福岡県大牟田市でタクシー強盗

2019-06-23

福岡県大牟田市でタクシー強盗

福岡県大牟田市に住むAさんは,タクシーの後部座席に乗って帰宅していましたが、タクシー運転手が指定した場所にタクシーを止めなかったことに腹を立て、タクシー運転手に「ここじゃかなろうが!」などと言って、タクシー運転手の後頭部や顔面などを拳で殴打する暴行を加えました。そして、Aさんはタクシー料金1200円を支払わず、タクシーから降りて歩いて自宅まで帰りました。一方、Vさんは、頭部などから血を流しながら、運転席に乗ったまま、警察に「客の男から殴られた」「金を払わず逃げた」「近くのアパートへ入ったのを見た」などと110番通報しました。警察官が現場に到着すると、Vさんが頭から血を流して路上に転倒しているのが確認されました。Vさんは病院へ緊急搬送されましたが死亡が確認されました。その後、警察の聞き込み捜査などによってAさんが疑われ、Aさんは強盗罪で逮捕されてしまいました。
(事実を基に作成したフィクションです。)

~ 強盗罪とは ~

強盗罪は、何も、現金など目に見える形のあるもの(財物)を取った(強取)した場合にのみ成立するのではありません。何らかのサービス(役務)を受けたものの、そのサービスに対する対価(お金など)の支払を免れた、というような場合も強盗罪が成立することがあります。

強盗罪を規定した刑法236条は、

1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

と規定しています。1項が、現金など何か目に見える形のあるものを取った場合に適用される規定、2項が、サービス(役務)に対する対価の支払いを免れた場合などに適用される規定です。よく、

・乗客がタクシー運転手を殴ってタクシー代金を支払わなかった
・借金を負っている人がお金を貸している人を殺害した

などという場合に適用されています。刑法236条2項が適用される強盗を「2項強盗」と呼ばれています。

~ 強盗利得罪の中身 ~

それでは強盗利得罪について簡単にみていきましょう。
強盗利得罪は、「前項の方法により」、「財産上不法の利益を得」た場合に成立する犯罪です。
「前項の方法」とは、暴行又は脅迫を手段とする方法をいいます。強盗罪における「暴行又は脅迫」の程度は、相手方の反抗を抑圧するに足りるものでなければならないとされています。事例のAさんの暴行は、この強盗罪の暴行に当たる可能性が高いでしょう。
「財産上不法の利益を得」の「不法の」とは、利益を得る手段が不法であることを意味し、利益が不法であることを意味しません。類型としては、

・被害者に債務を免除させる
・被害者に一定のサービスを提供させる
・被害者に債務の負担を口頭で約束させる

などが挙げられ、事例の場合、一番上の類型に該当します。

* 被害者の行為を必要とするか? *

少し話が難しくなりますが、2号強盗と同様の規定が、詐欺罪、恐喝罪でも規定されています(詐欺罪は刑法246条2項、恐喝罪は鶏歩いう249条2項)。2項詐欺罪、2項恐喝罪では被害者の処分行為(たとえば、債務を免除しますよ、という意思表示みたいなもの)が必要とされていることから、2項強盗罪でも被害者の処分行為を必要とするかが問題となります。判例は、これを「不要」としてます(大判昭6年5月8日など)。強盗罪は、被害者の反抗を抑圧するに足りる暴行、脅迫を手段としますから、被害者の処分行為が入り込む余地がないことがその理由の一つのようです。

~ 罰則は? ~

2項強盗の規定では、「同項と同様とする」とされていることから、1項強盗と同様

5年以上の有期懲役

です。これは、裁判で「有罪」の判決を受けると基本的には、

実刑

であることを意味しています(執行猶予を付けることができるのは、懲役が「3年以下」の場合ですから)。

ただし、情状によっては執行猶予を獲得できる場合もありますから、困りの際は弁護士へご相談ください。

* 怪我をさせたり、死亡させた場合は? *

怪我をさせたり、死亡させた場合は、強盗致死傷罪(刑法240条)が適用され同罪で処罰される可能性があります。同罪の罰則は、怪我(負傷)させた場合は「無期又は6年以上の懲役」、死亡させた場合は「死刑又は無期懲役」です。被害金額の多寡を問いません。したがって、たとえ、被害金額が100円であっても、同罪が適用されることがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方はフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談等を24時間受け付けております。

ページの上部へ戻る