誤認逮捕について~防犯ビデオ映像の落とし穴~

2019-08-25

誤認逮捕について~防犯ビデオ映像の落とし穴~

福岡県新宮町に住むAさんは、同町内の大型スーパーで商品8点を万引きしたとして福岡県粕屋警察署に窃盗罪で通常逮捕されてしまいました。Aさんは、取調べを担当した警察官に、「確かに、そのスーパーは私も利用しますが、逮捕事実に記載されている日にはそのスーパーにはいっていません。」「その日は、自宅でごろごろしていました。」「万引きなどしていません。」などと言いました。すると、Aさんは警察官から、「スーパーの防犯カメラにあんたの顔が映っているの。」「これは動かぬ証拠だよ。」「正直にいいなさない。」と言われてしまいました。その後、Aさんに対しては、犯行を否認しているなどという理由で勾留決定が出されてしまいました。ところが、その後、勾留期間3日間が経過した後、粕屋警察署の裏付け捜査によって、万引きをしたのはAさんとよく似たBさんで、犯人はAさんでないことが判明しAさんは釈放されました。
(フィクションです)

~ 誤認逮捕とその特徴 ~

誤認逮捕に関する法律上の定義があるわけではありませんが、誤認逮捕とは、簡単にいえば

白であることが明らかである人を、犯罪の関わった疑いがあるとして逮捕すること

ではないでしょうか?これに対し、「黒か白か分からない人(程度の差こそありますが、いわゆるグレーな人)を逮捕すること」は誤認逮捕とは言わないでしょう。なぜなら、逮捕は犯罪に関わった「疑い」がある人を対象としているからです。だからこそ、誤認逮捕かどうかは逮捕した直後に判明することは稀で、事例のように数日経ってから、あるいは最悪の場合、数年、何十年も経た裁判の結果が出てから(冤罪事件)「あれは誤認逮捕だった」と判明することが大多数です。

~ 繰り返される誤認逮捕 ~

このブログを書こうと思ったのは、先日、「愛媛県で女性が誤認逮捕された(逮捕は今年7月8日)」とのニュースを見たことがきっかけでした。
女性が疑われた事実は、「今年の1月9日、松山市清水町の路上で、タクシーから降りる際に、売上金などが入ったセカンドバックを盗んだ」というものでした。女性は逮捕されその後勾留請求されていますが、請求が却下されたことから釈放されていますが、逮捕後約2日間は社会と隔離された生活を強いられたことは事実ですし、仮に、勾留請求が許可されていたならばもっとさらに拘束期間は伸びていましたし、最悪、裁判で有罪の烙印を押されていたかもしれません。昨年10月には、男性が、東京都中野区内のコインランドリーで女性の衣服を盗んだとして逮捕、勾留され、約3日間、身柄を拘束されています。

~ なぜ、誤認逮捕は繰り返されるのか? ~

一つ目に、ビデオカメラの性能が上がったことによる、捜査官の先入観です。
愛媛の事件ではドライブレコーダーが、東京の事件では防犯ビデオカメラが逮捕の証拠となっていることは明らかです。確かに、防犯ビデオ映像はそこに記録されている状況を客観的に映し出す鏡であり「動かぬ証拠」とも言われています。しかし、その映像を見て、確認するのは捜査員である「人」であり、そこにはどうしても先入観が入り込んでしまうおそれがあるのです。愛媛の事件でも東京の事件でも、捜査員の「この映像に映っている人が犯人だ」という先入観が誤認逮捕の一因となっているのではないでしょうか?(またそのような先入観が、取調べ官の、逮捕された方の話に耳を傾けないという態度に現れてしまいます。)

二つ目に、犯行を裏付ける証拠が不十分であることです。
愛媛の事件では、犯人が犯行時に着ていたとされる服や被害品は、誤認逮捕された女性の近辺からは出てこなかったそうです。また、ドライブレコーダーに映っていた他の同乗者も特定できず、どの同乗者から話を聴くことすらできていなかったようです(誤認逮捕なのですから、同乗者が特定できないのも自然なことで、この時点で警察は「おかしいな」とは思わなかったのでしょうか?)。このように、犯行を裏付ける証拠が不十分なまま逮捕に踏み切ったことが誤認逮捕の原因となっています。警察は「ドライブレコーダーに女性らしき人が映っているから」と安心してしまったのでしょうか?

~ あなたも誤認逮捕の対象に? ~

最近は、以前に比べ、市民の防犯意識が高まり、街中のいたるところで防犯カメラが設置されてあるのをみかけます。しかし、防犯ビデオ映像には、上でご紹介した危険も孕んでおり、よって、あなたもいつ、どこで誤認逮捕の対象とされてしまうか分かりません。もし、逮捕されてしまい困ったという場合(誤認逮捕以外の場合も含め)は、はやめに弊所の弁護士まで弁護活動をご依頼ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見無料法律相談の予約を受け付けております。

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