【強盗】モデルガンを突き付けて強盗?~福岡市城南区

2020-01-14

【強盗】モデルガンを突き付けて強盗?~福岡市城南区

モデルガンの突き付けと強盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡市城南区に住むAさんは、同区内のコンビニエンスストアにおいて、レジを担当していた店員Vさんに対してモデルガンを突き付けて「金を出せ」と言って現金10万円を奪った疑いで、福岡県早良警察署の警察官により強盗罪で緊急逮捕されました。「Aさんと似た人物がいる」とのVさんの通報により駆け付けた早良警察署の警察官が現場に駆け付けたところ、日頃から把握していたAさんの特徴と似た人物がいたため職務質問を始めたところ、Aさんが犯行を認めたことから逮捕に至ったようです。Aさんの逮捕を知った家族は、弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(事実を基にしたフィションです。)

~ 強盗罪 ~

上記事例は、今年9月、男性が、東京都杉並区内のコンビニエンスストアで、コンビニで店員に対しモデルガンを突き付けて脅し現金9万8000円を奪った疑いで警視庁捜査1課は強盗罪で逮捕された、という報道を基に作成しました。男性は、アニメの「ルパン三世」が好きと話しているとのことで、逮捕時には、主人公が使う「ワルサーP38」というモデルガンを所持していたとのことです。

では、この強盗罪とはどんな罪なのでしょうか?

強盗罪は刑法236条に規定されています。

刑法236条
1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、前項と同様とする。

一般に、「暴行」とは人の身体に対する有形力の行使、「脅迫」とは人に畏怖させるに足りる害悪の告知のことをいいますが、強盗罪の「暴行」「脅迫」の程度は、

相手方の反抗を抑圧する程度

に強いものでなければならないとされています。

AさんはVさんに対してモデルガンを突き付けて「金を出せ」と言っています。
このような行為は、「金を出さなければ撃って殺すぞ」ということを暗示的に示す態度であると考えられます。
しかし、AさんがVさんに突き付けたのは「本物銃」ではなく、「偽物」の銃であるモデルガンです。
モデルガンは、客観的には、人を殺傷しうる程度の効力を有するものではありません。
そこで、Aさんのかかる行為が強盗罪の「脅迫」に当たるかどうかが問題となります。

この点、裁判所は、相手方の反抗を抑圧する程度の「脅迫」であるかどうかは、

・犯行の時刻・場所その他周囲の状況
・凶器使用の有無
・凶器の形状性質
・凶器の用い方など犯行の手段方法
・犯人、相手方の性別、年齢、体力

などを総合的に考慮し、

社会通念に従って相手方の反抗を抑圧する程度のものであるかどうか

を判断するとしています。

そうすると、一見明らかに偽物と分かるようなモデルガンは別として、巧妙に作られたモデルガンであれば、それを突き付けられた人は「本物の銃だ」と認識し、したがって「怖い」「殺される」と思うはずですから、そのようなモデルガンを人に突き付ける行為は「社会通念上、反抗を抑圧する程度のもの」ということができるでしょう。

なお、仮に、Aさんが犯行時に「ワルサーP38」を突き付けていれば強盗罪の「脅迫」に当たる可能性は高いと思われます。

最後に、強盗罪は未遂規定も設けられています(刑法243条、43条)。
未遂は犯行(罪)の「実行に着手」したものの、犯行を実現できなかった場合に成立するものです。
この点、強盗罪の「実行の着手」は「暴行、脅迫」が開始された時点です。
したがって、強盗罪の暴行、脅迫を開始したものの、物を強取できなかった場合に強盗未遂罪が成立します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが、24時間体制で、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。

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