空き地での運転も交通違反?

2019-04-18

空き地での運転も交通違反?

福岡県大野城市に住むAさんはお酒を飲んだ後,駐車スペースを空けるため,空き地において軽自動車を運転したところ,たまたま近くを通りかかったパトカーに呼び止められました。Aさんは,警察官から呼気検査を受けたところ,呼気1リットルにつき0.2mgのアルコールが検出されました。そして,Aさんは,道路交通法違反(酒気帯び運転の罪)の被疑者として警察官から赤切符の交付を受けました。Aさんとしては,「空き地であれば酒気帯び運転しても問題ない」と考えていましたが,警察官からは「私道でも交通違反になることがある」と言われてしまいました。
(フィクションです)

~ はじめに ~

この記事をお読みの方の中には,Aさんと同じく「私道であれば交通違反(酒気帯び運転など)をしても問題はない(罪には問われない)」などと考えておられる方も多いのではないでしょうか?しかし,実際には,「私道」,「市道」,「国道」であるのかの区別は問題ではなく,当該運転していた場所が「道路」であるかどうかが極めて重要です。そこで,まずは,
・道路交通法上で処罰される場合の基本原則
を解説した上で,
・「道路」の意義
についても解説していきたいと思います。

~ 道路交通法上で処罰される場合の基本原則 ~

まず,酒気帯び運転の罪について定めた道路交通法(以下,法)65条1項は

 何人も,酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

と規定しています。そして,法2条1項17号で「運転」の意義について

 「道路」において,車両又は路面電車(以下,車両等という)をその本来の用い方に従って用いることをいう。

としています。つまり,道路交通法上で処罰される場合の基本原則は

 「道路」において車両等を運転すること

だということがいえます。

~ 法上の「道路」の意義 ~

では,法では「道路」についていかに定義しているのでしょうか?
この点,法2条1項1号では,

道路法第2条第1項に規定する道路,道路運送法第2条第8項に規定する自動車道及び一般交通の用に供するその他の場所をいう

とされています。

* 道路法第2条第1項に規定する道路 *

・高速自動車国道,・一般国道,・都道府県道,・市町村道をいいます。なお,都市高速道路は,都道府県道又は市町村道のいずれかに当たります。

* 道路運送法第2条第8項に規定する自動車道 *

専ら自動車の交通の用に供することを目的として設けられた道で道路法による道路以外のものをいいます。「一般自動車道」とは,専用自動車道以外の自動車道をいい,「専用自動車道」とは,自動車運送事業者(自動車運送事業を経営 する者をいう。以下同じ。)が専らその事業用自動車(自動車運送事業者がその自動車運送事業の用に供する自動車をいう。以下同じ。)の交通の用に供することを目的として設けた道をいいます。なお,現在(4月12日時点),九州で唯一の「一般自動車道」である「久住高原ロードパーク」は,熊本地震の影響により休業中とのことです。

~ 一般交通の用に供するその他の場所とは ~

Aさんが運転した道路は,道路法第2条第1項に規定する道路でもなければ,道路運送法第2条第8項に規定する自動車道でもないことは明らかでしょう。そこで,最後に,「一般交通の用に供するその他の場所」の意義が問題となるところ,実務では,次の3要件を満たす必要があるとされています。

・一般交通の用に供されていると客観的に識別できること
・当該道路が反復,継続して利用されていること
・公開されていること

したがって,上の要件を満たせば,「私道」,「空き地」,「広場」,「学校の構内の道路」などであっても「道路」に当たります。したがって,これらの場所であっても,交通違反を犯せば処罰の対象となります。

~ おわりに ~

法は,「道路」における危険を防止し,その他交通の安全と円滑を図り,及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的としています。したがって,法を理解することは「道路」意義を理解するといっていいほど「道路」の意義は重要です。皆さんも,日頃運転している道が「道路」なのか否か少し気に留めてみてはいかがでしょうか?

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,交通違反をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。交通違反でお困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

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