告訴されるか不安

告訴されるか不安

福岡県志免町に住む会社役員のAさん(54歳)は、日頃から部下であるVさん(28歳)に好意を寄せていました。そして、ある日、Aさんは会社の給湯室で部下のVさんと二人きりになったところ、いきなりVさんにキスをしたり、Vさんの胸を触るなどしました。その後、Aさんは何事もなかったかのように出勤を続けていましたが、Vさんは体調不良を理由に会社を休んでいます。Aさんは、警察に刑事告訴されないか不安でいます。そこで、Aさんは弁護士に無料法律相談を申込みました。

~ はじめに ~

ある犯罪を犯したと疑われてる人、すなわち告訴される側の人からすれば、

・いつ告訴されるのだろう
告訴されたらどうなるのだろう
告訴を阻止する、告訴を取消してもらうにはどうすればいいのだろう

などというお悩みをお持ちではないでしょうか?そこで、今回は、ある犯罪を犯したと疑われている人(被疑者・被告人)のためにも「告訴」について解説したいと思います。

~ 告訴とは ~

告訴とは,犯罪の被害者その他法律上告訴権を有する者が,捜査機関(検察官,司法警察員)に対し,犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示をいいます。

* 被害届との違い *

被害届は被害があった旨の申告であるのに対し,告訴はそれに加えて処罰を求める意思表示が必要な点で異なります。
また,告訴は,告訴できる方(告訴権者)が刑事訴訟法で決められているのに対し,被害届に関してはそのような決まりはありません。さらに,告訴は,「犯人を知った日から6か月を経過したとき」はすることができませんが,被害届にはそのような決まりはありません(時効が完成するまで提出することができます)。

= 告訴できる人は? =

犯罪により害を被った者(いわゆる被害者)(刑事訴訟法230条)、被害者の法定代理人が基本です。被害者の法定代理人は、独立して告訴をすることができます(刑事訴訟法231条1項)。「独立して」とは、被害者本人に告訴の意思があるかどうかに関係なく、被害者の告訴権が消滅しても独立の立場で告訴ができるという意味です。

* 法定代理人 *

法定代理人とは、法律により代理権を有することを定められた者のことをいいます。例として、親権者(本人が未成年の場合)、未成年後見人(本人が未成年で、後見人となるべき者がいない場合)、成年後見人(本人が成年後見開始の審判を受けた場合)などがあります。

= 告訴の方法は? =

告訴は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員(警察官の階級で「巡査部長」以上の者)に対してしなければなりません。裁判官、検察事務官、巡査の警察官(一部を除く)、被疑者・加害者に対する告訴は有効ではありません。

= 告訴できる期間は? =

親告罪については告訴期間が定められています。「犯人を知ったとき」から6か月間です。

* 親告罪とは *

親告罪とは、検察官が公訴を提起する(起訴する)際、告訴を必要とする犯罪のことをいいます。非親告罪であれば、告訴は不要ですし、告訴期間の定めはありませんから、いつでも告訴されることになります。ただし、非親告罪の場合、法的には告訴の意味は少ないと思われますから、実際は「被害届」を提出されることが多いかと思います。

* 親告罪である犯罪の例 *

名誉毀損罪、侮辱罪、未成年者略取誘拐罪、過失傷害罪、親族間の窃盗罪などがあります。
Aさんの行為は「強制わいせつ罪」に当たる可能性があります。強制わいせつ罪は、かつては親告罪でしたが、現在は非親告罪です。

~ 被害届、告訴の提出を阻止するには? ~

まずは、真摯に謝罪した上で、被害者の方と示談することが最優先です。示談書には「被害届・告訴を提出しない」旨の条項を入れることが必要となるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件、少年事件を専門とする法律事務所です。刑事事件、少年事件でお困りの方は、まずは、お気軽に0120-631-881までお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

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