がかかり、警察に声を掛けられた段階で、通常は呼気検査が行われます。その結果、呼気1リットル当たり0.15ミリグラム以上のアルコールが検出された場合は、②の罪に問われることになりますが、さらに、「酒に酔った状態」にあると判断された場合には、①の罪に問われることになります。

ここで、今回問題になっている、飲酒後6時間経過した場合を考えてみると、当然、アルコールが体から抜けるスピードには個人差があります。
そして、これまで話した法律の定め方を見ると、飲酒後6時間経過したかというのは関係なく、呼気からどれくらいのアルコールが検出されたかどうかによって、上記②に該当するかどうかが決まります。
なお、あまり考えられないですが、飲酒後6時間経過したにもかかわらず、「酒に酔った状態」(つまり、①の罪に問われるような状態)で運転したというのは、当然、①の罪に問われる可能性があります。

~明日に続く~

無免許でモペットを運転!!全国で摘発…逮捕されたケースも ~②~

2022-11-14

昨日に引き続き、モペットの運転に関する刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

昨日のコラムは こちらをクリック

警察が摘発した例

モペットの無免許運転等を警察が摘発した事例を紹介します。

(1)無免許運転で書類送検
今年の9月に、東京都品川区の路上で、モペットを、無免許であるにもかかわらず運転したとして、20代の男性が書類送検されています。
この男性は、「ペダルをこぐ乗り方なら許されると思っていた」などと供述しているようです。

※実際に無免許運転に該当するかどうかは、実際使用していたモペットの構造やその構造をどのように認識していたかといった点を詳細に検討する必要がありますが、いずれにせよ、乗る前に、どういう乗り物で、どういったルールに従う必要があるのかをきちんと確認する必要があります。

(2)ひき逃げ事件を起こして逮捕
過去には、モペットを運転中に歩行者と接触し、歩行者に傷害を負わせたにもかかわらず、救護措置をとらずに逃走したとして、モペットを運転していた男性が逮捕されています。
逮捕された男性は運転免許を保有していたものの、着用が義務付けられているヘルメットを着用しておらず、また乗っていたモペットには、ナンバープレートやブレーキランプ等の必要とされる装備が装着されていなかったようです。

※「原動機付自転車」に該当するモペットを運転する際は、原動機付自転車に装着が義務付けられている装備品がきちんと装備されているかを確認する必要があります。
また乗車にはきちんとヘルメットを装着し、交通ルールを守って運転しなければなりませんし、事故を起こした際は、どういった状況であれ、警察に届け出ましょう。
また事故に備えて、きちんと保険に加入することをお勧めします。

交通ルールはきちんと守ろう

これはモペットに限ったことではありませんが、交通ルールはきちんと守る必要があります。特に注意したい点は、次の点です。

(1)交通事故を起こすと怪我人や死者も
モペットを運転する際には、車と同様、「当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」という安全運転義務があります(道交法70条)。こうした義務違反し、不注意で、人にぶつかり、怪我人や場合によっては死者を出してしまうと、過失運転致傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条)の罪に問われることになります。
自転車の場合にはこの法律の適用はありません(過失致死傷罪などに問われる可能性があります)が、モペットは原動機付自転車に該当しますので、この法律の適用があります。

(2)事故を起こした場合にはすぐに止まり必要な措置を
モペットに乗っていて交通事故を起こしてしまった場合、車のとき同様に、すぐに停止し、怪我人がいないか確認し、怪我人がいる場合には安全を確保し、救急車を呼ぶといった措置を、また警察へ通報など必要な措置を講じる必要があります
こうした措置をきちんと取らないと、いわゆるひき逃げをしたとして、刑事責任を問われることになってしまいます。

(3)自賠責に入っているか確認を
モペットが原動機付自転車に該当するということは、自賠責保険に加入する必要があります。
きちんとしたお店で購入した場合には、購入時に自賠責保険に関する手続をしてくれることが考えられますが、たとえば、友達から譲ってもらったといったような場合には、自賠責保険に加入せずに乗ってしまったということも考えられます。
自賠責保険に加入せずにモペットを運転してしまうと、無保険車走行として自動車損害賠償保障法5条違反として、刑事責任が問われることになります(法定刑は50万円以下の罰金又は1年以下の懲役です)。
なお、民事上の問題ですが、モペットを友人に貸し、その友人が交通事故を起こして被害者に損害が発生してしまうと、モペットを貸した人も損害賠償責任を問われることになることは注意が必要です。

(4)ヘルメットの着用を
モペットが原動機付自転車に該当するということは、ヘルメットの着用義務があります。
着用せずに運転した場合、刑事罰はありませんが、違反点数1点となります(行政手続上の問題になります)。
また、そもそも、モペットを乗った状態で交通事故に遭った場合、大変危険なので、ヘルメットは必ず着用しましょう。

刑事責任を問われることになってしまったら

これまで解説したところでも、法律に違反した状態でモペットに乗っていると、いくつかの刑事責任に問われる可能性があります。
どういった容疑かけられているのかによって、今後の対応は異なります。
たとえば、無免許運転であった場合でも、どのような状況・認識の中で運転していたのかを詳細に検討し、犯罪が成立するのかどうかをチェックした上で対応を考える必要があります。
また、過失運転致傷ひき逃げの容疑がかけられている場合において、事実関係に争いがなければ被害者と示談するという方法を検討するといったことが考えられます。
モペットに乗っていることで警察沙汰になってしまった場合には、まずは弁護士に相談しましょう。

無免許でモペットを運転!!全国で摘発…逮捕されたケースも ~①~

2022-11-13

無免許でモペットを運転!!全国で摘発されており逮捕されたケースもあります。
そこで本日は、このモペットの運転に関する刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

モペットとは

最近、たまに聞く乗り物、モペット
モペットとは、ペダルが付いているオートバイで、エンジンや電気モーターなどの原動機のみで走行することもできるし、ペダルをこぐことによって人力のみで走行することも可能な乗り物をいいます。
実際に、福岡市内でも、それらしいものをたまに見かけますが、見た目が自転車(特に電動アシスト自転車)にとても似ており、なかなか見分けがつきにくいです。

モペットと電動アシスト自転車との違い

モペットは、道路交通法(以下「道交法」といいます。)上「原動機付自転車」に該当します。
「原動機付自転車」とは「内閣府令で定める大きさ以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であって、自転車、身体障害者用の車いす及び歩行補助者等以外のもの」をいいます(道交法2条1項10号)。
それに対し、電動アシスト自転車は、道交法上「軽車両」に該当します。
「軽車両」とは、「自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽けん引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)」又は、「原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であって、車体の大きさ及び構造を勘案してイに準ずるものとして内閣府令で定めるもの」であって、「身体障害者用の車椅子及び歩行補助車等以外のもの」をいいます(道交法2条1項11号)。
ここでポイントとなるのは、人の力によるかどうかという点です。
モペットの場合、人の力がなくとも走行できるので「原動機付自転車」に該当するのに対し、電動アシスト自転車は、人の力がないと走行できないので「軽車両」に該当することになります。
ただ、最近では、車両区分を変化させることができる機能を持つモペットがあるようです。これは、人力のみで走行するモードと電力等で走行できるモードの切り替えが、機能として備わっているもので、単に、電力等で走行できる状態だが人力のみで走行するというタイプのものとは区別できます。
こうした機能が備わっているものは、場合によっては、「軽車両」として走行できます。

モペットは免許が必要

モペットが基本的には「原動機付自転車」に該当するということは、原動機付自転車を乗るための運転免許が必要になります。
道交法64条1項は、「何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで」、「自動車又は原動機付自転車を運転してはならない」と定めています。
そして、道交法117条の2の2第1項1号は、「法令の規定による運転の免許を受けている者(第107条の2の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は国際運転免許証等を所持しないで(第88条第1項第2号から第4号までのいずれかに該当している場合又は本邦に上陸をした日から起算して滞在期間が一年を超えている場合を含む。)運転した者」は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処するとしています。

~明日に続く~

【即日対応可能】福岡県小倉北警察署に弁護士を派遣※電話予約OK

2022-11-09

【即日対応可能】福岡県小倉北警察署への弁護士派遣について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県小倉北警察署への弁護士派遣(初回接見サービス)

フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)

までお電話ください。

参考事件

福岡県小倉北警察署は、歩行者と接触する事故を起こして怪我を負わせたが、歩行者を救護せずに逃走したとして、北九州市小倉北区に住む建設作業員の男を逮捕しました。
逮捕された男は「酒を飲んでいたので、飲酒運転が発覚するのがこわくて逃走した。ただ歩行者が怪我をしているとは思わなかった。と一部容疑を否認しているようです。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)

福岡県小倉北警察署

〒803-8567
福岡県北九州市小倉北区大門1-6-19
電話番号 093-583-0110

福岡県小倉北警察署に弁護士を派遣する費用

交通費込み 40,480円

ひき逃げ

「飲酒運転の発覚をおそれて」という理由でひき逃げしてしまう方がよくいますが、ひき逃げは「非常に重たい罪」であることを覚えておいた方がよいでしょう。
今回のようなひき逃げは、道路交通法第117条2項に違反することになり、その法定刑は「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
また刑事処分が重くなるだけでなく、ひき逃げ事件を起こすと、逮捕される可能性が非常に高くなります。
例え飲酒運転が発覚したとしても、きちんと事故を届け出て負傷者に対して必要な救護措置をとっていれば、逃走や罪証を隠滅するおそれが低いと判断されて逮捕を免れれる可能性がありますが、ひき逃げの場合は、こういったおそれが大いに認められるので、逮捕されるリスクも非常に高いでしょう。

「歩行者が怪我をしているとは思わなかった。」は認められるの?

ひき逃げ事件が成立するには「故意」が必要です。
そのためか「歩行者が怪我をしているとは思わなかった。」という供述をする方がいるかと思いますが、実際にそうだったとしても、それだけで、ひき逃げ故意がなかったと認められる可能性は低いかと思います。
ひき逃げの故意は、「歩行者が怪我をしている」という明確な認識まで必要とされておらず、少なくとも「人に接触した」という認識さえあれば、ひき逃げの故意が認められる可能性があるでしょう。

ひき逃げ事件の詳細については こちらをクリック

福岡県小倉北警察署に弁護士を派遣

福岡県小倉北警察署に派遣できる即日対応可能な弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
福岡県小倉北警察署に弁護士を派遣する 初回接見サービス のご予約については、24時間対応しているフリーダイヤルでお待ちしております。

【即日対応可能】 福岡県東警察署に弁護士を派遣※電話予約OK

2022-10-20

【即日対応可能】福岡県東警察署への弁護士派遣について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県東警察署への弁護士派遣(初回接見サービス)

フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)

までお電話ください。

参考事件

会社員のAさんは、仕事を帰りに同僚と酒を飲みに行き、その帰路に、飲酒運転をしてしまい福岡県東警察署現行犯逮捕されました。
夫の帰宅が遅いことを心配した妻が、Aさんの携帯電話に電話してもつながらず、近所の警察署に相談して事件が発覚したのですが、妻は「飲酒運転で逮捕している。」としか教えてもらうことができませんでした。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)

福岡県東警察署

〒812-0053
福岡市東区箱崎7-8-2
電話番号 092-643-0110

福岡県東警察署に弁護士を派遣する費用

交通費込み 36,740円

飲酒運転

皆さんご存知のとおり、お酒を飲んで車等を運転すると飲酒運転となり刑事処罰の対象となります。
福岡県内では飲酒運転が相次いでおり、福岡県警も取締りを強化していると聞きます。
ところで皆さんは「飲酒運転」には、「酒気帯び運転」「酒酔い運転」の2種類の違反があることをご存知でしょうか?

酒気帯び運転

飲酒検知の結果が、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上である場合、酒気帯び運転となります。
酒気帯び運転の罰則規定は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
この罰則規定は、いわゆる刑事手続きにおける刑事罰ですので、こういった刑事罰の他に、行政処分が科せられます。
行政処分については、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.25mg以上の場合は、免許が取り消される可能性が非常に高くなります。

酒酔い運転

飲酒検知の結果に関係なく、酒に酔った状態で車等を運転すると酒酔い運転となります。
酒に酔っているかどうかは、取締り時に、警察官が、違反者の言動や歩行状態等の検査を行って判断します。
酒酔い運転の罰則規定は、酒気帯び運転よりも厳しく「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
また行政処分は、免許が取り消される上に、欠格期間も3年と非常に厳しい処分となる可能性が高いです。

運転手以外も刑事罰の対象に

飲酒運転は、実際にハンドルを握って運転していた者だけでなく、飲酒運転することを知って車両を提供したり、車を運転することを知って酒を提供したり、飲酒運転である事実を知って同乗している場合も、刑事罰の対象となります。

福岡県東警察署に弁護士を派遣

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