Archive for the ‘刑事事件’ Category
泥酔者を放置して軽犯罪法違反!?
泥酔者を放置して軽犯罪法違反!?
泥酔者を放置する行為による軽犯罪法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県福岡市東区に住むAさんは、自己の敷地内に顔を赤くし、酒臭がする一見して明らかな泥酔者Bさんが寝込んでいるのを発見しました。ところが、Aさんは、「下手に声をかけたら怖い。」「うちとは関係ない人だからそっとしておこう」などと思って警察に通報することなくそのまま放置していました。すると、たまたまAさん宅近辺を巡回中の警察官XがBさんを発見しました。そして、Aさんは警察官Xから職務質問を受け、「自分には保護する義務はないからそのまま放置した。」などと言ったところ、警察官Xから、「それはいけませんよ。」「少なくともわれわれ警察官に通報してもらわないと。」「軽犯罪法違反に当たりますよ。」などと言われてしまいました。Aさんとしては、軽犯罪法の何という罪に当たるのか気になり、刑事事件専門の弁護士に無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです)
~ 要扶助者・死体等不申告の罪 ~
軽犯罪法1条18号には要扶助者・死体等不申告の罪が規定されています。
どういう罪なのか、まずは条文から確認しましょう。
18号
自己の占有する場所内に、老幼、不具若しくは傷病のため扶助を必要とする者又は人の死体若しくは死胎のあることを知りながら、速やかにこれを公務員に申し出なかった者
つまり、18号に当たる者は「拘留又は科料」に処する、というのが軽犯罪法1条18号の趣旨です。
要扶助者・死体等不申告の罪と似ている罪として刑法217条の遺棄罪があります。
刑法217条
老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、1年以下の懲役に処する。
ただ、刑法217条の「遺棄」とは、移置、つまり被遺棄者(老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者)を従来の場所から生命・身体に危険な場所に移転することをいい、その移転する場所は特に限定を設けていません。
他方、要扶助者・死体等不申告の罪では、「自己の占有する場所内」にある要扶助者、死体等を対象としており、場所の移転を予定しておらず、単に放置するだけ(つまり、公務員に申し出なかっただけ)で罪に問われてしまう可能性があります。
なお、「自己の占有する場所」とは、現実に支配している場所をいいますから、自宅敷地がこれに当たることは明らかでしょう。
次に「扶助を必要とする者(要扶助者)」とは、老年、幼年、不具(身体器官の不完全なこと)若しくは傷病のため精神的・肉体的欠陥を生じ、他人の力なしでは自力で行動をとることが困難な者をいいます。
「老年」、「幼年」かどうかにうちては明確な年齢の基準はなく、その人その人の個別具体的事情により決まります。
「病」については、精神病者はもちろんのこと、白痴、催眠術にかかった者、飢餓者、疲労困ぱい者、泥酔者などもこれに含まれると解してよいでしょう。
最後に、「速やかに」というのがどの程度の時間の経過をいうのでしょうか?
これについても明確な基準はなく、要扶助者の状態、発見時刻等や、応急処置を施すのに時間を要したものであるかどうかといったこと、その他具体的状況に照らして、社会通念に従って判断されます。
~ 場合によっては遺棄罪、保護責任者遺棄罪等に問われるかも? ~
「遺棄」とは、先ほども申し上げたとおり、場所的移転を伴う行為ですから、たとえばAさんが「邪魔だ」と思ってBさんを公園などの他の場所に運んだ、という場合は先ほどご紹介した遺棄罪に問われる場合があります。
また、まったく赤の他人でも、一度介抱したり保護すれば、あなたは法律上の保護義務を負う場合があります。その場合、面倒臭くなって途中で保護をやめた場合などは保護責任者遺棄罪に問われる可能性がありますから注意が必要です。
また、両罪の結果、人を死傷させた場合は遺棄等致死傷罪、保護責任者遺棄致傷罪(刑法219条)に問われる可能性もありますから注意が必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが、24時間体制で、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、福岡県を中心として刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所は、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。
刑事事件や少年事件に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 福岡支部 弁護士紹介
強制わいせつ致傷罪と示談
強制わいせつ致傷罪と示談
強制わいせつ致傷罪と示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県春日市に住むAさんは、深夜、人通りの少ない市内の路上を歩いて帰宅していたところ、少し先を一人で歩く女性Vさんを見つけました。
背格好などから自分の好みのタイプだと思ったAさんはVさんにわいせつな行為をしようと考え、Vさんに気付かれないように近づき、Vさんの背後から両手を回し、衣服の上からVさんの乳房を揉みました。ところが、Aさんは、Vさんから大声を上げられたためその場から立ち去ろうとしたところ、Vさんに追いかけられてきたことからVさんの顔面を手拳で1回殴打し、Vさんに鼻骨を骨折させる怪我を負わせました。その後、Aさんは、福岡県春日警察署に強制わいせつ致傷罪で逮捕されました。
(フィクションです)
~ 強制わいせつ致傷罪 ~
強制わいせつ致傷罪は刑法181条1項に規定されています。
本罪は、強制わいせつ既遂罪、あるいは強制わいせつ未遂罪を犯し、よって人を死傷させた場合に成立する罪です。
法定刑は、無期又は3年以下の懲役です。
~ 強制わいせつ罪既遂、あるいは未遂罪が成立していること ~
強制わいせつ罪は刑法176条に規定されています。
刑法176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
「暴行」とは、他人の身体に対する有形力の行使をいい、脅迫とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいいます。
そして、強制わいせつ罪における暴行、脅迫の程度は、一般には、被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものでなければならないとされています。
具体的には、
・殴る、蹴る、叩く
・首を絞める、馬乗りになる
・「殺すぞ」「家を焼くぞ」「裸の写真ネットにばらまくぞ」などと言う
などが挙げられます。
また、暴行それ自体がわいせつ行為であってもよいとされています。
「わいせつな行為」とは、徒に性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為をいうと解されています。
具体的には、
・膣を触る
・陰部に手を入れる
・乳房を弄ぶ
・相手方の感情を無視した接吻
などがこれに当たるでしょう。
以上からすると、Aさんには強制わいせつ既遂罪が成立する可能性が高いと思われます。
~ 傷害が発生し、因果関係が認められること ~
その他に、強制わいせつ致傷罪が成立するための要件としては、「相手方に怪我が生じたこと」が必要です。
どの程度の怪我であることを必要とするのかについては争いのあるところですが、判例の大勢は、傷害罪の「傷害」と統一的に解釈すべきものとしています。なお、骨折は明らかに怪我と認定されます。
次に、強制わいせつ行為と怪我との間に「因果関係」の存在することが必要です。
この点、本件では、Aさんがわいせつ行為を行い終わった後、つまり、わいせつ行為を行う意思を喪失した後にVさんに暴行を加え、怪我をさせていることから、「因果関係」を認めることができるのか争点となり得るところです。
しかし、同様の事例で判例(平成20年1月22日)は、同様の事案で「因果関係」有りと判示しています。
~ 強制わいせつ致傷罪と示談 ~
罪を認める場合は、一刻も早く被害者と示談交渉を進めることが肝要です。
示談交渉を進めているということは、基本的に罪を認めていることが前提で、その結果罪証隠滅のおそれはないと判断され、早期釈放に繋がりやすくなります。また、示談が成立すれば、被疑者に有利な情状として考慮され、不起訴獲得の可能性が高くなります。被害者様から「被疑者を処罰しないで欲しい」などという宥恕条項を獲得できれば、その可能性はさらに上がることとなるでしょう。
示談交渉は弁護士にお任せください。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 福岡支部 弁護士紹介
示談を強要して強要未遂罪で逮捕
示談を強要して強要未遂罪で逮捕
示談強要行為による強要未遂罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県柳川市に住むAさんは、元交際相手だったVさんと喧嘩になり、Vさんに対し暴行を加えた件で柳川警察署に被害届を出されました。Aさんは自らのしたことを認めて反省し、Vさんと示談交渉をはじめました。しかし、Vさんの態度はかたく、示談交渉は一向に進展しませんでした。そこで業を煮やしたAさんは、Vさんに「はやく示談書にサインしろ」「示談しなければ、お前の過去のこととか写真をインスタに挙げるからな」などというメールを送りました。Aさんは、これでVさんが示談に応じるだろうと思っていましたが、Vさんから何ら音沙汰はなく、反対に強要罪の被害届を柳川警察署に提出され、その結果、暴行罪、強要未遂罪で逮捕されてしまいました。Aさんの家族は、刑事事件に強い弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)
~ 示談とは ~
「示談」とは、紛争の当事者同士が合意によって事件を解決することをいいます。広い意味で和解といいます。通常、示談に記載された内容以外の損害賠償請求はできなくなるという条項が示談書に記載されます(清算条項)。一方、「被害弁償」とは、単に相手方に損害賠償金(示談金)を支払うことをいい、それ以上の損害賠償請求されないことを確約するものではありません。両者の違いに注意する必要があります。
~ 刑事事件で示談すると? ~
被害者が示談を成立させる場合、そこには事件に対する被害者の一定の納得が示されていることになります。
そして、被害者との間で交わした示談書を捜査機関(警察、検察)に提出すれば、警察の場合、
・事件の立件化の見送り
・立件されていたとしても検察への送致の見送り(不送致)
などという効果が期待できます。検察の場合、
・不起訴処分の獲得
などという効果が期待できます。なお、被害者が捜査機関に被害届や告訴状を提出する前に示談を成立させることができれば、捜査機関へ被害届、告訴状を提出されることを阻むことができるかもしれません。
~ 示談交渉は弁護士を入れなくてもできる? ~
もっとも、これらの効果は、示談が有効に成立した場合に期待できるものです。あなたがごり押しして作成した示談、内容に不備がある示談では有効とはいえず、上記の効果を期待できないかもしれません。
もちろん、示談は、当事者の紛争を話し合いによって解決するものですから、示談交渉は弁護士を入れず紛争の当事者同士(加害者、被害者)で進めていくことも可能です。しかし、法律の素人である当事者同士では、そもそも感情の縺れなどから示談交渉を進展させることが難しいでしょうし、仮に進展させることができたとしても、有効な示談かどうかが分かりません。
よって、示談交渉は弁護士に依頼した方が無難です。
~ もしもごり押しした場合は? ~
もしも、被害者に示談することを強要した場合は、Aさんのように強要罪で逮捕される可能性もあるということを頭に入れておかなければなりません。
強要罪は刑法223条に規定されています。
刑法223条1項
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
Aさんの「示談しなければ、お前の過去のこととか写真をインスタに挙げるからな」という行為は、Vさんの「名誉」に対し「害を加える旨の告知(害悪の告知)」に当たるでしょう。また、示談するかどうかは、Vさんの意思に委ねられる事柄ですから、これを強要することは「人に義務のないことを行わせ」たことに当たるでしょう。なお、本件は、Vさんが実際に示談書にサインをしなかったことから未遂罪にとどまった模様です。強要罪は未遂罪を処罰する旨の規定も置かれていますから注意が必要です。
刑法223条3項
前2項の罪の未遂は、罰する。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 福岡支部 弁護士紹介
起訴前釈放と起訴後釈放
起訴前釈放と起訴後釈放
起訴前保釈と起訴後保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県久留米市に住むAさん(34歳)は、車上荒らしの件(窃盗罪)で福岡県久留米警察署に逮捕されました。
Aさんの弁護人に選任された弁護士Xは、Aさんが起訴される前の釈放を目指して活動していましたが釈放は認められず、Aさんは窃盗罪で起訴されてしまいました。そこで、弁護士Xは、起訴後に保釈請求をしてAさんの釈放を目指したいと考えています。
(フィクションです。)
~ 起訴前釈放 ~
起訴前釈放とは、起訴される前の身柄拘束中に釈放されることをいいます。
つまり、身柄拘束は「逮捕」にはじまり、その後、最大20日間の「勾留」が続くことがありますが、この「逮捕」あるいは「勾留」中に釈放されることを起訴前釈放というのです。
逮捕から勾留の決定が出るまでは、法律上の不服申し立て制度はありませんから、捜査機関や裁判官に対し事実上の働きかけを行って釈放を目指していきます。
勾留決定後は、準抗告などの法律上の不服申し立て制度が用意されており、それらを活用して釈放を目指していきます。
なお、釈放されたからといって、捜査が終了したこと、刑事処分が「不起訴」となることが確約されたわけではありません。
釈放されたのちも、捜査機関から呼び出しを受けたり、場合によっては起訴されることもあることは頭に入れておくべきでしょう。
~ 起訴後釈放 ~
起訴後釈放とは、つまり、「保釈」のことを意味しています。
ここで、保釈とは被告人に対する勾留の執行(効力)を停止して、その身柄拘束を解くことをいいます。
勾留の効力が一時的に停止されたにすぎない、という点に注意が必要です。
起訴後の身柄拘束期間は起訴前に比べ長期間となることが想定されていることから、起訴後に限って「保釈(請求)」という制度が認められています。
ただし、保釈請求をすれば必ず釈放される、というわけではなく、
①弁護士等が保釈請求をすること
②裁判所が請求を許可すること
③指定された保釈保証金を裁判所に納付すること
ではじめて釈放が認められます。
では、②裁判所はどんなときに保釈を許可するのでしょうか?
この点、刑事訴訟法は大きく「権利保釈」、「裁量保釈」について規定しています。
「権利保釈」とは、刑事訴訟法89条各号に掲げる事由に該当しない限りは保釈を許可するというものです。
「裁量保釈」とは、たとえ、刑事訴訟法89条各号に掲げる事由に該当したとしても、裁判所が、「被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度のその他の事情」を考慮し、保釈を許可するというものです。
【参考】刑事訴訟法 89条
1号 被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき
2号 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪判決の宣告を受けたことがあるとき
3号 被告人が常習として懲役3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したおのであるとき
4号 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
5号 被告人が、被害者その他の事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき
6号 被告人の氏名又は住居が分からないとき
たとえば、Aさんが常習的に車上荒らしをしていたことが認められるとします。
車上荒らしは窃盗罪に当たる行為であり、窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。ですから、このことは89条3号に当たるおそれがあります。したがって、Aさんは「権利保釈」では保釈請求を許可されません。ところが、その次の段階の「裁量保釈」で保釈が許可される可能性は残されているということです。
釈放を目指すならば、刑事事件専門の弁護士に弁護活動をご依頼ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの受け付けを行っております。

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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 福岡支部 弁護士紹介
恐喝罪と脅迫罪との違い
恐喝罪と脅迫罪との違い
恐喝罪と脅迫罪との違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県豊前市に住むAさんは、元交際相手だった知人Vに「お前、旦那に前科があること隠し取るやろ?」「ばらされたくなければ口止め料として100万円払いな」などというメールを送り、Vさんから自己の口座に100万円の振り込みを受けました。そうしたところ、Aさんは福岡県豊前警察署に恐喝罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
~ 恐喝罪 ~
恐喝罪は刑法249条に規定されています。
刑法249条
1項 人を恐喝して財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,同項と同様とする。
「恐喝」とは,財物の交付又は財産上不法の利益を得るために行われる「暴行」又は「脅迫」のことをいいますが,恐喝罪の場合,一般的に脅迫行為(害悪の告知)が行われることが多いと思われます。
害悪の告知の「程度」は、
相手方の反抗を抑圧するに至らない程度
のもの、すなわち、
相手方に畏怖あるいは困惑、不安の念を生ぜしめるに足る程度
のものが必要とされています。
害悪の告知の「内容」は、相手方またはそれと密接な連帯感情にある者の
生命、身体、自由、財産に対する危害(生命に対する危害:「殺すぞ。」など、身体に対する危害:「殴るぞ。」など、自由に対する危害:「行動を見張っているぞ。」など、財産に対する危害:「車を焼くぞ。」など)
であることが通常ですが、これに限らず、
・相手方の名誉(「過去の不倫をネットに載せるぞ。」など)
・家庭の平和(本件)
などに対する危害も含まれるとされています。
害悪の告知の「方法」は、
言語、挙動、動作を問われませんし、明示、黙示をも問わず、自己の性行、経歴、地位、勢威を利用して財物の交付を要求し、これに応じなければ不当な不利益が加えられる危険があるとの危惧の念を生じさせる害悪の暗示でもよいとされています。
~ 脅迫罪との違い ~
脅迫罪は刑法222条に規定されています。
刑法222条
1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2項 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
恐喝罪と脅迫罪の一番大きな違いは、相手に
財産的被害を生じさせたか否か
という点です。生じさせた場合が「恐喝罪」、生じさせなかった場合は「脅迫罪」です(ただし、恐喝の意図で生じさせなかった場合は「恐喝未遂罪」です)。
また、
・害悪の告知の「相手」が、恐喝罪の場合限られない、のに対し、脅迫罪の場合「被害者」及び「その親族」に限られる
・害悪の告知の「内容」が、恐喝罪の場合限られない、のに対し、脅迫罪の場合、生命、身体、自由、名誉又は財産に限られる
などといった違いがあります。
~ 恐喝罪で逮捕され、示談交渉をお望みであれば? ~
恐喝罪で逮捕され、相手方との示談交渉をお望みであれば、弁護士に示談交渉を依頼しましょう。
弁護士を間に入れない示談交渉は、感情の縺れなどから進展は望めません。
仮に示談交渉を進めることができれば、その進展具合によっては早期釈放される可能性が高くなりますし、示談を成立させることができれば相手方が被害届を取り下げてくれる可能性が高くなりますから、その場合は釈放されることとなるでしょう。また、この場合、刑事処分としては不起訴処分を獲得することができます。
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過失がなくてもひき逃げ?
過失がなくてもひき逃げ?
ひき逃げについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市東区に住むAさんは車を運転して帰宅途中、対向車線の車の陰からV君(11歳)が急に自車線上に飛び出してきたのを認め急ブレーキをかけましたが間に合わず、自車をV君に衝突させて路上に転倒させてしまいました(後日、V君は加療約1か月間の傷害を負ったことが判明)。Aさんは、「俺には責任(過失)はない。」、「相手が悪いのだから俺が救護する義務はない」などと判断し、直ちに車を停車させてV君を救護するなどせず、現場から立ち去ってしまいました。ところが、Aさんは、後日、福岡県東警察署から過失運転致傷、道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。逮捕の知らせを受けたAさんの妻は、刑事専門の弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです。)
~ 「ひき逃げ」について ~
「ひき逃げ」は、
交通事故があった場合
において、
当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員
は、
直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置
を講じなければまらず(救護義務)、また、この場合において、
当該車両等の運転者
は、
警察官に当該交通事故の内容、状況等を報告
しなければならない(報告義務)のに、これを怠ったことをいいます。つまり、この救護義務違反と報告義務違反のことを「ひき逃げ」と呼ばれているのです。
なお、自己に過失があろうとなかろうと「ひき逃げ」の「交通事故」となることに変わりはありません。そもそも、事故を起こした直後は、ご自身に過失があるかどうか分かりません。ご自身で勝手に「過失はない。」「責任はない」などと判断し、その場を立ち去ってしまうと「ひき逃げ」とされてしまう可能性がありますから注意が必要です。
~ 罰則 ~
単なる救護義務違反の場合は「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
ところが、相手方の死亡したり、怪我した場合で、その死傷が運転者の運転に起因する場合は「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と重くなっています。
本件では、Aさんに過失が認められない場合は、前者の罰則が適用されることとなります。
報告義務違反は「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」です。
~ 初回接見のメリットとは? ~
弊所の初回接見サービスとは、ご家族・ご友人などのご依頼で、弁護士が、警察署などの留置施設に出張して、逮捕・勾留されている被疑者と接見するサービスのことをいいます。初回接見サービスを依頼するメリットは、
1 事件の内容(逮捕・勾留事実)を詳しく知ることができる
2 事件の見通し、対応(弁護方針、弁護活動)を知ることができる
3 ご家族等からのご伝言をお伝えすることができる
といったことが挙げられます。以下、詳しくご説明いたします。
1 事件の内容(逮捕・勾留事実)を詳しく知ることができる
接見では、弁護士が逮捕(勾留)された方から、事件の概要をお聴きします。
そして、接見後に、依頼者様に事件の概要をご報告させていただきます。
2 事件の見通し、対応(弁護方針、弁護活動)を知ることができる
弁護士は、逮捕(勾留)された方からお聴きした話の内容を基に、今後の弁護方針、弁護活動を決めます。
例えば、逮捕(勾留)された方が事実を認める場合は、早期釈放、被害者様との示談交渉などに向けた弁護活動を始めることが肝要です。
これらについても、依頼者様にご報告させていただきます。
3 ご家族等からのご伝言をお伝えすることができる
弁護士が接見に行く前に、ご家族様からご伝言を預かることが可能です。
また、接見後のご報告では、逮捕(勾留)された方からお預かりしたご伝言をお伝えさせていただくこともできます。
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万引きで起訴状が届いた!
万引きで起訴状が届いた!
起訴状について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県小郡市に住む主婦のAさん(63歳)は、スーパーで食料品を万引きしたとして保安員に見つかり、その後、小郡警察署の警察官に引き渡されました。Aさんは、小郡警察署に駆け付けた夫が身柄引受人となることを誓約したことから逮捕されずに済みました。その後、Aさんの事件の捜査が進められ、Aさんも小郡警察署で取調べを受けるなどしました。そして、Aさんの事件は福岡地方検察庁久留米支部へ送られました。Aさんは検察庁でも検察官による取調べを受けました。Aさんは、検察官によって窃盗罪で起訴され、Aさんの元には、裁判所から「起訴状謄本」が届けました。
(フィクションです)
~ 起訴状とは ~
起訴状とは、検察官が刑事裁判を起こすため、公訴提起(起訴)と同時に裁判所に提出する書面のことをいいます。
検察官の刑事処分(終局処分)には大きく、
① 起訴
② 不起訴
の2種類があり、①起訴には
ア 正式起訴
イ 略式起訴
の2種類があります。
検察官は、起訴と同時に被告人の数に応じる起訴状謄本を差し出さなければならず、その起訴状謄本が裁判所から被告人の元へ送達されることになっています。
したがって、
起訴状謄本が送達された
ということは、
検察官の公訴提起、つまり起訴を受け、刑事裁判を受けなければならない(略式起訴の場合は公開での法廷での裁判を受ける必要はありません)
ということを意味しています。
~ 起訴状にはどんなことが書かれてあるの? ~
詳細は「起訴状、画像」などとキーワードを入れて検索していただき、現物をご覧になっていただくのが早いかと思います。
まず法令で記載しなければならないとされているものとして
・被告人の氏名その他被告人を特定するに足りる事項
・公訴事実
・罪名
のほか、
・被告人の年齢、職業、住居及び本籍(ただし、被告人が法人であるときは、事務所並びに代表者又は管理人の氏名及び住居)
・被告人が逮捕又は勾留されているときは、その旨
です。この他、起訴状には
・起訴年月日、起訴した検察官の指名・検察官の所属検察庁名、起訴された裁判所名
が記載されています。
なお、この中では「公訴事実」が最も重要です。
「公訴事実」とは、起訴された罪に関して
あなたがいつ、どこで、どんな方法によって、何をしたか、被害者は誰で、どの程度の損害が発生したか
などのことについて記載されています。
~ なぜ起訴状は送達されるの? ~
では、なぜ起訴状は被告人へ送達されることになっているのでしょうか?
それは一言でいえば、
刑事裁判の準備のため
です。つまり、被告人に起訴状に書かれてある事実を知らしめることによって、
・その事実について認めるのか認めないのか
・認めるとして、認めないとしてどんな主張をし、どんな証拠を提出するのか
という準備のきっかけが与えられるわけです。
先ほど、起訴状の記載事項の中でも「公訴事実」が最も重要と申し上げたのもこのためで、法令で「公訴事実」はできる限り具体的でなければならないとされています。したがって、たとえば、「令和元年8月2日から同月30日の間に万引きした」というような抽象的な公訴事実では、被告人がどの事実について防御の準備をしてよいのか困るため、そのような起訴状は「法令に違反した」として公訴棄却判決の対象となります。
それくらい「公訴事実」は大切だということですね。
~ 刑事裁判と起訴状 ~
そして、刑事裁判(正式起訴された場合)では、検察官が起訴状を朗読し、朗読後、裁判官から
・起訴状を読んだか
・公訴事実について認めるか、認めないか
を聴かれます。
ですから、起訴状を受け取った際は、そのまま放置することなくしっかり読んで、ご自身の主張を固めておく必要があります。
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東京オリンピックチケット追加販売~チケット転売防止法って?~
東京オリンピックチケット追加販売~チケット転売防止法って?~
チケット転売防止法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市中央区に住む会社員Aさん(32歳)は、東京オリンピックの公式サイトで、2020年に開催される東京オリンピックの柔道観戦チケット(1枚、1万円)を2枚購入しました。ところが、Aさんは、チケット購入後会社の上司から、急遽、来年春から1年間海外出張を命じられ柔道を観戦することができなくなりました。Aさんは観戦チケットが不要となったことから、LINEで知人Bさんに「オリンピックの柔道観戦でいなくなったから、1枚、1万円で2枚買わない?」と持ち掛けたところ、Bさんはオリンピックチケットを購入できていなかったことから、Bさんから「ぜひ、よろしく!」などと返信を受けました。そして、AさんはBさんに直接Bさんに観戦チケットを手渡し、Bさんから2万円を受け取りました。とことが、後日、Aさんは今年6月14日から「チケット転売防止法」が施行され、「不正転売」が禁止され、罰則が設けられていることを知りました。Aさんは、Bさんに観戦チケットを売った件で処罰されるのではないかと不安になり、チケット転売防止法に詳しい弁護士に無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです。)
~ チケット転売防止法とは ~
チケット転売防止法とは、正式名称
特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律(以下、法律といいます)
といいます。「不正転売防止法」とも呼ばれています。
東京オリンピックチケットの第1次抽選販売が令和元年5月9日から開始された(販売受付終了)ことに呼応するかのように、チケット転売防止法は
令和元年6月14日から施行
されています。
8月8日からは第1次抽選販売で1枚を取得することができなかった人を対象に「追加抽選販売」の受付が始まっています。
~ どんな「もの」が対象となるの? ~
どんなものがチケット転売防止法の対象となるのでしょうか?
この点、チケット転売防止法は「特定興行入場券」を対象とするとしています。
「特定興行入場券」とは、
「興行入場券」であって、不特定又は多数の者に販売され、下記ウ・エの要件を満たすもの
をいいます。
「興行入場券」とは、
ア それを提示することにより「興行」を行う場所に入場することができる証票
イ 「興行」とは、映画、演劇、演芸、音楽、舞踊その他の芸術及び芸能又はスポーツを不特定又は多数の者に見せ、又は聴かせるもので、日本国内で行われるもの
をいい、それに加え、
ウ 興行主やその委託を受けた販売業者が、販売時に、(ⅰ)同意のない有償譲渡を禁止し、入場資格者か購入者の氏名・連絡先を確認した上で、(ⅰ)(ⅱ)が券面などに表 示されているもの
エ 興行の日時・場所のほか、入場資格者か座席が指定されているもの
が「特定興行入場券」に当たることになります。
東京オリンピックチケットの現物を見たわけではありませんが、上記アからエのすべての要件を満たし「特定興行入場券」ということができるのではないでしょうか?
~ どんな「行為」が処罰の対象となるの? ~
そして、Aさんのように気になるのが、どんな行為が処罰の対象となるのか?ということではないでしょうか?
この点、チケット転売防止法は、①「不正転売」と②「不正仕入」の2つの行為を禁止しています。①は売った側、②は買った側を処罰の対象とするものですから、今回は、①が問題となります。
そして、チケット転売防止法は「特定興行入場券の不正転売」につき、
興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするもの
と定義しています。つまり、「特定興行入場券の不正転売」というためには
ア 業として行う有償譲渡であること
イ 特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格としたこと
の2点がポイントとなるのではないかと思います。
「業として」とは、有償譲渡を反復継続する意思を持って、という意味で、Aさんのように1回限りの有償譲渡では「業として」には当たらないでしょう(ただし、当該取引が1回であっても、それまでに多数の有償取引がある場合には「業として」に当たることがあります)。また、販売価格も定価を超えていません。
したがって、Aさんが「不定転売」に問われることはありません。安心してください。
~ 転売したい人はどうしたらいい? ~
現在、東京オリンピックチケットのオークションサイトでの出品は禁止されています。組織委員会では監視システムを導入するなどして警察と連携を図っているとのことですから絶対にやめましょう。
どうしても転売したい人は「チケット購入者の親族または友人、同僚その他の知人」であれば「販売価格を超えない額」で転売することは可能です。
それでも、「転売できる人がいない」という方は、転売を諦めるか、来年春に開設よていの公式リセールサイトが開設されるのを待ちましょう。
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自撮り画像等要求で初の書類送検
自撮り画像等要求で初の書類送検
自撮り画像等要求で問われる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
千葉市内に住む会社員の男性(51歳)は、無料通話アプリで「パパ活」を募集していた福岡県志免町に住むVさん(15歳)と連絡先を交換し、LINEでVさん宛てに「こちらは、関西だから会うというよりは振り込みとかの支援を考えています」「そちらの写メ売ってもらう感じです」「胸のアップを送って」などというメールを送りました。すると、VさんがAさんに写メを送る前に福岡県粕屋警察署の警察官によるサイバーパトロールにより補導されたことから、AさんはVさんから写メを受信することができませんでしたが、粕屋警察署から福岡県青少年健全育成条例違反で出頭するよう呼び出しを受け、その後、福岡地方検察庁へ書類送検されてしまいました。
(実際にあった例をもとに作成しています)
~ はじめに ~
上記事例は、先日、7月22日に新聞等で報じられたニュースを基に作成しております。
このコラムでも以前、ご紹介いたしましたが、福岡県では、自撮り画像等(児童ポルノ等)の提供を求める行為を禁止する福岡県青少年健全育成条例(以下、条例)の改正案が議会で可決され、
平成31年2月1日から施行
されていますから注意が必要です。そして、報じられたニュースの事実で初めて条例が適用されています。どんな規定、罰則なのか改めて確認したいと思います。
~ 自撮り画像等の提供を求める行為の禁止の規定、罰則 ~
条例31条の2では「何人も、青少年(18歳未満の者)に対し、次に掲げる行為をしてはならない。」とし、各号に次の規定を設けています。
1号 青少年に拒まれたにもかかわらず、当該青少年に係る児童ポルノ等(略)の提供を行うように求めること
2号 青少年を威迫し、欺き、若しくは困惑させ、又は青少年に対し対償を供与し、若しくはその供与の約束をする方法により、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を行うよ うに求めること
また、罰則については、条例38条4項で
30万円以下の罰金又は科料
とされています。
本件では条例31条の2第1号が適用される、と考えられることから、以下1号につきご説明いたします。
~ 「拒まれた」こと、が必要~
「拒まれたにもかかわらず」とは、
青少年に対して当該青少年に係る自撮り画像等の提供を行うように求めた者(Aさん)が、当該青少年による拒否の意思が示され、それを認識しているにもかかわらず
という意味です。明示的に拒否されていなくていなくても、やり取りの中で青少年が拒否の態度を示しているような事情が認められ、かつ、これを認識していた場合はやはり「拒まれたにもかかわらず」に当たります。
~ 「提供を行うように求めること」とは ~
「提供」とは自撮り画像等を自己又は第三者の支配下に置くことをいいますまから、「提供を行うように求めること」とは、
自撮り画像等を自己又は第三者の支配下に置くよう青少年に求めること
という意味です。
具体的には、有体物である写真、DVDを送るよう求めること、電磁的記録である写真画像をメールで送るよう求めること、などがこれに当たります。
要求しただけで処罰される可能性があります。実際に自撮り画像等を取得できたか否かは無関係です。
~ 条例は県外者にも適用されるの? ~
ところで、自撮り画像等を送るよう要求した男性は千葉県在住です。ところが、千葉県では福岡県のように自撮り画像等要求行為を禁止する旨の規定を条例に設けていません
。そこで、このような男性に対し、福岡県の条例を適用し処罰できるのか、という問題は残ります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,自撮り画像等の児童ポルノ事案,援交事案をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。自撮り画像や児童ポルノでお困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。

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西鉄電車内での痴漢で犯行を否認
西鉄電車内での痴漢で犯行を否認
痴漢事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市南区に住む会社員のAさん(28歳)は,西鉄天神駅から西鉄久留米駅間を走る特急電車内で,前に立っていた女性の尻や太ももなどに自身の股間を当てる痴漢行為をしました。そうしたところ,Aさんは,通報を受け駆け付けた車掌に声をかけられて西鉄久留米駅でおろされ、事務所に連れていかれました。その後、Aさんは福岡県久留米警察署の警察官に引き渡され、福岡県迷惑行為防止条例違反で逮捕されてしまいました。Aさんは、久留米警察署での取調べで、警察官に「女性に触れたかもしれないが、わざと触れたわけではない。」などと話しています。
(フィクションです)
~ 痴漢行為とは ~
痴漢罪という罪の名前はありませんし,それを定めた法律,条例もありません。
痴漢行為は福岡県迷惑行為防止条例(以下,条例)6条1項が定める行為に当たるおそれがあります。
条例6条1項
何人も,公共の場所又は公共の乗物において,正当な理由がないのに,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような方法で次に掲げる行為をしてはならない。
1号 他人の身体に直接触れ,又は衣服の上から触れること
罰則は、
条例11条1項で、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
とされ、さらに常習として痴漢行為をした場合は
条例12条1項で、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
に処するとされています。
なお、痴漢行為は故意犯ですから,条例違反に問われるには,条例に規定されている行為に加え、痴漢行為の故意,つまり
相手に触れてやろうという意図
が必要です。ですから,満員電車内などでたまたま他人の身体に触れたという状況が認められる場合には,痴漢行為の故意が認められないということになり、条例違反に問われることはありません。
~ どんな要素から痴漢行為の故意が認められるのか? ~
ただ、あなたがいくら「相手に触れる意図はなかった」などと主張しても、客観的事実から痴漢行為の故意を推認されてしまうことがあります。
痴漢行為の故意を推認しうる客観的事実の例としては、
① あなたと相手の位置関係
② あなたと相手の服装、体格
③ 触った際の場所
④ 場所の状況
⑤ 触った箇所、部位
⑥ 触った回数
⑦ 触った際の態様
などが考えられます。①から④については警察の実況見分などによって容易に認められるでしょう。⑤から⑦については、あなたが否認している場合は被害者の供述などから認定されていくことになります。
そこで、あなたと被害者の供述が食い違う場合は、
どちらの供述が信用できるのか
という問題となるのです。
~ 取調べ段階から要注意! ~
そこで、痴漢行為を否認する場合は、取調べの段階から一貫した態度、一貫した主張をすることが非常に重要となります。
仮に、取調べ官の圧力に屈し、態度や主張を変えてしまうと、無実であるものが有罪とされる冤罪の危険を生み出す原因ともなってしまいます。
取調べは外部からとの連絡を遮断されたいわゆる「密室」において行われます。
最近では,取調べの可視化といって,一部の事件に限り,取調べの録音録画を実施しているようですが,痴漢事件において確実に実施されるかどうかは不透明です。
録音録画の実施されていない取調べでは,第三者の目が届きずらく,事後的な検証も困難であることから,捜査官による怒号,威圧,人格を否定するかのような暴言,罵倒を浴びせるなどの行為が行われやすいと言えます。
痴漢事件でも同様のことをされるおそれは十分にありますから、痴漢行為を否認する場合はすぐに弁護士と接見し、弁護士から具体的なアドバイスを受けることが必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

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