車内で自慰行為 公然わいせつ罪を詳しく解説~①~

車内で自慰行為をしていたとして公然わいせつ罪で取調べを受けている方の事件を参考に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が、公然わいせつ罪について詳しく解説します。

◇事件◇

営業の仕事をしているAさんは、1年ほど前から仕事のストレスが原因で、路上に止めた営業車の車内で自慰行為をして、そのストレスを発散していました。
これまで何度か、自慰行為を通行人等に目撃されていましたが、Aさんは、人に見られることのスリルが快感で、この行為をやめられず、これまで何回も繰り返しています。
そんなある日、営業で訪れていた北九州市小倉北区の路上で、いつものように自慰行為にふけっていたところを、警ら中の小倉北警察署の警察官に見つかってしまい、警察署に任意同行されて、取調べを受けることとのなってしまいました。
(フィクションです)

公然わいせつ罪

刑法第174条

公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

公然わいせつ罪は、「公然とわいせつな行為をした」ときに成立し、社会的法益である性秩序を保護法益としている法律です。

公然とは

公然わいせつ罪でいうところの「公然」とは、不特定多数の者が認識できる状態を意味しますが、実際に、不特定又は多数の者によって認識されたことまでは必要とされておらず、その可能性があればよいとされています。
ちなみに認識する者が、特定人だけであっても多数いる場合は「公然性がある」とされています。
つまり、友人等ばかりであっても、その数が多数であれば公然性が認められることとなります。

わいせつな行為とは

公然わいせつ罪でいうところの「わいせつな行為」とは、性欲の刺激・満足を目的とする行為で善良の風俗に反し、一般人に羞恥心を感じさせるものをいいます。
公然わいせつ罪でいうところ「わいせつな行為」には、言語は含まれませんので、わいせつな言葉を口にするだけでは、公然わいせつ罪は成立しません。

~次回に続く~

keyboard_arrow_up

0120631881 無料相談予約はこちら LINE予約はこちら