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強制性交等罪と報道回避

2021-09-13

強制性交等罪と報道回避について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

大学生のAさんは知人女性Vさん暴行を加えるなどして性交したとして強制性交等罪で逮捕されてしまいました。Aさんの家族は実名報道を避けたいことから、強制性交等罪に強い弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです)

~強制性交等罪とは~

強制性交等罪は刑法177条に規定されています。

刑法177条

 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有機懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

改正前の刑法177条は13歳以上の「女子」を姦淫した者はと規定されていました。しかし、改正後は13歳以上の「者」と改められ、男子も保護の対象となりました。したがって、女子による男子への、男子による男子への性交等も処罰の対象となります。

一般に、「暴行」とは人の身体に対する有形力の行使、「脅迫」とは人を畏怖させるに足りる害悪の告知のことをいいます。そして、強制性交等罪の暴行・脅迫の程度は

相手方(被害者)の反抗を著しく困難しらしめる程度

であることが必要とされています。
具体的には、相手方を殴る、蹴る、叩く、武器を使用して殴る、叩く、馬乗りになる、羽交い絞めにする、縄などで縛るなどが「暴行」に当たるでしょうし、言う通りにしなければ「殺すぞ」、「裸の写真をばらまくぞ、ネットに流すぞ」、「家に火をつけるぞ」などという行為が「脅迫」に当たるでしょう。

性交の他に、肛門性交(アナルセックス)、口腔性交(オーラルセックス)も含まれます。性交とは膣内に陰茎を入れる行為、肛門性交とは肛門内に陰茎を入れる行為、口腔性交とは口腔内に陰茎を入れる行為をいいます。
行為者が自己又は第三者の陰茎を被害者の膣内、肛門内、口腔内に入れる行為(加害者:男性、被害者:女性又は男性)だけでなく、自己又は第三者の膣内、肛門内、口腔内に被害者の陰茎を入れる行為(加害者:女性又は男性、被害者:男性)も含まれます。

~報道回避~

このサイトをご覧になっている方の中にも、テレビなどで「誰々が●●をして逮捕された」などという報道を耳した方がおられると思います。

報道されればその人が有罪か無罪かに関係なく、「逮捕された事実」自体が大きくクローズアップされます。
この「有罪か無罪かに関係なく」というところがポイントで、逮捕段階ではまだ犯人を有罪と決めつけることはできないのに、世間一般の人は、逮捕=有罪(その人が犯人)だとの印象を抱く傾向にあります。

報道されれば、会社や学校などに事実が知れ渡り、社会人の方であれば解雇、学生の方であれば退学などの処分を受けるリスクが高まります。
また、インターネット等の情報化社会の今日、ネットなどに実名でニュースが記載され、あっという間に情報は拡散し、将来、それを削除することも困難になります。

他方、残念ながら一部の事件を除いては、逮捕後の犯人の状況などについてはほとんど報道されることはありません。
ですから、犯人がはたして逮捕された事実を行ったのか、無実であったのかが不明確なまま、逮捕された事実のみが先行して世間に広まる可能性があるのです。

このような実名報道による不利益を回避するためには、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。
依頼を受けた弁護士は、すぐに、警察や報道機関に対し報道による被る不利益などを主張し、名前や逮捕された事実を報道しないよう働きかけます。
また、ご家族様などに職場や学校などへの対応のアドバイスも致します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件、少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。ご家族、ご友人が強制性交等罪で逮捕されたお困りの方は、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。初回接見サービス等を24時間いつでも受け付けています。

強要未遂罪で不起訴

2021-08-30

強要未遂罪で不起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が開設します。

Aさん(男性)は博多警察署に強要未遂罪で逮捕されました。Aさんから依頼を受けた刑事弁護士は不起訴獲得に向けてVさんとの※示談を考えています。
(フィクションです)

~強要未遂罪~

強要罪は刑法223条に規定されています。

刑法223条
1 生命,身体,自由,名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し,又は暴行を用いて,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害し た者は,三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命,身体,自由,名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害した者も,前項と同 様とする。
3 前二項の罪の未遂は,罰する。 

強要罪は,「脅迫」(生命,身体等に対して害を加える旨の告知)又は「暴行」を用いて,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害した場合に成立する犯罪です。法定刑は「3年以下の懲役」と選択刑として罰金刑がありません。起訴され,刑事裁判で有罪の判決を受ければ懲役刑に処せられます。

また,3項では未遂罪を処罰する旨の規定が設けられています。
強要罪では,人に義務のないことを行わせる目的,あるいは権利を妨害する目的で,脅迫,暴行を行った時点で強要罪の実行の着手ありとされます。
そして,実行に着手し,「結果」が発生しなかった場合は強要未遂罪が成立します。

~強要罪で不起訴を目指す意味~

強要罪(及びその未遂罪)の罰則は3年以下の懲役と選択刑として罰金刑がありません。ですから,起訴されれば,必ず正式裁判を受けなければなりません。そして,裁判で有罪となれば「懲役○○年に処する(実刑)」「懲役○○年に処する ○○年間その刑の執行を猶予する(執行猶予)」という判決を受けることになります。
よって,このような事態を回避するためにも,起訴を回避する,つまり不起訴獲得を目指す必要があるのです(執行猶予中である方,欠格事由を気にされている方などにとってはとても大切です!)。不起訴を獲得するには,被害者と示談することが肝要です。示談によって,当事者同士で事件が円満に解決できたことを形として刑事処分を決める検察官に示すことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,強要罪を始めとする刑事事件専門の法律事務所です。刑事事件の示談,不起訴なら弊所の刑事弁護士にご用命ください。

則竹弁護士が取材を受けコメントが東京新聞に掲載されました

2021-07-29

密漁について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の代表弁護士則竹理宇が取材を受け、コメントが7月15日発行の東京新聞に掲載されました。

潮干狩り感覚の密漁で摘発されるケースが多発

これからの季節、海でのレジャーに出かける方も多いかと思いますが、海に生息する魚介類をむやみに採って持ち帰ると「密漁」となり、漁業法や、各都道府県が定める漁業調整規則に違反する可能性があるので注意が必要です。
中には、潮干狩り感覚で罪の意識がないままに禁止場所で貝類を採ってしまい、密漁として摘発を受けている方もいるようなので十分にお気をつけください。
また実際に各地でこういった事件の摘発が多発しており、海上保安庁等に検挙されると、管轄の検察庁に書類送検されて、刑事罰が科せられる可能性もあります
新聞記事には、こういった「密漁」に関して、漁業協同組合への取材内容や、専門家の意見を掲載し注意を呼び掛けています。

則竹弁護士のコメント

こういった密漁事件に巻き込まれないためにどうすればいいのかについて、則竹弁護士は「管轄の漁協に確認を取ってもらうのが確実だが、それが難しければ、人がいない場所では特に採取や立ち入りを禁止した看板などがないかチェックする。潮干狩り場以外では採ることを避けるのが賢明だ。」とコメントしています。

東京新聞(7月15日発行)の記事

 

NHK総合おはよう日本で則竹理宇弁護士が取材協力及びコメント映像出演

2021-07-20

2021 年 7 月 17 日(土) 午前 7 時~放送のNHK総合おはよう日本「特集けさのクロース゛アッフ゜」で、児童ポルノ事件に詳しい弁護士として弊所代表の則竹理宇弁護士が取材協力及びコメント映像出演を致しました。

【番組 URL】 https://www.nhk.jp/p/ohayou/ts/QLP4RZ8ZY3/blog/bl/pzvl7wDPqn/

番組では、「児童ポルノ被害 拡散背景に違法サイト」という特集の中で、コロナ禍て゛拡大する児童ポルノビジネスの様相、犯罪摘発の現場、そして被害者救済の現場から長期化する被害の実態や被害をなくすために社会は何か゛出来るのか考える内容となっております。
弊所代表の則竹理宇弁護士は、児童ポルノ事件を多数取り扱ってきた刑事弁護士としての立場から、一般人でも気軽に参入できる児童ポルノの売買の実態や、児童ポルノ及び自撮り被害の現状について取材協力及びコメント映像の提供をしております。

証拠隠滅罪

2021-06-21

証拠隠滅罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

Yさんを殺したAさんは、その現場にいたVさんにその場で「警察にちくったらどうなるか分かっているのでだろうな」などと言って語気鋭くして脅し、捜査機関への口止めをしていました。しかし、後になって、Aさんは知人Bさんに「あいつ(Vさん)は口が軽いから信用できん。」「お前の方で処分して(殺して)くれないか」と言いました。そして、Bさんは、Aさんから言われたとおりVさんを呼び出し、Vさんを殺害しました。しかし、一連の件が、福岡県博多警察署に発覚し、AさんはYさんに対する殺人罪、Vさんに対する殺人罪の共犯及び証拠隠滅罪の教唆犯、BさんはVさんに対する殺人罪の共犯及び証拠隠滅罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~証拠隠滅罪~

証拠隠滅罪は刑法104条に規定されています。

刑法104条
 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

この規定を見ていただければお分かりいただけるように、

証拠隠滅罪は「他人の刑事事件」に関する罪

だ、ということがまず大切なポイントです。
ここで「刑事事件」とは、

現に刑事被告事件として刑事裁判中の刑事事件

に限らず、将来刑事被告事件となる可能性のあるもの、すなわち

現に捜査機関により捜査を受けている刑事事件、あるいは、未だ捜査機関に発覚されていない捜査前の刑事事件

も含まれます。
「他人」とは、自己・行為者以外という意味です。
したがって、本件AさんがYさんに対する殺人事件の証拠を隠滅するなどしても証拠隠滅罪に問われることはありません。

これは、

犯人が証拠の隠滅などを図ることは、人の心情として当然・自然のことで、法律で犯人に「そんなことしたらだめだ!」と強制するには無理があるから(期待可能性がないから)

と考えられているからです。同じ考え方から、罪を犯した犯人には「犯人蔵匿・隠避罪(刑法103条)」は問えないとされています。

~ Bさんは? ~

反対に、Bさんはどうでしょうか?
この点、Bさんからすれば、Aさんの殺人事件は「他人の刑事事件」ですから(もっとも、BさんがYさんに対する殺人事件の共犯者の場合は「他人の刑事事件」とはいえません)、Bさんが証拠隠滅罪に問われる可能性はあります。

ちなみに、「証拠」は、物証(物的証拠)に限られず、人証、すなわち刑事裁判における証人、あるいは捜査段階における参考人も含まれます。
「隠滅」とは、物理的に滅失させるだけでなく、証拠の顕出を妨げ、若しくはその価値を滅失・減少させる全ての行為をいいます。
・証拠物を隠匿すること
・証人又は参考人を逃避させて隠匿すること
・証人、参考人を殺害すること
などは「隠滅」に当たるとされています。

Bさんによって殺害されたVさんは、AさんのYさんに対する殺害行為の一部、あるいは全部を目撃していた方だと思われますから「証拠」に当たります。ですから、やはり、Bさんは証拠隠滅罪に問われる可能性が高いといえます。

では、AさんとVさんが口裏合わせをして、AさんがVさんに、警察官、あるいは検察官に対する虚偽の供述(話)をさせていた場合はどうでしょうか?
この点については、作成される書面が供述録取書(警察官、検察官が作成する書面)であることを理由に本罪は成立しないとした裁判例があります(千葉地方裁判所、平成7年6月2日など)。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

公然わいせつで書類送検

2021-04-12

公然わいせつ罪と書類送検について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

会社員のAさんは,誰もいない公園のベンチに座っていた際,性欲を満たすために着ていたズボンから自己の陰茎を出したところ,たまたま近くを通りかかったVさんにその場面を見られてしまいました。その後、Aさんは警察官に公然わいせつ罪の容疑で事情を聴かれ、検察庁へ書類送検されたことから、公然わいせつに詳しい弁護士に無料法律相談を申込みました。
(フィクションです)

~公然わいせつ罪~

公然わいせつ罪は、公園や路上などの不特定または多数の人がいる、またはいる可能性のある場所で、自己の陰部(局部)を露出させたり、見せつけたりするなどのわいせつな行為をした場合に問われ得る犯罪です。刑法174条には、

(公然わいせつ)
第百七十四条
公然とわいせつな行為をした者は,6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

と規定されています。

~書類送検~

書類送検とは、在宅事件、在宅被疑者のまま事件の書類だけが検察庁へ送致されたことを意味しています。
警察官は事件の捜査を終え、事件関係の書類を整えた上で書類を検察官へ送致します。したがって、書類送検の時期は「司法警察員が捜査を終えた後」といことになります。いつ捜査を終わるかは、事件の内容、難易度、捜査機関側の都合などによって異なりますから一概に「いつ」になるかは分かりません。気になる方は、弁護人を通じてか、あるいは直接尋ねてみてもいいでしょう。

書類送検された後は担当の検察官から、取調べのための出頭要請を受けます。いつ呼び出しを受けるかについても、担当の検察官しだいとなりますので一概に「いつ」かは分かりません。そして、検察庁での取調べを終え、最終的な刑事処分(起訴、不起訴)が決まります。起訴された場合は、刑事裁判を受けなければなりません。裁判で実刑判決を受けた場合は刑務所へ収容されます(裁判が確定した場合)。

~公然わいせつ罪で逮捕されることは?~

今回、Aさんは逮捕されませんでしたが、公然わいせつ罪で逮捕されることはあるのでしょうか?

この点、令和2年版犯罪白書によれば、公然わいせつ罪・わいせつ物頒布等罪に問われ検察庁で何らかの処分を受けた「2,325人」のうち、逮捕された人は「890人(うち3人は検察庁で逮捕)」、逮捕されていない人は「1435人」で、逮捕された人の数は逮捕されていない人の数より少ないことが分かります。
また、警察に逮捕された人(887人)のうち、勾留という10日間の身柄拘束を受けた人は「471人」で、約半数の人が勾留される前に釈放されていることが分かります。
以上から、仮に、公然わいせつ罪を疑われても、逮捕される確率は低く、仮に逮捕されても勾留される確率はさらに低くなることが分かります。もっとも、逮捕されるか否かは個別の事情により異なりますので、逮捕されないことが補償されたわけではないことはいうまでもありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。

脅迫罪

2021-04-05

脅迫罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

Aさんは、長引く不況で会社を解雇されたことの腹いせに、会社の郵便ポストに「よくも解雇してくれたな。今に見てろ。この会社ごと存続できないようにしてやる」などと書いた手紙を投函しました。そうしたところ、Aさんは脅迫罪で逮捕されてしまいました。
(実際に存在した事例を基に作成しています)

~脅迫罪~

脅迫罪は刑法222条に規定されています。

1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2項 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

脅迫罪の「人」とは、脅迫罪が個人の意思の自由を保護する罪である以上、その自由を享受し得る自然人を意味し、会社である法人は含まれないと解されています。
もっとも、法人の財産等に対する害悪の告知が、間接的に自然人に対する害悪の告知と解される場合も十分にあり得るところで、その場合は、やはり脅迫罪に問われる可能性があるといえます。

害を加える旨の告知(害悪の告知)とは、一般に人を畏怖させるに足りることを伝えることです。

生命に対する害悪の告知・・・「別れるくらいなら、あなた(あるいは親族)を殺す。」
身体に対する害悪の告知・・・「五体不満足にしてやる。」
自由に対する害悪の告知・・・「この街を安全に歩けると思うなよ。」
名誉に対する害悪の告知・・・●●をネットに掲載する、SNSで拡散する
財産に対する害悪の告知・・・「あなた(あるいは親族)の家に火をつけてやる。」 など

害悪の告知の方法に制限はありません。
加害者に直接会って言った場合はもちろん、電話、メール、FAXを使って伝えた場合などでも脅迫罪が成立する可能性があります。

~強要罪との違い~

脅迫罪と強要罪の違いについてよく聞かれますので併せて解説します。
強要罪は刑法223条に規定されています。

1項 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。

強要罪でも「害悪の告知」が必要とされています。ただし、強要罪は、結果として相手方に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したことが必要ですから、強要罪の「害悪の告知」はその程度のものであることが必要とされています。

以上からもお分かりいただけますように、脅迫罪は「害悪の告知」をしただけで成立する罪、強要罪は「害悪の告知」+「人に義務のないことを行わせること」あるいは「権利の行使を妨害したこと」が必要です。また、脅迫罪の「害悪の告知」は、それによって相手方が畏怖したかどうかは問わないとされているのに対し、強要罪の「害悪の告知」は、結果として相手方に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害するに足りる程度のものである必要があります。

脅迫罪は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金で、強要罪は3年以下の懲役です。両者を比べてみるとよく分かりますが、強要罪には罰金刑がありません。つまり、強要罪で起訴されると必ず正式裁判を受ける必要が出てきます。裁判所は、土日は開廷してくれませんから、会社員の方であれば休暇を取る必要があります。また、慣れない法廷という場は極度に緊張するものです。判決が出るまでは「刑務所に行かなければならないだろうか」などと不安が続きます。対して、脅迫罪は選択刑として罰金刑がありますから、そのような不安や緊張に悩まされなくて済む場合もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。強要罪については特に、検察官が起訴する前に被害者と示談を成立させ、不起訴処分を獲得することが重要です。お困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881で、無料相談、初回接見サービスをお申し付けください。

準強制わいせつと勾留前釈放

2021-03-29

準強制わいせつと勾留前釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

Aさんは、交際相手であるVさんに多量の酒を飲ませ、Vさんが泥酔したところを見計らって、Vさんの下着の中に手を入れ、Vさんの陰部などを触るわいせつな行為に及びました。そうしたところ、Vさんの目が覚め、着衣を脱がされていたVさんは被害に遭ったことに気づき、後日、博多警察署に被害届を提出しました。そうしたところ、Aさんは準強制わいせつ罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~準強制わいせつ罪とは~

準強制わいせつ罪は刑法178条1項に規定されています。

刑法178条1項
 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ,又は心神を喪失させ,若しくは抗拒不能にさせて,わいせつな行為をした者は,第176条の例による。

Vさんは泥酔状態だったということですから「抗拒不能」だったといえますし、Aさんが、Vさんの下着の中に手を入れ、指でVさんの陰部などを触るなどした行為は「わいせつな行為」に当たるでしょう。
「第176条の例による」との「第176条」とは「強制わいせつ罪」を指しています。「例による」とは、法定刑をその罪と同様とする、という意味で、強制わいせつ罪の法定刑は「6月以上10年以下」ですから、準強制わいせつ罪の法定刑も「6月以上10年以下」となります。

~勾留前の釈放~

Aさんは逮捕されていますが、勾留前に釈放されることもありますから、諦めずにまずは弁護士を呼んで対応を検討しましょう。

逮捕後は、警察→検察→裁判所と身柄を移され(寝泊まりは、通常、警察署の留置場内)、それぞれで身柄の拘束が必要か否か判断されます。
警察で釈放されれば、検察→裁判所へと手続が進むことはなくなりますし、検察で釈放されれば、裁判所での手続を受ける必要はなくなります。

しかし、身柄拘束が必要かどうかチェックする機関は実際に身柄を拘束する警察や検察(捜査機関)であり、裁判所も全ての事情を酌んできちんと判断してくれるか分かりません。そこで、警察、検察、裁判所に釈放を促す働きかけを行う必要があります。具体的には、警察には検察に送致しないよう、検察には勾留請求しないよう、裁判所には勾留決定を出さないよう意見書を提出するなどの方法が考えられます。こうした活動は弁護士に任せた方が無難ですから、逮捕の連絡を受け、一刻も早い釈放をお望みの場合は早めに弁護士に弁護活動を依頼しましょう。

勾留前に意見書などを提出する活動は、法的に認められた活動ではありませんが、意見書などを提出することによって、仮に勾留された場合「不服申し立てをしますからね。」という意思表示にもなり、捜査機関等に一定の抑止を働かせていることは間違いありません。

なお、釈放されててもそれで事件が終わりというわけではありません。また、国選で弁護士が付くわけでもありません。被害者への弁償、示談、不起訴処分の獲得を目指して弁護士を付けたいという方は「私選」の弁護士を選任する必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件、少年事件を専門とする法律事務所です。刑事事件、少年事件でお困りの方は、まずは、お気軽に0120-631-881までお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

 

執行猶予中に再犯をしてしまったら

2021-01-04

執行猶予中と再犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡市東区に住むAさんは歩いていたところ、東警察署の警察官に職務質問を受け所持品検査を受けました。その結果、Aさんのバックから乾燥大麻らしきものが入ったパケが見つかりました。
Aさんは取調べにおいて、自己使用目的で所持していたことを認め、また鑑定の結果大麻であることが判明したため、Aさんは大麻取締法違反の容疑で逮捕されました。Aさんは約2年前に覚せい剤使用で懲役1年6月執行猶予3年の判決を受けており、現在執行猶予期間中です。Aさんが逮捕されたことを知ったAさんの妻は、Aさんが刑務所に行くことになってしまうのか不安でたまらず、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士に初回接見を依頼した。
(フィクションです)

~執行猶予中の再犯~

大麻取締法は、無許可・無免許での大麻の栽培、輸出入、所持、譲渡、譲受等について罰則を設けて規制しています。
上記のケースのAさんのように、大麻を単純所持していた場合、法定刑は5年以下の懲役となります。

上記のケースにおいて、Aさんの妻はAさんが刑務所に行く、つまり実刑判決を受けてしまうのかどうかを心配しています。
そもそも、執行猶予とは刑事裁判の被告人に対する判決において、一定の期間(執行猶予期間)中に、他の刑事事件を起こさないことを条件として、判決の執行を猶予する制度です。
執行猶予期間中に新たに犯罪を犯すことがなければ、判決の効力が消滅することになります。
執行猶予の趣旨は、被告人を収監するのではなく、社会復帰させながら更生させるという点にあります。
したがって、執行猶予期間中に再度犯罪を犯してしまうという事は、当然社会の中での更生は難しいという判断に繋がりやすく、比較的軽微な罪を犯した場合でも有罪判決が下れば執行猶予が取り消されることになります。

仮に、執行猶予が取り消されてしまった場合、執行を猶予されていた刑罰に加え、新たに犯してしまった犯罪に対する刑罰が加重されることになります。
さらに、執行猶予期間中に犯罪を犯してしまった場合、再犯となります。
再犯をしてしまった場合の刑の加重については、刑法第57条において「再犯の刑は、その罪について定めた懲役の長期の二倍以下とする。」と規定されています。
つまり、今回のケースのAさんの場合、覚せい剤取締法違反が懲役1年6月、大麻取締法違反が最長で懲役10年まで科すことが出来るようになるため、最悪の場合、懲役11年6月を科されることも有り得ます。

~再度の執行猶予~

ただし、再度の執行猶予が認められれば、執行猶予中に犯罪を行っても執行猶予が取取り消されることはなく、直ちに刑務所に入らずに済みます。

再度の執行猶予とは、文字通り、再び執行猶予付き判決が下されることをいいます。
再度の執行猶予は最初に獲得する執行猶予よりも認められる条件が厳しくなっており、

①前に禁錮以上の刑に処せられて執行猶予中の者であること
②1年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受けること
③情状に特に酌量すべきものがあること
④最初の執行猶予判決に保護観察がつけられていないこと
 
となっています。

ただし、再度の執行猶予は認められづたいのが現状です。
というのも、まず1年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受ける犯罪が多くないからです。
また、仮に1年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受けたとしても、情状事情が特に斟酌されるものでならず、その判断は相当厳格に行われることになります。
上記のケースのAさんのように、同じ覚せい剤ではないにしても、再度薬物に手をだしてしまっているような事案では、再度の執行猶予が認められる可能性は低いと言わざるを得ません。

しかし、端から諦めてしまうのではなく、まずは刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。
例えば、再犯について大麻への依存度が低い、使用回数が少ないといった被告人にとって有利となる事情を説得的に主張することで、再度の執行猶予獲得を獲得する可能性を高めることは可能です。
また、薬物異存から脱却するためにカウンセリングや治療を受けている、あるいは身近な方が被告人を監督するなど、再犯防止に向けた環境整備が整っていることを主張することも効果的です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

誤振り込みと詐欺罪

2020-04-19

誤振り込みによって得たお金を引き出して使用することで何らかの犯罪に問われるのか,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

【事件】

福岡市西区に住むAさんは自身の銀行口座にV名義の口座から約10万円の振り込みがあったことに気付きました。
身に覚えのなかったAさんですがつい出来心でこのお金を銀行の窓口で引き出し遊興費として使ってしまいました。
後日,誤振り込みをしてしまったことに気付いたVさんが銀行に問い合わせ銀行から福岡県警察西警察署に被害が届けられました。
Aさんは福岡県警察西警察署で事情を聞かれることになっています。
(フィクションです)

【誤振り込み】

誤振り込みされたお金を銀行の窓口で引き出してしまった場合,詐欺罪(刑法第246条)に問われる可能性があります。

刑法第246条
第1項 人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
第2項 前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,前項と同様とする。

判例(最決平成15・3・12刑集57巻3号322頁)は,被告人が自己の口座に誤振り込みがあったことを知りながら銀行に誤振り込みがあったことを告げず払い戻しを
受けた事件について以下のような理由で詐欺罪が成立するものとしました。

すなわち,振込依頼人と受取人との間に振り込みの原因となる法律関係は存在しませんが,このような振り込みであっても,受取人である被告人と振込先の銀行との間に振込
金額相当の普通預金契約が成立し,被告人は,銀行に対し,上記金額相当の普通預金債権を取得します。
つまり,民事上は,誤振り込みされた者が銀行に対して誤振り込みされたお金を引き出すことを要求する権利があるということです。
そうであれば、誤振り込みされた者は飽くまでも正当な権利を行使しているに過ぎず、それが詐欺罪に当たるなどと言われる筋合いはないのではないかとも考えられます。

しかし他方で,銀行実務では組戻しなどの手続きによって受取人の承諾を得て誤振り込みがあった以前の状態にしたり,受取人からの誤振り込みの指摘により振り込みに誤り
がなかったかを確認・照会するなどの措置が行われています。
そしてこれらの銀行の措置は安全な振込送金制度を維持するために必要なものであり,受取人においても,銀行との間で普通預金取引契約に基づき継続的な預金取引を行って
いる者として,自己の口座に誤った振り込みがあることを知った場合には,銀行に上記の措置を講じさせるため,誤った振込みがあった旨を銀行に告知すべき信義則上の義務
があります。
この義務に反して,誤った振り込みがあることを知った受取人が,誤振り込みされたという事情を隠して預金の払戻しを請求することは,本来言わなければならないことを言
わないことで銀行を欺くという点で,詐欺罪の欺罔行為に当たると評価できます。
また,誤った振り込みの有無に関する錯誤は同罪の錯誤に当たるので,錯誤に陥った銀行窓口係員から受取人が預金の払い戻しを受けた場合には,詐欺罪が成立します。

以上が判例が示した理由と結論です。
この判例に従えば,今回の事件においてもAさんに詐欺罪が成立する可能性はあります。

ただし、銀行の窓口ではなくATMでお金を引き出した場合については、人が介在しないことから詐欺罪は成立しないという見解が支配的です。
その場合でも、ATMの操作に不正があったとして電子計算機使用詐欺罪に当たる、あるいは銀行の意思に反して金銭を自己のものにしたとして窃盗罪に当たると考えられていま
す。
電子計算機使用詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役,窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。

【弁護活動】

Aさんから依頼を受けた弁護士はどのように警察に話したらよいのか,今後予想される手続きなどをAさんに説明します。

今回のような詐欺事件ですと,被害者との示談を成立させることで不起訴処分を獲得できる可能性を高めることが活動の中心となる場合が多いです。
今回の事件の場合,実質的に被害を受けたのはVさんですが,理論的に詐欺罪の相手方となっているのは銀行です。
こうしたケースについては、誰を相手方として示談を行うのが効果的か検討の余地があるかもしれません。

謝罪や示談交渉が実を結ぶためには場合によっては多くの時間がかかることもあります。
またあくまで一般論ですが,心理的にも早期から謝罪を申し入れられた方が最終的に受け入れてもらいやすいことが多いです。

被害額が多額に上らない場合でも,早期から刑事事件に強い弁護士に事件を依頼しているかそうでないかでは結果に大きな違いが出てきます。

誤振り込みされたことを銀行に伝えずお金を使ってしまった方,詐欺事件の被疑者となってしまった方,福岡県警察西警察署で取調べを受けることになってしまった方は,お
早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

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