福岡県の暴力団排除条例

2019-07-30

福岡県の暴力団排除条例

福岡市中央区にある建設会社Xの代表取締約Aさんは、パチンコ店Yとの契約で、ある地域にパチンコ店を建設する予定としていましたが、地元住民の反対から建設の着工には程遠い状況でした。そんなある日、Aさんは、暴力団組員Bから一本の電話を受けました。Aさんは電話に出ると、Bから「〇〇組の者だけど。」「お宅の会社、地元住民の反対でパチンコ店を建設できないって?」「俺たちが住民たちを黙らせてやる。」「その代わりと言っては何だが、仲介料として100万円を〇〇口座に振りんでもらえないかね?」と言われました。Aさんはどうしようか迷いましたが、会社の経営を考えると着工を遅らせるわけにはいかないと思い、指定された口座に100万円を振込みました。そうしたところ、地元住民の反対運動は沈静化し、Aさんは建設に着工することができましたが、後日、福岡県中央警察署暴力団との癒着が明らかとなって暴力団排除条例違反により逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~ はじめに ~

お笑い芸人のスリムクラブが、平成28年に、指定暴力団幹部の誕生パーティーに出席するなどしてギャラを受け取っていたことが判明し、無期限の謹慎処分を受けたことはご存知かと思います。スリムクラブ以外にも数々の芸人が反社会的勢力あらギャラを受け取っていたことが明らかとなっています。そこで、本日は、福岡県で制定されている暴力団排除条例についてみていきたいと思います。

~ 暴力団排除条例 ~

福岡県では全国初の暴力団排除条例(以下、条例)が制定され(現在は各地の都道府県で制定されています)、平成22年4月1日から施行されています。

福岡県においては、暴力団が、県民の生活や社会経済活動に介入し、県民や事業者に多大な脅威を与えている現状にあることに鑑みて、安全で平穏な県民生活を確保するとともに、福岡県の社会経済活動の発展のため、暴力団を排除するための条例が制定されたのです。

条例の構成は、

第1章   総則 (第1条~第5条)
第2章   暴力団の排除に関する基本的施策等 (第6条~第12条の2)
第2章の2 暴力団排除通報をした者に対する不利益な取扱いの禁止 (第12条の3)
第3章   青少年の健全な育成を図るための措置 (第13条~第14条)
第3章の2 特定の地域における暴力団の排除を推進するための措置 (第14条の2)
第4章   暴力団員等に対する利益の供与の禁止等 (第15条~ 第17条の3)
第5章   暴力団員等が利益の供与を受けることの禁止等 (第18条 ・ 第18条の2)
第6章   不動産の譲渡等をしようとする者の講ずべき措置等 (第19条 ・ 第20条)
第6章の2 特定の事業者に対する暴力団の不当な影響を排除するための措置 (第20条の2)
第7章   義務違反者に対する措置等 (第21条~第23条 )
第8章   雑則 (第23条の2~第24条)
第9章   罰則 (第25条 ・ 第26条)

となっています。

~ 事業者等に対する罰則 ~

事業者は、暴力団員等又は暴力団員等が指定した者に対し、

暴力団の威力を利用する目的で、金品その他の財産上の利益の供与(以下単に「利益の供与」という。)をすること。
暴力団の威力を利用したことに関し、利益の供与をすること

を禁じられており(条例15条1項)、これに違反して利益の供与をした者は

1年以下の懲役又は50万円以下の罰金

に処せられることとなっています(条例25条1項3号)。なお、暴力団員等とは、現に暴力団員の者のみならず、暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者も含まれます(条例2条3号)。

また、暴力団排除特別強化地域で特定接客業を営む者の申出により、暴力団員が当該営業所に立ち入ることを禁止する旨の「標章」を掲げることができます(条例14条の2第2項、3項)が、

・標章を損壊し、若しくは汚損し、又は取り除いた場合

30万円以下の罰金

に処せられることになっています(条例25条4項2号)。

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