【事例解説】落とし物の財布を横領 遺失物横領罪で取り調べ

 コンビニの駐車場に落ちていた財布を持ち去ったとして警察で取り調べを受けた事件を参考に、遺失物横領罪と、その弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

 福岡市在住の男子大学生A(22歳)は、コンビニの駐車場に落ちていた財布を発見し、そのまま持って帰ってしまいました。
 暫く後、財布の落とし主Vからコンビニに連絡があったところ、防犯カメラにAの様子が写っていたため警察に通報がなされ、後日、警察からAに呼び出しがあり、遺失物横領の容疑で任意の取り調べが行われました。
 Aは、今後の対応について、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(事例はフィクションです。)

遺失物横領罪とは

 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する、と定められています(刑法第254条)。

 遺失物とは、「他人が占有していた物であって、当該他人の意思に基づかず、かつ、奪取によらず、当該他人が占有を失ったもので、それを発見した者の占有に属していないもの」と定義されており、落とし物は通常これに該当します。

 遺失物法により、遺失物の拾得者は、遺失物を速やかに遺失者に返却するか、警察等に提出しなけなければならないとされていますが、遺失物横領(自己の占有する他人の物を不法に自分の物にすること)した場合、遺失物横領罪が成立します。

 本件では、Vの落とした財布は遺失物にあたるので、Aが拾得後、これを横領したとして、遺失物横領の容疑で取り調べが行われたものです。

持ち主の占有の有無と窃盗罪の成否

 本件では、Aに窃盗罪が成立する可能性もあります。
 他人の物を拾得したときに、持ち主の占有が残っている場合は窃盗罪が成立し、持ち主の占有が残っていない場合は遺失物横領罪が成立します。

 ここでの占有とは、「物が他人の事実的支配力の及ぶ場所に存在する」こととされており、人の出入り等の現場の状況、持ち主が現場を離れて経過した時間や移動した距離など、様々な要素から占有の有無が判断されます。

 なお、判例では、公園のベンチに置き忘れた小物入れを持ち去った場合に、持ち主が現場から離れた時間や距離等の事情から、窃盗罪の成立を認めたものがあります。

 以上のことから、本件でVがコンビニの駐車場を離れた時間や距離などから、財布に対するVの占有が残っていたものとして、容疑が窃盗罪に変わる可能性も否定できません。

遺失物横領罪の弁護活動

 窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金と、遺失物横領罪より重くなるため、取り調べについては、刑事事件に強い弁護士に相談の上、慎重に対応することをお勧めします。

 遺失物横領罪などの財産犯では、被害者への謝罪や被害弁償の有無のほか、示談の成立が検察官の起訴・不起訴の判断において特に重視されますが、刑事事件に強い弁護士であれば、しっかりした内容の示談が成立する可能性が見込まれ、不起訴処分で事件が終了する可能性を高めることができます。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は刑事事件に強く、遺失物横領罪などの財産犯の事件において、示談成立による不起訴処分を獲得している実績が多数あります。
 遺失物横領罪で自身やご家族が警察の取り調べを受けるなどして不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

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