福岡県の刑事事件弁護士解説① 車上狙いの違法捜査で無罪判決 

2018-08-26

福岡県の刑事事件弁護士解説① 車上狙いの違法捜査で無罪判決         

Aさんは,スーパー駐車場に駐車中の無施錠の軽トラックの中から,発泡酒1箱(時価2500円相当)を窃取した(車上狙い)として現行犯逮捕起訴されました。
裁判所は,警察の捜査を違法(①)と認定し,違法捜査と直接かつ密接に関連する証拠は排除される(②)から,Aさんの自白を補強する証拠がなく,Aさんを無罪(③)としました。刑事事件専門の弁護士が解説します。
(平成29年3月24日付鹿児島地方裁判所加治木支部判決を基に作成)

~ 事件の概要(違法と認定された捜査とは?) ~

本件は,警察官がスーパーの駐車場に無人かつ無施錠の軽トラック(助手席上に発泡酒1箱,食パン等が放置)を駐車し,Aさんがこれに対し車上狙いに出たところを現行犯逮捕した(以下,本件捜査という)というものでした。

~ なぜ,違法と認定されたのか?(上記①について) ~

裁判所は,まず,車上狙いに対する本件捜査を「なりすまし捜査」と仮称した上で,同捜査を任意捜査の一類型と位置づけました。
そして,なりすまし捜査判例平成16年7月12日 最一小決)が定義した「おとり捜査」の違いを指摘しつつも,両者は本来犯罪を抑止すべき立場にある国家が犯罪を誘発しているとの側面があり,その捜査活動により捜査の公正が害される危険を孕んでいるという本質的な性格は共通しているから,判例が指摘したおとり捜査が許容される要件は,車上狙いに対するなりすまし捜査でも有用であるとしました。

判例が指摘した要件とは,ア,機会があれば犯罪を行う意思があると疑われる者を対象としていること,イ,直接の被害者がいない薬物犯罪等の捜査において,通常の捜査のみでは当該犯罪の摘発が困難であること,です。
裁判所は,Aさんがアには当たると認めました。
しかし,イに関して,・車上狙いは密行性が高い薬物犯罪等とは異なり,証拠の収集や犯人の検挙が困難な犯罪類型ではないこと,・具体的にみても,通常の捜査手法ではその捜査を遂げることが困難であると認めるべき事情がなことなどを理由に,車上狙いに対するなりすまし捜査の必要性はほとんどなく,本件捜査は任意捜査として許容される範囲を逸脱しており違法と判示したのです。
 
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は車上狙いなどの刑事事件専門の法律事務所です。
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