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【傷害】傷害致死罪と正当防衛
【傷害】傷害致死罪と正当防衛
傷害致死罪と正当防衛について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県筑紫野市に住むAさんは、天神でお酒を飲んだ後、一人で西鉄天神駅へと向かっていたところ、すれ違いざまに男性Vさんの肩と軽くぶつかってしまいました。Aさんは酒に酔っていたこともあって、Vさんがわざと自分にぶつかってきたものと思い、Vさんに「なんやこのやろう!」と大声を上げました。すると、Aさんは、「何だって。」などと言いながら近づいてくるVさんに胸ぐらをつかまれたため、Vさんの両肩を両手で押して払いのけた、Vさんを地面に転倒させ、頭を地面に打ち付けさせてVさんを意識不明の状態とし、搬送先の病院で死亡させしまいました。Aさんは現場に駆けつけてきた福岡県中央警察署の警察官に事情を聴かれました。Aさんは警察官に「正当防衛だ。」などと主張しましたが、傷害致死罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
~ 傷害致死罪の成立要件 ~
犯罪が成立するためには、行った行為が
①法律に規定する構成要件に該当し(構成要件該当性)
②違法であり(違法性)
③行った行為の責任を行為者に帰責できる(有責性)
ことが必要とされています。
傷害致死罪の①構成要件は、
暴行行為+被害者の死+暴行と被害者の死との間に因果関係
です。
しかし、構成要件を満たしても直ちに犯罪が成立するわけではなく、②、③を順次検討していく必要があります。
このうち正当防衛の成立の可否を検討しなければならないのが②の場面です。
~ 正当防衛 ~
ある行為が犯罪に当たると思われても、その行為に違法性がなければ犯罪は成立しません。この違法性に該当しない事由のことを「違法性阻却事由」といいます。Aさんが主張している「正当防衛」(刑法36条)は違法性阻却事由の一つです。違法性阻却事由は、正当防衛のほかにも緊急避難(刑法37条)、正当行為(刑法35条)があります。
刑法36条
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
「急迫」とは、法益(今回でいえば、Aさんの身体)侵害が現に存在するか、目前に差し迫っていることをいいます。ですから、過去の侵害や将来の侵害に対しては正当防衛は認められません。例えば、相手から足を蹴られ、その侵害が一応去った後、相手を追っかけて相手の顔面を殴ったとしても正当防衛は成立しません。「不正」とは違法であることをいいます。「侵害」とは、法益に対する実害又はその危険を生じさせる行為をいいます。
「権利」とは、法律で「〇〇権」と明文化されているものに限らず、広く法律上保護されている法益をいいます。
「防衛」とは、侵害から法益を守ることをいいます。防衛行為は、侵害者に向けられた行為でなければなりません。例えば、AさんがVさんから刃物で襲われたため、その場にいたWさんを盾にしてWさんに傷害を負わせたという場合、Wさんとの関係で緊急避難(刑法37条)が成立する余地はあっても正当防衛は成立しません。
防衛行為は、自己又は他人の権利を防衛するためのものでなければなりません。そこで、正当防衛が成立するには、防衛行為が防衛の意思に基づくことを要するかが問題となります。この点、判例は必要との立場をとっています(最判昭和46年11月16日など)。ただし、防衛行為は、緊急状況下で行われることが多いと思われますから、防衛の意思の意義を「急迫不正の侵害を認識しつつ、これを避けようとする単純な心理状態」と解する説もあります。
「やむを得ずにした」とは、具体的事情の下において、その防衛行為が、侵害を排除し、又は法益を防衛するために必要かつ相当なものであったことをいいます。防衛行為の相当性ともいわれています。防衛行為の相当性を超えたものが過剰防衛です(刑法36条2項)。防衛行為の相当性は、法益の権衡と防衛行為事態の態様の2つの面から検討し、具体的事情の下で社会的・一般的見地から見て必要かつ相当か否かと判断します。例えば、素手で向かってくる相手に対し、刃物を用いて対抗する場合は相当性を欠く場合が多いでしょうが、体格、腕力等において優勢な者に対して刃物で対抗してもなお相当性が認められる場合もあります。
~ おわりに ~
正当防衛を主張するケースでは、当事者双方から事件当時の出来事を詳細に聴き出した上で、上記要件に当てはまるかどうか判断するという極めて高度な技術と知識が必要となります。正当防衛を適切に主張するなら、刑事事件専門の弁護士に刑事弁護を依頼しましょう。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、福岡県を中心として刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所は、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 福岡支部 弁護士紹介
【強制わいせつ】不起訴について
【強制わいせつ】不起訴について
強制わいせつ罪と不起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所●●支部が解説します。
福岡県宗像市に住むAさんは、援助交際の目的で、出会い系サイトで知り合った女子高生のVさんと会うことにしました。Aさんは、Vさんと会いホテルに入りましたが、Vさんから援助交際を断られてしまいました。そこで、Aさんは部屋から出ていこうとするVさんの腕を引っ張り、ベットに羽交い絞めにして胸を揉むなどしました。Aさんは、さらに陰部を触ろうとしましたがVさんから抵抗されたことから、それ以上Vさんに手を出すことはできませんでした。後日、Aさんは福岡県宗像警察署に強制わいせつ罪で逮捕されてしまいました。Aさんは接見に来た弁護士に、Vさんと示談して不起訴を獲得できないか相談しました。
(フィクションです。)
~強制わいせつ罪~
援助交際目的で出会ったものの、相手の受け取る印象が違い、援助交際を断れた結果、強制わいせつ罪、強制性交等罪などの性犯罪にまで発展するというケースも散見されます。
事例は強制わいせつ罪に発展したケースです。
強制わいせつ罪は刑法176条に規定されています。
刑法176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
「暴行」とは、他人の身体に対する有形力の行使をいい、脅迫とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいいます。
そして、強制わいせつ罪における暴行、脅迫の程度は、一般には、被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものでなければならないとされています。
具体的には、殴る、蹴る、叩く、首を絞める、馬乗りになるなどが「暴行」の典型ですが、そのほかAさんのようにわいせつ行為の手段として腕を引っ張る、羽交い絞めにするなどの行為も「暴行」に当たります。
「わいせつ行為」については、膣を触る、陰部に手を入れる、乳房を揉む、相手方の感情を無視したキスなどが典型です。
~不起訴~
不起訴とは,検察官が下す終局処分(その事件について起訴・不起訴を終局的に決める処分)の一種で,その意味は文字通り,起訴されないということです。以下,具体的にみていきましょう。
不起訴は,検察官が下す終局処分の一種です。したがって、不起訴を決めるは警察官でもなければ,裁判官でもなく,検察官です。検察官の元には,警察や検察の捜査で収集した証拠が全て届けられます。その証拠の中には,被疑者(犯人)にとって不利な証拠もあれば,有利な証拠も含まれています。したがって,検察官は,それらの証拠を総合的に判断して,事件を起訴するか,不起訴にするか判断できる立場にあるのです。
上記のとおり,起訴するか,不起訴にするかの判断は検察官に委ねられていますから,その判断の時期も検察官の判断(裁量)に委ねられます。
検察官は,捜査の過程で収集した証拠に基づいて終局処分を決めますし,証拠の収集には一定程度時間を要しますから,終局処分の判断までにも一定の時間を要します。ただし,身柄事件の場合は時間的制約がありますから,在宅事件に比べて証拠収集のスピードがあがり,その分,終局処分を下す時期も早くなります。
上記のとおり、検察官の元には捜査で収集した様々な証拠が集まります。検察官はそれらの証拠に基づき、起訴・不起訴の刑事処分を判断します。
ここで、検察官が
「証拠関係から裁判(起訴)しても勝てるけど、被疑者を許してやるか~」
と判断した場合は起訴猶予による不起訴となる可能性が高くなります。検察官ときくと感情がない冷徹なイメージかもしれませんがやはり人間です。情はもっています。
そこで、検察官の元に「被疑者を許してやるか~」と思わせるような証拠が集まれば起訴猶予による不起訴処分を獲得できる可能性があがります。
「被疑者を許してやるか~」と思わせるような証拠としてインパクトが大きいのがやはり示談書です。したがって、強制わいせつ罪で起訴猶予による不起訴を獲得するためには、検察官が起訴・不起訴の判断をする前に示談を締結し、示談書を検察官に提示する必要があります。
なお、検察官が
「証拠関係から裁判(起訴)しても勝てない」
と判断した場合は嫌疑不十分による不起訴となる可能性が高くなります。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 福岡支部 弁護士紹介
【窃盗】常習累犯窃盗で逮捕
【窃盗】常習累犯窃盗で逮捕
常習累犯窃盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市西区に住む主婦のAさんは,令和元年5月1日、同区内にある100円ショップで日用品(販売価格108円)を万引きしたところ保安員に見つかり窃盗罪の現行犯で逮捕されてしまいました。実は、Aさんは、過去5回、万引き(いずれも窃盗罪)で検挙されたことがあり、そのうち3回は刑務所に服役しました。1回目の服役は平成20年12月1日から平成21月6月1日(懲役6月)まで、2回目は、平成25年4月1日から同年12月1日(懲役8月)まで、3回目が、平成29年3月1日から平成30年1月1日(懲役10月)まででした。逮捕後、Aさんは、窃盗罪ではなく常習累犯窃盗罪で起訴されました。
(フィクションです。)
~ 常習累犯窃盗罪とは ~
常習累犯窃盗罪は、万引きなどの窃盗罪を繰り返し、さらに窃盗既遂罪あるいは窃盗未遂罪を犯した場合に問われ得る犯罪です。
「盗犯等ノ防止及処分二関スル法律(以下、法律)」の3条に規定されています。
以下、規定の内容及びAさんの行為が常習累犯窃盗罪に処せられるのかみていきたいと思います。
法律3条の規定は以下のとおりです(ひらがな部分は実際はカタカナです)。
常習として前条に掲げたる刑法各条の罪又はその未遂の罪を犯したる者にしてその行為前10年内にこれらの罪又はこれらの罪と他の罪との併合罪に付き3回以上6月の懲役以上の刑の執行を受け又はその執行の免除を得たるものに対し刑を科すべきときは前条の例に依る
この規定を分解すると、
1 前条に掲げたる刑法各条の罪(刑法235条(窃盗)、236条(強盗)、238条(事後強盗)、239条(昏睡強盗))の罪又はこれらの未遂の罪を犯したこと
2 1記載の犯罪を常習として犯したこと
3 1記載の犯罪又はそれらの犯罪と他の犯罪との併合罪につき、懲役6月以上の刑の執行を受け又はその執行の免除を得たことがあること
4 3が、行為前の10年以内に3回以上あること
となります。
= 1について =
本件で1に掲げる罪又はこれらの未遂の罪を犯したことが必要です。
= 2について =
「常習として」とは、反復して特定の行為を行う習癖をいいます。常習性の有無については、行為者の前科・前歴はもちろん、性格、素行、犯行の動機、手口、態様、回数などを総合的に検討して判断されます。したがって、「常習性」の認定は前科のみで判断されるわけではありません。
* 常習性が否定された裁判例 *
過去の窃盗前科の犯行態様が、ドライバーを使って古いアパートの錠を外して侵入し現金を盗んだ、という人が、本件で、スーパーマーケットの缶詰2個を万引きしたという事案で、動機・態様を著しく異にしており、本件が窃盗の習癖の発現としてなされたものであるとは認められないとして常習性が否定された裁判例(東京高裁:平成5年11月30日)があります。
= 3について =
「1記載の犯罪」とは、刑法235条(窃盗)、236条(強盗)、238条(事後強盗)、239条(昏睡強盗)の罪又はこれらの未遂罪をいいます。
「刑の執行を受け」とは、刑務所内に服役したことを意味します。つまり、執行猶予の場合は含まれませんが、執行猶予が取消され、服役した場合はもちろん含まれます。そして、10年以内の3回の刑のうち最後の刑の執行に着手されれば足り、執行が終了したことを要しないとされています。したがって、最後の刑について仮釈放となり、その仮釈放中に常習として窃盗等を行った場合でも、3の要件を満たすことになります。
= 4について =
「10年以内」とは、10年以内の3回の刑のうち最初の刑の執行終了日が10年以内であれば足り、その執行開始日が10年以内である必要はないと解されています。
= Aさんについて =
1の要件→◎:Aさんは、本件で万引き、つまり窃盗罪を犯しています
2の要件→△:常習性の判断は上記で記載した事情を総合して判断しますが、過去の前科も万引きだったことからすれば常習性は認められやすいでしょう。
3の要件→◎:Aさんは、過去、窃盗罪につき3回服役していることが認められます。最後に刑の執行に着手されたのは平成29年3月1日です。
4の要件→◎:Aさんの最初の刑の執行終了日は平成21年6月1日です。これは行為日(令和元年5月1日)から遡って10年以内に含まれます。
以上から、Aさんは常習累犯窃盗罪に処せられる可能性が高いといます。
~ 常習累犯窃盗罪の法定刑は? ~
法律3条では「前条の例に依る」とされています。そこで前条、すなわち法律2条を見ると、法律2条では
窃盗を以て論ずべきときは3年以上の有期懲役に処す
とされていますから、常習累犯窃盗罪の法定刑は
3年以上の有期懲役
ということになります。
執行猶予付きの判決を受けるためには、「懲役3年以下」の判決の言い渡しを受けることが必要ですから、常習累犯窃盗罪で有罪となると、基本的に
実刑
を覚悟しなければなりません。
しかし、法律上の減軽事由(刑法66条等)に当たる事情がある場合は、法定刑が減軽され、執行猶予付きの判決を獲得できるハードルを低めることはできます。
法律上の減軽事由には、情状に特に酌量すべき点が認められる
情状酌量
の場合もあります。
お困りの方は弁護士までご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗罪をはじめとする刑事事件、少年事件を専門とする法律事務所です。刑事事件、少年事件でお困りの方は、まずは、お気軽に0120-631-881までお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 福岡支部 弁護士紹介
【強制わいせつ】情状主張で不起訴獲得
【強制わいせつ】情状主張で不起訴獲得
強制わいせつ罪の情状主張で不起訴獲得について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
北九州市小倉北区に住むAさん(22歳)は、パパ活をしていた女子高生Vさんと出会い系サイトを通じて知り合い、連絡と取りあううち実際に会うことになりました。AさんはVさんと会いましたが、Vさんがイメージしていた人物像と異なったのか、Vさんからパパ活を断られてしまいました。そこで、Aさんは立ち去ろうとするVさんの腕を引っ張り人気のない場所に連れ込み、その場で羽交い絞めにしてVさんの胸を揉むなどしました。Aさんは、さらにVさんの陰部を触ろうとしましたがVさんから抵抗されたことから、それ以上Vさんに手を出すことはできませんでした。後日、Aさんは福岡県小倉北警察署に強制わいせつ罪で逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたAさんの母親は警察官にAさんとの接見を申し入れましたが断られてしまいました。そこで、Aさんは強制わいせつ罪に詳しい弁護士にAさんとの接見を依頼しました。Aさんと接見した弁護士は、Aさんのための有利な情状を主張して不起訴処分獲得を目指すことにしました。
(フィクションです)
~ 強制わいせつ罪と逮捕後の流れ ~
強制わいせつ罪は刑法176条に規定されています。
刑法176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制わいせつ罪は罰金刑の設けられていない比較的重たい罪の部類に入ります。
「暴行」とは、他人の身体に対する有形力の行使をいい、脅迫とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいいます。
そして、強制わいせつ罪における暴行、脅迫の程度は、一般には、被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものでなければならないとされています。
具体的には、殴る、蹴る、叩く、首を絞める、馬乗りになるなどが「暴行」の典型ですが、そのほかAさんのようにわいせつ行為の手段として腕を引っ張る、羽交い絞めにするなどの行為も「暴行」に当たります。
「わいせつ行為」については、膣を触る、陰部に手を入れる、乳房を揉む、相手方の感情を無視したキスなどが典型です。
~ 情状って何!? ~
依頼を受けた弁護人は情状を主張することによって不起訴処分獲得を目指しています。
では、この「情状」って何でしょうか?
「情状」とは、検察官や被疑者(テレビなどでは「容疑者」と言われています)を起訴(裁判にかけること)するかしないか、あるいは裁判官が裁判で被告人(裁判にかけられた人)の刑の量刑(実刑か執行猶予か、その場合の刑の長さ・重さ)を判断する際に考慮される事情のことを言います。
情状には、犯罪そのものに関する情状(犯情)と犯情以外の一般情状があります
犯情には、
・犯行態様(武器使用の有無、回数、単独か共犯か、故意か過失かなど)
・犯行の計画性(計画的か偶発的か)
・犯行の動機(私利私欲のためか、被害者にも落ち度があるかなど)
・犯行の結果(死亡か怪我か、怪我・被害額の程度、後遺症の有無など)
があります。一般情状には、
・被告人の年齢、性格
・被告人の反省の有無
・被害弁償、示談の有無
・被害者の処罰(被害)感情の程度
・更生可能性の有無(被告人に更生意欲があるか、適切な身元引受人がいるか、更生に向けた環境が整備されているかなど)
・再犯可能性の有無(前科・前歴をどの程度有しているか、常習性が認められるか、犯行の原因は消滅しているか・縁は切れているかなど)
があります。
このうち不起訴処分獲得のために最も大切な必要な情状は「被害弁償、示談の有無」です。
被害者と示談が成立すれば、不起訴処分を獲得できる可能性が飛躍的に高まるでしょう。
被害者との示談は刑事事件専門の弁護士にお任せください。
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【窃盗】軽微な万引きなら微罪処分を目指そう
【窃盗】軽微な万引きなら微罪処分を目指そう
万引きと微罪処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県太宰府市に住むAさんは,スーパーで食料品4点(販売価格440円)万引きしたところを巡回中の保安員に現認され,スーパーに駆け付けた福岡県筑紫野警察署の警察官から事情を聴かれることになりました。一方、警察官から「身元引受人として警察署まで来てほしい」との連絡を受けたAさんの父親は警察署まで行き、身元引受書にサインをしました。その結果、Aさんは逮捕されることなく帰宅を許されましたが、今後のことが不安になって窃盗・万引き事件に詳しい弁護士に今後の対応につき相談することにしました。相談・依頼を受けた弁護士は微罪処分獲得に向けてお店側と示談交渉を始めることにしました。
(フィクションです。)
~ 微罪処分とは ~
微罪処分とは,警察が事件を検察庁を送致せず,被疑者への厳重注意,訓戒等で終了させる手続きのことをいいます。
本来,警察が立件した事件は警察→検察へと送致することが基本です(刑事訴訟法246条本文)。しかし,「検察官が指定した事件」については例外的に送致する必要がありません(刑事訴訟法246条但書)。
刑事訴訟法246条
例外といっても、意外と微罪処分を受ける方は多いようです。
~ 微罪処分が対象となる罪 ~
では、どんな罪が微罪処分の対象となるのでしょうか?
この点、微罪処分はあくまで例外的措置ですから、
・殺人罪
・強盗罪
・放火罪
などの重大な罪についておよそ対象とはなりえません。他方、
・窃盗罪
・横領罪
・占有離脱物横領罪
・暴行罪
など、事案の内容によっては軽微と考えられる罪については対象とされるでしょう。
~ 微罪処分となりうる事件の内容 ~
さらに、上記の罪の中でも以下の基準を満たす事件が微罪処分の対象となりえます。
・犯罪事実(犯情)が極めて軽微か
→窃盗罪,横領罪であれば被害額が2万円以下,暴行罪であれば凶器を使用していないことが基準となります。よって,同じ万引きであっても,被害額が2万円を超える万引きについては微罪処分の対象とはなり得ません。
・被害弁償,示談ができているか
・被害者が処罰を望んでいないか
・前科,前歴がないか
微罪処分を目指せるかどうかは、犯した罪や事件の内容から判断しなければなりません。
また、すでに事件が検察庁へ送致された場合は微罪処分を目指すことはできません。検察庁に送致される前に対処する必要があります。
微罪処分を目指す方ははやめに弊所へご相談・ご依頼ください。
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公然わいせつ罪と略式裁判
公然わいせつ罪と略式裁判
公然わいせつ罪と略式裁判を受けるメリットについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市中央区に住む専門学生のAさん(20歳)は、ストレス発散のため自己の陰茎を女性に見せようと、夜間、人通りの少ない路上で、自己の陰茎をペンライトで照らしながら歩いていたところ、110番通報され、中央警察署の警察官に現行犯逮捕されてしまいました。逮捕の連絡を点けたAさんの父親は、今後のことが不安になり刑事事件専門の弁護士にAさんとの接見を依頼しました。その後、Aさんは勾留され、Aさんに公然わいせつ罪の前歴があったことから正式起訴されておかしくない状況でしたが、弁護人の検察官に対する働きかけによって略式起訴され、罰金20万円の略式命令が出た時点で釈放されました。
(フィクションです。)
~ 公然わいせつ罪 ~
公然わいせつ罪は、公園や路上などの不特定または多数の人がいる、またはいる可能性のある場所で、自己の陰部(局部)を露出させたり、見せつけたりするなどのわいせつな行為をした場合に問われ得る犯罪ですす。刑法174条には、
公然とわいせつな行為をした者は,6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
と規定されています。
「公然」とは、不特定又は多数の者が認識することができる状態をいいます。現実に不特定又は多数の者に認識される必要はなく、その可能性があれば足りるとされています。
公園や路上などの人前での行為
が典型だと思いますが、最近は、YouTubeにわいせつな動画をアップして逮捕される方もおり、このようなインターネットの世界も「公然」に当たるとされています。
判例によれば、「わいせつな行為」とは、行為者又はその他の者の性欲を刺激興奮又は満足させる行為であって,普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するものをいうとされています。裸、性器等の露出はその典型といっていいでしょう。
~ 略式起訴、略式裁判とそのメリットは?~
検察官が行う起訴には「正式起訴」と「略式起訴」の2種類があります。
「正式起訴」は、検察官が、裁判所に対し、皆さんもテレビドラマなどでよくみる公開の法廷で裁判(正式裁判)を開くことを求めるものに対し、「略式起訴」は、検察官が、裁判所に対し、公開の法廷ではなく書面のみでの裁判(略式裁判)を求めるものです。
憲法上、全ての国民には公開の法廷で裁判を受ける権利が認められています。ところが、略式起訴は、いわばその手続きを省略する手続きですから、検察官が略式起訴するには、被疑者からの同意を得る必要があります。
また、仮に略式起訴され、裁判官により略式命令を発せられたとしても、その告知を受けた日から14日間以内は正式裁判の申し立てをすることができます
逮捕から略式起訴、略式裁判までの流れは以下のとおりです。
逮捕→勾留→捜査機関(警察、検察)による捜査→検察官から略式起訴、裁判に関する説明を受け、同意を求められる(勾留期間満了の日のおおよそ2日前)→略式起訴
「略式裁判」は、公開の法廷に出頭する必要がなく,裁判官が書面だけで審理を行う裁判のことをいいます。
・懲役刑を受けるおそれがない(略式命令では100万円以下の罰金又は科料の刑の命令しか出せない)
→将来,刑務所で服役するおそれがなくなる
・公開の法廷に出廷する必要がない
→会社を休む必要がない(通常の日常生活を送れる),裁判を他人の目に晒されることはない(事件を秘密にできる)
というメリットのほか
・略式命令が出た時点で釈放される
という点が最大のメリットです。
仮に、勾留中に正式起訴されると自動的に2か月の勾留が決まってしまいます。その間、釈放を目指す場合は裁判所に保釈請求し、裁判官の保釈許可を得て保釈保証金を納付しなければなりません。
これに対し、勾留中に略式起訴された場合は起訴された日に略式裁判が行われ、基本的にその日に略式命令が発せられます。そして、略式命令が発せられるとその瞬間に釈放されます。
起訴前に釈放が困難な場合は略式起訴を目指すことも一つの方法です。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 福岡支部 弁護士紹介
【強制わいせつ】執行猶予獲得
【強制わいせつ】執行猶予獲得
強制わいせつと執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市中央区に住むAさんは、JR佐賀駅からJR鳥栖駅に向かう電車内で、隣に座っていた女子高生Vさんに対し「大声だしたら殺す。」などと書いたスマートフォンの画面を見せつけ、Vさんの太ももや胸を直接揉んだとして佐賀北警察署に強制わいせつ罪で逮捕されました。Aさんと接見した弁護士は、Aさんが5年前に盗撮で罰金30万円の略式命令を受け、1年前にも同じ盗撮で罰金50万円の略式命令を受けていたことから、今回起訴されれば実刑になるかもしれないと思い執行猶予獲得に向け弁護活動を始めることにしました。
(この事例はフィクションです。)
~ 強制わいせつ罪 ~
上記事例は、実際にJRの電車内での強制わいせつで佐賀北警察署に逮捕された、という実例をもとに作成しています。
まず、強制わいせつ罪ついて解説します。
強制わいせつ罪は刑法176条に規定されています。
刑法176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
「暴行」とは、他人の身体に対する有形力の行使をいい、脅迫とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいいます。
そして、強制わいせつ罪における暴行、脅迫の程度は、一般には、被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものでなければならないとされています。
具体的には、
・殴る、蹴る、叩く、首を絞める、馬乗りになる
が暴行の典型ですが、強制わいせつ罪の場合
・被害者の背後からいきなりわいせつな行為をする
というように暴行それ事態がわいせつな行為であってもよいとされています。
また、
・「殺すぞ」「家を焼くぞ」「裸の写真ネットにばらまくぞ」
と言ったり、本件のように何らかの手段で被害者に告知する行為が脅迫の典型です。
なお、強制わいせつ罪の脅迫に当たる場合でも脅迫罪(刑法222条)は別個に成立しません。
「わいせつな行為」とは、徒に性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為をいうと解されています。
具体的には、
・膣を触る
・陰部に手を入れる
・乳房を弄ぶ
・相手方の感情を無視した接吻
などがこれに当たるでしょう。
~ 執行猶予とは ~
執行猶予とは,その罪で有罪ではあるが,言い渡された刑(懲役刑,罰金刑)の執行を一定期間猶予する(見送る)ことをいいます。たとえば,懲役刑を受けた方であれば,刑の確定後,刑務所に入らなくていいですし,罰金刑を受けた方であれば,罰金を払う必要はありません。
執行猶予を受けるための要件は,刑法25条1項に規定されています。
刑法25条1項
次に掲げる者が3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは,情状により,裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間,その刑の全部の執行を猶予することができる
1号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても,その執行を終わった日又はその執行の免除を受けた日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
つまり,執行猶予を受けるには
1 3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けること
2 上記1号,あるいは2号に該当すること
3 (執行猶予付き判決を言い渡すのが相当と認められる)情状があること
が必要ということになります。
Aさんは盗撮という一見強制わいせつ罪とは異なる犯罪の前科を有していますが、ともに性犯罪であることに変わりはなく、性犯罪の前科を有しておりさらに性犯罪を犯したということは性犯罪の犯罪性向が進んでいることを示しており、今回起訴されれば実刑とされておもかしくはありません。
執行猶予獲得を目指す場合は刑事事件専門の弁護士としっかり打ち合わせをする必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。

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卑わいな言動と釈放
卑わいな言動と釈放
卑わいな言動と釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市博多区に住むAさんは、同区内の公園において、スパッツの股間部分にペットボトルなどを入れた状態で、同公園にいた女子中学生2人にその状態を見せつけるつもりで背後から近づいたところ、その様子を不審に思った男性のWさんに「おい、何しているんだ」などと声をかけられたことから、その場を立ち去りました。しかし、Aさんは追いかけてきたWさんらにつかまり、通報を受け駆け付けた福岡県博多警察署の警察官に、福岡県迷惑行為防止条例違反(卑わいな言動の罪)の被疑者として現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
~ 条例の卑わいな言動 ~
福岡県迷惑行為防止条例(以下、条例)といえば、盗撮、痴漢を禁止する条例と認識されている方も多いのではないでしょうか?
しかし、条例では、盗撮、痴漢を禁止する条文と同じ条文の中で「卑わいな言動」を禁止する規定を設けています。
条例6条1項では「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で次に掲げる行為をしてはならない。」とし、その1号、2号で、
1号 他人の身体に直接触れ、、又は衣服の上から振れること。
2号 前号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
としています。1号が、いわゆる痴漢に関する規定ですが、2号が「卑わいな言動」に関する規定です。
ここで、「卑わいな言動」とは「社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作をいう」
とされています。Aさんの行為は、世間一般人の目から見れば、男性の陰茎を勃起させることを想起させるもので「社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな動作」ということができ、「卑わいな言動」に当たるでしょう。なお、過去には、
・女性に対して執拗に卑わいな言葉をかけ続ける
・女子学生に卑わいな画像や動画を見せる
などの行為も「卑わいな言動」に当たるとされていますし、最近では、
・AirDrop痴漢
といって、AirDrop機能を利用して、全く見ず知らずの人のスマートフォン宛にわいせつな写真や動画を送信しこれを閲覧させる犯罪で検挙された方もいます。
※AirDrop
AirDropは、iPhoneやiPadなど米アップル製端末に標準搭載されている機能です。半径9メートル以内の通信可能な所有者の名前が画面に一覧で表示され、名前を選ぶと、すぐに写真や動画を送受信できる。メールアドレスなどを交換せずに写真や動画を送信できる
罰則は「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、常習性が認められる場合は「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
~ 釈放に向けた弁護活動 ~
Aさんは逮捕後は,「警察→検察→裁判所」での手続を踏むことが予定されます。ただし、「警察」、「検察」、「裁判所」の段階で釈放との判断がなされることがあります。仮に、「裁判所」でも釈放と判断されない場合は、勾留されたことになるでしょう。勾留期間は、検察官の勾留請求があってから10日間,その後は「やむを得ない事由」がある場合に限り,最大10日間の勾留延長が認められています。このように,勾留されてしまうと,比較的長期間の身柄拘束を受け,その期間が長引けば長引くほど,日常生活へ与える影響は大きくなります。したがって,早めの早めに釈放に向けた弁護活動を開始することが望まれます。
釈放に向けた弁護活動(起訴前)には,①検察官に送致前,②検察官の勾留請求前,③勾留後の3段階があります。①,②の段階では,警察や検察官,裁判官に対し意見書などを提出するなどして身柄を拘束しないよう働きかけます。また,③の段階では,法律上の不服申し立ての手段を用いたり,不起訴処分を求める意見書を提出するなどして,満期(勾留請求から10日後)前の身柄解放,勾留延長期間の短縮などにも努めます。
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【暴行】暴行罪と早期釈放
暴行罪と早期釈放
暴行罪と早期釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県飯塚市に住むAさんは,居酒屋で口論となった客のVさんの胸ぐらをつかみ、右拳でVさんの顔面を1回殴る暴行を加えました。Aさんは通報により駆け付けた福岡県飯塚警察署の警察官に暴行罪で逮捕されてしまいました。逮捕の連絡を受けたAさんの妻は一刻もはやくAさんの身柄を釈放して欲しいと思い、暴行罪に詳しい弁護士に刑事弁護活動を依頼することにしました。
(フィクションです。)
~ 暴行罪 ~
暴行罪は刑法208条に規定されています。
刑法208条【暴行罪】
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
暴行罪の「暴行」とは,人の身体に向けられた不法な有形力の行使をいうとされています。
殴る,蹴る,突く,押す,投げ飛ばすなどの直接人の身体に触れる行為が典型ですが、着衣を強く引っ張る、胸ぐらをつかむ、人に向かって石やガラスコップを投げるなど、直接人の身体に触れない行為も「暴行」に当たります。
なお、傷害罪(刑法204条)との違いは、被害者の怪我(傷害)の有無です。
怪我の有無は、医師が作成する診断書により認定されることが多いです。したがって、たとえ暴行罪で逮捕されたとしても後日、被害者から警察に診断書が提出された場合は暴行罪から傷害罪に切り替わる可能性があります。
刑法204条【傷害罪】
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
~ 早期釈放までの流れ ~
逮捕されたとしても早期釈放される可能性があります。
そのことを逮捕から勾留までは以下の図で確認しましょう。
①逮捕
↓
②警察官の弁解録取→釈放?
↓
③送致(送検)
↓
④検察官の弁解録取→釈放?
↓
⑤勾留請求
↓
⑥裁判官の勾留質問→釈放?
↓
⑦勾留(決定)
上記のように⑦勾留までにも釈放されるチャンスがあることがお分かりいただけます。
警察官、検察官、裁判官は各自独立して身柄拘束の理由、必要性を確かめ、理由、必要性が認められない場合はそれぞれの裁量で釈放することができます。
したがって、何も働きかけをしなくても釈放されることはありますが、働きかけを行った方がより釈放される可能性は高まります。
この時期に働きかけを行えるのは私選弁護人のみです。国選弁護人は⑦勾留の後しか活動を行ってくれません。
一刻もはやい釈放を望まれる方は私選弁護人を選任する必要があります。
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刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
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【窃盗・万引き】起訴状が届いた!
【窃盗・万引き】在宅の万引き事件で起訴状が届いた!
在宅の万引き事件と起訴状について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県小郡市に住む主婦のAさん(63歳)は、スーパーで食料品を万引きしたとして保安員に見つかり、その後、小郡警察署の警察官に引き渡されました。Aさんは、小郡警察署に駆け付けた夫が身柄引受人となることを誓約したことから逮捕されずに済みました。その後、Aさんの万引き事件は在宅事件として捜査が進められ、Aさんも小郡警察署で取調べを受けるなどしました。そして、Aさんの万引き在宅事件は福岡地方検察庁久留米支部へ送られました。Aさんは検察庁でも検察官による取調べを受けました。Aさんは、検察官によって窃盗罪で起訴され、Aさんの元には、裁判所から「起訴状謄本」が届けられました。
(フィクションです)
~ 在宅事件の検挙から起訴までの流れ ~
在宅事件とは身柄を拘束されないまま、捜査を受けたり、裁判を受ける事件のことです。
在宅事件であっても場合によっては起訴されることがあります。
在宅事件の検挙から起訴までの流れは以下の通りです。
・検挙→・捜査(警察、検察)→・刑事処分(起訴あるいは不起訴)
捜査では警察、検察に呼ばれて取調べなどを受けます。
身柄事件と異なり、捜査の時間的制約がなく、検挙から刑事処分まで数か月、数年かかることも稀にあります。
在宅事件で起訴されると「起訴状」という書類が裁判所からご自宅に送られてきます。
~ 起訴状とは ~
起訴状とは、検察官が刑事裁判を起こすため、公訴提起(起訴)と同時に裁判所に提出する書面のことをいいます。
検察官の刑事処分(終局処分)には大きく、
① 起訴
② 不起訴
の2種類があり、①起訴には
ア 正式起訴
イ 略式起訴
の2種類があります。
検察官は、起訴と同時に被告人の数に応じる起訴状謄本を差し出さなければならず、その起訴状謄本が裁判所から被告人の元へ送達されることになっています。
したがって、
起訴状謄本が送達された
ということは、
検察官の公訴提起、つまり起訴を受け、刑事裁判を受けなければならない(略式起訴の場合は公開での法廷での裁判を受ける必要はありません)
ということを意味しています。
~ 起訴状にはどんなことが書かれてあるの? ~
詳細は「起訴状、画像」などとキーワードを入れて検索していただき、現物をご覧になっていただくのが早いかと思います。
まず法令で記載しなければならないとされているものとして
・被告人の氏名その他被告人を特定するに足りる事項
・公訴事実
・罪名
のほか、
・被告人の年齢、職業、住居及び本籍(ただし、被告人が法人であるときは、事務所並びに代表者又は管理人の氏名及び住居)
・被告人が逮捕又は勾留されているときは、その旨
です。この他、起訴状には
・起訴年月日、起訴した検察官の指名・検察官の所属検察庁名、起訴された裁判所名
が記載されています。
なお、この中では「公訴事実」が最も重要です。
「公訴事実」とは、起訴された罪に関して
あなたがいつ、どこで、どんな方法によって、何をしたか、被害者は誰で、どの程度の損害が発生したか
などのことについて記載されています。
~ なぜ起訴状は送達されるの? ~
では、なぜ起訴状は被告人へ送達されることになっているのでしょうか?
それは一言でいえば、
刑事裁判の準備のため
です。つまり、被告人に起訴状に書かれてある事実を知らしめることによって、
・その事実について認めるのか認めないのか
・認めるとして、認めないとしてどんな主張をし、どんな証拠を提出するのか
という準備のきっかけが与えられるわけです。
~ 刑事裁判と起訴状 ~
そして、刑事裁判(正式起訴された場合)では、検察官が起訴状を朗読し、朗読後、裁判官から
・起訴状を読んだか
・公訴事実について認めるか、認めないか
を聴かれます。
ですから、起訴状を受け取った際は、そのまま放置することなくしっかり読んで、ご自身の主張を固めておく必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご自宅に起訴状が届いた方で「どうすればいいか分からない」と困っている方は一度弊所の無料法律相談をご利用ください。
24時間、無料法律相談、初回接見サービスの受け付けを行っております。

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