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【窃盗罪】アルバイトがお店のお金を盗んで窃盗罪~佐賀市

2020-01-10

【窃盗罪】アルバイトがお店のお金を盗んで窃盗罪~佐賀市

窃盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

佐賀市に住むAさんは、同市内のコンビニで深夜アルバイトの仕事をしていました。そして、Aさんは、深夜、誰もいなくなったところを見計らって、店のレジの中から1万円札10枚を取り、これを自分のものにしました。ところが、それから週数間経ったある日、Aさんは店長に呼ばれ、「お店の売上額と実際に手元に残っている額が異なる。」「あなたがレジのお金を盗ったのではないか。」「佐賀北警察署に被害届を提出する。」と言われました。そこで、Aさんは、「このままでは逮捕されるかもしれない」と思い、お店側に被害弁償することを申し出ましたが、「本当に被害弁償してくれるか分からない。」「被害金額が大きいので、警察に被害届を出すことになると思う。」などと言われて受け付けてもらえませんでした。困ったAさんは、被害弁償と示談交渉を弁護士に依頼するため、無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです。)

~ 窃盗罪について ~

他人の物を勝手に盗った場合は窃盗罪に問われます。
Aさんも窃盗罪に問われています。
窃盗罪は刑法235条に規定されています。

刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

また、他人の物を勝手に盗った場合でも、その物が自己の占有下にあると認められる場合は横領罪、業務上横領罪に問われます。
横領罪は刑法252条、業務上横領罪は刑法253条に規定されています。

刑法252条1項
自己の占有する他人の者を横領した者は、5年以下の懲役に処する。

刑法253条 
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

この点、Aさんはアルバイトです。
アルバイトの場合、通常、お店のお金の管理までは任されておらず、お金に対して「自己の占有下にある」と認めることは困難でしょう。
よって、Aさんは窃盗罪に問われる可能性が高いです。

~ 警察に被害届を提出すると言われたら? ~

刑事事件化する前に、一刻も早く相手方と被害弁償、示談交渉に臨みましょう。
もちろん、被害弁償、示談交渉はご自身で行うことも可能です。
しかし、場合によっては、事例のように門前払いを受けることも予想されます。

そうした場合は、被害弁償、示談交渉は交渉に慣れた弁護士に任せましょう。
弁護士は示談交渉に関する知識、経験を有していますから、弁護士であれば適切な形式、内容で示談を締結できる可能性が高くなります。
示談締結の際に、「捜査機関に告訴や被害届を提出しない」旨の条項を盛り込むことができれば、逮捕などの捜査を受けるおそれもなくなるでしょう。
弁護士が当事者の間に入ることによって、相手方からの不当な要求や態度に対しても毅然とした態度で交渉に臨むことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗罪、横領罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件でお困りの方は、0120-631-881までお気軽にお電話ください。土日・祝日を問わず、専門のスタッフが24時間、無料法律相談、初回接見のご予約を承っております。

【窃盗】他人に万引きさせたら?

2019-12-22

【窃盗】他人に万引きさせたら?

他人に万引きさせた場合の窃盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県水巻町に住むAさんは、無職でお金がなく、日頃の食糧費を賄うことにも苦労していました。そこで、Aさんはスーパーで食料品を万引きしようと思いましたが、1年ほど前に同じ万引きで有罪判決を受け執行猶予中だったことから「刑務所に行きたくない」と思い、妻Bさんにスーパーで万引きするよう言いました。最初、Bさんは断りましたが、Bさんも同じ家族としてく生活に困っていたことからAさんの言うとおりスーパーで万引きしました。そうしたところ、Bさんが福岡県折尾警察署に窃盗罪で逮捕され、Aさんも窃盗罪の教唆犯として逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~ Bさんの罪 ~

今回、実際に万引きしたのはBさんです。
ですから、まず罪に問われるのはBさんでしょう。
そして、Bさんが窃盗罪に問われることは明らかです。
窃盗罪は刑法235条に規定されています。

刑法235条
 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

★窃盗罪についての詳しい解説はこちら→★窃盗罪

~ Aさんの罪 ~

しかし、直接万引きしていなくても罪に問われることがあります。
それが共犯の場合です。

共犯は、

①他人と意思疎通して協力しあって犯罪を実現する「共同正犯」
②人を唆して他人に犯罪を実現させる「教唆犯」
③他人の犯罪の実現を容易にするため手助けする「幇助犯」

の3つに区分されます。

今回、Aさんは①の共同正犯に問われているようです。

共同正犯は刑法60条に規定されています。

刑法60条
 

「共同して実行した」とは具体的には

・共犯者間(AさんとBさんの)意思の連絡(通謀の意思連絡)
・共同実行の事実

が必要とされています。
しかし、本件のように、共同正犯の事案では、直接は万引きをしていないものの、直接万引きをしたと同視できるという場合(共犯者間の意思の連絡はあっても、共同実行の事実が認められない場合)もあります。
この場合、Aさんは共謀共同正犯という理論によって窃盗罪に問われる可能性があります。
共謀共同正犯は共同正犯の中の一つです。

なお、共犯者間の意思連絡が認められない場合、Aさんは共同正犯でなく教唆犯に問われる可能性があります。
「教唆」とは、まだ犯罪に対する実行の決意をしていない他人(今回の場合、Bさん)を唆して、犯罪実行の決意を生じさせることをいいます。
教唆犯は刑法61条1項に規定されています。

刑法61条
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。

教唆が成立するには、

・人を教唆すること
・それに基づいて被教唆者(Bさん)が犯罪を実行すること

の2つの要件がそろうことが必要とされています。

教唆犯は、自ら犯罪を実行した者(正犯者(今回の場合、Bさん)といいます)と同様の地位にあるとみなされ、正犯者と同様の刑を科すとされています。
つまり、共同正犯でも教唆犯でも「正犯」とされることに変わりはありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、万引きをはじめとする窃盗罪などの刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見(ご案内はこちら→★初回接見のご案内★)、無料法律相談(ご案内はこちら→★無料法律相談のご案内★)の予約を受け付けております。

 

【窃盗・横領】嘉麻市~窃盗罪?横領罪?

2019-12-09

【窃盗・横領】嘉麻市~窃盗罪?横領罪?

福岡県嘉麻市に住むAさんは、同市内にあるコンビニエンスストアにてアルバイトをしていました。Aさんは主に、レジや商品の補充・陳列の仕事を任されていました。
ところが、Aさんは、ある日、深夜のアルバイトに入り、バックヤードで管理されていた現金を横領したことをきっかけに、店側にばれないように少しずつっ現金を持ち去ることを繰り返すようになりました。そんな中、Aさんは店長に呼ばれ横領のことを追及されて白状したことから、そのまま店長とともに福岡県嘉麻警察署に出頭しました。Aさんは、店長から「全額弁償してくれるなら被害届を提出しない。」と言われており、まだ事件は刑事事件化していません。そこで、Aさんは今後どうすればよいか相談するため、弁護士との無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです)

~ 窃盗罪?横領罪? ~

職場のお金や商品を勝手に持ち去ったという場合、まず横領事件として報道されることが多いかと思います。
しかし、だからといって、必ずし刑法の横領罪が成立するとは限りません。

横領罪は刑法252条に規定されています。

刑法252条

1 自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。
2 自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も、前項と同様とする。

つまり、横領罪が成立するには、横領した者が「自己の占有する他人の物」といえなければならないのです。
「自己の占有」するかどうかは、

・店側と従業員との委託関係
・従業員の権限、委託の範囲

などから判断されます。
この点、本件のAさんはアルバイトです。
アルバイトはお店のお金の管理までは任されないのが一般的です。Aさんはレジや商品の補充・陳列を任されていたようでした。
したがって、Aさんには

・お金の管理に関して店側との委託関係が認められず
・その権限もない

ことから、Aさんが勝手に持ち出したお金は「自己の占有する他人の物」とはいえず、Aさん横領罪ではなく窃盗罪(刑法235条)に問われます。

刑法235条
 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

~ 窃盗罪で示談交渉する際の注意点 ~

窃盗罪で示談交渉する際の注意点をいくつか挙げます。

まず、示談交渉にあたっては、これから弁償しようとする額と被害者の主張する金額とがおおむね一致しているかどうか確認する必要があります。
もし金額に大きな開きがある場合は、交渉過程において詰める必要があります。
また、示談交渉にあたっては、金額以外のその他の条件もきちんと詰める必要があります。のちのち示談を成立させたといっても、その内容しだいで捜査機関や裁判所に与えるインパクトは大きくことなるからです。
少しでも有利な条件で示談を成立させるには、弁護士の力を借りた方がよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。窃盗罪での示談交渉をご希望の方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの受け付けを行っております。

【窃盗】糸島市~車いす生活の父親が万引きで逮捕②

2019-12-01

【窃盗】糸島市~車いす生活の父親が窃盗罪万引きで逮捕②

車いす生活の父親が万引きした件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県糸島市に住む高齢の男性Aさん(79歳)は、5年前に脳梗塞を患い半身不随となって電動車いす生活を余儀なくされていました。Aさんは、10年前にすでに妻に他界され一人暮らしを送っていましたが、自宅から車で約10分のところに長男夫婦が住んでおり、週末に食事などの世話を受けていました。ある日、Aさんは、食料の買い出しに、所持金5000円をもって自宅から電動車いすに乗って近いスーパーに出かけました。Aさんはスーパーに入ると旬のカキを見つけました。ところが、Aさんは「お金を使うのがもったいない」と思い、電動車いすに乗ったまま車いすにかけていた手提げ袋にかき2個を入れ、レジで精算することなく店外に出ました(万引き)。そうしたところ、Aさんは、Aさんの行動を一部終始みていた保安員に「おじいちゃん、精算がお済でないですよ。」などと声をかけられその場で窃盗罪で現行犯逮捕されてしまいました。そして、Aさんは、スーパーに駆け付けた福岡県糸島警察署の警察官に身柄を引き渡されそのまま警察署内の留置場に収容されてしまいました。一方、逮捕の通知を受けた長男夫婦はこれを聞いて驚き、父親を釈放してもらうため弁護士に接見とその後の弁護活動を依頼しました。

~ はじめに ~

前回の「車いす生活の父親が万引きで逮捕されました①」では、

・万引きは窃盗罪に当たる立派な犯罪であること
・万引きで逮捕される可能性は十分あること
逮捕の条件として「逮捕の理由」と「逮捕の必要性」が必要とされること

を解説しました。
本日は、逮捕後の流れなどについて解説します。

~ 逮捕されると留置場に収容される ~

逮捕されると留置場(正式には留置施設)に収容されます。
留置場は、全国の各都道府県警察署内に設けられた、主に被疑者の逃走、罪証隠滅行為を防止するための施設です。
一定の場合(運動、診断、入浴等)を除き、8畳ほどの簡素な居室の中で生活することになります。規則正しい生活を強いられ、場合によっては共同で狭い居室の中で生活しなければなりません。また、食事は出ますが、警察署内に調理する場所はなく、専ら外注した弁当を配膳されます。当然、好きなもの、食べたいものが配膳されるわけではありませんし、冷めていて温めることもできません。入浴は、夏場は週に2回、冬場は週に1回とされていることが多いようです。

~ 逮捕後の流れ ~

留置場(正式には留置施設)に収容されると、警察署内で、司法警察員による弁解を聴く手続、すなわち「弁解録取」の手続が取られます。その上で、身柄を拘束する必要があるか否かを判断され、警察官が拘束する必要がないと判断したときは釈放され、必要がある判断したときは逮捕から48時間以内に、犯人及び事件を検察官の元に送致する手続を取られます(送検)。また、送致を受けた検察官によっても「弁解録取」という手続が取られます。そして、身柄拘束の必要がないと判断された場合は釈放され、必要があると判断された場合は、犯人を受け取ってから24時間以内に、裁判官に対し勾留請求の手続を取られます。勾留請求されると裁判官による「勾留質問」を受け、勾留するか釈放するか判断されます。勾留決定が出た場合は10日間拘束されます(ただし、不服申し立ての制度あり)。

逮捕→(警察での)弁解録取→送致(送検)→(検察での)弁解録取→勾留請求→裁判所での勾留質問→勾留

~ 逮捕された場合はただちに釈放に向けて動き出そう ~

留置場の生活は自由がきかず過酷なものです。また、その期間が長引けば長引くほど過酷さを極め、逮捕された方にとっては相当な負担となるでしょう。
近年は、Aさんのような高齢者が比較的軽微と言われる万引きを繰り返し、留置場に収容されることが多いようです。しかしながら、対応する留置場はバリアフリー化が進んでおらず、留置場内では介護に不慣れな警察官が対応しなけばならないため、逮捕された方にとっても警察官にとっても大変な苦労をされているとのことです。

そもそも、その前に、Aさんのような一見して罪証隠滅や逃亡のおそれが認められそうにもない方がなぜ逮捕されたのか、そしてなぜその後釈放されないのか疑問の残るところです。
今年6月には同様の高齢者の方が17日間も留置場に拘束されていたと報道されています。
一見逮捕の必要のない事案についてはただちに釈放に向けて動き出す必要があります。
父親などのご家族が逮捕され、いっこくもはやい釈放をお望みの場合は弁護士までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、窃盗罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。専門のスタッフが無料法律相談、初回接見の「予約」を24時間体制で受け付けております。お気軽にお電話ください。

【窃盗】糸島市~車いす生活の父親が万引きで逮捕

2019-11-30

【窃盗】糸島市~車いす生活の父親が万引きで逮捕

車いす生活の父親窃盗罪逮捕された件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県糸島市に住む高齢の男性Aさん(79歳)は、5年前に脳梗塞を患い半身不随となって電動車いす生活を余儀なくされていました。Aさんは、10年前にすでに妻に他界され一人暮らしを送っていましたが、自宅から車で約10分のところに長男夫婦が住んでおり、週末に食事などの世話を受けていました。ある日、Aさんは、食料の買い出しに、所持金5000円をもって自宅から電動車いすに乗って近いスーパーに出かけました。Aさんはスーパーに入ると旬のカキを見つけました。ところが、Aさんは「お金を使うのがもったいない」と思い、電動車いすに乗ったまま車いすにかけていた手提げ袋にかき2個を入れ、レジで精算することなく店外に出ました(万引き)。そうしたところ、Aさんは、Aさんの行動を一部終始みていた保安員に「おじいちゃん、精算がお済でないですよ。」などと声をかけられその場で窃盗罪で現行犯逮捕されてしまいました。そして、Aさんは、スーパーに駆け付けた福岡県糸島警察署の警察官に身柄を引き渡されそのまま警察署内の留置場に収容されてしまいました。一方、逮捕の通知を受けた長男夫婦はこれを聞いて驚き、父親を釈放してもらうため弁護士に接見とその後の弁護活動を依頼しました。

~ 万引きは窃盗罪 ~

まずもって確認しなければならないのは、どんな態様・方法であるかを問わず、万引きは

窃盗罪

という立派な犯罪であるということです。
窃盗罪は刑法235条に規定されています。

刑法235条
 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

~ 万引きで逮捕されるの? ~

万引きも犯罪である以上、逮捕される可能性は十分にあります。

そして、万引きといえば、保安員等に万引きの瞬間を目撃され、店外に出たところで逮捕される

現行犯人逮捕

のイメージが多いかと思いますが、逮捕には「現行犯逮捕」のほかに「通常逮捕」、「緊急逮捕」の3種類があり、通常逮捕や緊急逮捕によっても逮捕されることがあります。
現行犯逮捕と通常逮捕、緊急逮捕との違いは、前者は逮捕状を不要とする、後者は逮捕状を必要とする(緊急逮捕の場合は事後的に必要とする)点です。つまり、万引きといっても現行犯逮捕によりその場で逮捕されることはもちろん、逮捕状により後日逮捕されることも十分あり得るのです。

~ どんな場合に逮捕されるの? ~

逮捕には条件があります。
それは「逮捕の理由」と「逮捕の必要性」です。

逮捕の理由とは、簡単にいうと

犯人が罪を犯したと疑われること

です。
犯人が罪を犯したとかどうかは、様々な証拠に基づき判断されます。本件のような現行犯逮捕の場合は、「万引きを見た」という「保安員の供述」が決め手となるでしょう。

次に、逮捕の必要性については、まずは逮捕の必要性に関する刑事訴訟規則を確認していただきます。
それによると、

刑事訴訟法143条の3

逮捕状の請求を受けた裁判官は、逮捕の理由があると認める場合においても、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情に照らし、被疑者が逃亡する虞がなく、かつ、罪証を隠滅する虞がない等明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、逮捕状の請求を却下しなければならない。

つまり、逮捕の必要性とは

罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがあること

をいいいます。
そして、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがあることは、

被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情

から判断する、としているのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、窃盗罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881ま

高齢受刑者と再犯

2019-07-19

高齢受刑者と再犯

高齢受刑者と再犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県太宰府市に住むAさん(80歳)は年金生活で、何とか年金で生活費を賄っていましたが、今月は好きなギャンブルにお金を費やしてしまいお金が足りませんでした。Aさんは息子、娘に援助を求めることも思いつきましたが、迷惑をかけてはならないと思い諦めました。そこで、Aさんは悪いとは思いつつも、近所のスーパーで食料品を万引きしました。しかし、Aさんは保安員に万引きを見つけられてしまい、逮捕されてしまいました。そして、Aさんは、窃盗罪で起訴され、裁判で懲役1年の実刑判決を受けてしまいました。実は、Aさんは、昨年10月に刑務所から出所してきたばかりでした。
(フィクションです。)

~ 刑の執行に変わりはあるのか? ~

高齢者の方が犯罪を犯し、刑務所に収容されるおそれがあるとき、

高齢者だから特別扱いされるのではないか?

などと疑問を持たれる方もおられるのではないでしょうか?

確かに、受刑者などの処遇などに関して規定した刑事収容施設被収容者法30条では

受刑者の処遇は、その者の資質及び環境に応じ、その自覚に訴え、改善更生の意欲の喚起及び社会生活に適応する能力の育成を図ることを旨として行うものとする

とされていますから、高齢者に限らず、受刑者間の個別具体的事情に応じて処遇が異なるということはあるでしょう。しかし、だからとって、決められた刑期の種類が変わったり、期間が短くなったりするということはありません。ただし、刑事訴訟法482条では、

・刑の執行によって、著しく健康を害するとき、又は生命を保つことのできない虞があるとき
・年齢70年以上であるとき

などは、検察官の指揮により、一時的に刑の執行を停止することができるとされています。

~ 高齢者と再入率 ~

高齢者(65歳以上)の2年以内の再犯入所率が高いようです。

平成30年度版犯罪白書(以下、犯罪白書)によると、

平成25年度内に出所した高齢出所受刑者(満期釈放者、仮釈放者)

再入率(各年の出所受刑者人員のうち、出所後の犯罪により、受刑のため刑事施設に再入所した者の人員の比率)

を、満期釈放者、仮釈放者別で区分すると以下のとおりとなっています。

【満期釈放者】      【仮釈放者】

出所時  11・9%    3.0% 
2年以内 30.1%   15.5%
3年以内 37.8%   22.4%
4年以内 42.5%   27.4%
5年以内 44.2%   31.3%

これからすると、高齢者間では、

仮釈放者より満期釈放者の方が再入率が高い

ことがわかります。また、高齢者と非高齢者(65歳未満)を比べると、5年以内の再入率は変わりはないとのことですが、

2年以内の再入率が高齢者の方が、満期釈放者、仮釈放者とも高い

とされています(非高齢者の満期釈放者の再入率→1年以内 7.5%、2年以内 26.1%、仮釈放者の再入率→1年以内 1.4%、2年以内 10.8%)。

~ 再犯期間も短い ~

上記の数字は、

5年以内に刑務所に再入所した高齢出所受刑者の比率

ですが、刑務所に入所する前の再犯期間も短いようです。

犯罪白書によれば、高齢者の5年以内再入者のうち、1年未満に再犯に及んだ高齢者は全体の

60.8%(非高齢者は47.3%)

だったとのことです。さらに、1年未満を細かくみると、3月未満に再犯に及んだ高齢者は全体の

21.6%(非高齢者は12.8%)

だったとのことでした。

~ 高齢受刑者に対する出口支援 ~

高齢受刑者等の中には、高齢又は障害のために自立した生活をすることが困難であるのに、身寄りがなく、福祉的支援が必要な状況にありながら、適切な支援体制が確保されないまま出所し、社会復帰を果たす上で困難な状況に陥っている者が少なからず存在します。そこで、矯正施設及び保護観察所においては、厚生労働省の地域生活定着促進事業により設置された地域生活定着支援センターを始めとする多くの機関と連携し、平成21年4月から、高齢者又は障害を有する者で、かつ、適当な帰住先がない受刑者等について、釈放後速やかに、必要な介護、医療、年金等の福祉サービスを受けることができるようにするための取組として、特別調整を実施しています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、性犯罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。性犯罪でお悩みの方、ご家族が性犯罪で逮捕されお困りの方などは、お気軽に弊所の弁護士にご相談ください。弊所では、24時間、専門のスタッフが無料法律相談初回接見のご予約を電話で受け付けております。

【柳川市】での窃盗事件

2019-01-06

【柳川市】での窃盗事件 

福岡県柳川市に住むAさんは,知人Vさんから鍵がかかっていないVさん所有のカバンを預りましたが,その際カバンの中に入っていたVさん所有の財布を抜き取りました。Aさんは財布から現金2万円を抜き取った後,財布を近くの川に投棄しました。Aさんからカバンを受け取ったVさんは,カバンの中から財布がなくなっていることに気づき,福岡県柳川警察署に被害届を提出しました。柳川警察署は,VさんがAさんにカバンを預けた後に財布がなくなった事実などからAさんを窃盗罪の被疑者と認めました。Aさんは,Vさんから柳川警察署に被害届を提出したと言われ,柳川警察署から呼び出しを受けたので,刑事事件に強い弁護士に今後の対応や見通しなどを相談すべく,弊所の無料法律相談を申込みました。
(フィクションです)

~ はじめに ~

本件で犯罪となりうるAさんの行為は

1 Vさんのカバンの中からVさんの財布を抜き取ったこと
2 Vさんの財布から現金2万円を抜き取ったこと
3 Vさんの財布を川に投棄したこと

です。

それぞれ犯罪として成立し,成立するとしてどんな罪が成立するのでしょうか?Aさんは警察から窃盗罪の容疑をかけられています。また,その他にも,横領罪(刑法252条1項)の成立が考えられますので,まずはそれぞれの条文から確認することにします。

窃盗罪(刑法235条)

 他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

横領罪(252条1項)

 自己の占有する他人の物を横領した者は,5年以下の懲役に処する。

~ 行為1について(窃盗罪か横領罪か) ~

行為1については,窃盗罪が成立するのか,横領罪が成立するのかが問題となります。なぜなら,Vさんの財布は「他人の財物」とも「自己の占有する他人の物」とも言えそうだからです。VさんがAさんにカバンを預けた時点で,財物(財布)の占有がAさんに移ったといえる場合は,Aさんは「自己の占有する他人の物」を横領したとして横領罪が,そうではなく,以前として財物(財布)の占有はVさんにあるといえる場合は,Aさんは「他人の財物」を窃取したとして窃盗罪が成立します。
この点,似たような事例で判例(大判明治44.12.15など)は,包装物全体についてはAさんが占有を有するが,その在中物については,Aさんがこれを自由に支配し得る状態にないから,依然として占有はVさんにあると解してAさんに窃盗罪の成立を認めています。これからすると,Aさんがカバン自体をVさんに勝手に持ち去った場合は横領罪が成立することになります。

~ 行為2,3(不可罰的事後行為) ~

行為2,3は不可罰的事後行為に当たります。不可罰的事後行為とは,

ある犯罪終了(行為1)後の行為で,それだけで別罪を構成するように見えても,元の犯罪の違法評価に包含されているために別罪を構成(成立)しない行為をいいます

= 行為2について =

確かに,財布から現金2万円を抜き取るという行為だけみれば窃盗罪が成立しそうです。しかし,Aさんとすればお金が欲しいから,Vさんのカバンから財布を抜き取った(行為1)のであって,行為2は行為1からの自然的な流れと言え,行為2の違法性(悪いこと)は行為1によってすでに評価しつくされていると言えそうです。よって,行為2は不可罰的事後行為であり,窃盗罪は成立しません。

= 行為3について =

行為3は器物損壊罪に当たりそうです。器物損壊罪の「損壊」には隠匿することも含まれるからです。しかし,Vさんの財布の占有が害された(財布が隠匿された)という違法性は,行為1,つまり,他人の財物を窃取することによってすでに評価しつくされていると言えます。よって,行為3も不可罰的事後行為として器物損壊罪は成立しません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,窃盗罪,横領罪をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。上記のように,事案によって成立する犯罪が異なりますから,どの犯罪が成立するか不安な方,お困りの方は,まずは弊所の無料法律相談のご利用をご検討ください。
(初回法律相談無料

財産事件 福岡県の平成30年1月から9月までの窃盗犯

2018-10-26

財産事件 福岡県の平成30年1月から9月までの窃盗犯

Aさんは遊興費欲しさに,人気の少ない会社事務所に侵入し,鍵のかかっていなかった金庫の中から現金10万円を盗んだ侵入盗の疑いで,福岡県粕屋警察署に逮捕されました。侵入盗とは何か?福岡県の財産事件専門の弁護士が解説します。
(フィクションです)

~ 侵入盗 ~

侵入盗とは,他人の建物などに無断で入り,そこにあった物を盗む「建造物侵入罪又は住居侵入罪刑法130条前段)と窃盗罪刑法235条)」の罪のことを指し,捜査機関が窃盗の手口を分類するために使用している用語です。侵入盗は,さらに空き巣,事務所荒らし,更衣室荒らし,倉庫荒らしなどに分類されます。本件は,事務所荒らしということになるでしょう。

~ 認知件数トップの窃盗犯 ~

万引きをはじめとする窃盗犯は故意犯でありながら,比較的誰でも手の出しやすい犯罪と言えます。そのため,福岡県警が発表した平成30年1月から9月までの窃盗犯認知件数(暫定値,18890件)は,以前として他の凶悪犯(殺人罪,強盗罪,放火罪等),粗暴犯(傷害罪,暴行罪,脅迫罪等),知能犯(詐欺罪,横領罪等),風俗犯(強制わいせつ罪,公然わいせつ罪等)の認知件数を上回って断トツの1位です。ちなみに,侵入盗の認知件数は2626件で,うち空き巣などの住宅を対象としたものが1280件,その他が1346件となっています。

刑法犯,窃盗犯の認知件数は,前年同時期より減少しているものの,刑法犯における窃盗犯の認知件数の占める割合自体はまだまだ高いです。ご家族などが窃盗犯で逮捕されお困りの方は,財産事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
(福岡県粕屋警察署までの初回接見費用:37,200円)

福岡市早良区で万引き 執行猶予とは?福岡の刑事弁護士に無料相談

2018-10-18

福岡市早良区で万引き 執行猶予とは?福岡の刑事弁護士に無料相談 

福岡市早良区に住む主婦のAさんは,ドッグフード2袋を買い物袋に隠匿して店外に出たところ,Aさんの様子を一部終始見ていた保安員に声をかけられ逮捕(窃盗罪)されました。Aさんの身柄は福岡県早良警察署の警察官に引き継がれましたが,夫が身元引受人となったことからAさんは釈放されました。Aさんと夫は,執行猶予を獲得できないか刑事事件に強い弁護士に相談しました。
(フィクションです)

~ 刑の全部の執行猶予(刑法25条)とは ~

執行猶予とは刑の執行を猶予されることです。中でも,刑の全部の執行を猶予されることを刑の全部の執行猶予といい刑法25条にその要件が定められています。刑の執行を猶予されただけですから,無実・無罪となった,許されたということではありません。執行猶予は,あくまであなたが有罪であることを前提に,社会内での更生を期待して刑の執行を一時的に猶予しているにすぎないのです。

~ 必要的取消しと裁量的取消し ~

よって,何らかの事由により執行猶予が取消されることがありますので注意が必要です。刑法は①必要的取消し(必ず取消される),②裁量的取消し(取り消される場合がある)を定めています。の例を挙げると,執行猶予期間中にさらに罪を犯し,その罪につき禁錮以上の実刑に処せられた場合(刑法26条1号)がります。この場合,実刑に処せられた刑(例えば,懲役1年)と執行猶予が付いた刑(例えば,懲役8月)とを併せて服役(懲役1年8月)しなければならなくなります!の例を挙げると,執行猶予期間中に罪を犯し,罰金に処せられた場合(刑法26条の2第1号),保護観察の遵守事項を遵守せず,情状が重いとき(刑法26条の2第2号)などがあります。

執行猶予をいうと,とかくメリットの方を強調されがちですが,執行猶予はあくまで社会内更生を図るための制度であり,取消されることがあるということも頭に入れておくべきでしょう。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,万引きなどの刑事事件を専門の法律事務所です。執行猶予獲得ならフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
(福岡県早良警察署までの初回接見費用:35,500円)

【福岡県大牟田市 窃盗】器物損壊罪成立を検討する刑事事件の弁護士

2018-09-18

【福岡県大牟田市 窃盗】器物損壊罪成立を検討する刑事事件の弁護士

Aさんは,駅構内に掲示されていたポスターをはがした件で,福岡県大牟田警察署の警察官に窃盗罪で逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は,器物損壊罪の成立も視野に刑事弁護をしていく方針を固めました。
(平成30年9月2日共同通信掲載事案を参考にして作成)

~ 窃盗罪(刑法235条),器物損壊罪(261条) ~

窃 盗 罪:10年以下の懲役又は50万円以下の罰金
器物損壊罪:3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料

~ なぜ,器物損壊罪の成立を検討するのか? ~

判例は,窃盗罪が成立するためには,主観的要件として窃盗の故意のほか,不法領得の意思が必要としています。
不法領得の意思とは,権利者を排除して他人の物を自己の所有物をしてその経済的用法に従ってこれを利用若しくは処分する意思,と定義されています。
なぜ,不法領得の意思が必要とされているのでしょうか?
それは,一つには,窃盗罪器物損壊罪を区別するためと考えられます。
つまり,「ポスターをはがす」という一見していずれの罪にも該当しそうな行為について,不法領得の意思を加味することによって,いずれの罪が成立するのか区別できるというわけです。
窃盗罪における不法領得の意思とは,,要は「その物が欲しい」という意思内容であり,この意思が認められれば窃盗罪が成立しますし,反対に,その意思が認められず,例えば,嫌がらせ目的などの場合は器物損壊罪が成立するのです。

この両者を区別する意義は大きいです。
なぜなら,両者の法定刑には大きな差があるからです。
また,器物損壊罪は親告罪,つまり被害者の告訴がなければ起訴できない罪です。
仮に,器物損壊罪が成立するとされた場合,その時点で告訴状がない場合,告訴状が提出されていた場合でも示談交渉示談の内容によっては告訴が取り消された場合は起訴されません(不起訴)。
つまり,告訴がなければ起訴できないという点では,窃盗罪よりも器物損壊罪の方が不起訴になる可能性は高いと考えます。
この点でも大きな差があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,窃盗罪器物損壊罪をはじめるとする刑事事件専門の法律事務所です。
お困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
福岡県大牟田警察署までの初回接見費用:43,200円)

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