刃物を示して脅迫~北九州市

2019-09-28

刃物を示して脅迫~北九州市

刃物を示しての脅迫について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

北九州市小倉南区に住むAさんは、近所に住むVさんが決められた日にごみを捨てていないことに憤慨し、Vさんに苦情を言いに行こうと思い、用心のためポケットに刃物を入れ自宅を出て、自宅から約300メートル離れたVさん宅敷地内に立ち入りました。そして、Aさんは玄関ベルを押したところ、Vさんが玄関に出てきたことからVさんに「おい、ごみの捨て方まちがっとるぞ。」、「悪臭がしよるって、近所中評判になっとるぞ。」と言うと、Vさんから「俺が出しよるとこみよるとか。」などと言われました。これに憤慨したAさんは、ポケットに入れていた刃物を取り出し、刃物の刃先をVさんに見せながら「おれをなめんな!」、「いい加減にしろ!」、「殺すぞ!」などと怒号しました。すると、Vさんの後方にいたVさんの妻が110番通報し、Aさんは「暴力行為等処罰に関する法律違反」で現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~ 脅迫罪 ~

一般に、「殺すぞ」などと言った場合は脅迫罪が成立します。
脅迫罪は刑法222条に規定されています。

刑法222条

1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫したものは、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2項 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対して害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

~ 刃物を示して脅迫した場合は? ~

ところが、刃物を示して脅迫した場合は、暴力行為等処罰に関する法律(以下、法律)、が適用されることがあります。
この法律は、集団的、常習的あるいは兇器を用いて行われる暴行罪、脅迫罪、器物損壊罪、傷害罪(刑法204条)について刑法の刑を加重する(法律1条関係(2条関係の説明は省略します)などした法律です。
大正15年4月に制定されたふる~い法律で、第一次世界大戦後の社会的、経済的不満がまん延する大正末期に続発した集団的・常習的な暴力行為、面会強請、強談威迫などに対処するために制定されたと言われています。

この法律1条をそのまま引用すると、

 団体若ハ多衆ノ威力ヲ示シ、団体若ハ多衆ヲ仮装シテ威力ヲ示シ又ハ兇器ヲ示シ若ハ数人共同シテ刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百八条、第二百二十二条又ハ第二百六十一条ノ罪ヲ犯シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ三十万円以下ノ罰金ニ処ス

と書かれてあります。

~ 法律1条の内容 ~

法律1条の内容をまとめると、

手段としては

・団体の威力を示すこと
・多衆の威力を示すこと
・団体を仮装して威力を示すこと
・多衆を仮装して威力を示すこと
・凶器(兇器)を示すこと
・数人共同すること

とされ、これらの手段を用いて、

・刑法208条(暴行罪)
・刑法222条(脅迫罪)
・刑法261条(器物損壊罪)

に当たる行為をした場合に法律1条が適用されます。法定刑は

3年以下の懲役又は30万円以下の罰金

脅迫罪よりも重たいことが分かります。

~ 本件では? ~

本件では、

凶器を示して刑法222条の罪を犯した

場合に当たる可能があります。「凶器」とは、人の生命・身体に害を加えるのに使用されるような器具をいいます。鉄棒、こん棒のように本来用途においては人を殺傷すべきものではないが、殺傷のために使えば使いえる器具(いわゆる「用法上の兇器」)も含むとされています。

~ その他の罪にも問われる可能性も!? ~

Aさんは、その他の罪にも問われる可能性があります。
まず、刃物を携帯した点は、銃砲刀剣類所持等取締法の刃物の携帯禁止の罪に、Vさん方敷地内に立ち入った行為については刑法(130条前段)の住居侵入罪に当たる可能性があります。
前者の法定刑は「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」、後者の法定刑は「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」です。
なお、ここでの刃物とは、基本的に、決められた方法で計った刃体の長さが6センチメートルを超える刃物をいいます。また、敷地内でも住居の一部ですから、正当な理由なく立ち入れば住居侵入罪に当たる可能性があります。

~ 示談交渉は弁護士に依頼 ~

この種事件においても示談交渉が、今後の刑事処分や量刑を決める上で大切になってきます。お困りの方は弁護士へご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談初回接見サービスの予約受付を承っております。

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