Archive for the ‘窃盗罪’ Category
執行猶予中の再犯(万引き) 執行猶予の取消しについて~②~
~前回(執行猶予)~の続き~
前回に引き続き、本日のコラムでは、執行猶予中に再犯(万引き)をしてしまった…この場合、執行猶予は取消されるのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
執行猶予の取消し
執行猶予というのは、刑務所に行くことを免除したのではなく、あくまで「見送る」こと(猶予すること)にすぎません。
したがって、その執行猶予期間中に万引きなどの犯罪を犯せば、執行猶予が取り消される可能性が非常に高いのです。
刑法は執行猶予が取り消される場合として
②裁量的取消し(取り消される場合がある)
の2つの場合を定めています。
必要的取消しについて
執行猶予が必ず取り消されるのは、執行猶予期間中にさらに罪を犯し、その罪につき
禁錮以上の実刑に処せられた場合(刑法26条1号)
です。
ここで「禁錮以上」とは禁錮のほか懲役を含みますが罰金は含みません。
裁量的取消しについて
執行猶予が取り消される可能性があるのは、執行猶予期間中に罪を犯し、
- 罰金に処せられた場合(刑法26条の2第1号)
- 保護観察の遵守事項を遵守せず、情状が重いとき(刑法26条の2第2号)
などです。
A子さんの場合は?
万引きは窃盗罪にあたります。窃盗罪の罰則は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですから、A子さんが今回の万引きで起訴され刑事裁判で有罪とされれば懲役でも罰金でも処罰される可能性があります。
そして、懲役で処罰された場合は必要的に前の執行猶予が取り消され、罰金で処罰された場合でも前の執行猶予が取り消される可能性がある、ということになります。
もっとも、以上はA子さんが起訴された場合の話ですから、起訴されるまでは執行猶予が取り消されるということはありませんので、まずは不起訴処分の獲得を目指す必要があります。
執行猶予中に再犯(万引き)事件を起こしてしまった方は
執行猶予中に事件を起こしてしまった方は、まず刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。
『執行猶予中の犯行=実刑(刑務所に服役)』ではありません。
刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士は、わずかな可能性を信じ、お客様を権利を守るために全力で弁護活動を行っております。
執行猶予中の犯行であっても、諦めずに一度ご相談ください。
刑事事件のご相談は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお問い合わせください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、福岡県を中心として刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所は、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。
刑事事件や少年事件に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。
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執行猶予中の再犯(万引き) 執行猶予の取消しについて~①~
執行猶予中に再犯(万引き)をしてしまった…この場合、執行猶予は取消されるのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
執行猶予中の再犯(万引き)してしまった事件
福岡県飯塚市に住む主婦のA子さんは、これまで何度か万引き事件を起こして警察に検挙されており、最近では1年半ほど前に警察に捕まり、その後の刑事裁判で「懲役10月執行猶予3年」の判決を受けました。
そうした中、1週間ほど前に再び、福岡県飯塚市にあるスーパーで食料品など数千円程度の商品を万引きして店外に出たところで、店員に声をかけられました。
A子さんは店員の隙をついて自転車に飛び乗り、何とか自宅まで逃げ帰ることができました。
A子さんは、このままだと警察に逮捕されて、執行猶予が取り消されてしまうのではないかと不安で夜も眠れません。
※この事件はフィクションです。
執行猶予中に再犯を犯してしまうとどうなるのか…
執行猶予が取り消されて刑務所に服役しなければいけないのでは…
そんな不安を抱えている方がいるかもしれません。
そこで本日と次回のコラムでは、執行猶予と、執行猶予の取消しについて、刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士が解説します。
執行猶予
まず本日は執行猶予について解説します。
執行猶予とは、被告人が有罪であることは間違いないものの、被告人に酌むべき事情が認められ、社会生活を送りながらでも更生に期待できる場合に、一定期間(執行猶予の期間)、刑務所に行くことを猶予することです。
そして執行猶予期間中に何もなければ、判決時に言い渡された懲役刑や禁錮刑は免除されて、刑務所に行かなくてもよくなります。
これが「執行猶予」という制度です。
A子さんは、1年半ほど前に万引きをした事件で、「懲役10月執行猶予3年」という判決を受けています。
この裁判でA子さんに酌むべき事情が認められ、社会生活を送りながらの更生が期待されたから、A子さんは執行猶予付き判決を受けることができ、すぐに10月の懲役刑が科せられずに済んだのです。
そして、そのまま執行猶予期間である3年間、何事もなく過ごしていれば10月の懲役刑は免れていたはずですが、結果的に再犯を犯してしまったので、執行猶予が取り消されてしまう可能性が非常に高くなります。
執行猶予が取り消しについては次回のコラムで解説します。
なお、執行猶予期間の起算点は控訴期限日(判決の言い渡しの翌日から14日目)の翌日、つまり確定日からとなります。
~次回(執行猶予の取消し)に続く~
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家族の指輪を盗んで転売 これって犯罪ですか?
家族の指輪を盗んで転売する行為が犯罪になるのか?弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士が解説します。
事例
筑紫野市に家族と住んでいる会社員のAさんは、一緒に住んでいる母親の部屋にあるタンスの引き出しから高級そうな指輪を盗み出し、リサイクルショップで転売しました。
それからしばらくして指輪がなくなっていることに気付いた母親は、福岡県筑紫野警察署に窃盗の被害届を提出したようです。
(フィクションです。)
Aさんのように、家族の指輪を盗んだ場合、Aさんは刑事罰に問われるのでしょうか?
窃盗罪
他人の物を盗むと「窃盗罪」が成立します。
そこで窃盗罪の条文をみてみましょう。
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
母親は「他人」ではないので窃盗罪に該当しないのでは?と思った方がいるかもしれませんが、ここでいう「他人」とは、自分以外の者という意味であり、血の繋がりは関係ありません。
よって窃盗罪の条文だけを読み解くと、母親の指輪を盗んだAさんの行為は窃盗罪に該当するでしょう。
親族相当例
「親族相当例」とは、一定の親族間で特定の罪を犯した場合に、その人の刑を免除したり、被害者等からの告訴がなければ起訴できないこととしたりする特例のことで、刑法第244条に規定されています。
配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪、第235条の2の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
~以下省略前~
この規定は「法は家庭に入らず」という思想の下、犯罪自体は成立するが、刑罰を免除するというのが判例・通説の考え方です。
つまり、Aさんの行為は窃盗罪に抵触するでしょうが、刑罰を受けることはないということです。
指輪が他人の物だったら…
では、Aさんが盗んだ指輪が母親の物ではなく、他人の物だった場合はどうでしょうか。
そこで問題となるのがAさんが「配偶者、直系血族又は同居の親族との間で」窃盗の罪を犯したのかどうかです。
この点については様々な考え方がありますが、判例・通説は、所有者、被害者双方との間に親族関係が必要であるとしています。
つまり今回の被害者である母親とは親族関係がありますが、指輪の所有者とは親族関係がありませんので、Aさんは、刑法244条1項の適用を受けず、刑罰を受ける可能性が高いでしょう。
刑事事件にお困りの方は
以上のように、同居している家族から物を盗んでしまうと、刑罰を受けない場合もありますが、一定の場合には刑罰を受ける可能性があります。
仮に、刑罰を受ける可能性がある場合においては、適切に対処する必要がありますので、早期に弁護士に相談し、適切な対処をするべきです。
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春日市の万引き事件 窃盗罪と事後強盗罪
春日市の万引き事件を参考に、窃盗罪と強盗罪・事後強盗罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
万引き
万引きとは、スーパーなどに陳列されている商品を手に取り、その商品の代金を支払わずに、お店の承諾なく店外に持ち出して盗む犯罪です。
万引きは、刑法で規定されている『窃盗罪(刑法235条)』に該当し、起訴されて有罪が確定すれば「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられます。
万引きは、窃盗罪の中でも非常に身近な犯罪です。
被害額が少額なことから、罪の意識が希薄になりがちですが、物欲を満たすことを目的に犯行に及ぶ人もあれば、犯行時のスリルを味わいたくて犯行に及ぶ人もおり、常習性のある、再犯率が高い事件でもあります。
事後強盗罪
事後強盗罪とは、刑法238条に
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪証を隠滅するために、暴行又は脅迫したときは、強盗として論ずる。
と規定されています。
「~強盗として論ずる」の強盗とは、刑法第236条に規定されている犯罪で、その内容は「暴行や脅迫を用いて他人の財物を強取する」ことによって成立します。
それでは事後強盗罪について解説します。
まず事後強盗罪の主体となるのは、窃盗又は窃盗未遂の犯人です。
この犯人が
- 財物を得てこれを取り返されることを防ぐ
- 逮捕を免れる
- 罪跡を隠滅する
の、何れかの何れかの目的で、暴行又は脅迫をした時に成立するのが事後強盗罪です。
事後強盗罪が成立するためには、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行や脅迫が必要とされています。
相手方の反抗を抑圧するに足りる程度とは、どの程度なのかと思われた方もいるとは思いますが、イメージとしては「財産を力づくで奪ったかどうか」が、一つの判断基準ということになります。
事後強盗罪で起訴されて有罪が確定すれば「5年以上の有期懲役」が科せられます。
万引き(窃盗罪)が強盗(事後強盗罪)
万引き(窃盗罪)が強盗(事後強盗罪)に発展するのはよくあるケースです。
例えば、スーパーの商品をポケットに入れて、そのまま店外に持ち出したが、店を出たところで店員に声を掛けられたので、その店員を突き飛ばして逃走した場合などは、事後強盗罪となる可能性が高いでしょう。
注意しなければならないのが、ここで店員が怪我をしてしまった場合は、事後強盗罪ではなく、強盗致傷罪が成立してしまうことです。
強盗致傷罪は、刑法で規定されている他の犯罪と比べても非常に厳しい罰則が規定されている犯罪で、起訴された場合は、裁判員裁判によって裁かれます。
強盗致傷罪で起訴されて有罪が確定した場合は「無期又は6年以上の懲役」が科せられます。
春日市の刑事事件でお困りの方
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、春日市の万引き事件、事後強盗事件に即日対応している法律事務所です。
春日市の刑事事件でお困りの方は、是非、ご相談ください。
ご相談、初回接見サービスのご予約は フリーダイヤル 0120-631-881
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友達から盗んだバイクをもらった もらうだけでも犯罪~②~
昨日のコラムで解説したようにBさんに窃盗罪が成立することを前提として、Aさんにはどのような犯罪が成立するでしょうか。
感覚的には、バイクはBさんがバイク屋から盗んできたものであって、どのように処分するかもBさんの勝手であって、Bさんのみが責任を問われるということにもなりそうです。
しかし、実際には、Aさんには、盗品等の罪(刑法256条)という犯罪が成立します。
盗品等の罪
1 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。
2 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。
Aさんが、Bさんから盗品のバイクをタダでもらったのか、お金を払って売ってもらったのかは分かりませんが、お金の払ったかどうかで適用される法律が異なります。
何れにしても、窃盗罪により取得されたバイクは、「盗品」に当たり、事情を知ってそれをもらった、Aさんは盗品等の罪に問われることになります。
Aさんがお金を払わず、無償でBさんから盗品であるバイクをもらっていた場合、適用されるのは、刑法第256条第1項の「盗品等無償譲受け罪」です。
他方、AさんがBにお金を払って、盗品であるバイクをかっていた場合、適用されるのは、刑法第256条第2項の中に規定されている「盗品等有償譲受け罪」です。
盗品であることを知らなかったら
Aさんとしては、Bさんがバイクを盗んできたことを知らなかった、すなわち、バイクが盗品だと認識していなかったと主張することが考えられます。
今回の事例では、Aさんは、Bさんが盗んできたものだと知っていたということを前提にしていますが、もしBさんから「盗んできたものだ」など言われることなく、Aさんがバイクをもらってしまったという場合、上記のような主張をすることが考えられます。
犯罪が成立するには、基本的に故意というものが必要になります(一部例外があります)。今回の事例で簡単にいうと、Aさんが、バイクについて盗まれたものであろうと認識している必要があり、そのような認識がない場合、盗品等譲受け罪が成立しません。
ここで注意して欲しいのは、あくまでバイクが盗まれたもので「あろう」という認識がAさんにあれば犯罪が成立します。
そうすると、たとえば、Bさんが、もともとバイクを所有していなかったことを知っていて、かつ、Bさんにはバイクを購入するお金がなかったという場合には、そのバイクが盗まれたもので「あろう」という認識があったのではないかという判断になる可能性が高くなりますが、この点は、具体的な事実関係にもよると思います。
どんな刑事罰が科せられるの?
Aさんに盗品等無償譲受け罪が成立した場合、有罪が確定すると「3年以下の懲役」が科せられます。
盗品等無償譲受け罪は、罰金刑の規定がないので、起訴されるということは刑事裁判になってしまいます。
またAさんに盗品等有償譲受け罪が成立した場合は、有罪が確定すると「10年以下の懲役及び50万円以下の罰金」が科せられます。
通常、法定刑は懲役刑のような自由刑か、罰金刑のような財産刑のどちらかが科せられる、若しくは時として併科されるのですが、盗品等有償譲受け罪は、非常に珍しい懲役刑と罰金刑の両方が課せらる犯罪です。
まずは弁護士に相談
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、窃盗罪や盗品等の罪に関する相談を初回無料で承っております。
何か刑事事件を起こしてしまった方、ご家族、ご友人が刑事事件を起こして警察に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、福岡県を中心として刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所は、土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスのお電話を受け付けております。お急ぎの方につきましては、お電話をいただいたその日中に相談・接見等の弁護サービスをご提供しております。
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友達から盗んだバイクをもらった もらうだけでも犯罪~①~
友達から盗んだバイクをもらった場合、窃盗行為に関与していなくても、もらうだけでも犯罪となることを、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士が解説します。
事例
窃盗事件
Bさんは、福岡市内にあるバイク屋の前にキーが付いたまま止まっていたバイクを盗みました。
盗品等事件
Bさんがバイクを盗んで数か月後、Bさんの友達Aさんは、Bさんから「盗んだバイクだけど、もう乗らないからいるか?」と聞かれ、このバイクをもらいました。
(この事例はフィクションです。)
Bさんの事件(窃盗事件)
Bさんには、窃盗罪(刑法235条)が成立します。
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
刑法の規定に従って説明すると、バイク屋が所有するバイクという「他人の財物」を、バイク屋の意思に反して取得、すなわち「窃取」しています。
仮にBさんが「盗むつもりではなく、ただ単に借りたつもりだった。」と主張したとしましょう。
こうした主張は、法律上、「不法領得の意思」がなかったという主張になります。
不法領得の意思とは、権利者を排除して、他人の物を自己の所有物として、その経済的用法に従い、利用処分する意思のことです。
そして、この不法領得の意思は、窃盗罪が成立するのに必要不可欠とされているので、Bさんの主張が認められた場合は、Bさんが窃盗罪に問われることはないでしょう。
しかし、今回のような事件で不法領得の意思は肯定されるでしょうから、Bさんは窃盗罪の刑責を負うことになります。
~明日に続く~
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マイナスドライバーを持ち歩いたら犯罪!特殊開錠用具とは?
マイナスドライバー等持ち歩いたら犯罪となる特殊開錠用具について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
参考事件
福岡県飯塚市に住む無職のAさんは、窃盗罪の前科があり、約5年前に出所してからも、空き巣等を繰り返しています。
そんなある日、Aさんは、空き巣に入る家を探して歩いていたところ福岡県飯塚警察署の警察官に職務質問されました。
そして上着のポケットに入れていたマイナスドライバーが警察官に見つかったAさんは、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律違反で現行犯逮捕されました。
(フィクションです。)
特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律
マイナスドライバーを持ち歩くことを規制している法律があることを皆さんはご存知でしょうか。
その法律は「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」というあまり聞きなれない法律です。
平成15年に施行されたこの法律は、特殊開錠用具の所持、指定侵入工具の携帯が禁止されています。
所持が禁止されている特殊開錠用具とは、鍵屋等の特殊な職業の方でなければ日常生活で目にする事のない工具で、ピッキング用具、破壊用シリンダー回し、ホールソーのシリンダー用軸、サムターン回しです。
携帯が禁止されている指定侵入工具とは、ある一定の条件を満たしたマイナスドライバー、バール、ドリルです。
マイナスドライバーについては「長さが15㎝以上で、先端が平らで0.5㎝以上ある物」を隠匿携帯することが禁止されています。
つまり、この条件に該当するマイナスドライバーを隠し持っていたら、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律違反で逮捕されるおそれがあるのです。
Aさんの場合、マイナスドライバーを上着のポケットに入れていたので、隠匿携帯していたと認められて現行犯逮捕されたと考えられます。
罰則
特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律違反で禁止されているマイナスドライバーを隠匿携帯していた罪で起訴されて、有罪が確定すると「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられるおそれがあります。
そもそもこの法律は、建物に侵入して行われる犯罪を未然に防止することを目的としているので、Aさんのように、マイナスドライバーを隠匿携帯していたことで警察に逮捕されると、窃盗(侵入盗)の余罪を疑われての取調べを受ける可能性が大です。
飯塚市の刑事事件に強い弁護士
飯塚市の刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が警察に逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
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福岡県柳川警察署管内で発生した外国人による侵入窃盗事件~強制退去を免れるために~②
昨日に引き続き、福岡県柳川警察署管内で侵入窃盗事件を起こした外国人が強制退去を免れるためにできることを、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
外国人による刑事事件
Aさんのような外国人が、日本国内で犯罪を犯し警察に逮捕された場合は、外国人だからといって特別な手続きがとられるわけではなく、日本人と同じように刑事手続きが進められます。
侵入窃盗事件を起こして警察に逮捕された場合、逮捕から48時間までは警察の留置場に拘束される事となり、その間に勾留を請求するか否かが判断されます。
勾留が請求されない場合は、逮捕から48時間以内に釈放され、その後は不拘束状態での捜査が継続されますが、勾留が請求された場合は、検察庁に送致されて、そこで検察官の取調べを受けた後に、裁判所に勾留請求される事となります。
そして裁判官が勾留を認めると、その日から10日~20日間は再び警察の留置場若しくは拘置所に拘束されたまま取調べを受ける事となります。
勾留の最終日に検察官が起訴するか否かを決定し、起訴されなければ釈放となりますが、起訴された場合は、その後の刑事裁判で最終的な処分が決定します。
ただ同じ犯罪でも、日本人の被疑者よりも外国人の方が、逮捕されるリスクや、その後の身体拘束を受けるリスクは高くなるでしょう。
また取調べを受ける中でも様々なリスクが生じてしまいます。
その代表的なのが言葉の壁です。
日本語が通じなければ、通訳を介して取調べが行われますが、自身の主張が書類になっているかに不安を感じてしまう外国人の方は少なくありません。
また生活習慣の違いも大きな壁となるでしょう。
もし逮捕、勾留された場合は、警察署の留置場に収容されることになります。
留置場での生活は、宗教上の理由等が、ある程度考慮されると言われていますが、日本との生活習慣の違いが精神的なストレスになることは間違いありません。
強制退去になることも
日本で刑事事件を起こしてしまった外国人の方が一番心配されているのが強制退去についてです。
実際に、日本で生活する外国人が刑事事件を起こした場合、処分が決定し、その刑を終えた時点で日本から強制退去される可能性があります。
入管法によると、有罪判決が強制退去に結び付くのは、1年を超える実刑判決とされていますが、薬物事件や、窃盗罪、詐欺罪等の財産犯事件を起こした外国人の場合、その方の在留資格によっては、執行猶予付の判決であっても判決の確定と共に強制退去になる事があります。
外国人の侵入窃盗事件に強い弁護士
刑事事件を専門にしている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまで多くの外国人の方の刑事弁護活動を行ってまいりました。
刑事事件を起こした外国人の精神的なストレスを少しでも軽減できるように配慮した刑事弁護活動を心がけておりますので、刑事事件でお困りの外国人の方や、外国人の知人が侵入窃盗事件で警察に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、福岡県を中心として刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の弁護経験が豊富な弁護士が、初回の相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
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福岡県柳川警察署管内で発生した外国人による侵入窃盗事件~強制退去を免れるために~①
福岡県柳川警察署管内で侵入窃盗事件を起こした外国人が強制退去を免れるためにできることを、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県柳川警察署管内で発生した外国人による侵入窃盗事件
5年ほど前に留学ビザで来日したベトナム国籍のAさんは、その後、就労ビザに切り替えて在留しています。
Aさんは、福岡県柳川市にある工場で働いていますが、工場の収入だけでは生活が苦しかったために、工事現場等に放置されている金属を盗んで転売して収入を得ていました。
そんなある日の夜、Aさんは、柳川市内にあるマンションの解体現場に忍び込んで鉄くずを盗んで逃走しようとしたところを、警戒中だった福岡県柳川警察署の警察官に見つかり、その場で現行犯逮捕されました。
福岡県柳川警察署は、工事現場等から金属が盗まれる事件が多発していたことから、夜間パトロールを強化していたようです。
逮捕されたAさんは、窃盗罪と建造物侵入罪の容疑で勾留が決定し、余罪についても厳しい追及を受けています。
そんな中Aさんは、今回の逮捕によって日本を強制退去させられるのではないかと不安を感じています。
(フィクションです)
窃盗罪と建造物侵入罪
Aさんのように、夜間に工事現場に不法侵入して、そこから金属等を盗み出すと、窃盗罪と建造物侵入罪という2つの罪に問われます。
警察等の捜査当局は、こういった手口の窃盗事件を、侵入窃盗事件として扱っています。
侵入窃盗事件は、窃盗罪の中でも厳しい刑事罰が科せられる可能性の高い種類の事件です。
窃盗罪
刑法第235条に規定されている窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
窃盗罪は、簡単にいうと他人の物を盗むことで成立する犯罪で、工事現場や、解体現場に放置されているような金属類であっても、その現場の管理者に占有権があり、財産的価値が認められる物なので、窃盗罪の客体となり得ます。
実際に、近年金属類の買取価格が上がっており、金属類を目的にしたこういった類の窃盗事件が多発傾向にあるようです。
建造物侵入罪
人の管理する工事現場や解体現場に無断で立ち入ると建造物侵入罪となります。
建造物侵入罪は刑法第130条に、住居侵入罪等とともに規定されている法律で、その法定刑は「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」です。
窃盗罪と建造物侵入罪の関係
これまで説明したように侵入窃事件は、窃盗罪と建造物侵入罪の二つの罪に抵触します。
この二つの犯罪の法定刑はそれぞれ違いますが、はたして侵入窃盗罪の刑事罰はどうなるのでしょうか。
侵入窃盗事件のように、複数の犯罪が、手段(建造物侵入罪)と目的(窃盗罪)の関係にあることを牽連犯といいます。
Aさんの事件を参考にすると、金属を盗むという窃盗の目的のために、工事現場や解体現場に不法侵入するとういう建造物侵入を手段としています。
こいった牽連犯は、刑事罰を科せる上では一罪として扱われ、最も重い法定刑によって処断されます。
つまり侵入窃盗事件で起訴された場合は、窃盗罪の法定刑内で刑事罰が科せられることになります。
明日の『福岡県柳川警察署管内で発生した外国人による侵入窃盗事件~強制退去を免れるために~②』に続く
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、福岡県を中心として刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 福岡支部 弁護士紹介
福岡県久留米警察署の時効事件 公訴時効の成立について
~公訴時効の成立~
福岡県久留米警察署の時効事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
事件
福岡県久留米市に住むAさんは、数日前に、知人から「10年以上前に盗んだバイクだから大丈夫。」と言われて、バイクを無償で譲り受けました。
このバイクを修理して使用していたAさんは、久留米市内の路上を走行中に、信号無視をしてしまい、福岡県久留米警察署の警察官に取締りを受けました。
その際に、Aさんのバイクの車体番号が削られていたことを不審に思った警察官から、バイクについて追及を受けたAさんは「10年前の話なので、もう時効が成立しているので大丈夫だと思って、知人からもらった」等と、これまでの経過を警察官に説明したのです。
(フィクションです)
公訴時効
刑法では、犯罪が行われた後、公訴されることなく一定期間が経過した場合には、公訴が提起できなくなる公訴時効が規定されています。
公訴時効が成立する時期は、その犯罪の法定刑の大小を基準として規定されており、以下の通りです。
①人を死亡させた罪:法定刑に応じて、公訴時効なし,または30年、20年、10年
②死刑に当たる罪:25年
③無期懲役または禁錮:15年
④長期15年以上:10年
⑤長期15年未満:7年
⑥長期10年未満:5年
⑦長期5年未満または罰金:3年
⑧拘留または科料:1年
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」ですので、上記⑤に当たります。(窃盗罪の公訴時効は7年)
ですからAさんの知人が言うように、バイクを盗んだのが10年以上前であれば、バイクを盗んだ窃盗事件については時効が成立していることになりますので、バイクを盗んだ犯人が刑事罰が科せられることはありません。
盗品等無償譲受罪
盗品等無償譲受罪とは、盗品その他財物に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けることで、刑法第256条で「3年以下の懲役」の罰則が規定されています。
盗品その他財物に対する罪とは、窃盗罪や横領罪によって不法領得した財物は当然のこと、詐欺罪や恐喝罪によって不正に取得した財物も対象になります。
また、財産罪によって領得された財物が盗品等となるのですが、ここにいう犯罪行為は、構成要件に該当する違法行為であれば足り、必ずしも有責であることを必要としません。
つまり財産罪を犯した犯人が、刑事未成年者であったり、親族間の犯罪に関する特例の適用によって刑の免除を受たりしている場合や、本犯の公訴時効が完成している場合でも、盗品等無償譲受けの罪は成立してしまうのです。
財産罪の実行行為に加担していた者は、財産罪の共犯となるので、盗品等の罪の主体にはなり得ませんが、財産罪の教唆者や幇助者は、財産罪の実行行為を分担するのではないので、盗品等の罪の主体となり得ます。
盗品等無償譲受罪は故意犯です。
この罪が成立するには、行為者に盗品であることの認識がなければなりません。
この認識は、いかなる財産罪によって取得した物なのか、犯人や被害者が誰なのか等の詳細まで必要とされませんが、その財物が何らかの財産罪によって領得された物であることの認識は必要です。
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