Archive for the ‘刑事事件’ Category

薬物事件における没収  

2019-06-19

薬物事件における没収   

福岡県筑紫野市に住むAさんは,覚せい剤取締法違反(所持の罪)で逮捕,起訴され,福岡地方裁判所で裁判を受け,「懲役1年6月 3年間執行猶予 覚せい剤約0.5グラムを没収する」との判決の言い渡しを受けました。Aさんは判決後,弁護士に「没収」とは何か尋ねました。
 (フィクションです)

~ はじめに ~

今回は,「没収」という日頃聞き慣れない言葉について解説いたします。薬物事件では特に重要な言葉ですので,ぜひ参考にされてください。

~ 没収とは ~

没収とは,物の所有権を剥奪して国庫に帰属させる財産刑のことをいいます。
刑罰の種類について定めた刑法9条は,「死刑,懲役,禁錮,罰金,拘留及び科料を主刑とし,没収を付加刑とする。」としており,没収を刑罰の一種としています。
ここでいう「主刑」とは独立に言い渡すことができる刑罰のことで,「付加刑」とは主刑が言い渡された場合にそれに付加してのみ言い渡すことができる刑罰のことをいいます。没収は付加刑ですから,判決で没収だけを言い渡すことはできず,必ず懲役や罰金等の他の刑罰と一緒に言い渡されます。

~ 没収の目的 ~

没収は刑罰の一種ですから,制裁的の意味合いがあることは間違いありません。しかし,それよりもむしろ,社会への危険・害悪の防止,犯罪組織への利得還元の防止など保安処分としての意味合いの方が濃いとも言われています。
国によって覚せい剤を没収してしまわなければ,再びそれを使うなどする人がいて社会に危険・害悪をもたらしかねないからそれを没収してしまおうというわけです。

* 押収との違い *

没収とよく混同される言葉として「押収」があります。「押収」とは,捜査機関が,対象者から任意で物の提出を受けたり,強制的に物を差し押さえたりする場合のことです。他方,「没収」は刑罰の一種で,裁判官しか言い渡すとこができません。また,「押収」は一時的に物の占有を取得したにすぎず,所有権を放棄しないかぎりのちのち還付(返却)されますが,「没収」は所有権を剥奪することなので永久的に手元に戻ってくることはありません。
没収」は法的には「押収」されていないものでも対象とすることはできますが,実務では,「押収」されているものに限り「没収」の対象としているようです。

~ 「没収」には「必要的没収」と「任意的没収」 ~

没収」には、必ず没収すべき「必要的没収」と、裁判官の裁量に委ねられる「任意的没収」の2つに分けられます。

= 必要的没収 =

必要的没収については刑法、又は特別法に規定されています。刑法に規定されている必要的没収は、賄賂の没収(刑法197条の5)です。薬物事件に関するものとしては、

・麻薬(麻薬及び向精神薬取締法69条の3第1項)
・大麻(大麻取締法24条の5第1項)
・覚せい剤(覚せい剤取締法41の8第1項)

などがあります。
これらの者は、必ず没収することとしないと、新たな犯罪を生み出すことにもなりかねず社会に害悪をもたらす危険が大きいことから必要的没収とされています。必要的没収を看過してこれを科さない判決が言い渡された場合は、法令適用の誤りとして控訴理由となります(刑事訴訟法380条)。

= 任意的没収 =

任意的没収については刑法19条に規定されています。

刑法19条1項 次に掲げる物は,没収することができる。
1号 犯罪行為を組成した物(偽造文書行使罪における偽造文書,賭博罪における賭金,無免許運転における自動車など)
2号 犯罪行為の用に供し,又は供しようとした物(文書偽造の用に供した偽造の印章,殺人に用いた日本刀,住居侵入・窃盗のために使用した懐中電灯など)
3号 犯罪行為によって生じ,若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物(犯罪によって生じ→通貨偽造罪における偽造通貨,文書偽造罪における偽造文書など/これによって得た物→賭博に勝って得た財物,財産犯罪によって領得した財物など/犯罪行為の報酬として得たもの→殺人の依頼に応じて殺人を行ったことによって得た報酬金,窃盗幇助の謝礼として得た財物など)
4号 前号に掲げる物の対価として得た物(盗品等の売却代金,窃盗犯人が盗んだ現金で買ったものなど)

1号によると、無免許運転した際の自動車も没収される可能性はあるわけですが、保管のため(保管は検察庁がすることになるかと思います)のスペースを確保することが難しいと思われますし、手間も労力がかかります。また、日常生活の交通手段ともなっており、免許停止期間や欠格期間が経過して免許を取得すれば再び運転することができるわけですから、実務では没収されることはまずありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件を起こしお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間,無料法律相談初回接見サービスを受け付けております。

脅迫罪で示談を目指す

2019-06-18

脅迫罪で示談を目指す

福岡県春日市に住むAさんは,交際していた女性Vさんのスマートフォンに,LINEで「俺と復縁しなければ,お前の家焼き払うぞ」などとメールを送りました。Aさんは福岡県春日警察署脅迫罪で逮捕されました。Aさんの母親は、弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)

~ 脅迫罪 ~

脅迫罪は刑法222条に規定されています。

1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫したものは、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2項 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対して害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

害悪の告知は,一般に人を畏怖させる程度のものでなければなりません。
ただし,本罪は危険犯と言われ,人を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知があれば足り,それによって現実に相手方が畏怖したことは必要ではないと解されています。

また,害悪を告知する方法には制限がありません。その程度に達しているかどうかは、その内容を四囲の状況に照らして判断すべきとされています。しかし、これが真意にでたこと(本当に家を焼き払う気があったか、など)、相手が現実に畏怖したことなどを必要とするものではありません。
害悪告知の手段には制限はありません。直接言葉で伝えることはもとより、文書の掲示、郵送、最近では、事例のようにメール送信の他,SNS・ブログなどネット上への投稿で脅迫罪に問われた例もあります。

* 脅迫罪と強要罪の違い *

脅迫罪は人を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知があれば成立します。他方,強要罪は脅迫行為等の結果として,相手方に義務なきことを行わせ,又は行うべき権利を妨害したことで成立するという点に違いがあります。また、強要罪の法定刑は3年以下の懲役と、脅迫罪と異なり罰金刑が設けられていないことも大きな違いです。

* ストーカー行為に当たるかも!? *

ストーカー行為とは、同一の者に対し、「つきまとい等」を反復してすることをいいます。この「つきまとい等」には、相手方から拒まれたにもかかわらず、連続して電子メールを送信する行為も含まれています。恋愛絡みのこの種事件では、事案によっては、ストーカー行為に当たることもあります。

~ 脅迫罪において示談を目指す理由 ~

脅迫行為を認める場合は,被害者に真摯に謝罪し,慰謝の措置を取ることが必要不可欠です。これが脅迫罪において示談を目指す一番の理由です。その他,脅迫罪において示談を目指す理由としては以下の点が挙げられます。

= 早期釈放が可能となる =
 
一般的に,示談意向=罪を認める=罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれはないと判断されやすくなり,早期釈放に繋がりやすくなります。

* 勾留中に略式命令が出た場合 *

脅迫罪には罰金刑が設けられていますから、勾留中に略式裁判を受け、罰金刑の略式命令を受ける、という事態も想定しえます。略式命令が出ると、その時点で勾留状の効力は失われますから、その時点で釈放されます。正式起訴されるか、略式起訴されるか微妙な場合は、略式起訴するよう積極的に検察官に訴えかける必要があります。

= 不起訴獲得が可能となる  =
 
被疑者に有利な情状として考慮され,不起訴獲得の可能性が高くなります。被害者から「被疑者を処罰しないで欲しい」などという宥恕条項を獲得できれば,その可能性はさらに上がります。

= 執行猶予獲得が可能となる =
 
起訴され、仮に裁判になった場合でも、示談が成立していれば執行猶予獲得の可能性は高くなるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、脅迫罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談初回接見サービスの予約受付を承っております。

福岡県の痴漢条例改正、施行 

2019-06-17

福岡県の痴漢条例改正、施行  

福岡市中央区に住むAさんは,満員の通勤電車に乗って職場へ向かう途中、隣に座っていた女性Vさんのひざ掛けの上から女性の太ももを触りました。Aさんは、Vさんから大声を上げられ、「この人痴漢です」と言われたことから周囲にいた男性に次の降車駅で降ろされてしまいました。そして、Aさんは駆け付けた鉄道警察隊の警察官に福岡県迷惑行為防止条例違反で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~ 痴漢条例の改正、施行 ~

福岡県痴漢行為を禁止する条例と言えば、

福岡県迷惑行為防止条例(以下、条例)

ですが、この度、条例改正され、先日、6月1日から施行されていることはご存知でしょうか?(ご存知でない方は、一度、警察のホームページなどでご確認ください。)どう改正されたかと言えば、改正前の痴漢行為を禁ずる条例6条1項1号は

(改正前)
条例6条1項 
 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で次の行為をしてはならない。
1号 他人の身体に直接触れ、又は衣服の上から触れること。

とされていたのが、1号の部分に関し、

(改正後)
1号 他人の身体に触れ、又は衣服その他の身に付ける物(以下この条において「衣服等」という。)の上から触れること

改正されています(衣服以下を改正)。
福岡県警察のホームページでは、「その他の身に付ける物」の例として、「マフラー」や「ひざ掛け」が挙げられています。

* 罰則も改正 *

痴漢の禁止行為の改正とともに、罰則も引き上げられています。改正前は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」だったところ、改正後は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に、常習として痴漢行為をした場合は、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」から「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に引き上げられています。

~ 逮捕後勾留までの流れ ~

逮捕後は,警察官の弁解録取という手続きが始まります。建前はAさんから弁解を聴く手続きですが,実質は取調べと同様です。ここでは罪を認めるのか,認めないのか聴かれ,その旨を書類にまとめられます。この書類は後々,裁判で証拠となり得ます。ですから,ここで曖昧な回答,意に反する回答をしてしまわないよう注意する必要があります。

警察官は,Aさんをそのまま拘束する必要があると判断したときは,逮捕から48時間以内に検察官にAさんを(書類及び証拠物とともに)検察官の元に送致する手続きを取らなけばなりません(①)。それまでは,引き続き警察官の取調べが行われることもあります。警察官から身柄の送致を受けた検察官も,警察官と同様,Aさんから弁解を聴く手続きを取ります(これも弁解録取といい,警察官と同様,書類が作成されます)。そして,検察官は,Aさんを身柄拘束を継続する必要があると判断したときは,Aさんの送致を受けたときから24時間以内(逮捕のときから78時間以内)に裁判官に勾留の請求をしなければなりません(②)。勾留請求された場合,Aさんは裁判所の勾留質問室というところへ連れていかれます。そして,今度は,裁判官による勾留質問が行われます。ここでも,これまで同様,書類が作られます(③)。裁判官は,勾留質問の結果などを踏まえてAさんを勾留するかどうか決めます。

~ 釈放活動 ~

このように,逮捕から勾留までには警察官(①),検察官(②),裁判官(③)の3段階の手続を踏んでいることが分かります。これは人の身柄拘束は重大な人権侵害であるため,各段階で,身柄拘束の理由・必要性をチェックして,不当な人権侵害を防止するためにあるのです。ですから,警察官,検察官には自らの権限でAさんを釈放することができますし,裁判官は検察官の勾留請求に「NO(却下)」といって検察官に釈放を促すことができるのです。ですから,弁護人としては,早期釈放のために,警察官,検察官,裁判官に働きかけて行きます。

早期釈放をお望みの方は、早めに弁護士へ弁護活動をご依頼ください!

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立ちションって犯罪?

2019-06-16

立ちションって犯罪?

福岡県久留米市に住むAさんは、飲み会の帰り、尿意をもよおし小便をしたくなったため、明治通り沿いにある神社のブロック塀に向かって小便をしたところ、たまたまその状況を目撃していた近くに住むWさんが100番通報しました。Aさんは気分よくJR久留米駅へ向かっていたところ、久留米警察署の警察官に職務質問を受けてしまいました。
(フィクションです)

~ 立小便って犯罪? ~

男性なら誰しも立小便の経験があるのではないでしょうか?いわゆる「立ちション」です。しかし、「立ちション」を取り締まる法律があることはご存知でしょうか?Aさんのような目に遭わないためにも、ぜひ、一度ご一読ください。

~ 立ちションは軽犯罪法違反 ~

立ちションは軽犯罪法違反に問われます。軽犯罪法1条26号【排せつ等の罪】には

街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者

と規定されています。軽犯罪法1条には1号から34号までの規定がありますが、罰則は全て「拘留」又は「科料」です。

* 「拘留」と「勾留」」の違い *

「拘留」と「勾留」は読み方は同じですが、意味は全く異なります。「拘留」は刑罰の一種で,1日以上30日未満の範囲で刑事施設に拘置させられること、「勾留」は刑罰ではなく,身柄を拘束するため裁判及びその執行のことを言います(つまり、勾留されること、身柄拘束を受けること)。起訴前の勾留期間は、一部の事件を除き、最大で20日間です。

* 語句解説 *

「街路」とは、市街地の道路をいいます。当該道路が国道、都道府県道等であるか市町村道であるかは無関係です。人家等が周囲にないような場所に位置する山道やあぜ道等は「街路」には当たりません。
「公衆の集合する場所」とは、平素多数の人が集合する場所であれば足り、現に人が集合している必要はありません。屋内屋外を問いません。駅の構内、競技場、劇場、町の広場等がこれに当たります。

~ 立ちションを「させた」場合も本号の罪 ~

本号の「させる」とは、専ら幼児等の責任無能力者(刑法41条)に大小便をさせることを指します。
子どもの頃、親に

立ちションしたい」

と言ったところ、親から

「そこら辺でしてきなさい」

などと言われたことがあります。しかし、その小便をした場所が、街路又は公園その他公衆の集合する場所であった場合は

その親は本号違反に問われる

ということだったんですね!自分自身が親となった今、気を付けたいと思います(笑)。

~ その他に当たり得る罪 ~

排せつ等の罪は、「街路又は公園その他公衆の集合する場所」での排せつ等を禁じる規定ですが、それ以外の場所でも罪に問われることはあります。たとえば、どうしても我慢できなくなったため、階段の踊り場で小便を場合はどうでしょうか?その場合は小便をしたコンクリート壁を「損壊」したということで

器物損壊罪(刑法261条)

に問われる可能性があります。ここでいう「損壊」とは、物理的損壊のみならず、物の本来の効用を失わせる行為をいうとされており、小便は「損壊」に当たるでしょう。器物損壊罪の罰則は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料です。

~ おわりに ~

立ちションでも犯罪は犯罪です。お困りの方は弊所の弁護士までご相談ください。

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刑事事件と書類送検

2019-06-15

刑事事件と書類送検 

福岡市南区に住む会社員Aさんは、SNS上で知り合ったVさん(17歳)に頼んで、Vさんの全裸の写真画像を撮ってもらい、それを自身のスマートフォンに送信してもらって楽しんでいました。そうしたところ、ある日、Vさんのスマートフォンをチェックした母親が、Vさんが見知らぬ男に裸の写真画像などを送っていたっことを知りました。Vさんの母親はVさんとともに福岡県南警察署へ相談に行きました。後日、捜査の結果、Aさんは児童ポルノ(製造罪)の被疑者として調べを受けることになり、事件は、福岡地方検察庁書類送検されました。
(フィクションです)

~ 刑事事件と書類送検 ~

一部の事件を除き、刑事事件は検察官(検察庁)へ送致されます。これは身柄を拘束でもされない場合でも同様です。ただ、身柄を拘束されない場合の送致については「書類送検」と呼ばれています。

~ 児童ポルノ罪の製造罪 ~

児童ポルノ罪の製造罪は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下「法律」という)の7条3項,4項,5項,7項に規定されています。Aさんの行為は,法律7条4項の製造罪に該当しそうです。罰則は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金です。

法律7条4項

(略)児童に第2条第3項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第2項と同様とする。

~ 書類送検 ~

ニュースなどで聞く「書類送検」とは法律上の用語ではありません。
送検の「送」は送致の「送」、「検」は検察庁の「検」です。「送検」については、刑事訴訟法246条に規定されています。

刑事訴訟法246条

司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りではない。

この規定に基づいて事件が検察官へ送致されることは、身柄を拘束された場合(身柄事件)でも、拘束されない場合(在宅事件)でも同様です。しかし、マスコミなどでは、在宅事件のことを、身柄事件と区別する意味で、特に「書類送検」と呼んでいるようです。

* 書類送検の時期 *

司法警察員は、当該事件の捜査を終え、事件関係の書類を整えた上で書類を検察官へ送致します。したがって、書類送検の時期は「司法警察員が捜査を終えた後」といことになります。いつ捜査を終わるかは、事件の内容、難易度、捜査機関側の都合などによって異なりますから一概に「いつ」になるかは分かりません。気になる方は、弁護人を通じてか、あるいは直接尋ねてみてもいいでしょう。

* 書類送検のその後 *

事件が検察庁へ送致されます。事件が検察庁へ送致されると担当の検察官から、取調べのための呼び出しを受けます。いつ呼び出しを受けるかについても、担当の検察官しだいとなりますので一概に「いつ」かは分かりません。そして、検察庁での取調べを終え、最終的な刑事処分(起訴、不起訴)が決まります。起訴された場合は、刑事裁判を受けなければなりません。裁判で実刑判決を受けた場合は刑務所へ収容されます(裁判が確定した場合)。

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福岡県で処罰される盗撮行為

2019-06-14

福岡県で処罰される盗撮行為

福岡市西区に住む会社員のAさん(32歳)は、駅構内のエスカレーターで、前に座っていた女性のスカート内を盗撮したとして、福岡県迷惑行為防止条例違反で現行犯逮捕され、その釈放されました。Aさんは、刑事弁護を盗撮に強い弁護士に依頼しました。

~ 盗撮とは? ~

そもそも盗撮とはどんな行為をいうのでしょうか?盗撮について規定した福岡県迷惑行為防止条例(以下、条例)6条2項、3項をまとめると、盗撮とは次の行為をいうとされています。

= ポイント①(盗撮場所) =

・公共の場所、公共の乗物、その他公衆の目に触れるような場所(学校の教室、会社事務室、更衣室、貸切バスなど)(条例6条2項)

= ポイント②(盗撮対象) =

・通常衣服で隠されている人の身体又は他人が着用している下着(条例6条2項1号)
・衣服等で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着(条例6条2項2号)
・住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常の衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人(条例6条3項)

※注
 条例6条2項2号、条例6条3項は改正部分(令和元年6月1日から施行)

= ポイント③(盗撮行為) =

・のぞき見る、写真機等(写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器)を用いて撮影する/盗撮する目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向ける(条例6条2項、3項共通)
・衣服等を透かして見ることができる機能を有する写真機等の当該機能を用いて、(衣服等で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着)の映像を見、又は撮影する(条例6条2項2号)

※注
 条例6条2項2号は改正部分(令和元年6月1日から施行)

~ その他の罪 ~

盗撮行為はすれば条例違反に限らず、以下の罪にも問われる可能性があります。

= 建造物侵入罪 =

トレイ、更衣室などに入って盗撮したという場合です。罰則は3年以下の懲役または10万円以下の罰金です。

= 住居侵入罪 =

他人の住宅、敷地内に入って浴場にいる人を盗撮したなどという場合です。条例の改正によって、住居、浴場内にいる人に対する盗撮行為も処罰の対象とされたことから、住居侵入罪でも問われる可能性も十分ありえます。罰則は建造物侵入罪と同様です。

~ 盗撮で起訴されないためには ~

被害者と示談交渉を進めて示談を成立させ、その結果(示談書)を刑事処分を決める検察官へ提出する必要があります。示談交渉を進めるためには被害者と連絡を取り合う必要がありますが、被害者又は捜査機関が、直接加害者に連絡先を教えることはありません。そこで、示談交渉を進めるためには弁護士の力が必要となります。弁護士に依頼すれば、示談交渉が可能となるばかりでなく、適切な内容・形式で示談を締結してくれる可能性が高くなります。

~ 在宅事件では国で弁護士を付けてくれない ~

盗撮が発覚しても

・逮捕されなかった
・逮捕はされたが、刑事処分が決まる前に釈放された

という場合は、事件は在宅事件となります。
当初から、

・逮捕されなかった

場合は、国選弁護人は付きません。また、

・逮捕はされたが、刑事処分が決まる前に釈放された

という場合、途中まで国選弁護人が選任されていても、

釈放されると、選任の効力は失われます

ので、仮に、示談交渉を始めるところだった、示談交渉中だったなどという場合は、示談交渉がとん挫してしまう可能性もあります。そこで、これらの場合は、私選の弁護人を選任されることをお勧めいたします。在宅事件では、身柄は拘束されていませんからどうしても気を緩めがちとなりますが、結論(刑事処分)が出るまでは安心はできません。

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八女市で刃物を示して脅迫

2019-06-13

八女市で刃物を示して脅迫

福岡県八女市に住むAさんは、路上を歩いていた女性のVさん(70歳)に対し、剪定ばさみを見せながら「オレは刃物持っとるけんな」などと脅迫したところ、Vさんの110番通報により駆け付けた福岡県八女警察署の警察官に「暴力行為等処罰に関する法律違反」で逮捕されてしまいました。
(令和元年5月15日西日本新聞に掲載されたニュースを基に作成)

~ 認知度が低い?暴力行為等処罰に関する法律 ~

刑法の暴行罪(刑法208条)、脅迫罪(刑法222条)、器物損壊罪(刑法261条)はよく知られていると思いますが、

暴力行為等処罰に関する法律

はなかなか認知されていないのではないでしょうか?しかし、私たちに身近な暴力罪、脅迫罪、器物損壊罪に関連した法律ですし、実際に検挙者が出ていることも事実です。

~ 暴力行為等処罰に関する法律とは? ~

では、暴力行為等処罰に関する法律とはどんな法律なのでしょうか?

暴力行為等処罰に関する法律(以下、法律)は、集団的、常習的あるいは兇器を用いて行われる暴行罪、脅迫罪、器物損壊罪、傷害罪(刑法204条)について刑法の刑を加重する(法律1条関係(2条関係の説明は省略します)などした法律です。
大正15年4月に制定されたふる~い法律で、第一次世界大戦後の社会的、経済的不満がまん延する大正末期に続発した集団的・常習的な暴力行為、面会強請、強談威迫などに対処するために制定されたと言われています。

~ 法律が適用される例 ~

2014年12月、神奈川県横浜市鶴見区の鶴見川河川敷で、少年3人が被害者(当時17歳)に殴るなどの暴行を加えた上、川で溺死させた事件ではこの法律が適用されています(加えて保護責任者遺棄致死罪も適用。少年3名はのちに少年院送致の保護処分を受けています)。

法律1条では、

多衆の威力を示して刑法208条の罪を犯した場合

は処罰する旨規定されています。「多衆」とは、多数自然人の単純な集合を意味し、何人以上なら「多衆」と決まっているわけではありません。具体的事案に応じて集合時間・場所、集合者各人の年齢・性別など各種事情を総合して判断されます。

法律1条に規定された刑法上の罪は暴行罪、脅迫罪、器物損壊罪で、それぞれの罪を犯した場合に、

加重●●罪

と言われます。罰則は、

3年以下の懲役又は30万円以下の罰金

です。

~ 本件では? ~

本件でも法律1条が適用されます。法律1条では、上記のほかにも、

兇器を示して刑法222条の罪を犯した場合

を処罰する旨規定しています。「兇器」とは、人の生命・身体に害を加えるのに使用されるような器具をいいます。鉄棒、こん棒のように本来用途においては人を殺傷すべきものではないが、殺傷のために使えば使いえる器具(いわゆる「用法上の兇器」)も含むとされています。

~ 常習犯の場合はさらに重たい罪にも! ~

法律1条の3では、常習として傷害罪、暴行罪、脅迫罪、器物損壊罪を犯した者が人を傷害した場合としなかった場合とで罰則を分けています。
前者の場合は「1年以上15年以下の懲役」、後者の場合は「3月以上5年以下の懲役」です。
いずれにしても罰金刑がありませんから、法律1条よりかは刑が重たくなっていることが分かります。

~ 示談交渉は弁護士に依頼 ~

この種事件においても示談交渉が、今後の刑事処分や量刑を決める上で大切になってきます。お困りの方は弁護士へご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談初回接見サービスの予約受付を承っております。

痴漢で逮捕 早期釈放なら私選弁護士

2019-06-12

痴漢で逮捕 早期釈放なら私選弁護士

福岡県太宰府市に住む会社員のAさん(41歳)は,西鉄電車内で痴漢をしたとして,福岡県中央警察署の警察官に福岡県迷惑行為防止条例違反で現行犯逮捕されました。実は,Aさんは,以前から同じ電車内で痴漢を繰り返しており警察官から目をつけられていました。Aさんの妻は,警察官からAさんを逮捕した旨の連絡を受けました。そこで,Aさんの妻は,警察官にAさんと面会させて欲しいと言いましたが,「明後日にでも弁護士を付けられる」「それまで待ちなさい」などと言われ断られました。Aさんの妻は,どうしていいかわからず,刑事事件専門の法律事務所に電話したところ,現時点では,弁護士ならAさんと面会できることを教えてもらい,さっそく,弁護士にAさんとの接見を依頼しました。

~ 刑事事件の弁護人 ~

刑事事件の弁護人には、国選と私選の2種類があります。

= 国選弁護人(起訴前) =

起訴前の国選弁護人は、勾留状を発布された(勾留された)被疑者が貧困等の事由により弁護人を選任することができない場合において、被疑者の請求により、国によって選任された弁護士のことをいいます。
国選弁護人は逮捕後すぐには選任されず、勾留状が発布されてからでなければ選任されません。
つまり逮捕されてすぐは、国選弁護人に弁護活動を依頼することはできないのです。

* 逮捕から勾留決定まで *

逮捕から勾留決定まではどのくらいの日数を要するのでしょうか?
法律上は、司法警察員(警察官など)は、身柄拘束を継続する必要があると認めるときは、逮捕後「48時間以内」に検察官の元へ事件を送致する手続を取らなければならないとされています。また、検察官も、身柄拘束を継続する必要があると認めるときは、被疑者を受け取ったときから「24時間以内」に勾留請求の手続を取らなければならないとされています。勾留請求から勾留決定が出るまでは半日から1日を要しますから、逮捕から勾留決定までは「3日から4日」は要することになります。

= 私選弁護人 =

私選弁護人は、被疑者その他弁護人選任権のある方から選任された弁護士のことをいいます。
国選弁護人と違い、どのタイミングでも選任することができ、逆にどのタイミングでも解任することができます。
逮捕前からでも選任することができますし、逆に起訴後に解任することもできます。

~ 痴漢事件で私選弁護人を選任するメリット ~

痴漢事件で私選弁護人を選任するメリットとしては以下の点が挙げられます。

= (早期の)示談交渉が可能となる =

まず、痴漢事件において示談交渉を始めようとしても、被害者はもちろん捜査機関も被害者の個人情状を教えてくれません。その点、弁護士であれば教えてくれる可能性が格段に上がります。また、私選の弁護人であれば、勾留前から示談交渉を始めることが可能です。

= 早期釈放が可能となる =

私選弁護人であれば、警察官、検察官、裁判官に意見書を提出するなどして釈放を働きかけることができます。上の示談交渉が進展していることを併せて主張すれば、釈放の可能性はさらに上がります。

= すぐに接見してくれる =

弁護活動は逮捕された方からお聴きした話の内容によって異なります。痴漢を否認するのであれば、示談交渉よりかはむしろ、逮捕された方への取調べ等へのアドバイス、客観的証拠の収集、現場での検証などが挙げられます。痴漢を認める場合は示談交渉が主となります。いずれにしても早めの接見が肝要です。

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チケット転売防止法が施行②

2019-06-11

チケット転売防止法が施行②

~ ケース1 ~

福岡市博多区に住むAさんは、スポーツ観戦チケットの不正転売を行ったとしてチケット転売防止法違反で博多警察署から呼び出しを受けてしまいました。今後のことが不安になったAさんは、刑事事件に詳しい弁護士に相談を申込みました。

~ ケース2 ~

福岡市中央区に住むAさんは、有名芸能人グループのコンサートチケットを不定転売する目的で、知人のBさんからコンサートチケットを譲り受けたとしてチケット転売防止法違反で福岡県中央警察署から呼び出しを受けてしまいました。

(いずれもフィクションです。)

~ はじめに ~

前回は、チケット転売防止法(正式名称:特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律(以下、法律といいます))の目的、特定興行入場券の内容等、法律の概要についてご説明いたしました。今回は、法律で禁止される

・不正転売
・不正転売目的の譲り受け

についてご説明した上で、

・転売目的でのネット上のチケット購入に対する罪

についても簡単にご説明したいと思います。

~ 不正転売の禁止(法律3条) ~

法律3条には

何人も、特定興行入場券の不正転売をしてはならない

と規定されており、これに違反した場合は、

1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又は併科する

とされています(併科とは、懲役刑と罰金刑を同時に処せられる、という意味です)。

ここで、「特定興行入場券の不正転売」とは、法律2条4項で、

「興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするものという」

とされています。特定興行入場券については前回説明しております。

* 業として行う *

「業として」とは、反復継続する意思をもって、という意味です。

・購入した後すぐに転売している
・転売で得た収益が大きい
・過去に多数回の取引がある
・販売額が定価をはるかに上回っている

などという事実が認められる場合は、

検挙された事実が、たまたま一回の取引であっても、「業として行う」に当たる

可能性があります。では、

コンサートのチケットを入手したものの、急用が入って行けなくなったことから転売した

という場合はどうでしょうか?この場合は、それが真実で、上に挙げた事実が認められない場合は「業として行う」には当たらないと考えます。
いずれにせよ、法律ができたことでチケットの転売はしずらくなってきた、ということは間違いありません。不安な方は、一度、弁護士へ相談されることをお勧めいたします。

~ 不正転売目的の譲り受け(法律4条) ~

法律4条には

何人も、特定興行入場券の不正転売を目的として、特定興行入場券を譲り受けてはならない

とされており、罰則は法律3条と同様

1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又は併科

です。不正転売ではなく、その前段階の、譲り受け行為を規制するものです。

~ 転売目的でチケットを購入したら? ~

転売目的でチケットを購入したら、法律ではなく刑法246条の2の

電子計算機使用詐欺罪

に問われる可能性があります。同罪は詐欺罪の補充規定で、法定刑は詐欺罪と同様

10年以下の懲役

です。転売目的でチケットを購入し、それを転売すれば、

電子計算機使用詐欺罪と特定興行入場券の不正転売罪の両罪が成立する

と考えられます。

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チケット転売防止法が施行①

2019-06-10

チケット転売防止法が施行①

~ ケース1 ~

福岡市博多区に住むAさんは、スポーツ観戦チケットの不正転売を行ったとしてチケット転売防止法違反で博多警察署から呼び出しを受けてしまいました。今後のことが不安になったAさんは、刑事事件に詳しい弁護士に相談を申込みました。

~ ケース2 ~

福岡市中央区に住むAさんは、有名芸能人グループのコンサートチケットを不定転売する目的で、知人のBさんからコンサートチケットを譲り受けたとしてチケット転売防止法違反で福岡県中央警察署から呼び出しを受けてしまいました。

(いずれもフィクションです。)

~ チケット転売防止法とは ~

チケット転売防止法とは、正式名称

特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律(以下、法律といいます)

といい、平成30年12月14日に公布され、

令和元年6月14日から施行

されます。法律では、

・不正転売の禁止
・不正転売目的の譲受けの禁止
・興行入場券の適正な流通の確保に関する措置

について規定され、上記2つの行為に対しては

1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又は併科

の罰則が規定されています。

~ 法律の目的 ~

法律1条には法律の目的について次のように書かれてあります。

「特定興行入場券の不正転売を禁止するとともに、その防止等に関する措置等を定めることにより、興行入場券の適正な流通を確保し、もって興行の振興を通じた文化及びスポーツ振興並びに国民の消費生活の安定に寄与するとともに、心豊かな国民生活の実現に資することを目的とする。」

近年、人気のコンサートや舞台・スポーツのチケットが一般購入者の手には入らず、発売と同時に買い占められて転売サイトやSNS上で大量転売される事態が相次いでいます。こうした事態が生じると、チケットを購入したい人にチケットが回らず、コンサートやスポーツなどの入場客数に影響を与え、ひいては文化やスポーツの発展に重大な影響を与えかねません。そこで制定されたのが法律(チケット転売防止法)だ、というわけです。

~ 特定興行入場券とは ~

法律上、チケットは「特定興行入場券」と呼ばれています。「特定興行入場券」は、

・興行入場券(それを提示することにより興行を行う場所に入場することができる証票)であること(法律2条2項)
・不特定又は多数の者に販売されること
・興行主等が、販売時に、興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨を明示し、かつ、その旨を当該入場券の券面等に表示していること
・興行が行われる特定の日時及び場所並びに入場資格者又は座席が指定されていること
・興行主等が、販売時に、入場資格者又は購入者の氏名及び連絡先を確認する措置を講じ、かつ、その旨を当該入場券の券面等に表示していること

の5つの要件を満たしたものをいいます(法律2条3項)。

* 興行とは *

これまで「興行(こうぎょう)」という言葉が頻発していますが、「興行」については法律2条1項で

「映画、演劇、演芸、音楽、舞踊その他の芸術及び芸能又はスポーツを不特定又は多数の者に見せ、又は聴かせること(日本国内において行われるものに限る。)をいう」

と定義されています。

* 興行主等とは *

興行主(興行の主催者)又は興行主の同意を得て興行入場券の販売を業として行う者をいいます(法律2条3項1号)。

~ おわりに ~

今回は、法律の概要についてご説明いたしました。次回は、法律で禁止される行為の内容などについてご説明いたします。

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