【交通違反】ながら運転①~スマフォ編

【交通違反】ながら運転①~スマフォ編

ながら運転ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県新宮町に住むAさんは、スマートフォンを通話のために使用しながら軽自動車を運転する、いわゆる「ながら運転」をしていたところ、前方に取締りのため立っていた福岡県粕屋警察署の警察官に車を左の空地に停めるよう誘導されました。Aさんは誘導どおりに空地に軽自動車を停め警察官の問いかけに応じたところ、警察官から「ながら運転していましたね。」などと言われ青切符を切られてしまいまし
(フィクションです。)

~ 令和元年12月1日からながら運転の罰則などが強化 ~

改正後の罰則についてですが、以下のとおり

① 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金(道路交通法117条の4第1号の2)

の場合と

② 6月以下の懲役又は10万円以下の罰金(道路交通法118条3号の2)

の2つがあります。

●参考条文

道路交通法117条の4 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
1 (略)
1の2 第71条(運転者の遵守事項)第5号の5の規定に違反し、よって道路における交通の危険を生じさせた者
2 (略)

第118条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
1~3 (略) 第二十二条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者
3の2 第71条(運転者の遵守事項)第5号の5の規定に違反して無線通話装置を通話のために使用し、又は自動車若しくは原動機付自転車に持ち込まれた画像表示   用装置を手で保持してこれに表示された画像を注視した者(第117条の4第1号の2に該当する者を除く。)
4~8 (略) 

「道路交通法117条の4第1号の2違反」のながら運転は①の罰則が適用され、「道路交通法118条3号の2違反」違反のながら運転は②の罰則が適用されます。
いかなる違反で検挙されたかは、交付を受けた切符を見れば分かります。

なお、①違反は反則行為から除外され、直ちに刑事手続が適用される(つまり赤切符を切られる)ことにも注意が必要です。
②違反はこれまでと変わらず反則行為です(つまり、青切符を切られる)。したがって、直ちに刑事手続に移行して罰則を科されることは通常ありませんが、反則金は改正されて高くなっています。
Aさんは青切符を切られていますから、②違反で検挙されたようです。

●②違反の反則金

②違反の反則金は以下のとおりです。

大型車:2万5000円
普通車:1万8000円
二輪車:1万5000円
原付車:1万2000円

~ ながら運転とは? ~

ところで、上の罰則をみると①違反の場合も、②違反の場合も「(道路交通法)第71条第5号の5の規定に違反し」とされています。
そこで、この「道路交通法71条5の5」の規定を確認する必要があります。

道路交通法71条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
1~5の4 (略)
5号の5
 自動車又は原動機付自転車(自動車等)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。118条第3の2において「無線通話装置」という。)を通話(略)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(略)に表示された画像を注視しないこと。
6 (略)

「ガラケー」は「携帯電話用装置」がこれに当たります。
「スマフォ」は「無線通話装置」に当たります。
「カーナビ」は「画像表示用装置」に当たります。「ガラケー」、「スマフォ」の画面も「画像表示用装置」に当たります。

そして、これらのものを運転中に

ア 通話のために使用すること
イ 画像を注視すること

が「ながら運転」ということになります。

なお、アの「使用」は「通話のため」に使用することですから、

・着信音に気づいて携帯電話を手に持つ
・手に持ったまま発信して相手の着信を待つ

など、実際に通話する前の状態でも「使用」に当たります。

また、イ「注視」とは画像を見続けることをいいます。
ネットなどではよく「2秒以上は注視」などという情報が掲載されているのを見かけますが、これは何の基準にもなりません。
つまり、2秒未満であっても画像を見続ければ注視は注視です(そもそも取締りを行う警察官はいちいち秒数を計ってはいません)。

~ まとめ(スマフォ編) ~

以上をまとめると、

・スマフォを通話のために使用した、あるいはスマフォの画像を注視し(スマフォを手に保持していたかどうかを問わない)、かつ、道路における交通の危険を生じさせた場合のながら運転は①違反
・道路における交通の危険を生じさせなくても、スマフォを通話のために使用し、あるいはスマフォを手に保持してスマフォの画像を注視した場合のながら運転は②違反

となります。

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