実刑判決と保釈

実刑判決と保釈

福岡県行橋市に住むAさんは覚せい剤取締法違反(使用罪)で起訴されました。その後、Aさんに付いた国選弁護人が保釈請求をして裁判所に許可され、Aさんは釈放されました。ところが、その後、Aさんは、裁判で懲役1年6月の実刑判決を受けてしまいました。Aさん及びAさんの身元引受人のAさんの雇用主は判決に納得がいっていません。Aさんの雇用主は、再び、Aさんを保釈できないか刑事事件専門の弁護士に相談しました。
(フィクションです。)

~ 実刑判決を受けると保釈の効力はどうなる? ~

保釈とは、被告人(裁判にかけられた人)に対する勾留の執行(効力)を停止して、その身柄拘束を解くことをいいます。つまり、保釈とは、身柄拘束の効力を

停止する

にすぎず、

取り消した

わけではありません。したがって、身柄拘束(勾留)の効力が復活した場合は、再び、身柄を拘束される(勾留される)ことになります。この点につき、刑事訴訟法343条は、

禁錮以上の刑に処する判決の宣告があったときは、保釈又は勾留の執行停止は、その効力を失う。この場合には、あらたに保釈又は勾留の執行停止の決定がないときに限り、第98条(収容)の規定を準用する。

としています。
「禁錮以上の刑」とは、死刑、懲役刑のことを指します。執行猶予付きの判決が言い渡された場合は、勾留の効力は失われますから、「判決」とはもちろん実刑判決のことをいいます。刑事訴訟法第98条には、検察事務官等が検察官の指揮を受けて、被告人を刑事施設(拘置所等)に収容しなければならない旨が規定されています。

* 保釈保証金(保釈金)は戻ってくるの? *

実刑判決を受けた場合、保釈金が戻ってくるか心配される方が多いですが、戻ってきます!保釈保証金が没収されるのは、あくまで、正当な理由なく裁判に出頭しなかった場合など、裁判所から指定された条件を守らなかった場合で、実刑判決を受けたことはその条件の中には含まれないからです。

~ 実刑判決を受けた後も保釈は可能? ~

もちろん、可能です。控訴をしなくても保釈請求をすることは可能ですが、控訴をしない場合、保釈請求をすることの実益がありませんから、通常は、控訴の申し立てをすると同時に(再)保釈の請求をします。上記のとおり、実刑判決が出ると、その時点で(裁判所で)身柄を拘束され、そのまま刑事施設に収容されてしまいますが、保釈の許可が出て保釈保証金を納付すれば、再び釈放されます(いったん身柄拘束された後、釈放されるということです)。

~ 保釈するにはどうすればいいの? ~

第一審の判決が出る前に弁護人に

実刑判決の見込み

を尋ねましょう。ここで、その見込みが高い場合は、「控訴して結論がよくなる見込み」を尋ね、少しでもその見込みがある場合は

・控訴したい旨
保釈(請求)して欲しい旨

を伝えましょう。第一審の弁護人がいつまで弁護活動をできるかについての明確な規定はありませんが、実務では、

控訴申立てによって事件が控訴審に移るまで、または控訴期間の満了まで

とされています。したがって、保釈を望む場合は、

現在選任されている弁護人が控訴申立をする前に保釈請求をしてもらう

必要があります。弁護人が控訴申立をしてしまうと、その後は弁護活動をする権限がなくなってしまうからです。

~ 新たに弁護人を選任することも検討を! ~

しかし、ここで一つ問題があります。第一審の弁護人に保釈請求をしてもらっても、その弁護人は結局は控訴審は担当しない(可能性が高い)ということです。つまり、これを請求を受けた裁判所から見れば、「控訴審を担当しない弁護人からの保釈請求書」という風に映ってしまうのです。もちろん、控訴審を担当する弁護人としない弁護人との間で法的な効力に違いはありませんが、やはり、控訴審を担当する弁護人が書いた保釈請求書の方がどうしてもより説得力のあるものに映ってしまいます。また、「国選でいいや」とのんびり構えていても、選任されるまでに時間がかかります。

そこで、

実刑判決後、すぐに保釈されたい!

という方は

私選の弁護人を選び、控訴申立て、保釈請求から控訴審まで全て担当してもらう

というのも一つの手です。ぜひ、ご検討ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談初回接見サービスの予約受付を承っております。

keyboard_arrow_up

0120631881 無料相談予約はこちら LINE予約はこちら