ストーカーで示談

2019-01-09

ストーカーで示談

福岡県大野城市に住むAさん(28歳)は,交際相手のVさん(23歳)から,ある日突然,別れ話を切り出されました。Aさんとしては,Vさんが好きで将来結婚しようとまで考えていたことから,突然の別れ話に納得がいかず,その日以来,Vさんの携帯電話に無言電話をかけ続けました。その後,Aさんは,Vさんから連絡を拒まれたことから,Vさんの携帯電話に脅迫めいたメールを送り続けました。しかし,Vさんはメールの受信拒否設定をしていました。そうしたところ,Aさんは,Vさんの友人と名乗る相手から,「ストーカー行為を辞めなければ警察に告訴する」「示談に応じれば警察に告訴しない」と言われました。そこで,Aさんは,Vさんと示談したいと思い,刑事弁護を依頼すべくストーカー事件に強い弁護士に無料相談を申込みました。
(フィクションです)

~ ストーカー行為とは ~

ストーカー行為の定義については,ストーカー規制法(以下,法律)2条3項に定めがあります。

法律2条3項
 この法律において「ストーカー行為」とは,①同一の者に対し,②つきまとい等(第1項第1号から第4号まで及び第5号(電子メールの送信等に係る部分に限る。)に掲げる行為については,身体の安全,住居等の平穏若しくは名誉が害され,又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を③反復してすることをいう。

文章は長いですが,これを分解すると,ストーカー行為とは,要は

① 同一の者に対する
② つきまとい等 を
③ 反復してすること

ということになります。

~ 上記①,②について ~

= つきまとい等について =

ストーカー行為というためには,①同一の者に対する,②つきまとい等であることが必要です。では,②つきまとい等とは何でしょうか?つきまとい等については法律2条1項で定義されています。

法律2条1項
 つきまとい等とは,特定の者(Vさん)に対する恋愛感情やそれが満たされなかったことに対する怨恨感情を充足する目的で,当該特定の者又はその配偶者,直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し,次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。

法律2条1項では1号から8号まで,つきまとい等の類型が規定されています。ちなみに,AさんがVさんに対し無言電話をかけたり,脅迫的なメールを送信する行為は,

法律2条1項5号
 電話をかけて何も告げず,又は拒まれたにもかかわらず,連続して,電話をかけ,ファクシミリ装置を用いて送信し,若しくは電子メールの送信等をすること

に当たる(無言電話は「電話をかけて何も告げず」に,メール送信は「電子メール等を送信すること」に当たる)可能性があります。

= 電子メールの送信等について =

「電子メールの送信等」というためには,前提として

・(連絡を)拒まれたこと
・(電子メールの送信等が)連続していること

が必要です。
「電子メール」には,パソコン・携帯電話端末によるEメールのほか,YahooメールやGmailといったウェブメールサービスを利用したメール,SMS(ショートメッセージサービス),LINEやFacebookなどのSNSメッセージ機能を利用したメールも含まれます。また,受信者が受信拒否設定などをしていたとしても,受信履歴等から電子メールの送信等が行われたことを受信者が認識し得るのであれば,「電子メールの送信等をすること」に該当すると解されます。

なお,電子メールの送信等については,上記①から③の要件を満たし,かつ,

(相手方の)身体の安全,住居等の平穏若しくは名誉が害され,又は行動の自由が著しく害がされる不安を覚えさせるような方法により行われた場合

のみ「ストーカー行為」に当たるとされています(法律2条3項)。

~ 上記③について ~

反復性の有無に関しては,行為の時間的間隔等を考慮して社会通念に従って判断されます。通常,同一の行為につき,少なくとも2回つきまとい等を繰り返せば反復に当たり得ます。また,一つの行為が1回のみだったとしても,それ以外の法律2条1項各号に掲げられた行為を複数回繰り返した場合にはやはり反復に当たるとするのが最高裁の考え方(最決H17.11.25)です。

~ 最後に ~

以上から,Aさんの行為は「ストーカー行為」に当たる可能性が高いです。法律18条では,ストーカー行為をした者を

1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する

と定めています。
また,Aさんは,Vさんの友人から「告訴する」などと言われていますが,ストーカー行為を処罰するには告訴は不要です。ですから,Vさんの訴えは,法的には「警察に被害届を提出する」ということになります。いずれにしても,ストーカー行為が警察に認知されれば,逮捕,長期間の勾留,刑事処分・刑事処罰のリスクを抱えることになります。これらのリスクを回避するには,早め早めに弁護士に相談し,示談交渉に入ってもらいましょう。示談交渉が成功し示談締結となれば,被害者側は警察に被害届を提出しないことになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,ストーカー行為などの性犯罪事件・刑事事件専門の法律事務所です。お困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

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