薬物事件(使用の罪)で保釈なら

2019-05-12

薬物事件(使用の罪)で保釈なら

福岡市東区のAさんは、同区内の自宅アパートで、覚せい剤を注射する方法で使用しました。しかし、翌日、Aさん宅に福岡県東警察署の捜索が入り、尿の任意提出を求められ提出したところ、尿から覚せい剤成分が検出されたことから、Aさんは覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されてしまいました。Aさんは勾留され、国選弁護人が選任されましたが、国選弁護人の弁護活動には満足していませんでした。そして、10日間の勾留期間を経た後、Aさんは覚せい剤取締法違反で起訴されてしまいました。そこで、Aさんの父親は、国選弁護人から私選弁護人への切り替えを検討しており、Aさんを保釈してもらいたいと考えています。
(フィクションです)

~ 保釈とは ~

保釈とは、被告人(裁判にかけられた人)に対する勾留の執行(効力)を停止して、その身柄拘束を解くことをいいます。「被告人」とは起訴され、刑事裁判にかけられた人をいいますから、あくまで保釈請求は

起訴後

しかすることができません。

~ 保釈のメリットと保釈されないデメリット ~

保釈のメリットとしては以下の点が挙げられます。

① 精神的,肉体的負担の軽減
  留置場,拘置所暮らしの生活は,多大な精神的,肉体的負担を伴います。保釈されれば,これらの負担から解放されます。

② 様々な処分を免れる
  早期に釈放されることにより,会社の懲戒処分(解雇,減給等),学校の退学処分等を免れることができるかもしれません。

③ 家族が安心する
  何より,ご家族が安心されます。ご家族が留置場等へ面会に行く手間も省けます。

④ 裁判に向けた十分な打合せができる
  釈放されていますからいつでも弁護士に相談できるわけですし,何より落ち着いて、時間をかけて打合せを行うことができます。

他方で、保釈されないデメリットとしては、上記の真逆のことがいえるでしょう。①精神的、肉体的負担は継続しますし、②身柄拘束が継続すれば職場や学校への復帰も難しくなるかもしれません。よって、仮に、裁判で執行猶予判決を得たとしても、その後の社会復帰が難しくなるかもしれません。また、③ご家族の不安・負担は継続します。④裁判に向けた打合せも、保釈された場合よりは不十分なものとなるでしょう。

~ 保釈の注意点 ~

保釈は、あくまで勾留の停止にすぎません(勾留の効力が消滅したわけではない)。また、メリットだけではありません。以下の点に注意する必要があります。

① 多額の保釈保証金が必要となる
  保釈保証金の額は、被告人の認否、事案の内容等に鑑みて裁判官(裁判所)が決めます(日産のカルロスゴーン社長が保釈保証金1億円を納付したことはニュースになりました)。決して安い金額ではなく、通常の簡易な事件でさえ100万円~150万円を準備する必要があります。

② 保釈条件を遵守する必要がある
  保釈を許可するにあたっては
・裁判所から呼び出された場合は必ず出頭する
・住居地を変更するには裁判所の許可を受ける
・被害者への連絡は弁護人を介する
・被害者、目撃者、共犯者などの事件関係者と接触しない
・薬物に近寄らない
などの条件を付けられます。全くフリーな状態で釈放されるわけではありません。

③ 保釈保証金は没収され、収容されるおそれがある
  決められた条件を守らなければ納付した保釈保証金は没収され、再び留置施設等に収容されるおそれがあります。

~ 薬物事件(使用の罪)で保釈を目指すなら ~

薬物事件使用の罪の場合、主要となる証拠は主に被疑者・被告人の尿と尿に関する鑑定書です。しかし、尿はすでに起訴前に押収されていることが通常ですし、鑑定書は警察(科捜研)が作成しますから、保釈後ともに罪証隠滅の対象とはなり得ません。つまり、薬物事件使用の罪の場合、起訴後の罪証隠滅のおそれはほとんどないと言っても過言ではありません。したがって、薬物事件使用の罪保釈を目指すなら、

逃亡のおそれ

をどう担保するかがまず鍵となりそうです。そのためには、

適切な身柄引受人を確保する

ことが必要ですが、薬物に対する依存度の程度によっては

専門の施設に入所、入院する

ことも検討した方がいい場合もあります。
あとは、薬物事件に限らず、保釈を許可すべき必要性を裁判所に訴えていく必要があるでしょう。たとえば、

・持病があり、特定の病院へ通院・入院する必要があること
・要介護者がおり、被告人の援助が必要なこと
・家族にとって被告人の経済的支援が必要なこと

などが挙げられます。

こうした事情を効果的に主張していくためには、弁護士の力が不可欠です。お困りの方は弊所の弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談初回接見サービスの予約受付を承っております。

ページの上部へ戻る