資力が50万円以上でも国選弁護人の選任は可?

2019-10-31

資力が50万円以上でも国選弁護人の選任は可?

国選弁護人について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県飯塚市に住む無職のAさんは、自宅内で覚せい剤を含ませた水溶液入りの注射器を右腕に注射しました。そして、Aさんは、同市内を歩いていたところ、前方から歩いてきた福岡県飯塚警察署の警察官の職務質問を受けました。Aさんは、その言動などから覚せい剤使用を疑われ、尿検査のため飯塚警察署まで任意同行を求められました。そして、Aさんは警察署で尿を提出すると、検査の結果、尿から覚せい剤の成分が検出されたことが判明し、覚せい剤取締法違反(使用罪)で緊急逮捕されてしまいました。Aさんは当番弁護士と接見したところ、引き続き弁護士による弁護活動を受けるには、私選弁護人あるいは国選弁護人を選任しなければならないことを教えてもらいました。Aさんは、銀行に60万円の預貯金を有していましたが、今後の生活のことを考えると国選弁護人を選任したいと考えています。
(フィクションです)

~ 私選弁護人、国選弁護人 ~

私選弁護人は、その名の通り、ご自身の裁量で選任できる弁護人(弁護士)、国選弁護人は、法テラスが裁判所に提出した弁護士名簿の中から、裁判所が選任する弁護人です。
私選弁護人の場合、弁護活動に要した費用はすべてご自身で負担しなければなりません。しかし、逮捕前、逮捕後にかかわらずいつでも選任できることがメリットの一つです。また、いつでも解任することができます。他方、国選弁護人の場合、原則として費用をご自身で負担する必要はありません。しかし、私選弁護人と異なり、選任、解任を自由にできるわけではありません。

~ 国選弁護人を選任するための条件 ~

国選弁護人の選任に関しては刑事訴訟法37条の2に規定されています。

第37条の2 
1項 被疑者に対して勾留状が発せられている場合において、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判官は  、その請求により、被疑者のため弁護人を付さなければならない。ただし、被疑者以外の者が選任した弁護人がある場合又は被疑者が釈放され  た場合は、この限りでない。
2項 前項の請求は、勾留を請求された被疑者も、これをすることができる。

これによると、

・被疑者が勾留請求された、あるいは被疑者に勾留状が発せられたこと
・被疑者の貧困、あるいはその他の事由によって弁護人を選任することができないこと

という条件満たす場合に、国選弁護人の選任の請求をすることができるとされています。

なお、「貧困」については、資力が「50万円以下」であることが基準とされています。

~ 資力が「50万円以上」の場合は? ~

では、資力が50万円以上の場合は国選弁護人を選任できないかというとそうではありません。
なぜなら、刑事訴訟法37条の2では、「その他の事由」に当たる場合でも国選弁護人の選任を請求することができるとしているからです。

この「その他の事由」とは、

あなたが弁護士会に私選弁護人の選任を請求したものの、何らかの事情によって弁護士会から選任を拒絶された場合

をいいます。
このことからすると、資力が50万円以上ある人は、

国選弁護人の選任を請求する前に、まず弁護士会に私選弁護人の選任を請求しなければならない

ことになります。そして、そこで私選の弁護人が選任されなかったときにはじめて国選弁護人の選任を請求できることになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

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