Archive for the ‘暴力事件’ Category
【傷害】傷害罪の示談金と慰謝料
【傷害】傷害罪の示談金と慰謝料について弁護士が解説
傷害罪の示談金と慰謝料について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士が解説します。
~事例~
福岡県久留米市で工場を経営するAさんは,日頃のVさんの勤務態度やVさんの営業成績に不満を持っていました。そして,ある日,AさんはVさんに勤務態度や営業成績について口頭で指導,注意したところ,Vさんから「あんたの指示が曖昧やけん,こっちも困っとるちゃんね」「毎日,2時間も,3時間も残業させられりゃ,そりゃ効率も悪くなりますよ」などと言われました。AさんはVさんの言動に腹を立て、Vさんの胸ぐらをつかんだ上、右拳でVさんの左頬を殴り、さらにVさんの腹部を足蹴にするなどの暴行を加えました。そうしたところ、騒ぎを聞きつけた社員がAさんとVさんを引き離し,なんとか自体は沈静化しました。しかし、Vさんが病院を受診したところ、医師から「加療約2週間の傷害」との診断を受け、福岡県久留米署に傷害罪での被害届を提出しました。そこで、Aさんは後日、久留米警察署から傷害罪の被疑者として事情を聴かれることになりました。AさんはVさんに行ったことを反省し、慰謝料を支払ってVさんと示談したいと考えています。そこで、傷害罪に詳しい弁護士に、傷害罪の示談金と慰謝料について話を聞きに行くことにしました。
(フィクションです。)
~傷害罪とは~
傷害罪は刑法の204条に規定されています。
刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
「人の身体を傷害」するに至る過程としては、
①暴行の故意+暴行行為→傷害
②傷害の故意+傷害行為→傷害
という2つのパターンがあります。つまり、
①は「相手に怪我させるつもりではなかったけど、結果として怪我させてしまった」というパターン
②は「(はじめから)相手に怪我させるつもりで、その予想通り怪我(傷害)を負わせた」というパターン
です。なお、②について、「相手に怪我をさせるつもりだったが、運よく怪我(傷害)を負わせなかった」という場合は傷害罪ではなく暴行罪(刑法208条)が成立します。暴行罪の規定も確認しておきましょう。
刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,2 年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
「暴行」は、殴る,蹴る,突く,押す,投げ飛ばすなど直接身体に触れる行為が典型ですが、相手に向かって物を投げつける、衣服を引っ張るなど直接身体に触れない行為も含まれます。傷害の故意がある暴行が傷害行為と考えてください。
そして、①、②と「傷害」との間に「因果関係」が認められることによって傷害罪が成立します。
~傷害罪の示談金と慰謝料~
傷害罪で被害者と示談したいという方にとって、一番関心が高いのは
示談金いったいはいくらかかるのか(示談金の相場は)?
慰謝料はいくらかかるのか(慰謝料の相場は)?
ということではないでしょうか?
=慰謝料は示談金の一部=
まず、前提として慰謝料は示談金の一部であるということです。
示談金は正確には「損害賠償金」のことであり、慰謝料はその損害賠償金の一部です。
暴行・傷害行為は民法上の不法行為に当たり、加害者は暴行・傷害行為によって被害者に生じさせた「損害」を賠償する義務を負います(民法709条)。
この損害については「身体的損害」と「精神的損害」に分けることができます。
身体的損害は、治療費などの積極損害から休業損害などの消極損害まで様々です。
他方、精神的損害に当たるのが慰謝料というわけです。
=示談金を決める要素~示談金の相場=
正直いうと示談金(損害賠償金)の相場というものはありません。
なぜなら、示談金は傷害事件で現れた諸情状により変動するからです。
「情状」には
・被害者の怪我の程度
・被害者の処罰感情
・犯行態様(武器使用か否か)
・犯行に至るまでの経緯、動機(計画的か偶発的か)
などがありますが、このうち傷害罪で最も重要視されるのは「被害者の怪我の程度」です。
なぜなら、被害者の怪我の程度が重たければ重たいほど、上記でご紹介した治療費、休業損害、慰謝料も大きくなり、結果として損害賠償金(示談金)も大きくなるからです。
示談とは被害者側との話し合いです。
しかし、傷害罪の場合、加害者が示談交渉に乗り出しても、ほとんどの場合、被害者は示談交渉のテーブルには乗ってくれないでしょう。
また、どこまでの損害を賠償をするのか被害者側とよく話し合わなければなりません。
それには大変な知識と経験が必要ですし、労力・時間もかかります。
傷害罪で示談をご検討中の方は傷害罪に詳しい弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
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刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所は、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。
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【強要罪】久留米市での土下座強要で逮捕
【強要罪】久留米市での土下座強要で逮捕
土下座強要について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県久留米市の会社に勤めるAさんは,Vさんの会社での勤務態度に腹を立て,Vさんの胸ぐらをつかみながら「お前はここ何日間,会社に迷惑をかけたので,みんなの前で土下座しろ!」と言いましたが,会社の同僚がAさんとVさんの仲裁に入りました。後日,Vさんが福岡県久留米警察署に被害届を提出したことから,Aさんは久留米警察署で強要未遂罪の被疑者として事情を聴かれることになりました。
(フィクションです)
~ 強要未遂罪 ~
強要罪は刑法223条に規定されています。
刑法223条
1 生命,身体,自由,名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し,又は暴行を用いて,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害し た者は,三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命,身体,自由,名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害した者も,前項と同 様とする。
3 前二項の罪の未遂は,罰する。
強要罪は,「脅迫」(生命,身体等に対して害を加える旨の告知)又は「暴行」を用いて,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害した場合に成立する犯罪です。法定刑は「3年以下の懲役」と選択刑として罰金刑がありません。起訴され,刑事裁判で有罪の判決を受ければ懲役刑に処せられます。
また,3項では未遂罪を処罰する旨の規定が設けられています。
強要罪では,人に義務のないことを行わせる目的,あるいは権利を妨害する目的で,脅迫,暴行を行った時点で強要罪の実行の着手ありとされます。
そして,実行に着手し,「結果」が発生しなかった場合は強要未遂罪が成立します。
強要罪での「結果」とは,人に義務のないことを行わせること,権利の行使を妨害すること,です。
この点,AさんはVさんに土下座という人に義務のないことを行わせる目的で,胸ぐらをつかむという「暴行」を行っています。
そして,同僚が仲裁に入り,Vさんに土下座をさせるには至っていないことから,Aさんは強要未遂罪に問われているというわけです。
先日,厚労省からパワハラの基準が示されました。
土下座強要は明らかにパワハラに当たります。
パワハラをすると刑事のみならず,民事上の責任(損害賠償責任)を問われることもありますから注意が必要です。
~ 示談交渉は弁護士に依頼 ~
ところで,強要罪で懲役刑を受けることや,前科が付くことを回避したいならば,起訴前に被害者と示談を成立させることが賢明です。
しかし,本件のような強要事案の場合,当事者間で示談交渉しようとすると,被害者の処罰感情は強く,示談交渉のテーブルにすらついていただけない場合もございます。したがって,当事者間で示談交渉するのはお勧めできません。
そこで,弁護士が当事者の間に入って示談交渉する必要が出てきます。
示談交渉では,示談金額のみならず,加害者の謝罪や反省の気持ち,今後の再犯防止に向けた対策等を被害者にお伝えすることも可能です。
本件では,Aさんが他部署に異動するということも,場合によっては必要となってくるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は,強要罪をはじめとする性犯罪などの刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。

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【暴行】西鉄満員電車でのトラブルで暴行と示談
【暴行】西鉄満員電車でのトラブルで暴行と示談
暴行罪と示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市中央区天神で勤務するAさん(23歳)は、ショルダーバッグを背負って満員の西鉄電車に乗って通勤していました。そうしたところ、後方にいた男性Vさん(50歳)から、「満員なのでショルダーバックを降ろすか、棚に上げるかしてくれませんか。」などと声をかけられました。それでも言うことを聞かなかったAさんは、降車した天神駅でVさんから「ショルダーバックを背負っていると迷惑なんだよ。」「車内放送聞こえんかったんか。」と攻めよられるように言われたことから、カッとなって「なんだと~!」と言いながらVさんの背広の胸ぐらをつかみました。すると、近くにいた男性のWさんがAさんとVさんの間に割って入り、事態はいったん収まりました。しかし、その後Aさんは、現場に駆け付けた福岡県中央警察署の警察官から事情を聴かれることになりました。一方のVさんも事情聴取に応じ、中央警察署に暴行罪での被害届を提出しました。Aさんは自分に非があったことを認め、Vさんに謝罪し示談を成立させたいと考えています。
(フィクションです。)
~ 満員電車内でのバックの位置 ~
満員電車内では、ショルダーバッグを降ろすか、棚の上に置きましょう。
これはショルダーバッグを背負っていると、その分のスペースを確保することができず他の乗客の迷惑となるからです。
最近な、電車の車内放送や張り紙などでこのことを積極的に周知されるようになりました。
それでも、まだ上記マナーを守らない方を多くみかけます。
特に、地方の都市だと、満員電車自体が珍しく、ショルダーバックを降ろしたり棚の上にあげる必要性を実感できてない方が多いことがその原因とも考えられます。
~ 暴行罪 ~
暴行罪は刑法208条に規定されています。
刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
刑法(一部抜粋)
「暴行」とは、人の身体に対する不法な有形力の行使をいいます、
殴る蹴るといった行為が典型ですが、本件のように胸ぐら掴む行為も「暴行」に当たります。
また、狭い部屋でナイフを振り回す、最近だと、あおり運転のように、直接人の身体に触れない行為であっても、場合によっては「暴行」に当たることがあります。
このように、日常生活における「ちょっとした行為」が暴行に当たるおそれがあります。
特に感情に任せたままの行為は暴行罪に問われるおそれが高いですから注意が必要です。
~ 暴行罪と示談 ~
AさんはVさんに対する謝罪と示談を希望されているようです。
仮に、示談が成立すると、Vさんが「被害届を取り下げてくれる」ことが期待できます。
被害届が取り下げられると、その後の捜査を受けることはありません。
つまり、事件は警察どまりとなり、検察庁に送致されることはありません。
検察庁に送致されることがないということは、起訴、不起訴などの刑事処分を受けたり、懲役●●年、罰金●●円という刑罰を受けることはありません。また、前科もつきません(前歴としては残ります)。
また、会社によりますが、一般的には、Aさんの仕事へもさほど影響はないのではないでしょうか?
ただ、示談交渉を円滑に進めるためには弁護士に示談交渉を依頼した方が無難です。
まず、示談交渉を始めるには、捜査機関を通じて被害者の連絡先等を取得する必要があります。
しかし、捜査機関が加害者に被害者の連絡先等を教えることはありません。他方、弁護士であれば、被害者の承諾を得た上で教えます。つまり、弁護士でなければ示談交渉を始めることはほぼ不可能ということです。
また、実際の示談交渉では、様々な交渉をしなければなりません。
示談交渉は被害者の被害感情などが入り混じって進展が困難となる場合もあります。
こうした際、加害者自らが交渉することは困難ですし、示談交渉を頓挫させる原因ともなります。
示談を円滑かつ適切に成立させるためには弁護士に依頼した方が無難です。
示談についてはこちらもどうぞ→★示談について★
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傷害罪~逮捕後の流れと釈放
傷害罪~逮捕後の流れと釈放
傷害罪での逮捕後の流れと釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県久留米市に住むAさんは、久留米市内の居酒屋で学生時代の友人と酒を飲みました。その際、Aさんはついつい飲みすぎてしまい、同じ店で酒を飲んでいたVさんと些細な理由で口論になりました。怒りが収まらなかったAさんは、いきなりVさんの顔面を右拳で1回殴り、さらにもう1回Vさんを殴ろうとしたところで近くにいた友人に慌てて制止されました。Aさんはなお興奮が収まらず、居酒屋の店員の通報で駆けつけた久留米警察署の警察官により、暴行罪で逮捕されました。そして、後日、Vさんから久留米警察署に「加療約1週間を要する傷害」との診断書が提出されたことから、Aさんに対する容疑は暴行罪から傷害罪に切り替えられました。Aさんと接見した弁護士は、Aさんの早期釈放を目指すことにしました。
(フィクションです。)
~ 傷害罪 ~
傷害罪は刑法204条に規定されています。
刑法204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
「傷害」の意義については諸説ありますが、判例、裁判例は、人の生理機能に障害を与えること、又は人の健康状態を不良に変更することとする生理機能障害説に立っているものと思われます。
・打撲
・骨折
・創傷
「傷害」に当たることは明らかですが、中毒症状を惹起し、
・めまい
・嘔吐
・病菌の感染
なども「傷害」に当たるとされています。
次に、規定上は単に「人の身体を傷害した」と行為の結果しか書かれていませんが、その前提として、
1 暴行の故意+暴行行為
2 傷害の故意+傷害行為
が必要とされています。
「暴行」とは人の身体に対する不法な有形力の行使をいい
・殴る
・蹴る
・突く
・押す
・投げ飛ばす
などがその典型といえるでしょう。
「暴行の故意」とは、要は、怪我させるつもりはなかったという場合です。この、暴行の故意で暴行行為を働き、結果、傷害を発生させた場合でも傷害罪に問われます。
他方、「傷害の故意」とは、傷害させるつもりだったという場合です。傷害の故意で傷害行為を働き、結果、傷害を発生させた場合は傷害罪に、傷害を発生させなかった場合は暴行罪(刑法208条)に問われます。
最後に、暴行行為、又は傷害行為と傷害との間に因果関係があることが必要です。この因果関係の考え方についても諸説ありますが、基本的には「その行為がなかったならばその結果は発生しなかった」という関係が認められれば因果関係を認められるとされています。よって、暴行、傷害を加え怪我を負わせたとしても、その暴行、傷害と怪我との間に因果関係が認められない場合は傷害罪ではなく暴行罪が成立します。
~ 逮捕後の流れと釈放について ~
逮捕後の流れを大まかに見ると以下のようになります。
①逮捕(この間、釈放あり)→②勾留(この間、釈放あり)→③ア正式起訴→正式裁判→判決(有罪OR無罪)【例:懲役〇〇年 〇間執行猶予】→釈放(無罪、執行猶予付き判決時)
イ略式起訴→略式裁判→略式命令【例:罰金〇〇円】→釈放
ウ不起訴→釈放
まず、①から②(勾留決定まで)の間は、通常、2日から3日を要します。
この間に、釈放されることもあります。
弁護士としては、捜査機関や裁判所に早期釈放に向けて働きかけを行います。
②勾留が決定すると、当初の身柄拘束期間は「10日間」です。この期間については裁判官の裁量がなく、勾留決定を出すと自動的に身柄拘束期間は「10日間」と決まります。
しかし、この間、釈放されることもあります。
弁護士としては、勾留の裁判が間違っていますという「勾留の裁判に対する準抗告」、勾留の理由、必要性がなくなりましたという「勾留取消し請求」を駆使して早期釈放に努めます。
③に至ると、起訴か不起訴かの刑事処分が決められます。
起訴には正式裁判と略式裁判の2通りがあります。
初犯で被害者の怪我の程度が軽い場合は略式起訴されることが多いかと思います。
正式起訴後は「保釈請求」によって釈放を求めることができます。仮に、保釈が許可されず、身柄拘束が継続した場合でも、裁判で無罪か執行猶予付き判決を受けるとその時点で釈放です。
略式起訴された場合は略式命令が出た段階で釈放です。
不起訴処分が決定した場合は、まずは処分保留のまま釈放され、その後不起訴処分とされることが多いでしょう。
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【暴力事件】殺人罪の中止犯とは?~北九州市小倉南区
殺人罪の中止犯とは?~北九州市小倉南区
殺人罪と中止犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
北九州市小倉南区に住むAさんは、自分の娘であるVさん(5歳)の首をひもで締めて殺そうとしましたが、Vさんが泣き出したことでかわいそうだという気持ちになり、首を絞めるのをやめたことでVさんは死亡するに至りませんでした。とんでもないことをしてしまったと思ったAさんは自ら警察に通報したため、Aさんは福岡県小倉南警察署に殺人未遂罪の疑いで逮捕されました。
Aさんの両親から依頼を受けてAさんと接見した弁護士は、殺人罪の中止犯が成立するとみています。
(事実を基にしたフィクションです。)
~ 中止犯とは ~
中止犯と聞くと、なんだか殺人罪のとは別の犯罪が成立して刑が重たくなるのではないか、と思われそうですが、実はそうではありません。
殺人罪における中止犯とは、
犯罪の実行に着手したものの、人の死という結果が発生せず、かつ、結果が発生しなかった原因が自らの意思で犯行を中止したと認められること
をいい、中止犯が成立すると
必要的に刑が減軽されます。つまり、殺人罪の法定刑の
死刑又は無期若しくは5年以上の懲役
が
死刑→無期の懲役若しくは禁錮又は10年以上の懲役若しくは禁錮
無期→7年以上の有期の懲役又は禁錮
5年以上の懲役→2年6月以上の懲役(上限懲役10年)
と減軽され、この範囲で量刑が決められます。
中止犯の根拠は刑法43条後段に求められます。
刑法43条
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
~ 殺人罪の実行に着手したこと ~
中止犯が成立するには、まず、犯罪の実行に着手したこと、が必要です。
犯罪の実行にすら着手していない場合は、罪に問われないか、あるいは殺人予備罪(刑法201条、2年以下の懲役)に問われるにとどまります。
殺人罪の実行に着手したといえるためには、死亡結果を生じさせる危険のある行為を開始している必要があります。
典型的な例としては、刃物で相手の心臓付近を突き刺す行為や、けん銃を相手に向けて引き金を引く行為などが考えられます。
また、極めて限定的な事例ではありますが、裁判例の中には、クロロホルムを吸引させて被害者を昏倒させ、自動車に乗せたうえで、自動車事岸壁から海中に転落させて沈めて溺死させるという計画を立ててこれを実行したという事案で、クロロホルムを吸引させた時点で殺人罪の実行に着手したと認めたものがあります。
~ 結果が発生しなかったこと ~
次に、人の死という結果が発生しなかったことが必要です。
これには、①そもそも結果が発生しなかった場合と、②死亡結果と原因行為との間に因果関係が認められない場合とが考えられます。
因果関係が認められない場合としては、例えば、実行行為者の行為とは全く無関係のところから死亡結果が生じている場合や、死亡結果のそもそもの原因を特定できない場合などがあります。
因果関係が認められるか否かの判断は、実行行為の危険の大小や、介在事情の異常性など様々な事情を考慮して行われますが、この判断は非常に困難です。
~ 結果が発生しなかった原因が自らの意思で犯行を中止したと認められること ~
ここで大切なのは、①「自己の意思により」、②「犯罪を中止した」といえるか否かです。
ただし、①はあくまで内面の事情ですから、その判断も非常に困難です。
学説としては、
犯人が自己の行為を後悔してやめた場合を中止未遂、それ以外の事由によってやめた場合を障害未遂
という主観説と、
犯人が社会一般の通念に照らして、犯罪の遂行を断念させるような事情又は表象がないにもかかわらずやめたときに中止未遂、そのような犯罪の遂行に障害となるような事情又は表象によってやめたときは障害未遂
とする客観説がありますが、判例はこの客観説に立っているものと思われます。
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【暴力事件】傷害致死罪と正当防衛~福岡県田川市
傷害致死罪と正当防衛
傷害致死罪と正当防衛について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県田川市に住むAさんは、夫Vさんから日常的にDVを受け続けていました。そこで、Aさんは今後夫から暴力を振るわれたときにそなえて常にバタフライナイフをズボンのポケットに隠し持っていました。そして、ある日、AさんはまたVさんから殴りかかられそうになりました。そこで、Aさんはズボンのポケットからバタフライナイフを取り出し、Vさんに示して「近づいたら殺すぞ。」などと言ってVさんを脅しました。しかし、それでもAさんはVさんから襲いかかられそうになったことからとっさにバタフライナイフを突き出したところ、ナイフがVさんの心臓部に突き刺さってしまいました。AさんはVさんが大量の血を流しながらその場に意識のない状態で転倒したことから、「大変なことをしてしまった。」と思い、自ら110番、119番通報したところ、駆け付けた福岡県田川警察署の警察官により傷害罪で緊急逮捕されてしまいました。また、その後、搬送先の病院でVさんの死亡が確認され、Aさんに対する容疑は傷害罪から傷害致死罪に切り替わりました。
(フィクションです。)
~ 傷害致死罪 ~
傷害致死罪は刑法205条に規定されています。
刑法205条
身体を傷害し,よって人を死亡させた者は,3年以上の有期懲役に処する。
「傷害」の意味については様々な説がありますが、人に怪我をさせることが「傷害」に当たることは明らかです。
これからすると、AさんがVさんの身体にバタフライナイフを突き刺す行為は「傷害」に当たります。
加えて、傷害致死罪は「死亡」という結果が発生し、「傷害」と「死亡」との間に因果関係が存在してはじめて成立します。
では、殺人罪(刑法199条)はどうでしょうか?
殺人罪と傷害致死罪の適用と分ける大きな要素は、殺意の有無です。
殺意が認められれば殺人罪、殺意が認められなければ傷害致死罪です。
殺意とは,要は「人の内心」ですから,被疑者・被告人の供述のほか、以下の要素から認定されていきます。
・被害者の受傷の部位
・受傷の程度
・計画性の有無
・犯行道具の有無
・犯行に至るまでの経緯
・犯行時の加害者の言動
・犯行後の言動
この点、確かにAさんはバタフライナイフという大変危険な凶器を使用しています。
しかも、普段からこのナイフをズボンのポケットに忍ばせていた、というのです。
この点だけ見れば確かに、Aさんに殺意が認められてもおかしくはなさそうです。
しかし、AさんはVさんから日常的にDVを受け続けており、万が一のときにそなえてズボンに忍ばせていたのです。
また、実際にVさんから殴りかかられそうになったときも防御に終始しており、Vさん殺害のために積極的にナイフを使った、とは言い難いです。
したがって、この点をも含めて考えると殺意は否定される方向に働きそうです。
~ 正当防衛 ~
また、仮に傷害致死罪が成立するとしても、正当防衛の成否を検討しなけばなりません。
正当防衛は刑法36条1項に規定されています。
刑法36条1項
①急迫②不正の③侵害に対して、④自己又は他人の権利を防衛するため、⑤やむを得ずにした行為は、罰しない
※数字は筆者が記載
AさんはVさんから殴りかかられそうになった、というのですから①急迫、②不正の③侵害、を受けたことは明らかです。
問題は④と⑤です。
~ ④自己又は他人の権利を防衛するため ~
ここでよく問題となるのは、防衛の意思(身を守ろうとする意思)があったか否か、という点です。
防衛の意思○→正当防衛成立
防衛の意思×→正当防衛不成立
~ ⑤やむを得ずにした行為 ~
誤解を恐れず言うと「やり過ぎたらダメ」ということです。
やり過ぎではない→正当防衛成立
やり過ぎ→正当防衛不成立
通常、攻撃者(Vさん)が素手であるのに対し反撃者(Aさん)が武器の場合は「やり過ぎ」と評価されるでしょう。
しかし、本件のように日頃DVを受けていた体格的のも劣る女性のAさんが、素手で襲い掛かってくる男性Vさんに武器で対抗した場合はどうでしょうか?
この場合、Aさんとしては素手で対抗してもまたVさんから暴力を受ける可能性が高かったといえます。
また、Aさんの防御態様としては、ナイフをVさんに示すにとどまっています。
したがって、この場合、「やり過ぎ」と評価することは困難です。
具体的状況にもよりますがAさんに正当防衛が成立する可能性もあります。
詳細は弁護士に相談しましょう。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 福岡支部 弁護士紹介
【暴行・傷害】小郡市~勾留取消し請求とは?
【暴行・傷害】小郡市~勾留取消し請求とは?
暴行、傷害罪と勾留取消し請求について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県小郡市に住むAさんは、繁華街で通行人のVさんとすれ違った際、肩が当たったことからVさんに「何をするんだ!」「謝れよ!」などと言って、Vさんの胸ぐらをつかみ、顔面や腹部を殴る、蹴るの暴行を加えました。Aさんは周囲の人から制止され、通報で駆け付けた福岡中央警察署の警察官に暴行罪の現行犯で逮捕されました。その2日後、Vさんから加療約2週間との診断書が警察に提出されたことにより、Aさんに対する容疑は暴行罪から傷害罪に切り替わり、傷害罪で勾留されました。Aさんは、時がたって自分に全面的に非があったことを認めており、Vさんに謝罪し被害弁償したいと考えています。また、可能であれば示談を成立させ、早く釈放されることを望んでいます。Aさんは接見に来た弁護士に自分の意向を伝えました。
(フィクションです)
~ 暴行罪 ~
暴行罪の規定は以下のとおりです。
刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
暴行罪の「暴行」とは、人の身体に向けられた不法な有形力の行使をいうとされています。もっとも典型なのが
殴る、蹴る、突く、押す、投げ飛ばすなど
直接人の身体に触れる行為が挙げられます。もっとも、暴行罪の「暴行」は直接人の身体に触れる行為に限らず、
・着衣を強く引っ張る行為
・胸ぐらをつかむ行為
・人に向かって石やガラスコップを投げる行為、棒を振りかざす行為
・毛髪等を切断する行為
・室内で太鼓等を連打する行為
・耳元で拡声器を通じて大声で怒鳴りつける行為
・狭い室内で日本刀を振り回す行為
など、直接人の身体に触れない行為も「暴行」とされることがあります。
傷害罪の規定は以下のとおりです。
刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
傷害罪は上記の「暴行」の他に「傷害(怪我など)」という結果と「暴行」と「傷害」との間の「因果関係」があってはじめて成立する罪です。したがって、
・「暴行」を加えたものの「傷害」(結果)が発生しなかった場合
・「暴行」と「傷害」との間に「因果関係」が認められない場合
は傷害罪は成立せず、暴行罪が成立するにとどまります。
~ 勾留後の身柄解放手段(勾留取消し請求など) ~
Aさんは傷害罪で勾留されています。
勾留後の身柄解放手段には大きく分けて2つあります。
①勾留の裁判に対する「準抗告(不服申し立て)」と②勾留の決定を取消すという「勾留取消し請求」です。
どちらも主張が認められれば釈放が認められる、という点で効果は同じです。しかし、①が「裁判官の勾留決定が誤っている」と主張するのに対し、②は裁判官の勾留決定に誤りはないものの、勾留後に事情の変化が生じ、「勾留の理由・必要がなくなった」と主張する点で異なります。
②の「事情の変化」としてもっとも大きいのは被害者側との「示談」です。
経験則上、被害者と示談を成立させておきながら、事件に関する証拠を隠滅する人は少ないと言えます。また、示談成立は、被疑者の刑事処分にとって有利に働く事情ですから、処分や刑罰をおそれて逃走する人も少ないと言えます。
そこで、示談が成立すれば、勾留の理由である、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがないことの証左となり、勾留取消し請求をする理由の一つとなりえます。
勾留取消し請求は、準抗告に比べて数は少ないと言われていますが、それでも法律上認められている手段ですので検討の余地は十分にあります。
いずれにしても、早め早めに弁護士に依頼し、示談交渉など身柄解放に向けた弁護活動を始める必要があります。
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【傷害】中央区で児童虐待
【傷害】中央区で児童虐待
児童虐待と傷害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市中央区内に住む内縁の夫であるAさんは、自宅アパートで、同居していたBさんの子どものV君(生後1か月)に暴行を加え傷害を負わせたとして、福岡県中央警察署に傷害罪で逮捕されました。Aさんが仕事で不在中にところ、BさんがV君を病院に連れて行ったところ、「児童虐待の疑いがある」として警察に通報されたようです。Aさんは、接見した弁護士に「抱っこしていた際に落としただけ。」などと話しているようです。
(フィクションです)
~ 児童虐待とは ~
児童虐待については、児童虐待の防止等に関する法律2条に規定されています。それによると、児童虐待とは
保護者(略)がその監護する児童(18歳に満たない者をいう。以下同じ)について次に掲げる行為をいう
とされています。
次に掲げる行為とは、以下の行為です。
1号 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれがある暴行を加えること(身体的虐待)
2号 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること(性的虐待)
3号 児童の心身の発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること(ネグレクト)
4号 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(略)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと(心理的虐待)
~ 児童虐待の現状 ~
厚生労働省によると、全国の児童相談所が2018年度に児童虐待の相談・通告を受けて対応した件数は
15万9850件(速報値)
だったとのことです。1990年度の統計開始から28年連続の増加しており、連携が進む警察からの通告がほぼ半数を占めているとのことです。
相談・通告内容の内訳は、
・心理的虐待 55.3%
・身体的虐待 25.2%
・ネグレクト 18.4%
・性的虐待 1.1%
とのことで、心理的虐待が全体の半数を占めていることが分かります。
~ 児童虐待と罪 ~
児童虐待に当たる行為は、刑法などに規定される罪によって処罰される可能性があります。
1号の身体的虐待は、暴行罪、傷害罪で処罰される可能性があります。暴行罪の法定刑は「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です。傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。傷害させ、児童(人)を死亡させた場合は傷害致死罪で処罰される可能性があります。同罪の法定刑は「3年以上の有期懲役」です。
2号の性的虐待は、強制わいせつ罪、強制性交等罪、監護者わいせつ罪、監護者性交等罪で処罰される可能性があります。強制わいせつ罪の法定刑は「6月以上10年以下の懲役」、強制性交等罪は「5年以上の有期懲役」、監護者わいせつ罪は強制わいせつ罪と同様、監護者性交等罪は強制性交等罪と同様です。児童(人)を傷害、死亡させた場合、強制わいせつ致死傷罪、監護者わいせつ致死傷罪として「無期又は3年以上の懲役」、あるいは強制性交等致死傷罪、監護者性交等致死傷罪として「無期又は6年以上の懲役」に処せられる可能性があります。
3号のネグレクトは、保護責任者遺棄罪で処罰される可能性があります。法定刑は「3月以上5年以下の懲役」です。児童(人)を傷害、死亡させた場合は保護責任者遺棄致傷罪、保護責任者遺棄致死罪で処罰される可能性があります。前者の法定刑は「3月以上15年以下の懲役」、後者の法定刑は「3年以上の有期懲役」です。
4号の心理的虐待は、行き過ぎた暴言は暴行罪、それによって精神的な障害を患った場合などは傷害罪で処罰される可能性もあります。
~ 児童虐待で逮捕される可能性は非常に高い ~
児童虐待では、親と子どもが同居していることが通常で、仮に、児童虐待が発覚した場合は、子どもに危害を加えるおそれがあり罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがあるとして逮捕される可能性が非常に高いと思われます。
早期釈放をお望みの場合は、弁護士へご相談ください。
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【暴力事件】みやこ町でのいじめ
【暴力事件】みやこ町でのいじめ
いじめと暴力事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県みやこ町に住む高校教諭のAさんは教員歴10年で、教員1年目であるVさんの指導係でした。
Aさんはもともと生徒や後輩職員に対する指導で厳しいことで有名で、Vさんに対する指導も他の職員が気を引くほどの厳しさでした。
そして、ある日、AさんはVさんを誰もいない教室にVさんを呼び出し、Vさんに向かって「なんであんなこともできないんだ!」などと怒号してVさんの顔面を1回殴る暴力を振るいました。その日を境に、Aさんは他の職員と一緒に、机の上に置いてあったVさんの物を隠したり、放課後Vさんを呼び出し羽交い絞めにして無理矢理激辛カレーを食べさせるなどの「いじめ」を繰り返すようになりました。
そうしたことでVさんはうつ病に罹患し学校を休むことになりました。それと同時に、Vさんは学校にいじめに遭っていたことを報告し、警察に被害届を提出しました。
(フィクションです)
~ はじめに ~
上記事例は、マスコミで取り上げられた、
神戸市須磨区の市立東須磨小学校の男性教諭が共謀して、同僚教諭を羽交い締めにして激辛カレーを目にこすりつけるなどしたほか、男性教員の車を傷つけ、無料通信アプリLINEで第三者にわいせつな文言を無理やり送らせるなどのいじめを繰り返し行っていた
という事例を参考に作成させていただきました。
一連のいじめ行為について、学校側は今年6月頃、別の複数の教員からの相談をきっかけに事態を把握していたようですが、市教育委員会には「いじめ」ではなく「人間関係のトラブル」などと報告し、事態を深刻にはとらえていなかったようです。ところが、9月になり、市教育委員会が被害教諭の家族から被害教諭の状態などについて連絡を受けたことで事実関係の調査を始め、そこでいじめの被害が明るみに出たようです。
一連のいじめにより被害教諭は精神的に不安定になり、今年9月から休暇による療養を余儀なくされているようです。また、加害者に対する刑事告訴についても検討中とのこと。
そこで、今回は、どんな罪が成立し得るのかご紹介いたします。
~ いじめと暴力事件 ~
まず、AさんがVさんの顔面を殴る行為は暴行罪(刑法208条)に当たる可能性があります。
刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
また、暴行によって人に傷害を負わせた場合は傷害罪(刑法204条)に当たる可能性があります。
刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
なお、肉体的苦痛のみならず精神的苦痛を与えた場合もここでいう「傷害」に当たる可能性があります。
次に、AさんがVさんの物を隠す行為は、基本的には器物損壊罪に当たります。
刑法261条
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
また、その物を自ら使うつもりで盗った場合は窃盗罪です。
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
最後に、Vさんを呼び出し羽交い絞めにして無理矢理激辛カレーを食べさせる行為は強要罪(刑法223条)に当たる可能性があります。
刑法223条
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
~ 暴力事件の告訴を阻止するには話し合いで解決 ~
神戸の被害教諭は、刑事告訴を検討されているようです。
刑事告訴されると、上記でご紹介した刑罰を受けるおそれがでてきます。また、刑罰の種類によっては失職(懲戒とは別)の可能性もないわけではありません。
こうした事態を回避するには、被害者側と話し合い(示談交渉)を行って解決を目指すしかありません。
そのために弁護士は力になることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、暴力事件をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

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ちょっとした暴行で傷害致死罪?
ちょっとした暴行で傷害致死罪?
傷害致死罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県太宰府市に住むAさんは、Vさん、Wさんと福岡市内の居酒屋で飲んだ後、カラオケに行くことになりました。しかし、カラオケ店に行く途中、AさんとVさんはお金の貸し借りのことで喧嘩となりました。Aさんは、もともとVさんが一向にお金を返さないことに不満を抱いており、さらに今回のVさんとの言動からVさんがAさんにお金を返す気がない、と思いました。Aさんは、そんなVさんがカラオケ代までおごってくれ、と頼んできたことから、Vさんに対する怒りが頂点に達し、「お前いいかげんにしろ!」と言って両手でVさんの胸を勢いよく押したところ、Vさんは酔った勢いも加勢して仰向けに転倒させてしまいました。その結果、Vさんの後頭部を道路の縁石に打ちつけさせ意識不明の状態に陥らせてしまいました。Aさんはパニック状態となっていたため、Wさんの119番通報により、Vさんは駆け付けた救急隊員により病院へ搬送されましたが搬送先で死亡してしまいました。その後、Aさんは、警察に傷害致死罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
~ 傷害致死罪 ~
傷害致死罪は刑法205条に規定されています。
刑法205条
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。
本罪は傷害罪(刑法204条)の
結果的加重犯
です。
結果的加重犯とは、
一定の基本となる犯罪(基本犯)の構成要件を実現した後、犯罪行為から行為者(Aさん)の予期しない重い結果が生じたときに、その重い結果について刑が加重される犯罪
のことをいいます。
~ 傷害罪(基本犯) ~
では、傷害致死罪の基本犯である傷害罪をみていきましょう。
同罪は、刑法204条に規定されています。
刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、他方で、傷害致死罪は「3年以上の有期懲役(上限は懲役20年)」ですから、確かに刑が加重されている(重くなっている)ことが分かります。
傷害罪が成立するためには(構成要件)、
①暴行行為(暴行の認識(故意))→②傷害→③、①と②との間の因果関係(パターン1)
あるいは、
①傷害故意(傷害の認識(故意))→②傷害→③、①と②との間の因果関係(パターン2)
が必要です。
~ 「予期しない重い結果が生じたこと」 ~
傷害致死罪が成立するには、さらに、上記要件に加えて
予期しない重い結果(人の死)が生じたこと
が必要です。
「予期しない」という点がポイントで、予期していた場合は、殺人罪(刑法199条)が成立します。
刑法199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
予期していたか、予期していなかったかで法定刑に大きな開きがあることがお分かりいただけるかと思います。
~ 因果関係が必要 ~
傷害罪では、暴行行為や傷害行為と傷害との間に因果関係が必要とされましたが、傷害致死罪でも同様に、
傷害と人の死との間に因果関係が必要
とされます。
仮に、因果関係が認められない場合は、行為者に人の死についての責任を問うことはできませんから、傷害罪が成立するにとどまります。
~ ちょっとした暴行でも傷害致死罪に! ~
これまでご説明してきたことからすると、傷害致死罪は、パターン1によっても成立する可能性があるということになります。
つまり、ちょっとした暴行でも、それによって相手方を死亡させ、その暴行と死亡との間に因果関係が認められる場合は、傷害致死罪に問われることがあるということです。
~ 傷害致死罪は裁判員裁判対象事件 ~
傷害致死罪は、一般人も裁判に参加する裁判員裁判対象事件です。
裁判員裁判対象事件で適切な事実認定、量刑をお求めの方は、ぜひ私選の弁護人選任もご検討ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。

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