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【事例解説】薬物事件での弁護活動における贖罪寄付(麻薬を所持して逮捕された架空の事例に基づく解説)
この記事では、架空の麻薬及び向精神薬取締法違反事件を基に、薬物事件での弁護活動における贖罪寄付について、解説します。
麻薬及び向精神薬取締法違反とは
麻薬及び向精神薬取締法は、麻薬や向精神薬の製造、輸出入、所持、使用、および販売を規制する法律です。この法律の主な目的は、薬物乱用の防止と公衆衛生の保護にあるとされます。
「麻薬」には、ジアセチルモルヒネ等(ヘロイン)、コカイン、モルヒネなど、76種の薬物が指定されています。麻薬の所持は、ジアセチルモルヒネ等の場合は特に重く10年以下の懲役、それ以外の麻薬の場合は7年以下の懲役に処するとされています(同法第64条の2、第66条)。
また、麻薬の販売や製造に関与した場合、さらに重い刑罰が科されることがあります。
事例紹介:福岡市の会社員の逮捕
福岡市在住のAさんは、友人から麻薬を購入し、定期的に自宅で使用していました。
Aさんの友人が逮捕されたことが契機となり、Aさんの自宅に警察の家宅捜索が行われて麻薬が発見され、Aさんは麻薬及び向精神薬取締法違反の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
薬物事件における贖罪寄付の意義
麻薬及び向精神薬取締法違反などの薬物事件においては、被疑者(被告人)の過去の犯罪歴、事件の具体的な状況、および被疑者(被告人)の再犯防止可能性など、様々な要素が考慮された上、刑事処分が決定されることとなりますが、贖罪寄付は一定の役割を果たすと考えられます。
贖罪寄付とは、公的な団体や社会福祉団体などに対して、反省の意を示すために行われる寄付のことです。この寄付は、被疑者(被告人)が自らの行為に対して真摯に反省していることを、捜査機関や裁判所に示す手段として用いられます。
薬物事件では一般的に、直接的な被害者が存在しないことから、被害者との示談締結による刑事処分の軽減を目指すことが難しいため、贖罪寄付は薬物事件での弁護活動における有用な手段の一つと考えられます。
当然ながら、贖罪寄付をおこなうだけでなく、薬物依存治療プログラムへの参加やカウンセリングの受講など、再発防止に向けた取組みを行うことも重要です。
贖罪寄付の実施方法
贖罪寄付の実施には、特定の手順と考慮すべき要素があるため、刑事事件の弁護活動の経験豊富な弁護士に依頼することをお勧めします。
弁護士は、寄付先の選定や寄付額の決定において、同種の前例なども考慮しながら、適切なアドバイスを提供することが可能です。
また、寄付の実施や寄付が行われたことの証明書の捜査機関や裁判所への提出も、通常、弁護士を通じて行うこととなります。この証明書は、被疑者(被告人)が反省していることを示す重要な証拠となり得ます。
福岡県の薬物事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、麻薬及び向精神薬取締法違反事件などの薬物事件における弁護活動の豊富な実績があります。
福岡県での薬物事件でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。
【事件解説】覚醒剤を麻薬と誤認して所持した被疑者を麻薬取締法違反で起訴
覚醒剤取締法違反(所持)で逮捕されていた被疑者が、覚醒剤を麻薬と誤認していたことなどから、罪名が切り替えられ麻薬取締法違反(所持)で起訴された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
事件概要
福岡県宗像市内の自宅で覚醒剤を所持していたとして、覚醒剤取締法違反(所持)の容疑で逮捕されていた会社員男性A(32歳)が、麻薬取締法違反(所持)で起訴されました。
Aは、覚醒剤の成分が入った錠剤0.2グラムを所持していたとして覚醒剤取締法違反(所持)の容疑で逮捕されていました。Aは取調べにおいて、「錠剤は以前大麻を購入した際に、おまけでもらったものであり、覚醒剤とは知らなかった。MDMA(合成麻薬)だと思っていた。」と供述していたとのことです。
(過去に報道された実際の事件に基づき、一部事実を変更したフィクションです。)
覚醒剤取締法違反(所持)と麻薬取締法違反(所持)について
「覚醒剤」とは、「覚醒剤取締法」において、フエニルアミノプロパン及びフエニルメチルアミノプロパン、又は同種の覚醒作用を有する物などと定義されています。
覚醒剤の所持は重大犯罪であり、10年以下の懲役に処するとされています(同法41条の2第1項)。
「麻薬」とは、「麻薬及び向精神薬取締法」(「麻薬取締法」)において規定される麻酔作用を持つ薬物の総称であり、ジアセチルモルヒネ等(ヘロイン)、コカイン、モルヒネなど、76種の薬物が指定されています。
麻薬の所持は、ジアセチルモルヒネ等の場合は特に重く10年以下の懲役、それ以外の麻薬の場合は7年以下の懲役に処するとされています(同法第64条の2、第66条)。
本件で、Aが誤認していたと主張するMDMA(合成麻薬)の所持は、それ以外の麻薬所持の場合にあたり、7年以下の懲役の対象となります。
覚醒剤を麻薬と誤認して所持した場合に成立し得る罪
本件Aは、法定刑が7年以下の懲役の麻薬取締法違反(所持)(「軽い罪」)の認識で、法定刑が10年以下の懲役の覚醒剤取締法違反(所持)(「重い罪」)を犯していることになりますが、この場合、Aに何罪が成立し得るのか問題となります。
「重い罪」に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその「重い罪」に当たることとなる事実を知らなかった者は、その「重い罪」によって処断することはできない、と規定されています(刑法第38条第2項)。
Aが、対象薬物が覚醒剤であると本当に知らなかったのか、関係者の証言や客観的証拠も踏まえて事実認定されることとなりますが、その立証ができない場合、同条により「重い罪」である覚醒剤取締法違反(所持)は成立しないこととなります。
しかし、覚醒剤取締法違反(所持)と麻薬取締法違反(所持)は、薬物の濫用による保健衛生上の危害を防止するために、禁止された薬物の所持に対する取締規定である点で共通していること、取締りの方法、対象薬物の有害性や外観等が類似していることから、罪名の異なる犯罪ではありますが、実質的に重なり合う犯罪であると考えられます。
このような場合、「重い罪」が成立しないとしても、「重い罪」と「軽い罪」が実質的に重なり合う限度で「軽い罪」が成立し得るとされることから、本件では、「軽い罪」である麻薬取締法違反(所持)が成立し得るとされるため、罪名が切り替えられ麻薬取締法違反(所持)で起訴されたと考えられます。
薬物事件で故意を否認する場合の弁護活動について
薬物事件において、対象薬物であることを知らなかったとして故意を否認する場合は、弁護活動としては、被疑者(被告人)の主張に合理性が認められるよう、被疑者(被告人)から事件の経緯を聴き取り、客観的な証拠を収集した上で、嫌疑不十分による不起訴処分などを求めることが考えられます。
このような否認事件の場合は、捜査機関による取調べが厳しくなる可能性が高くなるため、被疑者(被告人)と綿密な接見を行い、自己に不利な供述をしないよう取調べ対応についてのアドバイスを行うことが考えられます。
また、薬物事件では、逃亡や罪証隠滅の恐れがあるとして、勾留が決定・延長され身体拘束が長期化したり、接見等禁止決定が付いたりする可能性が高いため、身体拘束からの解放や接見等禁止決定の解除に向けた弁護活動も重要となってきます。
事件の内容によって対応も様々に異なるため、刑事事件に強く、薬物事件の刑事弁護の経験豊富な弁護士への相談をお勧めします。
福岡県の刑事事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、覚醒剤所持などの薬物事件で、不起訴処分を獲得した実績があります。
ご家族が覚醒剤などの薬物所持の容疑で逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
LSDを使用して救急搬送 麻薬取締法違反で逮捕~②~
~昨日からの続き~
昨日は、LSDを規制している法律「麻薬及び向精神薬取締法」について解説しました。
本日は、麻薬及び向精神薬取締法で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
LSD施用で逮捕されたら
LSDに限らず薬物事件で逮捕されたら、その後勾留となる可能性は高いと言えます。
「勾留」とは、被疑者・被告人を拘禁する裁判およびその執行をいいます。
逮捕後にとられる勾留は、被疑者勾留又は起訴前勾留と言われます。
勾留となるには①勾留の理由、及び②勾留の必要性が認められる場合です。
勾留の理由
勾留の理由とは、「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること」、並びに
・定まった住居を有しないこと
・罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があること
・逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があること
のいずれかに該当する場合に認められます。
また、勾留の理由がある場合でも、被疑者を勾留することにより得られる利益と、これにより被る被疑者の不利益を比較衡量した結果、被疑者を勾留することが必要であること、つまり、②勾留の必要性も勾留の要件となります。
薬物事件の場合、外で再犯を犯す可能性が高いことや、薬物関係者(入手先や譲渡し先など)と罪証隠滅を図る可能性もあると判断されやすく、勾留に付される可能性が高くなっています。
接見禁止
勾留に加えて、弁護士以外との接触を禁止する接見禁止に付されることもあります。
接見禁止に付された場合、被疑者の家族であっても、被疑者と面会することが出来ません。
ただでさえ、外界と遮断された閉鎖的な空間に拘束されているため、身体的にも精神的にも厳しい状況に置かれている被疑者ですが、家族との面会の機会がなくなってしまうことで、更なる苦痛が生じることが想像されます。
まずは弁護士に相談
ご家族等が、麻薬及び向精神薬取締法違反で警察に逮捕された場合には、薬物事件にも対応する弁護士にご相談・ご依頼ください。
ご家族との面会を実現するため接見解除に向けた活動を行います。
また、長期身体拘束されている被疑者との接見を重ね、取調べ対応についての適切なアドバイスを提供し、被疑者の精神的不安を取り除きます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、薬物事件を含めた刑事事件・少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
ご家族がLSDをはじめとした薬物事件で逮捕されてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
LSDを使用して救急搬送 麻薬取締法違反で逮捕~①~
LSDを使用して救急搬送され、後日、麻薬取締法違反で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
参考事件
大学生のAさん(22歳)は、博多市内にあるクラブで知り合った外国人からLSDを購入しまし、そのLSDをクラブのトイレで使用したのですが、それからしばらくして気分が悪くなり、その後の記憶はなく、気付くと、病院のベットの中でした。
医師から聞いた話によりますと「博多駅近くの路上で倒れていたところを救急搬送された。薬物の多量窃取による中毒症状で治療を行ったが、尿から、合成麻薬の成分が検出されたので警察に通報している。」とのことで、すでにAさんの尿は警察によって差し押さえられているとのことでした。
そして1週間ほど入院したAさんは、退院と同時に、福岡県博多警察署によって、麻薬取締法違反で逮捕されました。
(フィクションです)
合成麻薬LSD
LSDは、リゼルグ酸ジエチルアミド又はリゼルギン酸ジエチルアミドであり、非常に強烈な作用を有する半合成の幻覚剤です。
LSDの純粋な形状は透明の結晶ですが、液体の形で製造することもできるため、その形状は、水溶液をしみこませた紙片、錠剤、カプセル、ゼラチン等様々なようです。
LSDは、無臭、無味、無色で、極めて微量で効果を持ち、その効用は摂取量だけでなく、窃取経験や精神状態、周囲の環境により大きく異なり、LSDを乱用すると、幻覚、幻聴、時間感覚の欠如、強烈な幻覚作用が現れます。
麻薬取締法による取締り
LSDは、1970年より「麻薬及び向精神薬取締法」(以下、麻薬取締法)による取締りの対象となりました。
麻薬取締法は、麻薬及び向精神薬の輸入、輸出、製造、製剤、譲渡等について必要な取締を行うとともに、麻薬中毒者について必要な医療を行う等の措置を講ずること等により、麻薬及び向精神薬の濫用による保健衛生上の危害を防止し、もって公共の福祉の増進を図ることを目的とする法律です。
麻薬取締法が規制対象としている麻薬とは、同法別表第1に掲げる物です。
LSDは、1970年に規制麻薬に追加されました。
このため、LSDの輸入、輸出、製造、製剤、小分け、譲渡し、譲受け、交付、施用、所持、廃棄は禁止され、違反者に対しては罰則が科されます。
刑罰については、麻薬のなかでも、「ゼアセチルモルヒネ」(いわゆる、「ヘロイン」)と「ヘロイン以外の麻薬」に分けられており、ヘロインの場合に刑罰が重くなります。
ヘロインの施用についての刑罰は、10年以下の懲役、営利目的であれば1年以上の有期懲役、又は情状におり1年以上の有期懲役及び500万円の罰金です。
一方、ヘロイン以外の麻薬の施用については、7年以下の懲役、営利目的であれば、1年以上10年以下の懲役に処し、又は情状により1年以上10年以下の懲役及び300万円の罰金に処されるとされます。
~明日に続く~
福岡県八女市の薬物事件で逮捕 職務質問の対応には弁護士
福岡県八女市の薬物事件で逮捕 職務質問の対応には弁護士
福岡県八女市在住の20代男性のAさんは、市内を巡回中の福岡県警察八女警察署の警察官に職務質問を受けました。
その際に、Aさんの言動や挙動が怪しいと感じた警察官は、Aさんにカバンとポケットの中身を全て見せるよう言いました。
Aさんのズボンのポケットの中からMDMAが見つかったため、Aさんは、MDMAの所持の容疑で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
~薬物事件と職務質問~
上記事例のAさんは、警察の職務質問をきっかけに所持品検査を受けた結果、MDMAの所持が発覚し、「麻薬取締法違反」容疑で逮捕されてしまいました。
本来、職務質問も所持品検査も、強制力のある捜査ではなく、任意で行われる捜査なのです。
ですが警察官は、任意の捜査であるとは説明をしないため、職務質問には当然従うべきものであるかのような口ぶりで半強制的に質問や所持品検査をしたり、もし従わなければしつこくついてきたり、応援を呼ぶようなこともあります。
その際に、職務質問を拒否しようとしてあまり過激な態度を取ってしまうと、今度はその態度の裏に何かあるのでは、と疑われてしまうおそれもあります。
もし、警察官を突き飛ばしたり、掴まれた腕を振りほどいたりすると公務執行妨害罪で逮捕されてしまうおそれもありますので、職務質問への対応には注意が必要です。
また職務質問に関しては、インターネット上で「職務質問 対策」や「職務質問 回避」で検索をすると、職務質問に対するブログや動画が出てきますが、鵜呑みにしてブログや動画と同じような態度を取ってしまうと、逆効果になってしまうことも考えられます。
ですので、職務質問を受けて後日、警察への呼び出しが決まったり、逮捕されてしまった場合には、早い段階で弁護士に相談・依頼をすることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件などの刑事事件を専門で扱っている法律事務所です。
MDMAの所持で逮捕されてお困り方、職務質問等の対応にご心配の方は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
(福岡県警察八女警察署への初見接見費用:44,900円)
北九州市八幡西区の薬物事件で逮捕 職務質問の対応には弁護士
北九州市八幡西区の薬物事件で逮捕 職務質問の対応には弁護士
20代男性のAさんは、巡回中の福岡県警察折尾警察署の警察官に職務質問を受けました。
その際に、Aさんの言動や挙動が怪しかったので、警察官はAさんにカバンとポケットの中身を全て見せるよう言いました。
その結果、カバンの中からヘロインが出てきたため、Aさんは、ヘロインの所持で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
~薬物事件と職務質問~
上記事例のAさんは、職務質問をきっかけに所持品検査を受けた結果、ヘロイン所持が発覚し、逮捕されました。
本来、職務質問も所持品検査も、強制力のある捜査ではなく、任意で行われる捜査です。
しかし、警察官は任意の捜査であるとは説明はせず、当然従うべきものであるかのような口ぶりで半強制的に質問したり、従わなければしつこくついてきたり、応援を呼ぶようなこともあります。
職務質問を拒否しようとしてあまり過激な態度を取ると、今度はその態度の裏に何かあるのでは、と疑われてしまう可能性があります。
もし、警察官を突き飛ばしたり、掴まれた腕を振りほどいたりすると公務執行妨害罪で逮捕されてしまう可能性もありますので、対応には注意が必要です。
最近では、インターネット上で「職務質問 対策」や「職務質問 回避」で検索してみると、職務質問に対するブログや動画が出てきますが、鵜呑みにしてそのような態度を取ってしまうと、逆効果になってしまうことも考えられます。
職務質問を受けて後日呼び出しが決まったり、職務質問の結果ご家族が逮捕されてしまった場合には、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件を専門で扱っている法律事務所で初回無料法律相談を行っています。
ヘロインをはじめとする薬物事件で職務質問等の対応にご心配の方は、ぜひ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
(福岡県警察折尾警察署への初見接見費用:40,200円)