統合失調症と自動車運転~免許の可否~

2019-11-01

統合失調症と自動車運転~免許の可否~

統合失調症と自動車運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

〇〇に住むAさんは統合失調症に罹患しており、医師から自動車の運転を控えるよう言われていました。ところが、ある日、Aさんは医師の指示を無視して車を運転していたところ、前方で信号待ちのため停止していたVさん運転の車に自車を衝突させてしまいました。Aさんは車から降り、Vさんに謝罪し、自ら110番通報して現場に警察官が来るのを待ちました。そして、Aさんは現場に駆け付けた〇〇警察署の警察官による実況見分や事情聴取などを受けたところ、道路交通法違反(過労運転等の罪)の被疑者として検挙されてしまいました。今後のことが不安になったAさんは、刑事事件専門の弁護士に無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです。)

~ 統合失調症と運転免許 ~

道路交通法90条では、運転免許試験に合格した者に対する免許に関する規定を設けています。

道路交通法90条
 公安委員会は、前条第一項の運転免許試験に合格した者(略)に対し、免許を与えなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、政令で定める基準に従い、免許(略)を与えず、又は六月を超えない範囲内において免許を保留することができる。

一 次に掲げる病気にかかつている者
 イ 幻覚の症状を伴う精神病であつて政令で定めるもの
 ロ 発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であつて政令で定めるもの
 ハ イ又はロに掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの

「政令」とは道路交通法施行令をいいます。
そして、道路交通法施行令33条の2の3では以下の規定が設けられています。

道路交通法施行令33状の2の3
 法90条第1項第号イの政令で定める精神病は、統合失調症(自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く。)とする。

つまり、これらの規定によれば、統合失調症に罹患したとしても

・運転免許試験に合格したこと
・自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないこと

が認められれば、

運転免許を取得することは可能

なのです。

なお、警察の運用基準(平成29年7月31日付、一定の病気等に係る運転免許関係事務に関する運用上の留意事項について)の「一定の病気に係る免許の可否等の運用基準」でも、

医師が「自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈していない」旨の診断を行った場合(当該診断を行った理由が、自動車等の安全な運転に必要な能力を欠く状態となるおそれはあるが、そのような状態に陥った際は、自動車等の運転ができない状態であると判断されることによるものである場合を除く。)、免許の拒否、保留、取消し又は効力の停止は行わない

としています。

~ 免許を保留される場合とは? ~

道路交通法90条によれば、統合失調症に罹患している場合、免許を拒否される(与えられない)か

6か月を超えない範囲で免許を保留

されることがある、とのことです。
そして、先ほどの警察の運用基準によると、

医師が、「6月以内に、自動車等の安全な運転に必要な能力を欠く状態となるおそれがある」と診断した場合は、6月の免許の保留とする(医師の診断を踏まえて、6月より短期間の保留で足りると認められる場合は、当該期間が保留期間)

としています。

なにはともあれ、運転免許を受けるには、医師の診察は必要不可欠です。
現に運転免許を受けているものの統合失調症の影響により運転に不安な方、これから運転免許の取得をご検討中の方ははやめに医師に相談しましょう。
また、各都道府県警察には、専門の相談窓口(運転適性相談窓口)も設けられていますから相談されてみてはいかがでしょうか?

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

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