【盗撮】中央区のジムでの盗撮で通常逮捕
本日は、盗撮で後から逮捕されることはあるのか、あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡市中央区に住む会社員のAさんは、会員制の24時間営業のトレーニングジムに登録しており、平均週3回のペースで、仕事終わりにジムに通っていました。Aさんは、ジムに通い始めるうち、ある特定の女性に好意を持つようになり、その女性の裸や下着姿を見たい、と思うようになりました。そこで、Aさんは、深夜、会員が少なく、スタッフの目が届いていないところを見計らって女性更衣室に入り、更衣室に衣室全体が映るよう精度の高い小型カメラを設置しました。ところが後日、清掃員が女性更衣室を清掃していたところ、この小型カメラの存在に気づきトレーニングジムの店長に報告。店長が店の防犯カメラ映像を確認すると、Aさんらしき人が女性更衣室に入っていくのが確認されました。そこで、店長は福岡県中央警察署に捜査を依頼したところ、Aさんは建造物侵入罪、福岡県迷惑行為防止条例違反の被疑者で通常逮捕されてしまいました。Aさんは、警察官と押収された小型カメラの映像を確認したところ、Aさんの顔が映っていました。これが逮捕の決め手となったようです。
(フィクションです。)
~ 盗撮に関する規定 ~
福岡県では、盗撮に関して、福岡県迷惑行為防止条例6条2項3号、3項2号に規定を設けています。
第6条 (略)
2項 何人も、公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、正当な理由がないのに、前項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
1号 通常衣服で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着をのぞき見し、又は写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下この条において「写真機等」という。) を用いて撮影すること。
2号 衣服等を透かして見ることができる機能を有する写真機等の当該機能を用いて、衣服等で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着の映像を見、又は撮影をすること。
3号 前二号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。
3項 何人も、正当な理由がないのに、第一項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
1号 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態をのぞき見し、又は写真機等を用いて撮影すること。
2号 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。
罰則は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(条例11条1項)、常習として行った場合は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金(条例12条1項)です。
なお、本件では、女性の身体、下着が撮影されていたかどうかまではわかりませんが、撮影されていた場合は「6条3項1号」、撮影されていなかった場合は「6条3項2号」が適用されるものと思います。
~ 建造物侵入罪について ~
建造物侵入は刑法130条前段に規定されています。
刑法130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
建造物侵入罪は「正当な理由がなく」、「人の看守する建造物」に「侵入」した場合に成立する罪です。
トレーニングジム全体はもちろん、トレーニングジム内の各個室(更衣室など)も「建造物」に当たります。
「侵入」とは、看守者の意思に反した立ち入りのことをいいます。
そして、トレーニングジム及び各個室の看守者は、通常ジムの店長であることが多いかと思います。そして、盗撮目的で更衣室に立ち入る行為は、店長の意思に反した立ち入り、といえ「侵入」したことに当たるでしょう。
~ 通常逮捕とは ~
盗撮といえば、逮捕の種類の一つである
現行犯逮捕
を真っ先にイメージされる方が多いかと思います。
しかし、実は、盗撮事案では現行犯逮捕ではなく通常逮捕、つまり盗撮行為をした後、数日後、数か月後、場合によっては盗撮の時効が完成するまでに逮捕される、ということももちろんありえます。
これは盗撮に限らず、犯罪の嫌疑が残されている以上は、逮捕の可能性が100%なくなったわけではない、ということは知っていただきたいと思います。
ちなみに、盗撮の時効は、犯行日から「3年」です。
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