美人局?と恐喝・詐欺罪

2019-03-21

美人局?と恐喝・詐欺罪

福岡県久留米市の風俗店で働く風俗嬢のAさんは,お金に困っていました。ある日,Aさんが,お金に困っていることを店長(Aとは婚姻関係にはない)に相談したところ,店長から「俺に暴力団組員の知り合いがいる」「お前は客と本番しろ」「本番した後に,俺が客から金を巻き上げるから」などと言われました。そして,Aさんが,風俗店を利用したVさんの接客中,店長から言われたとおりにしたところ,店長がいきなり部屋に入ってきて,Vさんに「お前,おれの妻(A)と本番したやろ!」「罰金として50万払え」「俺は〇〇組の組員だからな」「はらわんとどうなるかわかっとるやろうな」などと言い,Vさんから5万円を受けとり,そのうち1万円をAさんに渡しました。そうしたところ,Aさんと店長は,福岡県中央警察署恐喝罪で逮捕されました。
(フィクションです。)

~ 美人局とは ~

美人局とは,夫婦が共謀し,妻が「かも」になる男性を誘って性交等をし,行為の最中または終わった瞬間に夫が現れて,妻と性交等をしたことに因縁をつけ,法外な金銭を脅し取る行為のことをいうとされています。
しかし,実際には,婚姻関係にないにもかかわらず,それがあるかのように装ったり,交際中の女性を利用するなどして美人局に似た手口で金銭を脅し取ったり,騙し取ったりする行為も美人局と呼ばれていることがあります。

~ 美人局と刑事責任 ~

それでは,美人局ではどんな刑事責任に問われうるのかご紹介したいと思います。

= 恐喝罪 =

恐喝罪は刑法249条に規定されています。

刑法249条
1項 人を恐喝して財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,同項と同様とする。

恐喝」とは,財物の交付又は財産上不法の利益を得るために行われる「暴行」又は「脅迫」のことをいいますが,恐喝罪の場合,一般的に「脅迫」行為が行われることが多いと思われます。「脅迫」とは,人を畏怖させる足りる害悪の告知をいいます。具体的には,相手方(Vさん)またはこれと密接な連帯感情にある者の生命,身体,自由,財産に対する危害を加える旨を言うことをいいます。Aさんが,Vさんに,

「俺は〇〇組の組員だからな」「はらわんとどうなるかわかっとるやろうな」

という行為は,それを受け取った側からすれば,

「殺されるかもしれない」「家を焼かれるかもしれない」

という思いを想起させるものであり,「人を畏怖させる足りる害悪の告知(脅迫)」ということができるでしょう。

= 詐欺罪 =

AさんがVさんに何を言ったによって,詐欺罪に問われることもあります。
詐欺罪は刑法246条に規定されています。

刑法246条
1項 人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,同項と同様とする。

例えば,店長が,Aさんが性病にかかっていないにもかかわらず,Vさんに,

「うちの妻(Aさん)が性病にかかった」「慰謝料として○○万円払え」

などと言った場合は詐欺罪(又は詐欺未遂罪)に問われる可能性があります。

~ 美人局と共犯 ~

本件で,恐喝行為(脅迫行為)を行っているのはAさんではなく店長です。しかし,Aさんも店長と同じように恐喝罪で逮捕されています。このように犯罪にかかる行為を行っていなくても全部の責任を問われることを

共謀共同正犯あるいは一部行為の全部責任の原則

と呼ばれます。この犯罪に問われるためには,共犯者間(Aさんと店長との間)での「意思の連絡(共謀)=話し合い,打合せ」があることが必要です。本件では,Aさんと店長との間で,話し合い,打合せが行われていたことが認められ,Aさんも逮捕されるに至ったのだと考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,恐喝罪,詐欺罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は,まずは,0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

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