Archive for the ‘性犯罪’ Category
少年事件での不処分
少年事件での不処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
~事例~
高校1年生のAくんは、福岡県大牟田市にある商業施設内の女性トイレに盗撮目的で侵入しました。
しかし、誰もトイレに入ってこなかったことからトイレから出ようとした際に、入ってきた女性と鉢合わせとなり、Aくんは慌てて走り去ろうとしました。
しかし、女性の叫び声を聞きつけた清掃員が、Aくんを取り押さえました。
その後、Aくんは福岡県大牟田警察署で取調べを受けた後、Aくんの母親が迎えに来て釈放されました。
今後も建造物侵入の容疑で何度か警察署での取調べが続くようですが、どのような処分となるのかAくんもAくんの両親も心配です。
(フィクションです。)
不処分について
家庭裁判所が、審判を経て少年に言い渡す終局決定には、次の5種類あります。
①審判不開始
②不処分
③保護処分
④検察官送致
⑤都道府県知事または児童相談所長送致
今回は、②不処分について説明します。
家庭裁判所は、審判の結果、保護処分に付することができず、または、保護処分に付する必要がないと認めるときは、その旨の決定をしなければなりません。
この決定を、「不処分決定」といいます。
このように、不処分決定には、
(1)家庭裁判所が保護処分に付することができないと認めた場合、になされるものと、
(2)家庭裁判所が保護処分に付する必要がないと認めた場合、になされるもの
の2種類があります。
(1)保護処分に付することができない場合の不処分決定
法律上または事実上、保護処分に付することができない場合には、裁判所は不処分決定としなければなりません。
具体的には、非行事実の存在が認められない場合、少年に心神喪失、死亡、所在不明、疾病、海外居住等の事情が生じた場合、そして審判条件を欠く場合などです。
(2)保護処分に付する必要がない場合の不処分決定
事件について、要保護性が存在しない、または小さくなっていることから、保護処分に付する必要がなく、児童福祉法上の措置や刑事処分の必要もない場合には、家庭裁判所は不処分決定とします。
例えば、調査・審判の過程で、関係者による働きかけが行われた結果、要保護性が解消され、再非行の危険性がなくなった場合には、不処分決定がなされます。
また、別件で関係者による働きかけが行われていたり、保護処分に付されているために本件では特に処分をする必要がないと認められる場合もあります。
非行事実に争いのない場合、関係者による働きかけが講じられた結果、要保護性が解消したため保護処分に付する必要がないとして、不処分決定がなされることが多いです。
この働きかけは、家庭裁判所の調査官や裁判官による指示、説諭、訓戒、誓約書徴取だけでなく、審判手続を経ること自体や観護措置による少年鑑別所での処遇も含まれます。
そして、付添人による少年に対する働きかけも重要です。
付添人は、少年の内省への働きかけ、被害者への謝罪・被害弁償、家庭環境や学校環境、交友関係等の環境調整を行い、少年の要保護性を解消することにより、保護処分に付する必要性がないと裁判官に認めてもらうよう働きかけます。
上のケースにおいても、捜査段階からしっかりと環境調整をしていくことで、審判では要保護性が解消されたと認められ、不処分決定が言い渡される可能性はありますので、できるだけ早くから働きかけることが大切です。
このような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。
少年事件は、成人の刑事事件とは異なる部分も多いため、少年事件の特色について把握している経験豊富な弁護士であれば、迅速かつ適切な活動を期待できるからです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こしてしまい、対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
リベンジポルノ事件で不起訴
リベンジポルノ事件で不起訴処分を目指す活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
~事例~
福岡県朝倉警察署は、Vさんから自分の裸の写真をTwitterに投稿されたとの相談を受けました。
同署は、Vさんの元交際相手であるAさんをリベンジポルノ防止法違反事件の被疑者として取調べに応じるよう要請しました。
Aさんは、警察からの要請に応じ、取調べを受けるために出頭しましたが、あと何回か取調べをすると言われています。
今後のことが気になったAさんは、刑事事件専門の弁護士に相談したところ、不起訴となるためにはVさんとの間で示談を成立させることが重要だと言われ、弁護士に示談交渉を依頼することにしました。
(フィクションです。)
リベンジポルノ防止法
「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」(以下、「リベンジポルノ防止法」といいます。)は、元交際相手や元配偶者の性的な画像等を、その撮影対象者の許可なく、インターネットの掲示板等に公表する行為により、被害者が大きな精神的苦痛を受ける被害が発生していることから、個人の名誉および私生活の平穏の侵害による被害の発生やその拡大防止を目的として、平成26年に制定されました。
リベンジポルノ防止法は、私事性的画像記録の提供等により私生活の平穏を侵害する行為を処罰することを定めています。
リベンジポルノ防止法における規制の対象となる「私事性的画像記録」とは、
①性交又は性交類行為に係る人の姿態(性交、手淫、口淫行為など)
②他人が人の性器等を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させるもの(性器、肛門、乳首などを触る行為)
③衣類の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位が露出され又は強調されるものであり、かつ性欲を興奮させ又は刺激するもの(全裸又は半裸の状態で煽情的なポーズをとらせているものなど)、
であり、その人の姿態が撮影された画像に係る電磁的記録その他の記録のことを言います。
①~③のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像を記録した写真、CD-ROM、USBメモリなどの有体物を「私事性的画像記録物」といいます。
第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定又は多数の者に提供した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処さられる可能性があります。
「特定することができる方法」というのは、撮影対象者の顔や背景に写っている物など、公表された画像自体から撮影対象者を特定することができる場合や、画像公表の際に添えられた文言や掲載された場所など、画像以外の部分から撮影対象者を特定することができる場合を指します。
また、「提供」とは、相手方において利用することができる状態に置く行為をいいます。
これは、相手方が実際に受領することまでを必要とするものではありません。
インターネットの掲示板に撮影対象者を特定できるような形で私事性的画像を投稿し、誰でも閲覧可能な状態にすれば「提供」に当たります。
リベンジポルノ防止法違反で不起訴となるために
私事性的画像記録提供等は、親告罪です。
親告罪というのは、被害者などの告訴権者からの告訴がなければ警察官は公訴を提起することができない犯罪のことです。
そのため、リベンジポルノ防止法違反事件で不起訴を獲得するには、被害者と示談を成立させることが必要となります。
被害者との示談交渉を加害者やその家族が直接行うことはお勧めしません。
性的な画像を公表された被害者は、加害者に対して激しい嫌悪感や恐怖心を抱いていることが多く、加害者側から連絡をとろうとしても受けてくれなかったり、受けてくれたとしても感情的になり交渉が円滑に進まないことが多々あります。
また、加害者側が被害者に連絡をとろうとすることで、加害者側が被害者に被害供述や告訴の取下げを無理やりしようとしているのではないかと、捜査機関に罪証隠滅を疑われることがあります。
そのため、当事者間での交渉を避け、弁護士を介して行うのが一般的です。
弁護士は、早期に示談交渉に着手し、告訴の取下げを目指し、不起訴処分など有利な結果になるよう活動します。
被害者との示談交渉は、刑事事件に精通する交渉にも長けた弁護士にお任せください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に取り扱う法律事務所です。
リベンジポルノ防止法違反事件でお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
公然わいせつ罪は後から発覚する?
公然わいせつ罪が後から発覚するかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
Aさんは、深夜、店員以外誰もいない福岡市東区内のコンビニエンスストア内に入り、店内で陰部を露出した状態で歩いていた公然わいせつ罪で、福岡県東警察署から呼び出しを受けました。警察に発覚することはないだろうと思っていたAさんは驚き、公然わいせつ罪に強い弁護士に無料相談を申込みました。
(事実に基づき作成したフィクションです。)
~公然わいせつ罪~
公然わいせつ罪は刑法174条に規定されています。
刑法174条
公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
つまり、規定から、公然わいせつ罪とは、「公然」と「わいせつな行為」をした場合に成立し、裁判で有罪と認められれば、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料を科せられる犯罪だということが分かります。以下、「公然」と「わいせつな行為」について詳しく解説いたします。
「公然」とは、不特定又は多数の者が認識することができる状態をいいます。現実に不特定又は多数の者に認識される必要はなく、その可能性があれば足りるとされています。
公園や路上などの人前での行為が典型だと思いますが、インターネットの世界は不特定又は多数の者が利用することが可能ですから、インターネット上の行為も「公然」に当たります。
「わいせつな行為」とは、行為者又はその他の者の性欲を刺激興奮又は満足させる行為であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するものをいうとされています。裸、性器等の露出はその典型といっていいでしょう。
~ 公然わいせつ罪が後から発覚? ~
公然わいせつ罪といえば、目撃者の現認から現行犯逮捕というイメージを持たれる方も多いと思いますが、それだけではありません。本件のように公然わいせつ罪であっても後から発覚し、最悪の場合、逮捕につながるおそれも十分あり得ます。
では、なぜ、本件の公然わいせつ罪は発覚したのでしょうか?
一番考えられるのは、コンビニエンスストアに設置してある防犯ビデオ映像です。最近のコンビニエンスストアには、レジ上はもちろん、出入口、駐車場等様々な場所に防犯ビデオ映像が設置されてます。しかも、映像の鮮明度も格段に上がっていますから、防犯ビデオ映像にAさんとわかる顔が映っていた可能性があります。
ただ、警察は、防犯ビデオ映像に映っていたAさんの顔のみでは犯人=Aさんと断定はしません。駐車場に設置されてある防犯ビデオ映像に映ったAさんの車の車種やナンバーについて裏付け捜査を進めるとともに、Aさんが犯行時に着てたと思われる着衣についても裏付け捜査が進められます。つまり、警察官がAさん宅へ行き、場合によってはガサで(強制的に)、着衣を押収するのです。本件でも、車種、車のナンバー、着衣等から犯人=Aさんと特定された可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、公然わいせつ罪をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。公然わいせつ罪でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください、専門のスタッフが無料相談、初回接見サービスのご案内をさせていただきます。
監護者わいせつ罪
監護者わいせつ罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県柳川市に住む会社員のAさんは、妻、長女Vさん(12歳)、次女の4人家族です。Aさんは長女Vさんに対し、日頃から性的虐待を繰り返していたと認められたことから、Vさんは児童相談所に一時保護されました。そして、Aさんは、Vさんに対してわいせつ行為に及んだとして監護者わいせつ罪で福岡県柳川警察署に逮捕されてしまいました。Aさんの妻は、突然のことに驚き、Aさんとの接見を弁護士に依頼しました。
(フィクションです)
~監護者わいせつ罪~
監護者わいせつ罪は刑法179条に規定されています。
179条
1項 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条の例による。
「第176条の例による」との「第176条」とは「強制わいせつ罪」を指し、「例による」とは法定刑を強制わいせつ罪と同様
6月以上10年以下の懲役
とするという意味です。
「監護者」は法律上の監護権(民法820条)に基づかなくても、事実上現に18歳未満の者を監督し保護する者であれば「監護者」に当たります。反対に、法律上の監護権を有していても、実際に監護している実態がなければ現に監護する者に当たりません。現に監護している実態があるかどうかは、同居の有無や居住状況、指導や身の回りの世話などの生活状況、生活費の負担などの経済的状況、未成年者に対する諸手続の状況などを考慮して判断されます。
(例)
・同居して子供の寝食の世話をして指導・監督している親
・単身赴任して平日は子供との関わりは少ないが、配偶者を介したり電話やメールで指導等をしたり、休日に帰宅して指導等をしている親
・親の再婚相手で、養子縁組している者
・養子縁組していない者であっても、同居し子供の寝食の世話し指導・監督している者
「影響力」とは、監護者が被監護者の生活全般にわたり、衣食住などの経済的な観点や生活上の指導・監督などの精神的な観点から、現に被監督者を監督し、保護することによる生じる影響力とされています。「あることに乗じて」とは、当該影響力が一般的に存在し、当該行為時においてもその影響力を及ぼしている状態でわいせつ行為・性交等をすることをいいます。わいせつ行為をする場面で、特定の影響力が生じるための具体的な行為を行う必要はありません。影響力を及ぼしている状態でわいせつ行為を行ったことで「影響力があることに乗じて」に当たります。
「わいせつな行為」とは、判例によると、行為者又はその他の者の性欲を刺激興奮又は満足させる行為であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するものをいうとされています。
(例)
・乳房を触る、揉む、舐める
・性器を触る、舐める
・自己の陰茎を性器に押し当てる
~監護者わいせつ罪は非親告罪~
監護者わいせつ罪は、身内の犯罪であるが故に、
・許してくれるだろう
・告訴はされないだろう
と考えていると大きな間違いです。監護者わいせつ罪は非親告罪であり、被害者の告訴を必要としません(強制わいせつ罪も同様です)。つまり、
被害者(身内)の意思に関係なく起訴され処罰される可能性があるということだけはぜひ覚えていただきたいものです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、監護者わいせつ罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。お困りの方は、フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。
【痴漢】取調べで保障される権利
取調べで保障される権利について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
◇やっていないのに痴漢で逮捕◇
北九州市門司区に住むAさんは、通勤途中の満員電車内で、突然、Vさんから「この人痴漢です」と言われ腕を捕まれました。
Aさんは、痴漢をした覚えは一切ありませんでした。
しかし、AさんはVさんから協力を求められた周囲の男性数名に囲まれ、次の停車駅で降ろされ、数分後に駆け付けた福岡県門司警察署の警察官に事情を聴かれた後、福岡県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんは連行された警察署で警察官による弁解録取の手続きを受けました。
Aさんは、警察官に「痴漢行為はしていない。」「被害者の勘違い、見間違えだ。」などと主張しましたが聞き入れてもらえず、警察官から「否認すると身柄拘束が続くよ。」「被害者と示談した方が賢明だよ。」などと言われました。
(フィクションです。)
◇痴漢はどんな罪に当たるの?罰則は?◇
いわゆる痴漢と言われる行為は、福岡県迷惑行為防止条例(以下、条例)の「卑わいな行為の禁止」の罪に当たるかと思います。
条例では、「公共の場所」あるいは「公共の乗物」における「人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさえるような方法」による「他人の身体に触れ、又は衣服の上から触れる」行為を禁止しており、これが一般的にいわれる痴漢行為の規定です。
罰則は、通常痴漢の場合「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」、常習痴漢の場合は「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
また、痴漢態様によっては条例ではなく、刑法の強制わいせつ罪(刑法176条、6月以上10年以下の懲役)が適用されることもあります。
この場合、条例と異なり懲役刑しかないことに注意が必要です。
◇弁解録取◇
弁解録取とは、警察官や検察官が、被疑者から事件に関する弁解(話)を聴く手続きをいいます。
警察官、検察官は、弁解録取によって、引き続き被疑者の身柄を拘束する必要があるのかどうか判断します。
弁解録取は法的には「取調べ」ではありません。
しかし、弁解録取を受ける方にとっては取調べと変わりなく感じることでしょう。
また、弁解録取時に話した内容は、逮捕された方にとって有利、不利を問わずのちの証拠として使われる危険があります。
したがって、弁解録取時から、取調べのために認められた以下の法的権利は躊躇なく行使する必要があります。
~黙秘権~
取調官は、取調べを始めるにあたって、被疑者に対し、自己の意思に反して供述する必要がない旨を告げる必要があります。
あなたは、取調中は終始沈黙(黙秘)することができます。
~増減変更申立権~
供述調書が作成されると、取調官から内容に間違いがないかどうか問われます。
ここで自分の意図したこと(話したこと)と異なる内容が書かれてあった場合は、どんな些細なことでも構いませんので、遠慮なく、内容の変更、あるいは内容の増減を申し立ててください。
~署名押印拒否権~
供述調書の内容の確認が終わると、最後に、供述調書への署名・押印を求められます。
ここで、署名・押印してしまうと、その供述調書に書かれた内容=あなたが話した内容として裁判で証拠として扱われることになります。
取調官は、あなたに署名・押印させようと説得を試みますが、署名・押印の拒否は、あくまであなたの判断で行うことができます。
~出頭拒否権、退去権~
在宅事件の場合、被疑者は、捜査機関からの出頭要請を拒否することができます。
また、取調べ後は、いつでも取調べ室から退去することができます。
ただし、身柄を拘束されている場合、実務上、退去権は認められていません。
◇警察官の誘いに動じないように注意が必要◇
痴漢事件においては、被害者の話の内容、逮捕された方の話の内容が特に重要視されます。
しかし、取調べに当たる警察官は、特に本件のような場合、「被害者が勇気をもって申し出たのだから被害者の言っていることが本当だろう。」という考えを持つ傾向があります。また、自白はいまだに証拠価値が高い、と考えられる傾向にありますから、警察官はあの手この手を使ってあなたに罪を認めさせようとします。
警察署などの取調室内において、警察官から一方的に取調べを受ける場合、痴漢行為をしていないと主張し続けることは簡単ではありません。
また、本件の警察官が言うことも半分は真実で、そういわれた方にとっては、「そうであるならばいっそのこと認めてしまおう。」という気持ちになることも無理はありません。
しかし、いったん罪を認めてしまうと、あとでそのことを覆すことは大きな手間と時間がかかります。
本当に痴漢を行っていないならば、その主張、態度を貫くしかありません。
◇取調べに不安、不満のある方は弁護士に相談◇
弁護士であれば、取調べで自らの主張、態度を貫くあなたの味方となれます。
お困りの方は弁護士までご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、痴漢事件をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
ご家族、ご友人が痴漢事件で逮捕されお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までご連絡ください。
無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
青少年育成条例違反の弁護活動
青少年育成条例違反の弁護活動
青少年育成条例違反の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市東区に住む会社員のAさん(28歳)は,SNSで知り合ったVさん(16歳)が18歳未満であることは知っていました。ある日,Aさんは,Vさんをホテルに誘おうと思って,Vさんに電話し,Vさんの保護者の承諾を得ないまま,深夜Vさんを自宅から連れ出しました(①)。そして,AさんはVさんを福岡市東区内のホテルへ誘い,Vさんと性交しました(②)。ところが、AさんはVさんと一緒にホテルから出てきたところ、巡回中の私服警察官の職務質問を受け、上記①、②の事実が発覚してしまいました。Aさんは福岡県青少年健全育成条例違反の被疑者として取調べを受けることになりました。Aさんは取調べ後逮捕されることなく自宅に戻ることを許されましたが、今後のことが不安になって淫行などに詳しい弁護士に無料法律相談することにしました。
(フィクションです)
~ 福岡県青少年健全育成条例 ~
青少年健全育成条例は,名称こそ多少の違いはあるものの,全国各都道府県単位で制定されています。条例の目的は,青少年の健全な育成を阻害するおそれのある行為を防止して,青少年の健全な育成を図ることを目的としています(条例1条)。なお,ここで青少年とは,18歳未満の者(他の法令により成年者と同一の能力を有するとされる者を除く。)をいうとされています(条例2条1号)。
では,条例にはどんな罪が規定され,罰則はどうなっているのかご紹介いたします。
~ いん行の罪(行為②) ~
条例31条1項 何人も,青少年に対し,いん行又はわいせつな行為をしてはならない。
罰則は2年以下の懲役又は100万円以下の罰金です(条例38条1項1号)。
「いん行」とは,判例によれば「広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく,青少年を誘惑し,威迫し,欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか,青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性行為類似行為」とされています。
~ 深夜に外出させる行為の罪(行為①) ~
条例34条2項 何人も,保護者の指示を受け,又はその同意を得た場合その他正当な理由がある場合のほかは,深夜に青少年を連れ出し,同伴し,又はとどめてはならない。
罰則は30万円以下の罰金又は科料です(条例38条5項14号)。
青少年の同意があっても本罪は成立します。ただ,本罪が成立するには
・青少年に対して刑罰法令に触れる行為を行う目的があったこと
・刑罰法令に触れる行為が青少年に対して行われること若しくは刑罰法令に触れる行為を青少年が行うことを知っていたこと
・青少年の不良行為を誘発し,若しくは助長する態様であること
のいずれかであることが必要です。本件のAさんの場合,Vさんにいん行する目的でVさんを連れ出しているわけですから,「青少年に対して刑罰法令に触れる行為を行う目的があったこと」に当たるでしょう。
~ 青少年健全育成条例違反の弁護活動 ~
弁護活動の中心は示談交渉です。
示談交渉は加害者自ら行うことも可能ですが、本件のような場合、スマートフォンを警察に押収され、物理的に被害者と接触することはほぼ不可能でしょう。また、仮に物理的に可能であるとしても、加害者自ら被害者と接触することは避けましょう。下手に接触するとそのこと自体が逮捕のリスクを高めることになってしまいます。
したがって、示談交渉は弁護士に任せましょう。
弁護士であれば、被害者の連絡先などを把握している警察に「被害者と示談したい」旨を申し入れ、被害者から弁護士に教えてよい旨の確認が取れれば、警察を通じて被害者の連絡先などを取得することができます。こうしてまず示談交渉を始めることが可能となります。
また、弁護士であれば円滑に示談交渉を進めることが可能で、最終的に適切な内容・形式の示談所をまとめることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、淫行事件をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。淫行をはじめとする刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。
【盗撮】送検前に釈放?~
【盗撮】送検前に釈放?
盗撮の送検前の釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市西区に住む会社員のAさん(34歳)は、駅構内のエスカレーターで、前に座っていた女性のスカート内を盗撮したとして、福岡県迷惑行為防止条例違反で現行犯逮捕されました。そこで、逮捕の通知を受けたAさんの妻Bさんは、弁護士XにAさんとの接見を依頼しました。その後、弁護士Xから接見の報告を受けたBさんは、弁護士報酬が高いことに驚きその場で契約はしませんでした。ところが、Aさんは検察庁へ送検される前に釈放され、「在宅」被疑者として捜査を受けることになりました。AさんとBさんは話し合った結果、接見を依頼した弁護士に刑事弁護を依頼することに決めました。
(フィクションです。)
~盗撮~
盗撮については福岡県迷惑行為防止条例6条2項,3項に規定されています。
規定によると
①他人の身体又は着用している下着を写真機等(スマートフォンなどを含む)を用いて撮影する行為
②衣服等を透かして見ることができる機能を有する写真機等を用いて、衣服等で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着の映像を見、又は撮影する行為
③①・②号の行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向ける行為
④他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態を写真機等を用いて撮影する行為
⑤④の行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向ける行為
を「盗撮行為」として規制しています。
なお、「写真機等」にはスマートフォンのほか小型カメラなど写真、動画撮影機能がついている装置は含まれると考えてください。
また、「他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」とは、住居、便所、浴場、更衣室のほか風俗店の個室なども含まれます。
さらに、③、⑤からもお分かりいただけるように、「写真機等を設置し、又は他人の身体に向ける行為」だけでも処罰される可能性があります。つまり、映像に対象者の身体や下着が映っていなくても処罰される可能性があるということです。十分注意しましょう。
盗撮行為に対する罰則は
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
です。また、常習として盗撮行為を行った場合は、
2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
です。
~送検前に釈放~
警察に逮捕され、身柄拘束を継続する必要があると判断された場合、その後検察庁へ送致される(送検)手続きが取られます。
ところが、警察の判断でこの送検前に釈放されることもしばしばあります。
そもそも、
罪証隠滅のおそれ
逃亡のおそれ
がある認められる場合に身柄を拘束されるわけですから、反対にこれらの事情が認められない場合は身柄を拘束することはできず直ちに身柄を釈放しなければなりません。
現行犯逮捕の場合は、盗撮行為を見ず知らずの第三者に現認されていることが多いでしょうし、犯行に使用したスマートフォンなどは捜査機関に押収されるでしょう。したがって、被疑者が罪証隠滅行為を図る客観的可能性は低いと考えられます。
また、定職に就いている、適切な監督者がいる、ご家族と同居している、前科前歴がない(初犯である)、監護・介護を要する方がいるなどの事情が認められる場合には逃亡のおそれがないと判断されやすいでしょう。
~ 弁護士に接見を依頼しても弁護活動してくれない? ~
弁護士と身柄を拘束された方との初めての接見を「初回接見」といいます。
通常、初回接見という場合、弁護士が身柄を拘束された方と「接見」をすることを内容とするものであって、その後の弁護活動は含まれないことに注意が必要です。弊所の場合も同様です。
したがって、初回接見後に、弁護士に弁護活動を依頼する場合は、弁護士が所属する法律事務所(あるいは弁護士)との間で新たに委任契約を結ぶ必要があります。
今回、Bさんは初回接見後の弁護活動につき委任契約を結ばれていませんが、たまたま捜査機関の判断でAさんが釈放された、という結果となっているわけです。
~在宅では弁護士は選任されない~
仮に、今回、Aさんの身柄拘束が継続され、Aさんが勾留されたとしたら、Bさんがそれまでに私選の弁護人を選任しない限り、Aさんに国選弁護人が選任されていたはずです。
しかし、今回、Aさんは勾留前に釈放されていますから、Aさんに国選弁護人が選任されることはありません。
在宅事件でも身柄事件と同様に厳しい取調べを受けることが予想されます。また、ご自身で示談交渉しようとしても捜査機関は加害者に被害者の連絡先などを教えません。したがって、厳しい取調べに対応してほしい、被害者と示談交渉してほしい、などという場合は私選の弁護人を選任するしかありません。
お困りの際はお気軽にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、盗撮をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。盗撮でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談(ご案内はこちら→無料法律相談のご案内)、初回接見サービス(ご案内はこちら→初回接見サービスのご案内)を受け付けております。
児童買春と早期釈放
児童買春と早期釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
◇児童買春で逮捕~早期釈放を望む家族~◇
福岡県田川市に住むAさん(21歳)は、SNSで知り合ったV(16歳)さんが18歳未満の少女であると知りながら、ホテルでVさんに現金5万円を渡し、Vさんと性交しました。
ところが、Aさんは、後で自分のしたことを後悔し警察にいつ逮捕されるのか不安で眠れない夜を過ごしていたところ、ある日突然、福岡県田川警察署の警察官により逮捕されてしまいました。
Aさんの家族はAさんの早期釈放のため、Aさんとの接見を依頼することとしました。
(フィクションです。)
◇「児童買春」とは◇
児童買春の罪は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)」に規定されています。
法律2条2項では、「児童買春」を
児童等に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童等に対し、性交等をすること
としています。
ここで性交等とは、性交のほか性交類似行為、又は自己の性的好奇心を満たす目的で児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいいます。
そして、法律4条では
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。
としています。
これからするとAさんの行為は児童買春の罪に当たる可能性が高いでしょう。
◇早期釈放◇
警察に逮捕された後は警察の留置場に収容されます。
その後、警察官の弁解録取という、あなたから事件についての弁解を聴く手続を受けます(実質は取調べと同じです)。
この後、釈放されることもありますが、釈放されない場合は、逮捕のときから48時間以内に検察庁へ事件と身柄を送致(送検)されます。
検察庁でも同じく弁解録取の手続を受けます。この後、釈放されることもあります。
釈放されない場合は、被疑者を受け取ったときから24時間以内に勾留請求の手続が取られます。
勾留請求されると今度は、裁判官による勾留質問の手続を受けます。
ここでも事件のことについて聴かれますが、この後釈放されることもあります。
釈放されない場合は、勾留請求が許可された、つまり勾留が決定したと考えて間違いありません。
釈放されなければ、最終的に警察官から勾留状という令状を示されます。
勾留状には被疑者がどんな事実のどんな罪で勾留されるかなどが記載されています。
最初の勾留期間は、検察官が勾留請求をした日から10日間です。
その後、「やむを得ない事由」がある場合は、最大10日間期間を延長されます。
ただ上記のように、勾留前でも釈放される可能性があることはお分かりいただけたかと思います。
この勾留前に釈放されることを一般的に早期釈放といいます。
~早期釈放のために~
早期釈放のために、弁護士としては警察官、検察官、裁判官に釈放に向けた働きかけを行っていきます。
具体的には意見書を提出したり、直接面談したりします。
これらの活動は弁護士しかできませんから、早期釈放を希望される場合は弁護士に弁護活動をご依頼ください。
◇児童買春で逮捕された方の早期釈放を目指す弁護士◇
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、児童買春をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
児童買春で逮捕され早期釈放をご希望の方は、弊所までお気軽にご相談ください。
24時間、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。
下着等が映っていない盗撮事件の示談について
下着等が映っていない盗撮事件の示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。
◇盗撮事件で逮捕◇
福岡県新宮町に住むAさんは、福岡市博多区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは仕事の飲み会の後終電間際の列車に乗って自宅に帰ろうと、JR博多駅を利用しようと駅構内のエスカレーターに乗ったところ、すぐ前に自分好みのスカートを履いた女性Vさんが立っていました。
そこでAさんはスカートの中を盗撮したいと思い、スマートフォンのカメラアプリを起動させ、スカートの下から下着を撮影しようとしました。
ところが、Aさんはこの行動を一部終始見ていたWさんに声を掛けられ、駆け付けた鉄道警察隊に身柄を引き渡されました。
そして、Aさんは容疑を認めたためその場で逮捕されてしまいました。深夜にAが逮捕されたという連絡を受けたAさんの家族は、刑事事件専門の弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです。)
◇下着等が映っていなかったら?◇
実際には下着や身体が映っていなくても盗撮行為に当たるとされることがありますから注意が必要です。
盗撮行為については福岡県迷惑行為防止条例6条2項,3項に規定されています。
第6条2項
何人も、公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、正当な理由がないのに、前項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
1号
通常衣服で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着をのぞき見し、又は写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下この条において「写真機等」という。)を用いて撮影すること。
2号
衣服等を透かして見ることができる機能を有する写真機等の当該機能を用いて、衣服等で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着の映像を見、又は撮影をすること。
3号
前二号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。
3項
何人も、正当な理由がないのに、第一項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
1号
住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態をのぞき見し、又は写真機等を用いて撮影すること。
2号
前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。
6条2項3号、3項2号からすると、「写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること」だけでも盗撮行為に当たる可能性があることがお分かりいただけると思います(ただし、実際に盗撮行為をする目的が必要です)。
◇盗撮事件の示談交渉◇
罪を認める場合は、一刻も早く被害者と示談交渉を進めることが肝要です。
示談交渉を進めているということは、基本的に罪を認めていることが前提で、その結果罪証隠滅のおそれはないと判断され、早期釈放に繋がりやすくなります。
また、示談が成立すれば、被疑者に有利な情状として考慮され、不起訴獲得の可能性が高くなります。被害者様から「被疑者を処罰しないで欲しい」などという宥恕条項を獲得できれば、その可能性はさらに上がることとなるでしょう。
◇盗撮事件に強い弁護士◇
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。
専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。
児童買春と罰金の相場
児童買春と罰金の相場について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
Aさんは,Vさんが18歳未満の児童であることを知りながら、Vさんに現金3万円を渡しホテルで性交しました。
Aさんはその件で、福岡県博多警察署から在宅被疑者として出頭要請を受けて取調べを受けました。
そして、事件は福岡地方検察庁へ書類送検されました。
Aさんは、検察庁でも取調べを受けたところ、検察官から事件を略式裁判にするための同意を求められたためこれに同意したところ、後日、裁判所から罰金50万円とかかれた書類(略式命令謄本)自宅に送られてきました。
(フィクションです。)
~児童買春の罪~
児童買春の罪は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)の4条に規定されています。
第4条
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。
そして、法律2条2項では「児童買春」を
児童等に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的欲求好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう)をすること
と定義されています。
~略式起訴、略式裁判とは?~
検察官が行う起訴には「正式起訴」と「略式起訴」の2種類があります。
「正式起訴」は、検察官が、裁判所に対し、皆さんもテレビドラマなどでよくみる公開の法廷で裁判(正式裁判)を開くことを求めるものに対し、「略式起訴」は、検察官が、裁判所に対し、公開の法廷ではなく書面のみでの裁判(略式裁判)を求めるものです。
略式起訴されると略式裁判が開かれます。
開かれるといっても、正式裁判と異なり法廷に出廷する必要はありません。
略式命令では100万円以下の罰金又は科料の命令のみしか発することができません。
上記のように、児童買春の罪は選択刑として罰金刑が設けられていますから、児童買春の罪で逮捕されても略式起訴され略式裁判を受ける可能性は十分にあります。
~罰金の相場~
検察官の刑事処分(起訴、不起訴)の前に示談を成立させるなどできれば不起訴処分(起訴猶予)となることも十分に考えられます。
また、示談不成立などとなった場合でも、略式起訴されることが多いのではないでしょうか(ただし、初犯の場合に限りますし、事案の内容によっては正式起訴される可能性もあります)。
検察官がこの処分をするには、Aさんの同意が必要です。
略式裁判では通常の裁判の手続きが簡略されて書面審理だけになり、Aさんが法廷に出廷する必要はありません。
略式命令の相場は、通常、罰金30~50万円となることが多いようです。
なお、略式命令を受けた場合、何も連絡しておかないと略式命令謄本という書類が裁判所からご自宅に特別送達されます。
それまで児童買春したことをご家族などに秘密にしている方は、あらかじめ検察官や裁判所に、同謄本を直接裁判所に取りに行く旨の連絡を入れておかねば家族に児童買春したことがばれる可能性があります。