ネット上でわいせつ行為~配信した側と閲覧する側の罪~

2019-07-31

ネット上でわいせつ行為~配信した側と閲覧する側の罪~

北九州市小倉北区に住む会社員女性のAさん(28歳)は、「小遣い銭稼ぎ」と称し、自宅にあるパソコンなどを使用して全裸でわいせつな行為をする動画を生配信していたところ、福岡県小倉北警察署署の突然のガサ(捜索)を受け、パソコン等を押収され、公然わいせつ罪で逮捕されてしまいました。Aさんと同居していた両親は、突然のガサを受け、また娘が逮捕されたことに驚き、娘が何をしたのか詳しく知りたいため、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(事実を基にしたフィクションです。)

~ はじめに ~

ひと昔前であれば、公然わいせつ罪といえば、公園や駅などの公共の場で、全裸姿、あるいは、一部の性的部位を露出するという態様が多かったように思いますが、最近ではインターネットなどの普及によって、インターネット上でこのような行為をし、公然わいせつ罪で逮捕されるという事例が散見されます。

先日、6月28日には、事例のように全裸でわいせつな行為をしていたユーチューバーの女性が警視庁に公然わいせつ罪で逮捕されていますし、同月26日には、全裸でわいせつな行為をしている映像をインターネット上でライブ中継したとして、名古屋市北区のアダルト動画配信会社社長ら男女4人が愛知県警に公然わいせつ罪で逮捕されています。

~ 公然わいせつ罪とはどんな罪? ~

公然わいせつ罪は刑法174条に規定されています。
 
刑法174条
 公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

簡単にご説明しますと、「公然と」とは、不特定又は多数人が認識することができる状態をいいます。「認識することができる状態」であれば公然となるわけですから、必ずしも認識されている必要はありません。インターネットの世界では、世界中の誰もがいつでも、どこでも、好きなときに情報を得ることができる世界であることは既に周知の事実であるといっても過言ではありません。そこで、全裸でわいせつな行為をする動画を生配信している際、たまたま誰からも閲覧されていなかったとしても「公然」に当たりますし、閲覧されいたとすればなおさら「公然」に当たるでしょう。
次に、「わいせつな行為」とは、行為者又はその他の物の性欲を刺激興奮又は満足させる動作であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するもの、とされており、全裸となる行為はもちろん、自らの下半身を露出する行為や、性交渉を見せつける行為などもこれにあたると考えられます。

* わいせつ電磁記録媒体公然陳列罪との違い *

これまでご紹介した事例とは異なり、わいせつな行為を行っている様子を録画し、この録画映像をインターネット上で公開したという場合には、わいせつ電磁記録媒体公然陳列罪(刑法第175条1項)が成立すると考えられます。
いずれの行為も、わいせつな行為の動画をインターネット上で公開したという点で共通していますが、公開されたわいせつな行為がリアルタイムで行なわれたものなのか、それとも過去(インターネット上に公開される以前)に行われたものなのかという点で異なります。
わいせつ電磁記録媒体公然陳列罪の法定刑は「2年以下の懲役又は250万円以下の罰金もしくは科料、又は懲役及び罰金の併科」となっています。

~ 閲覧した側は罪に問われないの? ~

閲覧する側がいるからこそ配信する側が存在するわけでして、配信する側が処罰されるのであれば閲覧する側も処罰されないの?などと疑問を持たれる方もいるかもしれませんが、閲覧行為そのものを処罰する法令はありません。しかしながら、その動画を何かの記録媒体に保存、所持していた場合は話は別です。

つまり、閲覧した対象者(配信者側)が18歳未満の者と知りつつ、その動画等を所持、保管していた場合は児童ポルノ禁止法(略称)の所持罪、所管罪(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)で処罰されるおそれはありますし、18歳以上の場合であっても、有償で頒布する目的で記録媒体を所持したり、保管した場合はわいせつ電磁的記録媒体所持罪・保管罪(2年以下の懲役又は250万円以下の罰金もしくは科料、又は懲役及び罰金の併科)で処罰されるそおれがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間、無料法律相談初回接見サービスの受け付けを行っております。

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