Archive for the ‘暴力事件’ Category
強制性交等未遂罪が暴行罪?
強制性交等未遂罪が暴行罪?
Aさんは,知人女性Vさん方で,Vさんに対し,殴る,蹴るの暴行を加えた上,床に押し倒してVさんが履いていたズボンを,Vさんの膝半分まで脱がしました。しかし,ちょうどそのとき,Vさん方近くをサイレンを鳴らしたパトカーが通ったことから,Aさんは「Vさんが110番通報したのではないか」と怖くなり,それ以上,Vさんに危害を加えることを止め,Vさん方を後にしました。Aさんは,後日,福岡県折尾警察署の警察官に強制性交等未遂罪(旧:強姦未遂罪)で逮捕されました。Aさんの家族から接見の依頼を受けた弁護士がAさんと接見したところ,弁護士は,本件では暴行罪が成立するにとどまるのではないかと考えました。
(フィクションです)
~ 強制性交等罪(刑法第177条) ~
刑法177条
13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いて性交,肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という)をした者は,強制性交等の罪とし,5年以上の有期懲役い処する。13歳未満の者に対し,性交等をした者も,同様とする。
= 13歳以上の者とは =
改正前の刑法177条は
13歳以上の「女子」を姦淫した者は
と規定されていました。しかし,改正後は13歳以上の「者」と改められ,男子も保護の対象となりました。したがって,女子による男子への,男子による男子への性交等も処罰の対象となります。
= 暴行・脅迫とは =
一般に,暴行とは,人の身体に対する有形力の行使,脅迫とは,人を畏怖させるに足りる害悪の告知のことをいいます。ただし,同じ暴行や脅迫と言っても,罪名により犯罪成立に必要とされる暴行,脅迫の「程度」が異なります。
例えば,強盗罪(刑法236条)の場合は,
相手方(被害者)の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行・脅迫
が必要とされているのに対し,強制性交等罪の場合は,必ずしもそこまで必要とせず,
相手方(被害者)の反抗を著しく困難しらしめる程度の暴行・脅迫
で足りるとされています。
ただ,実際の事件では,相手方(被害者)の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行・脅迫が加えられることが多いと言われており,この場合でも強制性交等罪に問われることになります。
= 性交等とは =
規定にも記載されているとおり,性交の他に,肛門性交,口腔性交も含まれます。ただし,手淫,口淫などの性交類似行為は含まれません。
~ 強制性交等未遂罪(刑法第180条・177条) ~
刑法180条
第176条から前条までの罪の未遂は,罰する。
刑法では,未遂罪を罰する場合は,新たにその旨規定を設けるとしており(刑法44条),強制性交等罪の未遂規定がこの刑法180条になります。
= 未遂罪とは =
さらに,刑法43条では,未遂罪が成立する場合を以下のように規定しています。
刑法43条
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は,その刑を減軽することができる。ただし,自己の意思により犯罪を中止したときは,その刑を減軽し,又は免除する。
すなわち,未遂罪が成立するには
・犯罪の実行に着手したこと(実行の着手)
・犯罪が既遂に至らなかったこと(犯罪の不成立)
が必要となるのです。
また,刑法43条前段は障害未遂と呼ばれ,任意的に(裁判官の裁量で)刑が減軽されるのに対し,後段は中止未遂と呼ばれ,必要的に刑が減軽されます。
= 強制性交等罪の未遂罪とは =
上記の未遂罪の成立要件からすると,強制性交等罪の未遂罪が成立するには
・相手方に対し,暴行・脅迫を加えたこと(実行の着手)
・性交等に至らなかったこと(犯罪の不成立)
が必要となるのです。男子の女子に対する性交についていえば,男子の陰茎を女子の膣内に挿入すること(必ずしも射精は要しない)により既遂に達すると解せられていますが,暴行・脅迫を加えたものの,何らかの事情により,陰茎を膣内に挿入できなかったという場合に強制性交等罪の未遂罪が成立することになります。
~ なぜ,強制性交等罪が暴行罪? ~
他方で,外形的事実(客観的事実)だけ見れば,Aさんの行為は暴行罪にしか当たらないようにも思えます。では,強制性交等罪の未遂罪と暴行罪を区別する基準はどこにあるのでしょうか?それは,
Aさんが,Vさんに暴行・脅迫を加える時点で,Vさんに対する性交等の意図があった否か
によるものと考えられます。そのような意図があったか否かはAさんの内心の問題ですから,そのような意図があったか否かは,犯行時のAさんの言動や行為態様,犯行動機,犯行に至るまでの経緯,犯行後の状況などから判断されます。Aさんが,Vさんに「させろや!」などと言いながら暴行を加えていた場合は強制性交等罪の未遂罪が成立しやすくなりますし,Vさんに恨みつらみがあって暴行を加えたというような場合は暴行罪が成立するに留まることも考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,強制性交等罪をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。お困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。

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刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
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久留米市の傷害事件
久留米市の傷害事件
福岡県久留米市で工場を経営するAさんは,日頃のVさんの勤務態度やVさんの営業成績に不満を持っていました。そして,ある日,AさんはVさんに勤務態度や営業成績について口頭で指導,注意したところ,Vさんから「あんたの指示が曖昧やけん,こっちも困っとるちゃんね」「毎日,2時間も,3時間も残業させられりゃ,そりゃ効率も悪くなりますよ」などと言われました。AさんはVさんからそう言われたことに腹を立て,近くにあった鉄パイプで1回,Vさんの脚を叩き,地面に転倒したVさんの腹部等を鉄パイプで数回殴打しました。周囲にいた社員がAさんとVさんを引き離し,なんとか自体は沈静化しましたが,Vさんは病院に運ばれ,医師の診察を受けた結果「加療約1か月間」との診断を受けました。Aさんは,110番通報により現場に駆け付けた久留米警察署の警察官に傷害罪で逮捕されました。
~ 犯罪が成立する場合とは? ~
犯罪が成立するためには,行った行為が
1 法律に規定する構成要件に該当し(構成要件該当性)
2 違法であり(違法性)
3 行った行為の責任を行為者に帰責できる(有責性)
ことが必要とされています。
1の構成要件該当性とは,行った行為が,法律などで規定されている文言に該当することをいいます。例えば,殺人罪を規定する刑法199条には「人を殺した者は,死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する」と書かれていますが,これからすると殺人罪の構成要件該当性とは,ある行為が「人を殺した」ことに該当すること,ということになります。
2の違法性とは,行った行為が正当防衛(刑法35条1項)や緊急避難(刑法37条1項)など正当化事由に当たらないことをいいます。正当防衛や緊急避難は刑法で規定されている要件に該当しなければ成立しません。単に,悪口を言われていた,金を返さなかったから殴ったなどというだけでは,情状面では一定の配慮があるとしても,違法性のレベルでは検討される余地はありません。
3の有責性とは,行為者が責任能力を有すること(心神喪失や心神耗弱(刑法39条)などに該当しないこと)をいいます。暴行・傷害事件ではよく「酔っていて覚えていない」と言われる方がおられます。しかし,あくまで,有責性は行為時を基準に判断されます。行為時に酩酊状態だったという場合は話は別ですが,言動,態度がしっかりしていて意識が明瞭だったと認められる場合は,やはり責任能力はあるとされてしまうでしょう。
~ 傷害罪が成立する場合とは? ~
では,傷害罪が成立する場合とはどんな場合なのでしょうか?
まず,傷害罪の構成要件該当性を検討するにあたって,傷害罪が規定されてある刑法204条の規定を確認しましょう。
刑法204条
人の身体を傷害した者は,15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
まず,傷害罪の規定から分かることは,傷害の対象者は「人」の身体だということです。つまり,「人」以外の動物などを傷害しても傷害罪に問われることはありません(この場合は,器物損壊罪(刑法261条)に問われることになります)。また,「傷害」の意義については諸説ありますが,判例,裁判例は,人の生理機能に障害を与えること,又は人の健康状態を不良に変更することとする生理機能障害説に立っているものと思われます。打撲,骨折,創傷が「傷害」に当たることは明らかですが,中毒症状を惹起し,めまい,嘔吐をさせる,病菌を感染させるなども「傷害」に当たるとされています。
次に,規定上は単に「人の身体を傷害した」と行為の結果しか書かれていませんが,その前提として,
1 暴行の故意+暴行行為
2 傷害の故意+傷害行為
が必要とされています。暴行とは人の身体に対する不法な有形力の行使をいい,殴る,蹴る,突く,押す,投げ飛ばすなどがその典型といえるでしょう。暴行の故意とは,要は,怪我させるつもりはなかったという場合です。この,暴行の故意で暴行行為を働き,結果,傷害を発生させた場合でも傷害罪に問われ得ることになります。他方,傷害の故意とは,傷害させるつもりだったという場合です。傷害の故意で傷害行為を働き,結果,傷害を発生させた場合は傷害罪に,傷害を発生させなかった場合は暴行罪(刑法208条)に問われ得ることになります。
最後に,暴行行為,又は傷害行為と傷害との間に因果関係があることが必要です。この因果関係の考え方についても諸説ありますが,基本的には「その行為がなかったならばその結果は発生しなかった」という関係が認められれば因果関係を認められるとされています。よって,例えば,暴行行為により被害者に骨折を負わせたとされても,暴行行為の前に,被害者が別の原因で骨折していたということが判明した場合は,「その行為がなくても結果は発生していた」といえますから因果関係は否定されることになり,傷害罪は成立しないことになります。
~ 重大犯罪・事件に発展する可能性も? ~
本件では,幸いにもVさんの一命は取り留められたようですが,仮に,その後Vさんが死亡した場合,Aさんはどんな罪に問われるのでしょうか?
刑法205条
身体を傷害し,よって人を死亡させた者は,3年以上の有期懲役に処する。
これは傷害致死罪と呼ばれる罪名の規定で,Vさんが死亡した場合,Aさんは傷害致死罪に問われる可能性が出てきます。有期懲役の上限は20年(刑法12条1項)ですから,傷害罪に比べると格段に刑は重くなっています。また,裁判員裁判対象事件であるため,起訴されれば一般人が裁判員としえ裁判に参加することになります。ただし,傷害致死罪の場合も,行為(暴行行為,傷害行為)と死亡との間に因果関係があることが必要です。したがって,Vさんの入院中に,医師の手術が原因でVさんが死亡したという場合は,傷害致死罪ではなく傷害罪が成立する可能性が高いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,傷害罪をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。傷害罪などでご家族の方が逮捕された,警察の捜査,呼び出しを受けて困っている,被害者と示談したいなどとお考えの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。

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煽り運転を殺人罪で起訴
煽り運転を殺人罪で起訴
Aさんは,一般道において普通乗用自動車を時速100メートルで運転中,前方を走っていたVさんが死んでも構わないという意図の下,Vさん運転の大型バイクを執拗に煽った末,同バイクに自車を衝突させるなどしてVさんを死亡させたとして,殺人罪で起訴されました。Aさんの弁護を担当する弁護人は,公判で殺人罪の殺意(故意)を争い,殺人罪は成立せず,過失運転致死罪が成立するにとどまるなどと主張しています。
(フィクションです)
~ 危険運転致死罪,過失運転致死罪 ~
通常,交通事故によって人を死亡させた場合,
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
という法律に規定されている,危険運転致死罪(法律2条)や過失運転致死罪(法律5条)が適用される場合がほとんどです。
前者は,法律2条各号に危険運転の類型が定めらており,行為者(運転者)が各類型の事実や相手方が死亡するであろうという結果を認識しなければ罪が成立しない故意犯です。ちなみに,煽り運転で一番該当しそうな類型は,法律2条4号の
人又は車の通行を妨害する目的で,走行中の自動車の直前に進入し,その他通行中の人又は車に著しく近接し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
だと思われます。法定刑は,1年以上の有期懲役です。
次に,後者の過失運転致死罪ですが,これは名称からもわかる通り,故意犯ではなく過失犯です。過失とは,とある注意義務を不注意によって怠って結果(死亡)を発生させ,かつ,その結果(死亡)発生につき認識・認容がない場合をいいます。法定刑は,7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。Aさんの弁護人は,AさんはVさんが死んでも構わないと思って煽り運転をしていたわけではないなどと主張し,殺意(故意)を否認して過失運転致死罪の成立を主張しているのです。
~ 殺意 ~
殺意とは,一般的には人を殺害する意思を意味しますが,刑法上は,人を殺害することを認識し,認容している心理状態をいうとされています。
このような内心の心理状態は本人にしか分からないため,殺意の有無の判断においては,客観的に死亡の危険性が高い行為をしたのか,あるいはその認識があったのか,などという点が考慮されます。
具体的にいうと,例えば,凶器として日本刀のように刃渡りが長く大きな傷を与えうる刃物を用いたという場合には殺意を肯定する方向に評価が傾きますが,他方で,100円ショップ等で売っているような刃渡りの短いカッターナイフを用いたという場合には殺意が否定される方向に評価が傾きます。
また,同じ刃物を用いた場合でも,心臓や首など,人体の生命活動に必要不可欠な部位を刺したという場合には殺意を肯定する方向に評価が傾きますが,手首など傷を負っても死亡という結果に至りにくい部位を刺したという場合には殺意が否定される方向に評価が傾きます。
用いた凶器や傷の部位,凶器の使い方など実行行為時の事実だけでなく,実行行為終了後の事実が殺意の有無に影響を与えることもあります。
例えば,相手に怪我をさせた後直ちに傷の手当てをするなど相手を死亡させないように努力したという場合には殺意が否定される方向に評価が傾くこともあります。
では,本事例の煽り運転ではどうでしょうか?
今回,明らかになっている事実,つまり,Aさんが時速100キロメートルで普通乗用自動車を運転していたという行為は,死亡という結果発生を惹起しうる危険な行為ですから殺意を肯定する方向に働くでしょう。その他,速度のみならず,走行方法,バイクとの距離,車内の物音,ブレーキの有無などが殺意を認定する上での考慮事情となるでしょう。
また,現在(平成31年1月18日現在),大阪地方裁判所堺支部で公判係属中の煽り運転の事件では,被告人がバイクに追突したその約10秒後に,「はい,終わりー」と陽気に?言ったことが,殺意を認定する上での考慮事情とされているようです。検察側は,これを被害者に向けた言葉だと解釈して殺意有りと主張しているのに対し,被告人側は「事故を起こしたら仕事を辞めやきゃいけない。自分の立場や生活が「終わった」ことだ」と反論し殺意を否定しています。今後,裁判所がどういう判断を下すのか注目です。
~ 起訴 ~
起訴とは,検察官が当該事件を刑事裁判にかけることをいいます。刑事裁判では,被告人が何を行ったのか,行ったとしてそれは犯罪に当たるのか,犯罪に当たるとしてどんな罪が成立するのか,犯罪が成立するとして被告人にはどんな刑罰を科すのが適当かといったことが争われます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,殺人罪などの刑事事件に関する刑事裁判に慣れた弁護士が所属しております。お困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間,無料法律相談,初回接見サービスを受け付けております。

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宮若市の暴力事件(公務執行妨害罪)
宮若市の暴力事件(公務執行妨害罪)
福岡県宮若市に住むAさんは,福岡県直方警察署の警察官(最終的な人数5名)から職務質問を受けた際,警察官の言動に立腹し,脚元にあった石をパトカーに投げつけ,パトカーのフロントガラスにひびを入れました。そこでAさんは,公務執行妨害罪で現行犯逮捕されました。Aさんは,パトカーを壊しただけなのに,なぜ逮捕されなければならないのか納得がいってないようです。
(フィクションです)
~ 公務執行妨害罪(刑法95条1項) ~
公務執行妨害罪は刑法95条1項に規定されています。
刑法95条1項
公務員が職務を執行するにあたり,これに対して暴行・脅迫を加えた者は3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
Aさんが納得していないのは,
1 石を直接,警察官にぶつけたわけではないのに公務執行妨害罪の「暴行」と言えるのか
2 石をパトカーに投げつけただけで,実際に,公務員の職務を「妨害」してないではないか
という点だと思います。以下,1,2につきご説明します。
~ 上記1(公務執行妨害罪の「暴行」とは) ~
刑法の規定の中には「暴行」という言葉がよくつかわれますが,その意味は各罪名によって異なりますから注意が必要です。刑法の「暴行」は次の4種類に分けられます。
① 最広義の暴行(例:騒乱罪(刑法106条))
有形力の行使すべてを含み,対象は人であっても物であってもよいとされています。
② 広義の暴行(例:強要罪(刑法223条))
人に対する有形力の行使をいいますが,直接暴行だけではなく,間接暴行も含むとされてます。
③ 狭義の暴行(例:暴行罪(刑法208条))
人の身体に対する有形力の行使をいいます。
④ 最狭義の暴行(例:強盗罪(刑法236条),事後強盗罪(238条),強制性交等罪(177条),強制わいせつ罪(刑法176条))
人の身体に対する有形力の行使で,人の反抗を抑圧するか,著しく困難にする程度のものとされています。
このうち,公務執行妨害罪の「暴行」は上記②に当たります。直接暴行とは,人の身体に直接に有形力を加えることですが,間接暴行とは,物に対する有形力で,それにより間接的に一定の人に物理的・心理的に感応を与えるようなものを意味します。すなわち,後者の場合,直接人の身体に暴行を加える必要はありません。Aさんの「パトカーに石を投げつけ,フロントガラスにひびを入れた」という行為もこの間接暴行に当たりそうです。
~ 上記2(公務執行妨害罪の「妨害」とは) ~
上の暴行の程度ですが,当然,職務執行の妨害となる程度のものである必要がありますが,それによって現実に職務の執行が妨害されたことを必要とされません。これは,公務執行妨害罪の目的が公務の円滑な執行を保護するためにあるからです。過去には,警備中の警察官に対する1回だけの命中しなかった投石行為につき公務執行妨害罪の成立を認めた判例(最判昭33年9月30日)があります。
Aさんの周囲には警察官が5名おり,しかも,パトカーに損害を加えただけで,実際に職務に当たる警察官には危害を加えていないから公務を「妨害」したというには違和感を感じます。しかし,それでも公務執行妨害罪が成立するおそれがありますから注意が必要です。
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暴力事件【監禁罪】なら刑事事件に強い福岡の弁護士に接見依頼
暴力事件【監禁罪】なら刑事事件に強い福岡の弁護士に接見依頼
Aさんは,入浴中である女性Vさんの衣服を隠し,Vさんが浴室から出ることを困難にしたとして,福岡県小倉北警察署に監禁罪で逮捕されました。Aさんの妻は,刑事事件に強い弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)
~ 監禁罪(刑法220条) ~
監禁罪は,不法に人を監禁した場合に成立する犯罪です。
監禁罪は逮捕罪と同じ刑法220条に規定されており,人の行動の自由を侵害する犯罪と言われています。
法定刑は3月以上7年以下の懲役と罰金刑はありません。
~ 監禁罪と逮捕罪の違い ~
では,監禁と逮捕にはどのような違いがあるのでしょうか??
この点,逮捕とは,例えば,人の身体を縄で縛るなど,人の身体を直接的に拘束することで人の行動の自由を奪うことをいいます。他方,監禁とは,例えば,走行する自動車に乗せる行為など,一定の場所からの脱出を不可能にしたり,著しく困難にすることをいいます。そして,監禁には,物理的に脱出を困難することだけでなく,心理的に脱出を困難にすることも含むとされています。
したがって,Aさんのように,入浴中の女性Vさんの衣服を隠し,Vさんを心理的に浴室からの脱出を困難にさせることも監禁にあたるとして,監禁罪が成立する可能性があるのです。
~ 逮捕されたら弊所の初回接見サービスを ~
監禁罪や逮捕罪の疑いがかけられると,悪質であるなどとして逮捕される可能性が高いです。そこから人を死傷させた場合は逮捕監禁致死傷罪が成立しますが,その場合はなおさら逮捕の可能性が高いでしょう。監禁罪などの刑事事件で逮捕された場合は,あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスのご利用をご検討ください。依頼を受けた弁護士が速やかに九州,山口の留置施設等まで出張し,逮捕された方と接見いたします。
(福岡県小倉北警察署までの初回接見費用:39,740円)

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暴力事件【殺人未遂】で執行猶予は可能? 福岡県宇美町に対応する弁護士
暴力事件【殺人未遂】で執行猶予は可能? 福岡県宇美町に対応する弁護士
福岡県粕屋郡宇美町に住むAさんは,知人V男さんの腕や顔を包丁で切り付け,V男さんに加療約2週間の怪我を負わせたとして殺人未遂罪で福岡県粕屋警察署に逮捕され,その後起訴されました。Aさんのご家族から依頼を受けた弁護士は,裁判で傷害罪の成立を主張して執行猶予付き判決を獲得しようと考えています。
(フィクションです)
~ 殺人未遂罪で執行猶予獲得は可能? ~
平成20年4月から平成23年8月までの殺人未遂罪に関する判決では,執行猶予付き判決を含む懲役7年以下の判決が全体の80%を占めています。具体的にいうと,懲役3年以下執行猶予付き判決が181件(※執行猶予付き判決を受けるには懲役刑が3年以下でなければなりません),懲役3年以下の実刑判決が38件,懲役5年以下が132件,懲役7年以下が116件,懲役7年以上が104件です(参考「裁判所 特別資料1(量刑分布)平成20年4月から平成23年8月までの判決宣告分)。このことからすれば,殺人未遂罪でも執行猶予判決を受けることは十分可能という結論になります。
~ 殺人未遂罪で執行猶予判決を受けるには? ~
1 殺意の有無を争う
本件の弁護士のように,殺意の有無を争うことが考えられます。仮に,裁判で殺意がないと認定されれば傷害罪が成立するにとどまり,傷害罪の法定刑は殺人罪より軽いですから執行猶予を獲得できる可能性も上がります。殺意とは要は人の内心ですから,それがあったかなかったかの判断は容易ではありません。そこで,特に,①被害者の受傷の部位,②受傷の程度,③犯行道具の有無・形状,④犯行に至るまでの経緯(加害者と被害者の関係性,計画性等),⑤犯行時の加害者の言動などの事情を考慮して判断されています。
2 有利な情状事実を主張・立証する
情状には,①殺人未遂罪に固有の情状(犯情)と②その他の一般情状に分けられます。特に,各情状に関する以下の事項の中で,Aさんにとって有利な情状事実を拾い上げ,裁判で主張・立証する必要があります。
① 犯情について
ア 犯行態様 →素手か凶器使用か
イ 計画性 →突発的,偶発的犯行か,それとも前々から周到に計画されたものか
ウ 怪我の程度→軽症(怪我の部位・箇所にもよりますがおおよそ加療約1週間)か重症か
② 一般情状について
ア 被害弁償,示談の有無
イ 処罰感情の程度
ウ 再犯可能性の有無(監督者の有無,更生に向けた環境の有無など)
エ 前科・前歴の有無
オ 反省の程度
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(福岡県粕屋警察署までの初回接見費用:37,200円)

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犬に怪我させて器物損壊罪 示談なら福岡県の刑事弁護士へ無料相談
犬に怪我させて器物損壊罪 示談なら福岡県の刑事弁護士へ無料相談
福岡県糸島市のAさんは,隣人Vさんの飼い犬の鳴き声に目を覚まされ悩んでいました。そこで,Aさんは,Vさんの敷地内に入り,飼い犬を木刀で数回叩き,骨を骨折させる怪我を負わせました。Aさんは,福岡県糸島警察署から器物損壊罪で呼び出しを受けたため,示談対応などにつき弁護士に無料相談を申込みました。
(フィクションです)
~ 動物は刑法上「物」扱い ~
犬などの動物を故意に怪我させた場合は何罪が成立するのでしょうか?
この点,まっさきに思い浮かべる罪は傷害罪(刑法204条)です。しかし,傷害罪は「人」を傷害した者と規定されており,「人」には動物は含まれませんから傷害罪は成立しません。他方,Aさんが疑いをかけられている器物損壊罪(刑法261条)には他人の「物」を損壊し,又は「傷害」した者と規定されており,「傷害」は動物についてのみ使用される用語であることから「物」には動物も含まれると解されるのです。犬を飼っておられる方の中には生き物なのに「物」扱いをされるのに違和感を感じる方もおられるかもしれません。ちなみに,「傷害」には殺した場合も含まれますから,動物を殺した場合も器物損壊罪に問われます。
~ 器物損壊罪と示談 ~
器物損壊罪は,告訴がなければ公訴を提起(起訴)することができない親告罪です。ですから,すでに捜査機関に告訴がなされている本件のような場合,不起訴獲得のためにはVさんに告訴を取消していただく必要があります。
そのためには,まずはVさんに対し真摯に謝罪し,速やかに示談交渉に移る必要があります。また,本件では隣人同士のトラブルですから,場合によってはAさんの引っ越しを検討する必要も出てくるでしょう。
示談交渉は困難を伴いますから,示談交渉は弁護士に依頼することをお勧めいたします。弁護士であれば円滑に示談交渉を進めることができ,適切な内容で示談を成立させることができます。示談を成立させることができれば,結果として告訴が取消され,不起訴処分を獲得できる可能性も飛躍的に上がるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,器物損壊罪などの刑事事件専門の法律事務所です。器物損壊罪で示談なら刑事弁護士にお任せください。0120-631-881で無料法律相談等を24時間受け付けております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、福岡県を中心として刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所は、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。
刑事事件や少年事件に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 福岡支部 弁護士紹介
福岡県志免町の暴力事件【脅迫罪】で刑事弁護士に無料相談
福岡県志免町の暴力事件【脅迫罪】で刑事弁護士に無料相談
福岡県志免町に住むAさん(20歳)は,Vさんのスマートフォン宛にLINEで「お前の親の車燃やしてやる」というメールを送りました。
Aさんはその件(脅迫罪)で福岡県粕屋警察署から呼び出しを受けたため,刑事弁護士に無料相談を申込みました。
(フィクションです)
~ 脅迫罪(刑法222条)とは ~
脅迫罪は,生命,身体,自由,名誉又は財産に対し害を加える旨を告知(害悪の告知)して人を脅迫した場合に成立する犯罪です。罰則は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。
~ 脅迫の程度・内容 ~
脅迫は,一般に人を畏怖させる程度のものでなければなりません。ただし,本罪は危険犯と言われ,人を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知があれば足り,それによって現実に相手方が畏怖したことは必要ではないと解されています。例えば,下記の例が脅迫に当たります。
生命・・・「殺すぞ」
身体・・・「怪我させるぞ」
自由・・・「帰れなくするぞ」
名誉・・・「さらし者にするぞ」
財産・・・「家,車を燃やすぞ」
もちろん,このように端的に告知しなくても,脅迫が行われるまでの経緯・前後関係などから総合して脅迫とされることもあります。
~ 脅迫の相手方 ~
相手方本人(刑法222条1項)又はその親族(同条2項)です。よって,友人や恋人に対する害悪の告知は脅迫とはいえません。ただし,別に,友人や恋人に対する脅迫罪が成立する可能性はあります。
~ 脅迫の方法 ~
制限はありません。文書・言語・態度・動作のいずれによってもよいとされています。最近は,SNSやインターネットを経由した脅迫が多いです。
~ Aさんの罪責 ~
Aさんは,Vさんの親,つまり親族に対する害悪の告知を行っていますから,刑法222条2項の脅迫罪が成立します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,脅迫罪をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。脅迫罪で示談をお考えの方,その他でお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。
(福岡県粕屋警察署までの初回接見費用:37,200円)

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刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
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福岡県糸田町 暴力事件【傷害罪】で正当防衛を主張するなら刑事弁護士
福岡県糸田町 暴力事件【傷害罪】で正当防衛を主張するなら刑事弁護士
AさんとVさんが口論をしていたところ,突然VさんがAさんの腕を掴んでねじあげてきたので,Aさんはこれを振りほどこうとしてVさんの胸を強く突き飛ばしました。その結果,Vさんは倒れて地面に頭を強く打ち,Vさんに加療45日間の頭部打撲の傷害を負わせました。Aさんは福岡県田川警察署から傷害罪で呼び出しを受けたので,刑事事件に強い弁護士に正当防衛を主張できないか無料相談を申込みました。
(フィクションです。)
~ 傷害罪が成立するまで ~
ある行為が犯罪だというためには,その行為が刑法等に規定する構成要件に該当し,違法性があり,行為者に有責性がなければならないとされています。傷害罪の構成要件は,①暴行の意思又は傷害の意思,②実行行為(暴行),③傷害(怪我)の発生に加えて②と③との間に因果関係が必要とされています。これを本件についてみると,Aさんには,①Vさんの腕を振りほどこうという暴行の意思が認められますし,②胸を突くという暴行も認められます。また,③Vさんは頭部打撲という傷害を負っており,②と③との間の因果関係も認められますから,Aさんの行為は傷害罪の構成要件に該当しそうです。
~ 傷害罪と正当防衛(刑法36条1項) ~
では,Aさんの行為に違法性があると言えるでしょうか?ここで検討すべきなのが正当防衛です。正当防衛の成立が認められれば,Aさんの行為ははじめから違法でなかったということになり,傷害罪は成立しないことになります。
正当防衛の成立要件は,①急迫不正の侵害があること,②自己又は他人の権利を防衛したこと,③やむを得ずにした行為であったことです。①急迫とは,法益侵害が現に存在するか,目前に迫っていることをいい,②の権利とは法益,つまり,本件でいえばAさんの身体です。本件では,Vさんは突然,Aさんの腕を掴んでねじ上げてきたというのですから,①Aさんの身体に対する侵害が現に存在していると言えますし,自己の身体を守るために反撃したAさんの行為は②自己の権利を防衛したと言えるでしょう。
問題は,③やむを得ずにした行為だったか否かです。なぜなら,Vさんが加療45日間という重症を負っているからです。この点,判例(最判昭44.12.4)は,やむを得ずにした行為とは,権利を防衛するための「手段」として必要最小限度のものであることを意味し,「結果」が必要最小限度であることまでは要しないないと解しています。そして,手段が必要最小限度か否かは,・武器の対等性,・侵害者(Vさん),防衛行為者(Aさん)の身体的条件(性別,年齢,体力等),・加害行為の態様,・防衛行為の危険性・性質,・代替手段の有無等の事情を総合考慮して判断するとしています。
これらの諸事情を考慮し,Aさんの(反撃)行為が「やむを得ずにした行為」と認められれば正当防衛が成立し,Aさんの行為ははじめから違法でなかったことになり,傷害罪は成立しないことになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,暴行,傷害事件等の暴力事件などの刑事事件を専門に扱う法律事務所です。傷害罪で正当防衛の主張なら,まずは弊所までご連絡ください。

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暴行罪 素手VS刃物でも正当防衛? 逮捕されたら福岡県の刑事弁護士
暴行罪 素手VS刃物でも正当防衛? 逮捕されたら福岡県の刑事弁護士
Aさんは,自分よりも体格の優れたVさんが,「殴られたいのか」と言って近づいてきたので,とっさに落ちていたカッターナイフを拾い,これを振り回して防御しました。Aさんは,福岡県八幡東警察署に暴行罪で逮捕されたので,Aさんの家族から初回接見依頼を受けた弁護士に正当防衛を主張できないか聞いてみました。
(フィクションです)
~ 暴行罪と正当防衛(刑法第36条第1項) ~
ある行為が犯罪だと認定するためには,その行為が構成要件に該当し,違法性があり,行為者に有責性がなければならないとされています。
構成要件とは,刑法で定められた犯罪が成立するための要件のことで,暴行罪であれば
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき
とされています。つまり,暴行罪の構成要件は「暴行」があったことと「人を傷害するに至らなかったこと」となるわけです(傷害した場合は傷害罪が成立します)。暴行罪にいう暴行とは,人の身体に対する不法な有形力の行使をいい,人の身体に向かって刃物を振り回す行為はまさにこれに当たると考えていいでしょう。また,Vさんは怪我をしていないようですから,Aさんの行為は暴行罪の構成要件に該当することになります。
次に,Aさんの行為に違法性はあるでしょうか?違法性の本質については様々な考え方がありますが,違法性とは簡単にいえば,その行為が社会的(又は法的に)に許されないこと(行為)だと考えておけばいいでしょう。日常生活において,一見してある行為が犯罪に該当するように見えても,「それは許されるだろう~」とか「それは仕方ないだろう~」「やむを得ないだろう~」という場面は多々あると思います。正当防衛が問題となる場面も,まさにこの違法性があるかどうかの判断に関わってきます。正当防衛は,急迫不正の侵害に対して,自己又は他人の権利を防衛するため,「やむを得ずにした行為」は罰しないとしています。
では,Aさんのように,素手のVさんに対して刃物を用いて反撃した場合でも「やむを得ずにした行為」と言えるでしょうか。この点,判例は,単に用いられた武器を比較するのではなく,用いられた武器を含めて防衛手段がどのようになされたのかを基礎にして「やむを得ずにした行為」と言えるかどうかを判断していると考えられます。Aさんがカッターナイフで切りつけるなどの攻撃的な反撃に出るのではなく,構えたり,振り回したりといった防御的にな行動にとどまっている場合には,なお「やむを得ずにした行為」と言え,正当防衛に当たり,違法性が阻却される,つまり犯罪として成立しない可能性もあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,暴行罪をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。暴行罪で疑いをかけられたが,正当防衛の主張をご検討中の方,その他お困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。

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