LSDを使用して救急搬送 麻薬取締法違反で逮捕~①~

LSDを使用して救急搬送され、後日、麻薬取締法違反で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

大学生のAさん(22歳)は、博多市内にあるクラブで知り合った外国人からLSDを購入しまし、そのLSDをクラブのトイレで使用したのですが、それからしばらくして気分が悪くなり、その後の記憶はなく、気付くと、病院のベットの中でした。
医師から聞いた話によりますと「博多駅近くの路上で倒れていたところを救急搬送された。薬物の多量窃取による中毒症状で治療を行ったが、尿から、合成麻薬の成分が検出されたので警察に通報している。」とのことで、すでにAさんの尿は警察によって差し押さえられているとのことでした。
そして1週間ほど入院したAさんは、退院と同時に、福岡県博多警察署によって、麻薬取締法違反逮捕されました。
(フィクションです)

合成麻薬LSD

LSDは、リゼルグ酸ジエチルアミド又はリゼルギン酸ジエチルアミドであり、非常に強烈な作用を有する半合成の幻覚剤です。
LSDの純粋な形状は透明の結晶ですが、液体の形で製造することもできるため、その形状は、水溶液をしみこませた紙片、錠剤、カプセル、ゼラチン等様々なようです。
LSDは、無臭、無味、無色で、極めて微量で効果を持ち、その効用は摂取量だけでなく、窃取経験や精神状態、周囲の環境により大きく異なり、LSDを乱用すると、幻覚、幻聴、時間感覚の欠如、強烈な幻覚作用が現れます。

麻薬取締法による取締り

LSDは、1970年より「麻薬及び向精神薬取締法」(以下、麻薬取締法)による取締りの対象となりました。
麻薬取締法は、麻薬及び向精神薬の輸入、輸出、製造、製剤、譲渡等について必要な取締を行うとともに、麻薬中毒者について必要な医療を行う等の措置を講ずること等により、麻薬及び向精神薬の濫用による保健衛生上の危害を防止し、もって公共の福祉の増進を図ることを目的とする法律です。

麻薬取締法が規制対象としている麻薬とは、同法別表第1に掲げる物です。
LSDは、1970年に規制麻薬に追加されました。
このため、LSDの輸入、輸出、製造、製剤、小分け、譲渡し、譲受け、交付、施用、所持、廃棄は禁止され、違反者に対しては罰則が科されます。
刑罰については、麻薬のなかでも、「ゼアセチルモルヒネ」(いわゆる、「ヘロイン」)と「ヘロイン以外の麻薬」に分けられており、ヘロインの場合に刑罰が重くなります。
ヘロインの施用についての刑罰は、10年以下の懲役、営利目的であれば1年以上の有期懲役、又は情状におり1年以上の有期懲役及び500万円の罰金です。
一方、ヘロイン以外の麻薬の施用については、7年以下の懲役、営利目的であれば、1年以上10年以下の懲役に処し、又は情状により1年以上10年以下の懲役及び300万円の罰金に処されるとされます。

~明日に続く~

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