Archive for the ‘性犯罪’ Category
準強制わいせつ罪と不起訴
準強制わいせつ罪と不起訴
本日は、準強制わいせつ罪と不起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市東区に住む大学生のAさん(22歳)は、サークルの活動の飲み会に参加しました。そして、Aさんは飲み会がお開きになった後、トイレに行こうとしたところ、別室で泥酔状態でぐったりとしているVさん(21歳)を見つけました。AさんはVさんとは日頃から良く話す仲で、お互い少しずつ好意を寄せていることを感じていました。そこで、Aさんは「この隙に」と思い、Vさんの胸を数回揉みながらVさんの口にキスをしました。すると、Vさんが意識を取り戻し、Vさんから「触ったでしょ?」と言われました。そして、Aさんは、後日、福岡県東警察署に準強制わいせつ罪で逮捕されてしまいました。Vさんが東警察署に被害届を提出したようです。
~ 準強制わいせつ罪 ~
準強制わいせつ罪は刑法178条1項に規定されています。
刑法178条1項
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
「心神喪失」とは、精神上の障害によって正常な判断を失っている状態をいいます。具体的には、熟睡、泥酔・麻酔状態・高度の精神病などがこれに当たります。責任能力における心神喪失(刑法39条1項)とは若干意味が異なります(責任能力における心神喪失とは、精神病や薬物中毒などによる精神障害のために、自分のしていることが善いことか悪いことかを判断したり、その能力に従って行動する能力のないことをいいます)。
「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由によって心理的・物理的に抵抗することが不可能又は著しく困難な状態をいいます。睡眠中、泥酔中、麻酔中、催眠状態など、心神喪失以外の理由でわいせつな行為をされていることを認識していない場合がこれに当たります。また、わいせつな行為をされること自体認識していても、加害者の言動によりこれを拒むことを期待することが著しく困難な状態なども含まれます。
「(心身喪失・抗拒不能に)乗じる」とは既存の当該状態を利用することをいいます。当該状態を作出した者とわいせつ行為をした者が同一であることは必要ではありません。「(心神喪失・抗拒不能)にさせる」手段には制限はありません。麻酔薬、睡眠薬の投与・使用、催眠術の施用、欺罔などはいずれもその手段となり得るでしょう。
~ 今年3月には無罪判決も ~
今年3月には、福岡地方裁判所久留米支部で、罪名は異なりますが、
泥酔状態にあった被害者に対して被告人が性交を行ったという準強姦(現在、準強制性交等罪)
で、被告人に無罪判決が言い渡されています(現在、検察側控訴中)。
裁判所は、被害者が抗拒不能状態にあったことは認めたものの、被告人が被害者の同意があったと誤信するにつき無理からぬ事情があり犯行の故意がない、としたのです。この考え方は、準強制わいせつ罪でも応用することができるのではないでしょうか?
~ 不起訴 ~
久留米支部の事例は、起訴され、刑事裁判となったケースですが、そこまでには至らないケースもございます。それが、検察官の判断で「不起訴」とされた場合です。
不起訴理由には、主として、起訴猶予と嫌疑不十分の2種類があります。
起訴猶予は、犯人が罪を犯したことは明白ではあるが、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により不起訴(公訴を提起しない)とする場合の理由とされます。
他方、嫌疑不十分とは、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分で不起訴とする場合の理由とされます。
不起訴(起訴猶予)の獲得を目指す場合、まずは犯人に猛省していただき、再犯防止に向けた具体的行動、対策を取っていただく必要があります。
それと併行して、被害者側との示談交渉、示談も大切です。
犯人の反省の程度、示談締結の事実、被害者の処罰感情の緩和といった事情が「犯罪後の情況」として考慮されうるからです。
不起訴(嫌疑不十分)の獲得を目指す場合は、犯人が事実を否認しているのが通常です。
その場合は、まず、捜査官(警察官、検察官)に対する取調べの対応が大切になってきます。
しかし、相手は取調べのプロですから、どう対応すべきかは痴漢事件、刑事事件のプロである弁護士のアドアイスを受けた方が賢明です。
しかも、特に、事実を否認している場合、取調べが一回(一日)で終わるとうことまずないでしょう。
ですから、各取調べごとに綿密に弁護士と打合せを行い、取調べに対応する必要があります。
また、性犯罪においては、被害者や目撃者の供述が「犯罪の成立を認定すべき証拠」として重要となってきます。
ですから、事実を否認する場合は、被害者や目撃者の供述の信用性を争っていかなくてはなりません。
仮に、被害者や目撃者の供述の信用性がない、あるいは低いと認定されれば「犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分」であるとして不起訴(嫌疑不十分)を獲得できるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。
本番行為の刑事事件化を回避したい
本番行為の刑事事件化を回避したい
本日は、風俗店での本番行為と強制性交等罪について、あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市博多区に住むAさんは、日頃からよく利用していた福岡市内の会員制の風俗店を利用した際、風俗嬢Vさんに本番行為をしたい旨を言いました。しかし、Aさんはこれを拒否されたため、Vさんの意思に反し、無理矢理、自己の陰茎をVさんの膣内に挿入しました。退店後、Aさんは風俗店の店長から電話を受け、風俗嬢Vさんと性交した件でVさんが警察に被害届を出すと言っている、などと言われました。Aさんは、警察に逮捕されることだけは避けたい、Vさんに警察に被害届を出すのを思いとどまってもらいたいと思い、店長に、Vさんと示談交渉したい、と言いました。数日後、AさんがVさんの代理人弁護士を通じて提示を受けた示談金額は400万円でした。Aさんは、果たしてこの金額が適切なのか分からず、刑事専門の弁護士に無料法律相談を申し込むことにしました。
(フィクションです)
~ 強制性交等罪 ~
Aさんは強制性交等罪に問われる可能性があります。
強制性交等罪は刑法177条に規定されています。
刑法177条
13歳以上の者に対し暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有機懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
一般に、「暴行」とは人の身体に対する有形力の行使、「脅迫」とは人を畏怖させるに足りる害悪の告知のことをいいます。そして、強制性交等罪の暴行・脅迫の程度は
相手方(被害者)の反抗を著しく困難しらしめる程度
であることが必要とされています。
具体的には、相手方を殴る、蹴る、叩く、武器を使用して殴る、叩く、馬乗りになる、羽交い絞めにする、縄などで縛るなどが「暴行」に当たるでしょうし、言う通りにしなければ「殺すぞ」、「裸の写真をばらまくぞ、ネットに流すぞ」、「家に火をつけるぞ」などという行為が「脅迫」に当たるでしょう。
「性交等」とは、性交の他に、肛門性交(アナルセックス)、口腔性交(オーラルセックス)も含まれます。性交とは膣内に陰茎を入れる行為、肛門性交とは肛門内に陰茎を入れる行為、口腔性交とは口腔内に陰茎を入れる行為をいいます。
~ 「5年以上の有期懲役」が意味するところ ~
強制性交等罪の法定刑は
5年以上の有期懲役
です。これは、原則
起訴され裁判で有罪とされると実刑判決を受けること
を意味します。なぜなら、執行猶予判決を受けるためには、
3年以下の懲役又は禁錮
の刑を受けることが条件なところ、強制性交等罪の刑の重さは最低でも「懲役5年」だからです(ただし、例外として酌量減軽により執行猶予を受けることは法律上可能ですが
かなり稀なケースと言えるでしょう)。
強制性交等罪はそれほど重たい罪だということをご認識いただければと思います。
~ 逮捕前なら刑事事件化を回避することが先決 ~
そのため、Aさんの場合、逮捕や実刑判決など様々な不利益を回避するには、事件のことが捜査機関に発覚していない今がチャンスです。
事件のことを捜査機関に発覚されないようにするためには、Vさんに捜査機関への被害届(あるいは告訴状)の提出を思いとどまっていただく必要があります。
Vさんに捜査機関への被害届(あるいは告訴状)の提出を思いとどまっていただくには、Vさんと示談交渉をし示談を成立させる必要があります。
ただし、ご自分の力で示談交渉するのは絶対にやめましょう。
交渉に慣れていないため、どういった形式、内容の示談が適切か判断することが難しいと思われます。また、相手方に弁護士が付いていると、一方的に相手の言うがままに条件を飲ませられるおそれがあります。また、強制的手段に出ると
脅迫罪(刑法222条、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金)
強要罪(刑法223条、3年以下の懲役)
に問われる可能性があります。
したがって、示談交渉は弁護士に任せましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。
映っていなくても盗撮?
映っていなくても盗撮?
盗撮について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市南区に住む会社員のAさんは、西鉄大牟田線の満員電車に揺られながら西鉄天神駅まで向かっていたところ、前にたっていた女子高生Vさんのスカートの中にスマートフォンを差し入れました。そうしたところ、Aさんの右横に立っていた女性Wさんから「今、盗撮しましたよね?」「カメラ見せてください。」と言われたことから辺りは騒然となってしまいました。そして、Aさん、Vさん、Wさんは西鉄天神駅で降りました。AさんとWさんは駅構内でAさんのスマートフォンの動画映像を見ましたが、確かに、Vさんのスカートらしきものは映っていました(撮影日時にも矛盾はない)が、Vさんの下着や身体ははっきりとは映っていませんでした。Aさんは、Wさんに「映っていませんよね?」と言ったところ、Wさんは申し訳なさそうにしていました。ところが、Aさんは、Vさんからの通報を受け駅に駆け付けた福岡県中央警察署の警察官に事情を聴かれることになりました。そして、Aさん、Vさん、Wさんの事情聴取の結果などから、Aさんは福岡県迷惑行為防止条例違反の被疑者として逮捕されてしまいました。
~ 映っていなくても盗撮? ~
今回、Aさんはスマートフォンの中に、Vさんの下着や身体が映っていなかったことから盗撮ではない、と安心しきっていたようですが、結局は逮捕されてしまいました。
このように、実際には下着や身体が映っていなくても盗撮行為に当たるとされることがありますから注意が必要です。
盗撮行為については福岡県迷惑行為防止条例6条2項,3項に規定されています。
第6条
2項 何人も、公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、正当な理由がないのに、前項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
1号 通常衣服で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着をのぞき見し、又は写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下この条において「写真機等」という。) を用いて撮影すること。
2号 衣服等を透かして見ることができる機能を有する写真機等の当該機能を用いて、衣服等で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着の映像を見、又は撮影をすること。
3号 前二号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。
3項 何人も、正当な理由がないのに、第一項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
1号 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態をのぞき見し、又は写真機等を用いて撮影すること。
2号 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。
6条2項3号、3項2号からすると、
写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること
だけでも盗撮行為に当たる可能性があることがお分かりいただけると思います(ただし、実際に盗撮行為をする目的が必要です)。
~ 勾留 ~
警察に逮捕されると、警察署内にある留置場に収容(留置)されます。
その後、警察官により弁解録取という手続きを受け、身柄拘束を継続する必要があると判断された場合は逮捕から48時間以内に検察庁へ事件を送致される手続きが取られます(送検)。
事件を送検されると、検察庁でも検察官による弁解録取という手続きが取られます。ここで、身柄拘束を継続する必要があると判断された場合は、裁判所に対する勾留請求の手続きが取られます。
裁判官による勾留請求が許可されると勾留という比較的長い身柄拘束を受けてしまいます(はじめは10日間、その後、延長もあり)。
~ 勾留されない場合 ~
そこで、勾留されない場合とはどんな場合で、それに向けて弁護士としてどのようなことができるのでしょうか?
= 検察官が勾留請求をしない =
検察官は、送検までに作成された書類と、被疑者に対する弁解録取の結果によって勾留請求するか否かを決定します。
しかし、書類や弁解録取で全て被疑者に関する事情が得られるとは限りません。
そこで、弁護士が被疑者はもちろん、被疑者にかかわる方から事情を聴取し、その内容や結果を書類にまとめて勾留請求をする検察官に提出します。
= 裁判官が勾留請求を却下する =
検察官の勾留請求を阻止できなかった場合でも、検察官に対するのと同様に裁判官に対して働きかけを行うことができます。
= 勾留決定に対する異議申し立て(準抗告)が認められる =
一度、裁判官が勾留を決定した場合でも、この決定に対して異議を申し立てることができます。これを準抗告といいます。
勾留は一人の裁判官の判断によって決定しますが、その決定に対して準抗告した場合は、最初に勾留を決定した裁判官以外の3人の裁判官によって審議されます。
先入観のない複数の裁判官が、捜査側(警察官や検察官)の作成した書類と、弁護側の作成した書類を見比べて、勾留の必要があるか否かを改めて判断するのが準抗告です。
準抗告が認容されると、最初に決定した勾留はその効力を失います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。
一審で準強制性交等罪で無罪の控訴審が始まる
一審で準強制性交等罪で無罪の控訴審が始まる
準強制性交等罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県久留米市に住むA(48歳)は、妻(46歳)と長女Vさん(19歳)との3人暮らしです。Aは、Vが小学校2年生の頃から性交等の性的虐待行為を継続的に繰り返していました。Vは、当初抵抗していたものの、次第にその程度が弱まっていました。そんな中、Aは今年に入ってから2回、久留米市内のホテルでVの抗拒不能に乗じて性行を行ったとして、福岡県久留米警察署に準強制性交罪で逮捕、その後検察により起訴されました。
(事実を基に作成したフィクションです。)
~ はじめに ~
事例は、平成31年3月28日、準強制性交等罪で起訴され裁判にかけられた男性に対し「無罪」判決を言い渡した
名古屋地方裁判所岡崎支部
での裁判の実例を基に作成しました。すでにマスコミ等で大きく報道されご存知の方も多いのではないでしょうか?
検察側は判決を不服として控訴し、先日、10月28日、名古屋高等裁判所で第一回の控訴審が開かれました。
今後の行方を注視したいところですが、ここで改めて
・準強制性交等罪とはどんな罪か
・なぜ第一審では無罪となったのか
振り返ってみたいと思います。
~ 準強制性交等罪とは ~
準強制性交等罪刑法178条2項に規定されています。
刑法178条2項
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心身を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例(刑法177条)による。
準強制性交等罪は、物理的あるいは心理的な方法で被害者の抵抗を封じるか、あるいは少なくとも抵抗が困難な状態にして、性交等を行ったり、そのような状態にある被害者に対して性交等を行ったりすることを処罰する規定です。上記の規定では、そのような状態を「抗拒不能」という言葉で表現しています。
~ なぜ無罪? ~
では、なぜ、名古屋地裁岡崎支部は無罪判決を下したのでしょうか?
裁判所は、心理的な「抗拒不能」の程度に関し、
性交に応じなければ生命・身体等に重大な危険を加えられるおそれがあるという恐怖心から抵抗できなかった場合や、相手方の言葉を全面的に信じこれに盲従する状況にあったことから性交に応じるほかには選択肢がないと思い込まされていたような場合
と判示しています。そして、
以前に性交を拒んだ際に受けた暴力は恐怖心を抱くようなものではなく、抵抗を続けて拒んだり、弟らの協力で回避したりした経験もあり、抗拒不能な状態だったとは認められない
と、つまり、
被害者が抗拒不能状態だったとするには合理的な疑いが残る
として「無罪」としたのです。
~ 抗拒不能の認定が厳しすぎるとの異論も ~
もっとも、被害者は
加害者から長年性的暴行などを受けてきたからこそ抵抗することすらできなかった
のであって、その状態を「抗拒不能状態だったとするには合理的な疑いが残る」とするにはやや厳しすぎるとも思えます。
過去には、
同居していた自己の養女である被害者に対し、被害者が小学校6年のときから27歳に至るまで長期にわたり性的虐待や暴行等を繰り返し、同女が被告人に対し恐怖心から抗拒不能な状態に陥っていることに乗じ、同女を姦淫した等の事実
につき準強姦罪(現在の準強制性行等罪)で懲役10年に処した裁判例(平成24年7月4日広島高裁岡山支部)もあります。
今後、名古屋高等裁判所がいかなる判断をするのか注目です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、性犯罪事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。
自宅に呼んだデリヘル嬢を盗撮
自宅に呼んだデリヘル嬢を盗撮
デリヘル嬢に対する盗撮について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県久留米市に住むAさんは、自宅マンションにデリヘル嬢Vさん(19歳)を呼びサービスを受ける一方、その様子を棚の上に隠した隠しカメラで盗撮していました。ところが、Aさんがしきりに棚の方に目を向けるため、Vさんにその様子を怪しまれて問い詰められると、カメラで盗撮していたことを告白してしまいました。Aさんは、Vさんが在籍するお店の店長から電話を受け、「Vさんが「久留米警察署に被害届を出す。」「示談金を払ってくれるなら考え直してもいい。」と言っている。」「私が間を取り持つから交渉しよう。」と言われました。どうしていいか困ったAさんは、弁護士に無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです)
~ 自宅に呼んだデリヘル嬢に対する盗撮 ~
自宅に呼んだデリヘル嬢に対する盗撮は
福岡県迷惑行為防止条例(以下、条例)
の禁止行為に当たる可能性があります。
具体的には、条例6条3項で禁止される行為です。
条例6条3項 何人も、正当な理由がないのに、第1項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
1 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態をのぞき見し、又は写真機等を用いて撮影すること。
2 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。
「第1項に掲げる方法」とは、「人を著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法」をいいます。通常、一般人であれば、性的に著しく恥ずかしいと思わせ、不安を覚えさせるような方法、という意味です。
また、1号では「住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人」が対象となっていることに注意が必要です。住居、便所、浴場、更衣室は「人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」の例示です。本件自宅マンションはまさに「住居」に当たりますし、通常、デリヘル嬢は衣服の全部又は一部を着けない状態でサービスを提供するでしょうから「衣服の全部又は一部を着けない状態にある人」に当たるでしょう。
「写真機等」とは、写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器をいいます。
なお、1号は実際に撮影した場合の規定ですが、2号によると1号の行為をする目的で写真機等を設置、又は他人の身体に向けただけでも処罰される可能性があることにも注意が必要です。
~ 罰則は? ~
条例6条違反の罰則は
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
です。
また、常習性が認められる場合は、
2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
です。
~ 被害届の提出を阻止するには? ~
被害届の提出を阻止するには、被害者と示談交渉を始め示談を成立させ、
捜査機関に被害届、あるいは告訴、告発状を提出しない
旨の示談条項を加えることが必要でしょう。
ここで、示談交渉はご自身で行ってはいけません。感情のもつれなどから示談交渉が頓挫する可能性が高いです。下手に被害者と接触しようとすると、脅迫罪(刑法222条)、強要罪(223条)などで訴えられる可能性もあります。また、相手方から不当な要求を突き付けられても、立場が立場なだけに反論することができません。話がまとまったとしてもそれが適切な内容なのかわからず、新たなトラブル火種ともなりかねません。
示談交渉は弁護士に任せましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は,刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。
少女と淫行~北九州市小倉南区
少女と淫行~北九州市小倉南区
少女と淫行について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
北九州市小倉南区に住むAさんは、SNSを通じて知り合ったVさん(16歳)と淫行目的で会い、同区内のホテルでVさんと性交しました。その後、Vさんの行動を不審に思ったVさんの両親が福岡県小倉南警察署に相談。小倉南警察署の警察官が補導巡回中のところVさんを発見、補導したことでAさんとの性交の件が発覚しました。そこで、Aさんは、ある日自宅にいたところ、警察官の突然のガサを受け、パソコン、スマートフォンなどを押収されてしまいました。また、Aさんは小倉南警察署までの同行を求められ、福岡県青少年健全育成条例違反の被疑者として事情を聴かれました。Aさんは逮捕されることなく帰宅を許されましたが、今後のことが不安になり、弁護士との無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです)
~ 淫行の罪 ~
淫行の罪は、相手方が青少年(18歳未満の者。ただし、他の法令により成年者と同一の能力を有されるとされる者を除く。)であることを知りながら、青少年に対し、淫行又はわいせつな行為をした場合に処罰される罪です。
福岡県青少年健全育成条例(以下、条例)の31条1項で禁止されており、条例38条1項1号で罰則が設けられています。
条例31条1項
何人も、青少年に対し、いん行又はわいせつな行為をしてはならない
条例38条 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(1) 第31条第1項の規定に違反した者
判例によれば、「淫行」とは、「広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性行為類似行為」とされています。
これからすると、青少年に威迫、欺罔、困惑などの手段を用いた場合はもとより、行為者と青少年との年齢差、行為者と青少年との関係性、行為者と青少年とが知り合った経緯、知り合ってから淫行に至るまでの経緯、動機、淫行の内容、頻度交際ややり取りの内容などを考慮して「青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っている」としか認められないような場合にも、淫行の罪に問われる可能性があります。
また、淫行の罪に問われるには、相手方を青少年であると知っている必要がありますが、その認識の程度は確定的なものである必要はなく、青少年の服装や体型、容姿はもちろん、当事者同士の知り合うまでの経緯、やり取りの内容・言動等から「○○歳かもしれない」「18歳未満かもしれない」「中学生かもしれない」などという未必的な認識であれば足りるとされています。また、条例の38条8項にはその認識に関する推定規定(知情性推定規定)が設けられており、行為者が相手方を青少年と知らない場合でも、過失がないほかは知っていたものと推定するとしています。
条例38条8項
(略)、第31条、(略)の規定に違反した者は、青少年の年齢を知らないことを理由として、第1項、(略)の規定による処罰を免れることはできない。ただし、過失のないときはこの限りではない。
~ お金を払って性行したら? ~
なお、AさんがVさんにお金を払って、あるいは払う約束をして性交した場合は、児童買春の罪に問われる可能性があります。
児童買春については、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)の2条2項で定義されており、法律4条で罰則が設けられています。
法律2条2項
法律2条2項
児童買春とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交のほか性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう)をすることをいう。
一 児童
二 児童に対する性交等の周旋をした者
三 児童の保護者(略)
法律4条
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。
ナンパが刑事犯罪?
ナンパが刑事犯罪?
ナンパと刑事犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市早良区に住む会社員のAさんは居酒屋で友人とお酒を飲んだ後、徒歩で帰宅途中、前方に一人で歩く女性Vさんを見つけました。Aさんは、お酒が入っていたこともあり気が大きくなって、「あの女をナンパしてやろう」と思いました。そこで、AさんはVさんの横から声をかけましたが、Vさんから無視されてしまいました。Aさんは、さらに、Vさんに声をかけましたが無視されたことから腹を立て、Vさんの行く手を阻むようにVさんの正面に立って右手でVさんの左腕をつかみ、「おい、無視するなよ」などと言いながら左手でVさんの胸を数回揉みました。そうしたところ、AさんはVさんから「痴漢!助けて」などと大声を上げられたことから、その場から逃げ出しました。しかし、Aさんは、Vさんから福岡県早良警察署に被害届を提出されたことで強制わいせつ罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
~ ナンパが刑事犯罪? ~
ナンパ目的で相手をつきまとったり、声かけをした場合、罪に問われる可能性があります。
まず、つきまといは軽犯罪法の追随等の罪です。
追随等の罪は軽犯罪法1条28号に規定されています。
28号
他人の進路に立ちふさがって、若しくはその身辺に群がって立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとった者
28号に該当する者は、
拘留又は科料
の刑罰に処せられる可能性がある、ということです。ちなみに、拘留は1日以上30日未満の間、刑事施設(刑務所、拘置所)に収容される刑罰、科料は1万円未満のお金を納付しなければならない刑罰です。
28号で禁止される行為は
①他人の進路に立ちふさがって立ち退こうとしないこと
②身辺に群がって立ち退こうとしないこと
③不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとうこと
の3つです。
さらに、声かけをした場合は福岡県迷惑行為防止条例(以下、条例)違反に問われる可能性があります。
条例6条1項では
何人も、公共の場所又は公共の乗物においで正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で次に掲げる行為をしてはならない
と規定され、その2号で
前号(痴漢行為)に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること
と規定されています。
もちろん、通常の声かけであれば犯罪に当たることはありませんが、「卑わいな言動」に当たると判断されると罪に当たる可能性があることから注意が必要です。
なお、卑わいな言動とは、「社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作」をいうと解されています。
罰則は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
~ 無理やり体を触ると強制わいせつ罪 ~
無理やり体を触った場合は強制わいせつ罪に問われる可能性があります。
強制わいせつ罪は刑法176条に規定されています。
刑法176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
「わいせつな行為」とは、徒に性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為をいうと解されています。
また、暴行それ自体がわいせつな行為であってもよいと解されています。
具体的には、いきなり、
・膣を触る
・陰部に手を入れる
・胸を触る
・相手方の感情を無視して接吻する
などの行為はこれに当たるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。
児童に対する性交で示談なら
児童に対する性交で示談なら
児童と性交した場合に成立し得る罪と示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県八幡東区で中学教師を勤めるA(36歳)さんは、児童Vさん(16歳)の元担任の教師で、以前からVさんに好意を寄せており、Vさんに対し性的なことをしたいと考えていました。そこで、Aさんは、Vさんを自分の車で自宅まで送り届けることにし、Vさんを車に乗せ、車内でVさんの胸を揉んだり、キスをしたりしていました。
そして、ある日、Aさんは、帰宅途中のVさんを車に乗せ、そのままホテルに行ってVさんと性交しました。そうしたところ、Aさんは、福岡県八幡東警察署に、福岡県青少年健全育成条例違反、児童福祉法違反で逮捕されました。逮捕の通知を受けたAさんの母親は刑事事件専門の弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)
~ 児童に対する性行の罪 ~
児童、つまり、18歳未満の者に対し性交した場合どんな罪に問われるでしょうか?
ひとつは、児童買春の罪です。
この罪は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)」の4条に規定されています。
法律4条
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。
児童買春とは、児童(18歳未満の者)等に対し、対償(お金など)を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいいます。
なお、「対償」とは、児童が性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいいます。現金のみならず、物の交付や債務の免除もこれに含まれます。「性交等」とは、性交のみならず性交類似行為、または、自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをも含みます。
次に、淫行の罪です。
この罪は、各都道府県が定める青少年健全育成条例(名称は各都道府県により異なる)に規定されています。福岡県では、福岡県青少年健全育成条例の31条で
何人も、青少年に対し、いん行又はわいせつな行為をしてはならない。
罰則は「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」とされています。
最後に、児童に淫行をさせる罪です。
児童福祉法という法律の34条1号から9号には児童に対する禁止行為が規定されており、その6号で
児童に淫行をさせる行為
が規定されています。
そして60条1項で、この行為をした者を「10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金」に処し、場合によっては併科するとされています。
ここで「淫行をさせる」とは、暴行、脅迫など強制的な手段であることだけを意味するものではありません。判例は、淫行をさせる行為の意義を「直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為」と解し、淫行に当たるか否かは、①行為者と児童の関係、②助長・促進行為の内容及び児童の意思決定に対する影響の程度、③淫行の内容及び淫行に至る動機・経緯、④児童の年齢、⑤その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮して判断するのが相当としています。
~ 弁護活動 ~
事例のように、被害者の存在する事件においては、事件を早期に解決するためには示談交渉を行うことが求められます。
そして、児童が被害者の場合は、示談交渉の相手方は児童の親権者、監督者など行うことが多いと思われます。
ただし、児童に対する性犯罪事件では、被害者である児童やその親権者などが加害者と直接会うことは心理的抵抗を感じることがほとんどですので、当事者同士で示談交渉を行うことは困難となる場合がほとんどです。
また、捜査機関も2次被害を懸念し、加害者本人に被害者の連絡先等を教えることはまず考えられません。
さらに、示談交渉が遅れてしまうと、被害者側の心証を悪くしてしまう恐れもあります。
そのため、児童に対する性犯罪の示談交渉は、刑事事件に強い弁護士に依頼されることをお勧めします。
示談が成立すれば、刑事事件化の回避、逮捕の回避、不起訴処分獲得、執行猶予獲得など有利な結果を得られやすくなります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。
ストーカー行為、禁止命令
ストーカー行為、禁止命令
ストーカー行為、禁止命令について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市東区に住む会社員のAさん(29歳)は、長年、大学の同級生Vさんと交際を続けていましたが、ある日突然、Vさんから別れを告げられました。Aさんは、なぜVさんから別れを告げられたのか理由が分からず、悩んでいました。そのためAさんは、Vさんの意図を確認しようと、何度もVさんのスマートフォンに電話したり、メールを送信しましたが全く返信がありませんでした。そこで、Aさんは、ある日、Vさんのアパート近くまで行き、Vさんの帰りを待ち伏せするなどのストーカー行為を繰り返すようになりました。そうしたところ、Aさんは福岡県東警察署に呼び出され、警察から禁止命令を受けてしまいました。
(フィクションです)
~ ストーカー行為とは ~
「ストーカー行為」については、ストーカー規制法(以下、法律)2条3項で定義されています。
法律2条3項
この法律において「ストーカー行為」とは、①同一の者に対し、②つきまとい等(第1項第1号から第4号まで及び第5号(電子メールの送信等に係る部分に限る。)に掲げる行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を③反復してすることをいう。
これからすると、ストーカー行為とは、
① 同一の者に対する
② つきまとい等 を
③ 反復してすること
ということになります。
そして、②の「つきまとい等」とは、法律2条1項で定義されています。
法律2条1項
つきまとい等とは、特定の者(Vさん)に対する恋愛感情やそれが満たされなかったことに対する怨恨感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
つきまとい等の具体的内容は、
ア、つきまとい・待ち伏せ・押しかけ・うろつきなど
イ、監視していると告げる行為
ウ、面会や交際など義務のないことの要求
エ、粗野又は乱暴な言動
オ、無言電話・連続した電話、メールなど
カ、汚物などの送付
キ、名誉を傷つける事項の告知
ク、性的羞恥心の侵害
です。
~ ストーカー規制法と禁止命令等 ~
法律5条1項では、
・被害者等の身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるつきまとい等があって
・上記つきまとい等をした者が、さらに反復して当該つきまとい等をするおそれがあると認められ
・都道府県公安委員会が、被害者等からの申出、又は職権
により、都道府県公安委員会が、当該つきまとい行為をした者に対し、
・更に反復して当該行為をしてはならないこと
・更に反復して当該行為が行われることを防止するための必要な事項
を命じる(禁止命令等)ことができると定めています。
禁止命令等は、上記の警告を経なくても発することができます。
また、警告と異なり、被害者等の申し出によらず、職権(公安委員会の判断)で発することも可能とされています。
禁止命令等の効力は、禁止命令等をした日から起算して1年ですが、期間を延長されることがあります。
禁止命令等は行政処分の一種ですから、禁止命令等が発せられるにあたって聴聞の機会が与えられますが、緊急の場合には聴聞又は弁明の機会を与えなくてもよいとされています。
なお、警告の場合と異なり、
・禁止命令等に違反してストーカー行為をした場合は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金
・禁止命令等に違反してつきまとい等をすることにより、ストーカー行為をした場合は、上記同様
・禁止命令等に違反した場合は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金
に処せられるおそれがあることから注意が必要です。
仮にこれらの行為で逮捕されるなどした場合は、弁護士までご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。
お酒と強制わいせつ罪
お酒と強制わいせつ罪
強制わいせつ罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県大野城市に住む大学4年生のAさん(21歳)は、同じ学部に所属するVさんと仲が良く、他の同級生2名と一緒に福岡市内にあるVさん宅に遊びに行くことになりました。AさんはVさん宅でVさんらとお酒を飲んだあと、Vさんの許可を得てVさん宅に泊まることになりました。AさんとVさんは別々の部屋で寝ていましたが、Aさんは酒が入っていたこともあり気持ちが大きくなって、Vさんが寝ている隙にVさんの体を触りたいと思うようになりました。そこで、AさんはVさんが寝ていた部屋へ入り、Vさんが寝ている隙にVさんの胸や下半身を触りました。
翌朝、Aさんは、Vさんから「昨日したことを覚えているよね?」「示談金払わなければ警察に被害届を出すから」などと言われてしまいました。Aさんは自分のしたことに全く記憶がありませんでしたが、就職先の内定も決まっていたこともあり警察沙汰にだけはなりたくないと思い、事を穏便に解決したいと考えています。そこで、Aさんは刑事事件専門の弁護士に無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです)
~ はじめに ~
幣所にご相談に来られるお客様の中には、強制わいせつをはじめとする性犯罪で訴えられている、あるいは訴えられそうという状況であるにもかかわらず、お酒の影響でその行為を全く覚えていない、一部分しか覚えていないと言われる方も多くおられます。
しかし、被害者が嘘をついておらず、かつ、その話に信用性が認められる限りはやはり罪に問われる可能性も出てきます。
日頃から、お酒の飲み方などには注意する必要があります。
~ 強制わいせつ罪 ~
強制わいせつ罪は刑法176条に規定されています。
刑法176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
「暴行」とは、他人の身体に対する有形力の行使をいい、脅迫とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいいます。
そして、強制わいせつ罪における暴行、脅迫の程度は、一般には、被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものでなければならないとされています。
具体的には、
・殴る、蹴る、叩く
・首を絞める、馬乗りになる
・「殺すぞ」「家を焼くぞ」「裸の写真ネットにばらまくぞ」などと言う
などが挙げられます。
また、暴行それ自体がわいせつ行為であってもよいとされています。
「わいせつな行為」とは、徒に性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為をいうと解されています。
具体的には、
・膣を触る
・陰部に手を入れる
・乳房を弄ぶ
・相手方の感情を無視した接吻
などがこれに当たるでしょう。
なお、わいせつ行為ではなく、「性交等」を行った場合は強制性交等罪というさらに重たい罪に問われる可能性があることから注意が必要です(法定刑は5年以上の有期懲役)。また、同罪を犯す目的で性行等をするに至らなかったときは強制性交等未遂罪に問われる可能性があります。
~ 警察沙汰を回避するには ~
被害者から警察に被害届が提出されてしまうと、逮捕されたり、あるいは警察からの呼び出しなどに応じなければならなくなります。それを回避するためには、やはり、被害者に警察に被害届を提出することを思いとどまっていただくしかありません。そして、被害者に警察に被害届を提出することを思いとどまっていただくためには、被害者との間で示談を成立させる必要があるでしょう。
示談はもちろん、当事者間で成立させることも可能ですが、特に性犯罪の場合は被害者の処罰感情が強く、また罪を犯した側は立場的に弱いですから、どうしても被害者側の要求を鵜呑みにせざるをえなくなり、当事者間で示談を成立させることは難しいでしょう。そこで、加害者側の弁護士が必要となってきます。
お困りの際は弁護士へご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。
« Older Entries Newer Entries »