Archive for the ‘詐欺罪’ Category

逮捕された家族がどこにいるか分からない・・・弁護士が解決します

2022-09-04

逮捕された家族がどこにいるか分からない・・・弁護士が解決します

逮捕された家族がどこにいるか分からず困っている方のお悩みを、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士が解決します

先ほど、福岡県警本部の刑事さんから「旦那さんを振り込め詐欺の容疑で逮捕した。」と電話がありました。
すぐに弁護士さんに面会してもらいたいのですが、主人がどこの警察署にいるのか分かりません
どうしたらいいですか?
(北九州市若松区在住の30代女性からの相談)
※実際の相談を基にしたフィクションです。

逮捕~留置

今回の相談者のご主人さんは振り込め詐欺事件逮捕されたということですが、罪名に関わらず警察に逮捕されたら、逮捕から48時間は警察署の留置場に収容されます。
福岡県警には、福岡県警本部や所轄警察署に留置場があるので、その何れかに収容されます。
基本的には、事件の捜査を担当している警察署の留置場に収容されますが、共犯事件で逮捕された場合や、すでに留置場の収容人数が定員を超えている場合等は、他の警察署の留置場に収容されることもあります。

拘置所への移送

48時間の留置期間を経て勾留が決定された場合は、勾留状に記載されている留置施設に収容されます。
特段の事情があって拘置所に移送されない限りは、留置期間中と同じ警察署等の留置場に収容されることがほとんどです。
逮捕された方のご家族には、勾留が決定した時点で、裁判所から勾留罪名と勾留場所が記載された「勾留通知」が郵送されることがほとんどなので、この通知を読めば勾留場所は明らかです。
特別な事情がなければ勾留期間中に他の留置場に移送されることはありませんが、起訴された場合は、起訴から1ヶ月以内ほどで拘置所に移送されることになります。
ちなみに余罪の取調べや、再逮捕され場合、起訴後も長期間にわたって警察署の留置場に収容される場合もあるので注意してください。

逮捕された家族がどこにいるか分からない方は

福岡県警に逮捕されたご家族、ご友人がどこにいるか分からないといった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部 初回接見サービス をご利用ください。
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福岡県筑後警察署に起訴後勾留 特殊詐欺事件で起訴された方の保釈について③

2022-07-12

これまで、保釈の種類について解説してきましたが、最終日の本日は、保釈申請から釈放までの流れを解説します。
これまでのコラムについては⇒⇒ こちらをクリック

保釈請求

身体拘束を受けた状態で起訴された、その日から保釈請求することができます。
起訴された被告人の刑事弁護人は、保釈請求書と共に、家族の身元引受書や上申書等を、管轄する裁判所に提出し、裁判官の判断を待ちます。
ちなみに弁護士でなくても保釈を請求することができますが、専門的な法律知識が必要不可欠なので、保釈請求は刑事事件に強い弁護士に依頼することをお勧めします。

保釈決定

保釈請求する時間帯にもよりますが、早ければ保釈請求した当日若しくは翌日、遅い場合でも2、3日以内に裁判官が保釈を許可するか否かが決定します。
保釈が認められた場合は、保釈と同時に保釈保証金が決定するので、保釈保証金を準備しなければなりません。
保釈保証金の額は、一般的に最低で150万円、通常で200万円といわれていますが、事件の内容や、被告人の資力等によって大きく異なり、過去には億単位の保釈保証金を納めた方もいます。
※保釈保証金を用意できない方のための制度があるので、保釈保証金で悩んでいられる方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
ちなみに保釈請求は一度だけでなく、裁判で判決が言い渡されるまで何度でもすることができます。

保釈保証金の納付

保釈と同時に決定した保釈保証金を裁判所に納付すれば保釈の手続きは完了します。
保釈保証金は、裁判所に支払うのではなく、被告人の裁判への出頭を担保するものですので、刑事裁判で判決が言い渡されて、被告人が収容されれば全額返金されます。
ただし、被告人が保釈中に逃走したり、保釈中の条件を破った場合は没収されることもあるので注意してください。

三日にわたって特殊詐欺事件で起訴された被告人の保釈について解説してきました。
特殊詐欺事件は、組織性が強く、共犯が存在するなどの理由から、なかなか保釈が認められない傾向にありますが、詐欺事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、これまで多くの保釈に成功してきた実績がございます。
特殊詐欺事件で身体拘束を受けている方の保釈を求める方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

またご家族、ご友人が起訴後勾留されている方は、刑事事件専門の弁護士を派遣する 初回接見サービス をご利用ください。

福岡県筑後警察署に起訴後勾留 特殊詐欺事件で起訴された方の保釈について②

2022-07-11

 昨日 は、権利保釈について解説しました。
今回は、裁量保釈義務保釈について解説します。

裁量保釈

裁量保釈とは、その名の通り、裁判所の裁量で保釈を認めるものです。
裁量保釈は、刑事訴訟法第90条に規定されており、権利保釈のように明確な要件が存在するわけではないので、保釈が認められるか否かは、弁護人がいかにして保釈の必要性と相当性を裁判官に訴えるかに左右されます。

裁判官は、被告人に

①逃亡のおそれがないこと
釈放された被告人に逃亡のおそれがないことを証明しなければなりません。
そのためには、保釈後に住定地があり、監督者が存在することが必要となります。

②罪証隠滅のおそれがないこと
事件の被害品等の証拠品は、起訴された時点で捜査機関の管理下にあるので、これを隠滅することは事実上不可能でしょう。
ただ事件の被害者や関係者、共犯者と接触して、供述を変遷させたり、口裏合わせする等の罪証隠滅の可能性があるので、その可能性がないことを証明する必要があります。
 
③保釈を求める理由があること

Aさんのような身辺整理だけでなく、病気の治療や、仕事に関すること、家族に関すること等、保釈を求めるには、それなりの理由が必要になります。
身体拘束を受けることによって被告人が被る、健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益を裁判官に訴える必要はあります。
これらの他にも事件の内容や、被告人の性格、素行、家族関係、健康状態、拘束期間、裁判の見通し、保釈金の額などの様々な諸事情を考慮し保釈の必要性や相当性を判断するのです。

特殊詐欺事件で起訴された場合は、この裁量保釈によって保釈が認められる可能性が高いでしょう。

義務保釈 

身体拘束が不当に長くなった被告人に認められるのが義務保釈ですが、実務上、滅多にあるものではなく、毎年数人しか義務保釈で釈放される被告人はいません。

次回は、特殊詐欺事件で起訴された場合の保釈の流れについて解説します。
特殊詐欺事件で起訴された方の保釈を求める方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の詐欺事件に強い弁護士にご相談ください。

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福岡県筑後警察署に起訴後勾留 特殊詐欺事件で起訴された方の保釈について①

2022-07-10

特殊詐欺事件で起訴されて、福岡県筑後警察署に起訴後勾留されている方の保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

特殊詐欺事件のような組織犯罪では、複数の共犯者が存在することから、なかなか保釈が認められない傾向にあります。
その上に、特殊詐欺事件で起訴された被告に対する裁判所の判断は非常に厳しい傾向があり、たとえ初犯であっても実刑判決が言い渡されることも珍しくなく、逮捕されてから一度も保釈が認められずに刑務所に服役する被告人も少なくありません。
本日より3日にわたって、詐欺事件に強い弁護士が、特殊詐欺事件で起訴された方の保釈について解説します。

参考事例

半年近く前に、特殊詐欺事件で逮捕されたAさんは、これまで複数件の詐欺事件で取調べを受け、先日4件の詐欺事件で起訴されました。
逮捕からこれまで身体拘束を受けたままで、現在は福岡県筑後警察署に起訴後勾留されているAさんは、実刑判決が言い渡されることを覚悟しています。
ただ身辺整理をするために、せめて判決が言い渡されるまでの間だけでも保釈で自宅に帰りたいと思い、保釈に強い弁護士を探しています。
(フィクションです。)

そもそも保釈には・権利保釈・裁量保釈・義務保釈の3種類があります。
今回は権利保釈について解説します。

権利保釈

権利保釈については、刑事訴訟法第89条に規定されています。
ここで列挙された要件を全て満たす場合、裁判官は保釈を認めなければいけません。それが権利保釈です。
そしてその要件とは

①死刑・無期・短期1年以上の懲役・禁錮に当たる事件ではない
②被告人が前に死刑・無期・長期10年を超える懲役・禁錮に当たる罪で有罪の宣告を受けたことがない
③常習として長期3年以上の懲役・禁錮に当たる罪を犯した事件ではない
④罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がない
⑤被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者・その親族の身体・財産に害を加え、またはこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由がない
⑥氏名・住居が分かるとき

です。

特殊詐欺事件の法定刑は「10年以下の懲役」で、複数件の詐欺事件で起訴された場合は「15年以下の懲役」となります。
また特殊詐欺事件の特徴は、共犯者がいて、複数の余罪が存在することですので、複数件の特殊詐欺事件で起訴された被告人に、権利保釈が認められる可能性は低いと考えられるでしょう。

次回は、特殊詐欺事件で起訴された場合の裁量保釈義務保釈について解説します。


特殊詐欺事件で起訴された方の保釈を求める方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の詐欺事件に強い弁護士にご相談ください。

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福岡県門司警察署の詐欺事件 半額シールを貼り替え

2022-06-28

半額シールの貼り替えによる福岡県門司警察署の詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

北九州市門司区に住む会社員のAさんは、毎晩のように仕事帰りに近所のスーパーに寄ってお弁当等を購入しています。
Aさんがお弁当を購入する夕刻の時間帯は、半額シールが貼られている商品と、そうでない商品が陳列されていることから、半年ほど前からAさんは、自分の欲しいお弁当に半額シールを貼り替えて商品を購入していたのです。
そうした行為を毎晩のように続けていたところ、ある日、半額シールを貼り替えた商品をレジで購入した際にスーパーの警備員に呼び止められて、事務所に連れて行かれました。
どうやら数カ月前から警備員はAさんのことを監視していたらしく、Aさんは通報で駆け付けた福岡県門司警察署の警察官によって警察署に連行され、詐欺罪で取調べを受けることになりました。
(フィクションです。)

半額シールの貼り替えた商品を購入すると詐欺罪になる 

お店で商品を万引きすれば窃盗罪(刑法235条)に問われますが、今回のように、半額シールを貼り替えて正規の値段より安く商品を購入した場合は、店員を騙して商品を手に入れたとして詐欺罪(刑法246条)に問われる可能性があります。

刑法246条
1 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 (略)

詐欺罪は、客観的には、

①欺罔行為(騙す行為)→②錯誤→③錯誤に基づく処分行為による財物の移転(交付行為)→④財産上の損害

の一連の流れがあり、主観的には、

犯人の①~④までの「故意(認識)」が必要ということになります。

Aさんの事件を検討すると、勝手に半額シールを貼り替えた商品をレジ担当の店員に渡す行為が、①の欺罔行為に当たり、このAさんの行為によってレジを担当する店員は、Aさんが渡した商品について「半額の商品だ。」と錯誤に陥り、正規の値段よりも安い(半額)代金をAさんに請求し、Aさんに商品を渡すことになり、最終的に財産上の損害を被ることになるので、Aさんの行為が詐欺罪に当たることが間違いないでしょう。

詐欺罪の量刑

上記したように詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。
起訴されて有罪が確定すればこの法定刑内で刑事罰が科せられることになるのですが、起訴されて有罪となっても執行猶予を獲得することができれば、刑務所に服役しなくてもすみます。
ただAさんの場合、スーパー内での犯行であることから証拠が明らかである可能性が高い上に、余罪が複数あることを考えると、無罪を獲得することは非常に困難でしょう。
そのため少しでも軽い刑事罰を望むのであれば、被害者であるスーパーに対して被害弁償や謝罪をして示談を締結しておく必要があります。

詐欺事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、詐欺罪をはじめとする刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
刑事事件でお悩みの方は、まずはお気軽に

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福岡県糸島警察署に家族が逮捕されました 特殊詐欺事件に関与

2022-06-16

福岡県糸島警察署に家族が逮捕されました 特殊詐欺事件に関与

特殊詐欺事件に関与したとしてについて福岡県糸島警察署に家族が逮捕された時の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。


特殊詐欺事件に関与して逮捕された事例

会社員Aさんの息子(22歳・大学生)は、特殊詐欺事件に関与した容疑で、福岡県糸島警察署に逮捕されました。
どうやらAさんの息子は、警察官をよそおって福岡県糸島市の民家を訪ね、そこで住民からキャッシュカードを騙し取ろうとしたのですが、被害に気付いた住民が警察に通報したことから逃走したようです。
逃走途中に、福岡県糸島警察署の警察官に職務質問されて犯行を自供したAさんの息子は、特殊詐欺事件に関与したとして逮捕されました。
息子の逮捕を知ったAさんは、私選の弁護士がどの様な活動をするのか知りたいようです。
(こちらの事例はフィクションです。)

Aさんのように、家族が逮捕されてしまったが「早期に弁護士を選任する方がよいのか?」それとも「国選弁護人が付くまで待っていた方がよいのか?」と悩んでいる方が多いようです。
そこで本日は、私選弁護人を早期に選任した場合の弁護活動について解説します。

身柄解放活動(釈放を求める活動)

警察に逮捕されると『逮捕⇒勾留⇒起訴⇒(起訴後勾留)⇒刑事裁判』といった流れをたどることになります。
この流れの中で弁護活動を行わなくても釈放されることはありますが、弁護士が活動することで早期に、また確実に釈放(保釈)を実現できる可能性が高まります。
ちなみに国選弁護人が付くのは勾留が決定してからですので、勾留を回避する活動は私選弁護人でしか活動することができません。(勾留決定に対する準抗告や、勾留決定の取消し請求に関しては国選弁護人でも活動可能)
Aさんの息子のように振り込め詐欺に関与した容疑で警察に逮捕された場合、弁護士の活動なくして起訴前に釈放を実現することは非常に困難でしょう。

被害者との示談交渉

特殊詐欺事件など、被害者の存在する事件を起こして警察に逮捕された場合、早期に被害者と示談することで刑事罰を回避(不起訴)できる可能性が高まります。
被害者との示談は、起訴される(勾留満期)までの期間内にある程度かたちにしておく必要がありますので、被害者と交渉できる時間も限られています。
被害者と示談して、刑事罰を回避(不起訴)したい方は早期に弁護士を選任しておくべきでしょう。

刑事裁判対応

起訴(公判請求)されると、刑事裁判が開かれて、そこで刑事罰が言い渡されます。
判決を言い渡す裁判官は、刑事裁判に提出される証拠や、刑事裁判での証言をもとに判決を言い渡すので、弁護士と共に刑事裁判に向けてしっかりと準備しなければいけません。
軽減を望むのであれば、事実を争うのか、認めた上で情状に訴えるのか等、刑事裁判の争点を絞って事前に弁護士と打ち合わせをしておくことが重要です。

特殊詐欺事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、特殊詐欺事件などの刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
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※ 
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【詐欺】受け子の罪責

2020-02-16

【詐欺】受け子の罪責

受け子の罪責について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県柳川市に住むAさん(22歳)は、SNSを通じて知り合った相手から、「キャッシュカードを受け取るだけの簡単なアルバイトの仕事があるけどやってみないか」となどと誘われました。Aさんは、内心「怪しいな」と思いましたが、1回の受け取りにつき5000円をもらえるというので誘いに乗りました。当日、Aさんは、受け取り場所に指定されたアパートの郵便受けに入れてあった鍵を使って部屋に入りました。そして、Aさんは配達を待っていると玄関が鳴ったのでドアを開け荷物(中身は紙くず)を受け取ると、相手から「警察だ。」「詐欺未遂罪で逮捕する。」と言われ逮捕されてしまいました。相手は福岡県久留米警察署の警察官でした。その後、Aさんは20日間の勾留期間を経た後、詐欺未遂罪で起訴されてしまいました。Aさんの両親は、何とか釈放してあげたいと思い、弁護士に保釈請求の手続きを依頼しました。
(フィクションです。)

~ 詐欺未遂罪ってどんな罪? ~

詐欺罪は刑法246条に規定されています。

刑法246条
1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人に得させた者も、同項と同様とする。

特殊詐欺で適用されるのは専ら「1項」です。

1項を分かりやすくすると、詐欺罪は、客観的には、①欺罔行為(騙す行為)→②錯誤(被害者が騙されること=被害者の認識が客観的事実と一致しない状態)→③処分行為による財物の移転(交付行為=被害者が現金等を郵送するなど)→④財産上の損害、の一連の流れがあり、主観的には、犯人の①~④までの「故意(認識)」

が必要ということになります。

①から④までたどってはじめて詐欺既遂罪が成立します。
他方、詐欺未遂罪は、犯罪の「実行に着手」してから成立します。
では、詐欺罪における「実行の着手」はどの時点で認められるのかというと①の「欺罔行為」が行われた時点です。

本件では、Aさんの特殊詐欺グループの誰かが被害者を騙す①欺罔行為を行っていたものと思われます。しかし、最終的にAさんの手に渡ったのはキャッシュカードでなく紙くずだった、つまり被害者は騙されたことに気づいたわけですから、上記の一連の流れは①で止まっています。
したがって、本件は詐欺既遂罪ではなく、詐欺未遂罪に問われるというわけです。

ただAさんのような受け子は、詐欺罪の実行の着手、つまり欺罔行為は行いません。
しかし、この特殊詐欺を他の共犯者との間で「共同して実行した」といえる場合には、欺罔行為を行わなかったAさんも同様の罪に問われます。

刑法60条
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

また、受け子であるAさんは被害者が嘘の話を見破った後に犯行に加担しているとも考えられます。
そうした場合、Aさんに詐欺未遂罪を問えるのかも問題となります。
この点、従来は、ある犯罪行為が実行された後に共犯者が加担したという場合、共犯者は加担する以前に行われた行為については責任を負わないとするのが一般的でした。
しかし、判例(最決平成29年12月11日事件)は、

被告人は、本件詐欺につき、共犯者による本件欺罔行為がされた後、…共犯者らと共謀の上、本件詐欺を完遂する上で本件欺罔行為と一体のものとして予定されていた本件受領行為に関与している。そうすると、…被告人は、その加功前の本件欺罔行為の点も含めた本件詐欺につき、詐欺未遂罪の共同正犯としての責任を負うと解するのが相当である

として、いわゆる受け子であった被告人に詐欺未遂罪の成立を認めています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、詐欺罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。お気軽にご相談ください。

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【詐欺】他人のクレジットカードを使用して電子計算機使用詐欺~大分県別府市

2020-01-15

【詐欺】他人のクレジットカードを使用して電子計算機使用詐欺~大分県別府市

電子計算機使用詐欺罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

大分県別府市に住むAさんは、とあるショッピングサイトで、知人から受け取った他人(Vさん)名義のクレジットカードを使って商品を購入する手続きをし、洋服や食料品などを購入しました。ところが、Aさん大分県別府警察署電子計算機使用詐欺罪で逮捕されました。Vさんがクレジットカードの請求内容の異変に気付き、ショッピングサイトの運営会社に連絡。同社が日本サイバー対策センターを通じて大分県別府警察署に情報提供をしていたところ、Aさんの犯行が発覚したようです。Aさんの逮捕の通知を受けたAさんの家族はAさんとの接見を弁護士に依頼しました。
(事実を基にしたフィクションです。)

~ 電子計算機使用罪とは ~

電子計算機使用詐欺罪は刑法246条の2に規定されています。

刑法246条の2
 前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。

詐欺というと、通常、刑法246条の詐欺罪を思い浮かべます。

刑法246条
1項 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

しかし、この詐欺罪

「人」を欺いた場合

に適用される犯罪ですが、欺く対象が

人以外(コンピューターなどの電子機器など)

の場合は詐欺罪を適用することができません。そこで、そのようなこの不都合を解消するために作られたのが電子計算機使用詐欺罪というわけです。つまり、電子計算機使用詐欺罪詐欺罪の補充規定ということになります。罰則は、通常の詐欺罪と同様

10年以下の懲役

です。

ここでポイントなのが何をもって「虚偽の情報を与えた」ということができるか、という点です。
この点、クレジット決済の事務処理においては「クレジットカード名義人(Vさん)=商品の購入申込者」という同一性が要求されています。でなければクレジット決済業者は適切に決済することができないからです。
したがって、他人(Aさん)がクレジットカード名義人になりすましてカード情報を入力したことは、クレジットカード名義人が商品を購入を申し込んだという真実に反する情報を入力したものですから「虚偽の情報を与えた」と評価することが可能です。

なお、「不実の電磁的記録」とは、客観的に真実に反する電子情報です。
Aさんが「虚偽の情報を与えた」ことによって、商品の購入申込者の同一性を偽った虚偽の情報に基づき、クレジットカード名義人が商品を購入したという「不実の電磁的記録」を作成したことになるのです。

電子計算機使用詐欺罪で逮捕された場合、逮捕期間とこれに続く勾留期間と併せて最大23日間の身体拘束を受けることがあります。
この場合、刑事事件に強い弁護士が初回接見することにより、法的観点から整理された事件の概要を知ることができ,今後の処分の見通しを立てることにも繋がります。
そのため、電子計算機使用詐欺罪で逮捕されたという場合には、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することをお勧めします。

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【詐欺、恐喝】博多区での借金回収

2019-12-03

【詐欺、恐喝】博多区での借金回収

借金回収と詐欺罪恐喝罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡市博多区に住むAさんは、約1年前、友人Vさんから懇願され、「3か月後から月3万円、Aの口座に振り込む方法で返済する」との約束で、Vさんに100万円を貸しました。ところが、Aさんは、3か月後から1度も返済を受けることなく貸付から1年が経過し、その間、Vさんとも音信不通となってしまいました。怒りが頂点に達したAさんは、SNSを見ていたところ、たままたVさんの投稿を見つけ、それをきっかけにVさんと連絡を取り合うようになりました。そして、Aさんは、Vさんに「おれには背後に落とし前をつけてくれる人がいるからな。」などと嘘を言い、「貸した金はきちんと返せよ。」などというメールを送信して借金返済を催促しました。すると、AさんはVさんから「落とし前をつけてくれる人って暴力団かい?」「それならこっちもそれなりの対応するわ。」などという返信を受けました。Aさんは、これを受けて「警察に恐喝罪、詐欺罪で被害届を出されるかもしれない」と思いVさんに謝罪しようと考えましたが、自分から謝罪するのも癪だと思い、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

~ 詐欺罪 ~

相手方に嘘を言ってお金を騙し取る行為は詐欺罪に当たる可能性があります。
詐欺罪は刑法246条に規定されています。

1項 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

つまり、(1項)詐欺罪が成立するためには、「人を欺く行為」により「財物を交付させた」ことが必要となります。これをもっとかみ砕くと、詐欺罪の成立には、

①欺罔行為(騙す行為)→②錯誤(被害者が騙される)→③処分行為(錯誤に基づき被害者が財物を交付する)→④処分行為に基づく財物・財産上の利益の移転(欺罔者が財物・財産上の利益を取得する)

という客観的な一連の流れのほか、行為者において、①~④までの流れの認識(故意)が必要とされています。

~ 恐喝罪 ~

また、AさんはVさんに「暴力団」を匂わせる言葉を伝えており、恐喝罪に当たる可能性があります(本件のような場合、恐喝罪詐欺罪のどちらか一方が成立しますが、その区別は微妙です。最終的には被害者がどのように感じ、思ったのか、という点が重要となってくるのではないかと思います)。
詐欺罪恐喝罪も、被害者の意思に基づいてお金などの財物を取得する点では同じですが、恐喝罪は「暴行」、「脅迫」を手段とする点で詐欺罪と異なります。

恐喝罪は刑法249条に規定されています。

刑法249条
1項 人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

恐喝」とは、財物の交付又は財産上不法の利益を得るために行われる「暴行」又は「脅迫」のことをいいますが、恐喝罪の場合、一般的に脅迫行為が行われることが多いと思われます。ただ、その程度は、

相手方の反抗を抑圧するに至らない程度

のもの、すなわち、

相手方に畏怖あるいは困惑、不安の念を生ぜしめるに足る程度

のものが必要とされています。

~ 権利行使と詐欺罪、恐喝罪 ~

本来、債権者(権利者=Aさん)は、債務者(義務者=Vさん)に対して、例えば「貸したお金を返してください。」等の権利行使を行うことができます。しかし、その権利行使の態様が度を超えた場合は「違法」とされるおそれもあることから注意が必要です。
この点、最高裁判所昭和30年10月14日判決は、権利行使と恐喝罪について、 従来の判例を踏襲し、「他人に対して権利を有する者が、その権利を実行することは、その権利の範囲内であり且つその方法が社会通念上一般に忍溶すべきものと認められる程度を超えない限り、何等違法の問題を生じないけれども、右の範囲程度を逸脱するときは違法となり、恐喝罪の成立することがあるものと解するを相当とする。」と判断しています。

~ 交渉により事件化回避 ~

本件のような場合、Aさんは刑事事件の被疑者として、Bさんは民事事件の被告として裁判にかけられる可能性があり、双方とも似たような立場にあるといえます。
したがって、話し合い(交渉)により解決することがベストです。
交渉に慣れた弁護士にご相談ください。

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【詐欺】宗像市~お金の貸し借りで詐欺罪に問われる?

2019-11-25

【詐欺】宗像市~お金の貸し借りで詐欺罪に問われる?

お金の貸し借りと詐欺罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県宗像市に住む無職のAさんはギャンブルなどで約500万円の借金を抱えていました。そうしたところ、Aさんは、偶然会った知人のVさんに「理由はいえないけどお金が必要になった。」、「すぐに返すから50万円貸してくれないかな?」と言いました。これを聞いたVさんは「1回だけならいいか。」と思い、Aさんのことを何ら疑うことなくATMで10万円を引き出しAさんに渡しました。ところが、AさんはVさんから借りたお金をギャンブルに使い果たし、職に就くことなく、借入から1年過ぎてもVさんにお金を返すことはありませんでした。AさんはVさんから電話で返済の催促を受けていましたが、「すぐに返すからちょっと待ってて。」などと言うのみで一向に返済せずにいたところ、ついに福岡県宗像警察署に詐欺罪で逮捕されてしまいました。Vさんが宗像警察署に被害届を提出したようです。
(フィクションです)

~ お金の貸し借りで詐欺罪に問われる? ~

詐欺罪は刑法246条に規定されています。

刑法246条
 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

まずは、人を欺いたかどうか、がポイントとなります。
人を欺く行為を「欺罔行為」といいます。欺罔行為とは、重要な事実を偽って人を騙すことです。
そして、Aさんが故意に(騙す意図をもって、騙すつもりで)欺罔行為を行った場合は詐欺罪に問われる可能性がありますし、故意がなければ詐欺罪に問われることはありません。

ただ、故意(騙す意図)があったのかのかなかったのかは内面の事情ですから、外から見てわかるものではありません(お金を貸してと言われ貸して、その返済がなかった被害者にとってみれば騙されたも同然と考えても致し方ないことでしょう)。
ですから、故意があったかなかったかは

・職業の有無、社会的地位
・お金の借り入れ状況(返済能力の有無)
・借入金額
・欺罔文言の内容
・欺罔文言に対して取った行動

などを詳細に検討してみるといいでしょう。
この点、Aさんは「無職」です。また、約500万円の借金を抱えています。これからすると、Aさんにとっては50万円という金額は安くはない金額です。ですから、これらの事情はAさんに「騙す意図」があったと認定される事情となりえます。また、Aさんが「すぐに返す。」と言った「すぐ」には人により幅がありますが、社会通念上、1年も2年経過することを「すぐ」とは言わないでしょう。また、Aさんは職にもついていなかったというのですから、やはり「騙す意図」があったと認められてもおかしくはない状況にあります。

反対に、返す、と言ってお金を返していなくても、返済のための具体的な行動をとっている、その他返済が遅れたことにつきやむを得ない情状がある、という場合は「騙す意図」がないと認定される方向に働きやすくなります。

~ お金の貸し借りで逮捕された場合は弁護士に接見を ~

以上、非常に話を単純化して解説しましたが、実際の場面ではもっと複雑化してきます。
要は、詐欺罪の場合、言った言わなかった、聞いた聞かなかったという可能性にもなりかねないからです。
ですから、お金の貸し借りで逮捕された場合は、まずは弁護士と接見し、自らの主張を固めておく必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、詐欺罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

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