自撮り画像等要求で初の書類送検

自撮り画像等要求で初の書類送検

自撮り画像等要求で問われる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

千葉市内に住む会社員の男性(51歳)は、無料通話アプリで「パパ活」を募集していた福岡県志免町に住むVさん(15歳)と連絡先を交換し、LINEでVさん宛てに「こちらは、関西だから会うというよりは振り込みとかの支援を考えています」「そちらの写メ売ってもらう感じです」「胸のアップを送って」などというメールを送りました。すると、VさんがAさんに写メを送る前に福岡県粕屋警察署の警察官によるサイバーパトロールにより補導されたことから、AさんはVさんから写メを受信することができませんでしたが、粕屋警察署から福岡県青少年健全育成条例違反で出頭するよう呼び出しを受け、その後、福岡地方検察庁書類送検されてしまいました。

(実際にあった例をもとに作成しています)

~ はじめに ~

上記事例は、先日、7月22日に新聞等で報じられたニュースを基に作成しております。
このコラムでも以前、ご紹介いたしましたが、福岡県では、自撮り画像等(児童ポルノ等)の提供を求める行為を禁止する福岡県青少年健全育成条例(以下、条例)の改正案が議会で可決され、

平成31年2月1日から施行

されていますから注意が必要です。そして、報じられたニュースの事実で初めて条例が適用されています。どんな規定、罰則なのか改めて確認したいと思います。

~ 自撮り画像等の提供を求める行為の禁止の規定、罰則 ~

条例31条の2では「何人も、青少年(18歳未満の者)に対し、次に掲げる行為をしてはならない。」とし、各号に次の規定を設けています。

1号 青少年に拒まれたにもかかわらず、当該青少年に係る児童ポルノ等(略)の提供を行うように求めること
2号 青少年を威迫し、欺き、若しくは困惑させ、又は青少年に対し対償を供与し、若しくはその供与の約束をする方法により、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を行うよ  うに求めること

また、罰則については、条例38条4項で

30万円以下の罰金又は科料

とされています。

本件では条例31条の2第1号が適用される、と考えられることから、以下1号につきご説明いたします。

~ 「拒まれた」こと、が必要~

「拒まれたにもかかわらず」とは、

青少年に対して当該青少年に係る自撮り画像等の提供を行うように求めた者(Aさん)が、当該青少年による拒否の意思が示され、それを認識しているにもかかわらず

という意味です。明示的に拒否されていなくていなくても、やり取りの中で青少年が拒否の態度を示しているような事情が認められ、かつ、これを認識していた場合はやはり「拒まれたにもかかわらず」に当たります。

~ 「提供を行うように求めること」とは ~

「提供」とは自撮り画像等を自己又は第三者の支配下に置くことをいいますまから、「提供を行うように求めること」とは、

自撮り画像等を自己又は第三者の支配下に置くよう青少年に求めること

という意味です。
具体的には、有体物である写真、DVDを送るよう求めること、電磁的記録である写真画像をメールで送るよう求めること、などがこれに当たります。
要求しただけで処罰される可能性があります。実際に自撮り画像等を取得できたか否かは無関係です。

~ 条例は県外者にも適用されるの? ~

ところで、自撮り画像等を送るよう要求した男性は千葉県在住です。ところが、千葉県では福岡県のように自撮り画像要求行為を禁止する旨の規定を条例に設けていません
。そこで、このような男性に対し、福岡県の条例を適用し処罰できるのか、という問題は残ります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,自撮り画像等の児童ポルノ事案,援交事案をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。自撮り画像や児童ポルノでお困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談初回接見サービスを24時間受け付けております。

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