アポ電話強盗ではどんな罪に問われる?

2019-11-04

アポ電話強盗ではどんな罪に問われる?

アポ電強盗について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡市中央区に住む無職のAはお金に困っていました。そこで、ネットで同じ境遇の仲間(B、C)を探し出し、高齢者の現金を強奪しようということになりました。Bは以前、特殊詐欺グループに所属しかけ子の役を、Cは別の特殊詐欺グループに所属し受け子の役を担っていた経験を有していました。Aは、Bから「以前、特殊詐欺グループに所属していたとき、福岡市内の高齢者を狙おうとしたんだけど事情があって頓挫したんだ。」「今回狙ってみない?」「住所、電話番号知っているから。」と言いました。そこで、AはCに高齢者Vさん宅に電話をかけるよう依頼しました。これを受けてCは税務署職員を装いVさん宅に電話をかけました。Cは税務署職員を装い、Vさんから資産状況、家族構成などを聞き出した上、A、Bにこれを伝えました。そして、A、B、Cの3人はある日、Vさんが自宅に一人になることを見計らってVさん宅に押し入り、Vさんに殴る蹴る暴行を加えたほか、羽交い絞めにしてVさん名義のキャッシュカードを奪った上、Vさんからキャッシュカードの暗証番号を聞き出しました。Vさん宅を後にした3人は、直ちにATMへ向かい、Vさん名義の銀行口座から90万円を引き出しました。ところが、3人は、Vさんから被害届を受け捜査をしていた福岡県中央警察署の警察官に強盗致傷罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~ アポ電話強盗とは ~

アポ電とはアポイントメント電話の略。
そして、アポイントメントとは相手との会合、面談の約束を取り付けることですから、アポ電とは、会合、面談を電話で取り付けることを意味します。
これをアポ電話強盗に敷衍すると、

犯人が強盗を実行する前に被害者と電話をした上で実行する強盗

ということになります。
アポ電強盗の犯人は、電話で、被害者の行動、家族構成、資産状況などを尋ねた上で強盗を実行するようです。

今年2月には、男性3名が共謀し、事前に東京都江東区のマンションに住む80歳の女性に電話をかけ、女性宅に押し入り女性を殺害したとして強盗殺人罪で逮捕しています。また、このほかにも東京都内では、今年1月、2月頃にかけて連続して同様の事件が起きており、マスコミはこれら一連の事件を「アポ電強盗」と呼称したことから一気にその名が全国に広められました。

~ アポ電強盗が増加? ~

高齢者を狙った犯罪としては、「オレオレ詐欺」や「振り込め詐欺」をはじめとする

特殊詐欺

が有名ですが、警察により「受け子」などの取り締まりが強化するに連れて受け子の成り手が減り、アポ電強盗をはじめとする凶悪犯罪に加担する者が増えてきているともいわれています。実際に、今年8月1日、警察庁は「アポ電強盗」と思われる不審な電話が今年4~6月の3カ月間に全国で3万5289件確認されたことを発表しています。

以下、強盗罪がどれほど重たい罪なのかご紹介します。

~ 強盗罪 ~

強盗罪は刑法236条に規定されています。

刑法236条
1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、前項と同様とする。

強盗罪の「暴行」「脅迫」の程度は相手方の反抗を抑圧する程度に強いものでなければならないとされています。「強取」とは、上記の「暴行」「脅迫」により、相手方の反抗を抑圧して財物を自己又は第三者に移すことをいいます。

~ 強盗予備罪 ~

強盗予備罪は刑法237条に規定されています。

刑法237条
強盗の罪を犯す目的で、その予備をした者は、2年以下の懲役に処する。

強盗の予備とは、強盗を犯す目的で、その着手の準備をすることをいいます。仮に、アポ電強盗で、被害者宅に電話をかけた段階で捜査機関に発覚すれば、強盗予備罪に問われる可能性があります。

~ 強盗致死傷罪 ~

強盗致死傷罪は刑法240条に規定されています。

刑法240条
 強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

本罪は、強盗犯人が殺意なくして人を負傷させたり死亡させた場合のほか、故意あって人を負傷したり死亡させる場合も含まれます。したがって、強盗傷害罪、強盗殺人罪の場合も本規定が適用されます。
なお、強盗致死傷罪の目的は、人の身体、命を守ること、にありますから、たとえ財物を奪取できず強盗自体が未遂と終わっても人を負傷させたり、死亡させれば本罪が成立することに注意が必要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。

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