Archive for the ‘薬物事件’ Category

福岡県宗像警察署に大麻が押収 逮捕されますか?

2022-06-17

福岡県城南警察署大麻押収された事件で、逮捕されるかどうかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県宗像警察署に大麻が押収

音楽活動をしているAさんは、数年前から大麻を使用しています。
使用する大麻は、音楽活動をする中で知り合った外国人から購入しています。
そんなある日、Aさんは帰宅しようと車を走らせていたところ、交通違反をしてしまって福岡県宗像警察署の警察官に停止を求められ、切符処理をされた際に、警察官に、所持品検査をされてカバンの中に隠し持っていた、大麻と吸引用のパイプが見つかってしまったのです。
警察官から「大麻かどうか鑑定します。」と言われたので、それらを任意提出したAさんは、今後、どのような手続きになり、自分が逮捕されるのか不安で、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

大麻を押収

最近では、薬物事件の中で、大麻事件の摘発が増加傾向にあり、特に若者の間で大麻が蔓延していることは社会問題にもなっています。
大麻事件とは、大麻の使用や、譲渡、譲受、栽培、輸出入等の事件で、これらは大麻取締法によって規制されています。
Aさんの起こした事件は、大麻の所持事件に当たりますが、大麻取締法では、大麻の所持について

①営利目的
②営利目的以外

の2種類が規定されています。
当然のことAさんには営利の目的はないので、②の事件に該当します。
営利目的以外の大麻事件が警察に発覚するきっかけが、警察官による職務質問等の際に行われる所持品検査である場合がよくあります。
警察は大麻らしきものを発見すると、それを押収して鑑定します。
その場で、簡易鑑定されて(現行犯)逮捕されることもありますが、Aさんのように、いったん押収されて後日鑑定されることも珍しくありません。

逮捕されるのですか?

押収された大麻が、鑑定で陽性反応を示すと、後日警察に逮捕される可能性があります。
ここで知っておいてもらいたいのが、「陽性=逮捕」ではないということです。
警察は押収した大麻から陽性の鑑定結果が出ただけで逮捕することはできません。
その鑑定結果を持って裁判官に対して逮捕状を請求し、裁判官が逮捕状を発付して初めて逮捕できるので、逮捕されるまでの期間は一律ではありません。
また逮捕されるかどうか、逮捕状が発付されるかどうかは、逮捕の要件が満たされているかどうかによりますので、自分が逮捕されるか不安のある方は早めに弁護士に相談しておいたほうがよいでしょう。

福岡県宗像警察署の大麻事件に強い弁護士

福岡県宗像警察署の大麻事件でお困りの方や、ご家族、ご友人が大麻事件を起こして警察に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、無料法律相談や初回接見サービスのご予約を

フリーダイヤル 0120-631-881

にて24時間、年中無休で承っております。

薬物事件については、(こちらをクリック)で詳しくご案内していますので、ご確認ください。

福岡県城南警察署で任意採尿 覚醒剤使用容疑で緊急逮捕

2022-06-08

福岡県城南警察署で任意採尿 覚醒剤使用容疑で緊急逮捕

福岡県城南警察署で任意採尿された後覚醒剤使用容疑で緊急逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。


覚醒剤使用容疑で緊急逮捕

土木作業員のAさんは、自宅において、インターネットで入手した覚醒剤を、注射器を用いて使用しました。
覚醒剤を使用して二日ほどして、Aさんは覚醒剤の副作用なのか車を運転中に激しい眠気におそわれてしまい、街路樹に衝突する交通事故を起こしてしまいました。
目撃者の通報で福岡県城南警察署の警察官と共に、救急車が事故現場に駆け付けましたが、Aさんは、病院に搬送されると覚醒剤を使用したことが発覚してしまうと思い、救急車で搬送されることを拒み続け、無理矢理に帰宅しようとしました。
そうしたところ、その様子を見ていた警察官に覚醒剤の使用を疑われてしまい、救急車内で怪我の応急処置を受けた後、福岡県城南警察署に任意同行されて、任意採尿されました。
採尿後、警察署内で尿の簡易鑑定が行われて、鑑定の結果、覚醒剤成分の陽性反応がでたことから、Aさんは覚醒剤使用容疑緊急逮捕されたのです。
(フィクションです。)

任意採尿

警察官に覚醒剤の使用を疑われてしまうと、任意採尿を求められます。
任意採尿はその名のとおり任意なので拒否することができますが、任意採尿を拒んだとしても、覚醒剤を使用している疑いが強い場合、警察官は、裁判官に強制採尿の令状(捜索差押許可状)を請求し、その令状をもって強制採尿されてしまいます。
任意採尿された尿は覚醒剤成分を含んでいるか鑑定されて、その鑑定結果で陽性となった場合は、覚醒剤使用の容疑で逮捕されることになります。

覚醒剤使用の容疑で緊急逮捕

今回Aさんは、任意採尿された尿をその場で簡易鑑定されて緊急逮捕されています。
逮捕には、裁判官の発した逮捕状による通常逮捕、犯罪を犯したその場でされる現行犯逮捕、そして緊急を要する場合にされる緊急逮捕の3種類があります。
緊急逮捕とは、死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときに許されている逮捕です。
今回の事件を整理すると

覚醒剤使用の法定刑は「10年以下の懲役」死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪
尿の簡易鑑定で陽性反応が出ている罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある
救急搬送を拒み帰宅しようとした…急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができない

と緊急逮捕できる要件を満たしているでしょう。

覚醒剤使用容疑で起訴されると

覚醒剤使用罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。
実際に覚醒剤使用容疑で起訴されて有罪となった場合にどのような刑事罰が科せらるかは裁判官の裁量となります。
覚醒剤使用罪の量刑は、初犯であればほぼ間違いなく執行猶予付きの判決となるでしょうが、短期間の間に再犯を犯した場合は2回目から実刑となるでしょう。
覚醒剤は非常に依存性の高い違法薬物として有名で、覚醒剤事件は再犯率の非常に高い犯罪だとも言われていますので、覚醒剤を使用してしまった方は、専門医の治療を受けたり、薬物の専門機関で行われている更生プログラムに参加することをお勧めします。

福岡県城南警察署の薬物事件に強い弁護士

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大麻取締法違反(栽培ほう助)で逮捕

2020-07-20

大麻取締法違反栽培ほう助)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

~事例~
福岡県福岡市中央区の園芸用品販売会社に勤めるAさんは、ある日、福岡県中央警察署大麻取締法違反栽培ほう助)の容疑で逮捕されました。
大麻の栽培に使用することを知りながら、複数の客に大麻育成に必要な照明器具などを販売したという疑いで、会社の社長Bさん、従業員のCさんと共に逮捕されました。
Aさんは、「大麻の栽培に使用されるなんて知らなかった。」と供述しているとのことですが、捜査機関は、県内で大麻の営利目的栽培で複数人を摘発しており、その被疑者らが栽培用具をAさんの勤める会社から購入したことが分かっており、客に対して栽培方法についてのアドバイスもしていたとみて調べを進めています。
(実際の事件を基にしたフィクションです。)

大麻取締法違反:栽培ほう助罪

大麻取締法で規制対象となる「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)とその製品です。
大麻草の成熟した茎や樹脂を除くその製品、大麻草の種子やその製品は、大麻取締法における「大麻」から除かれます。

大麻取締法は、その第3条において、大麻取扱者以外の大麻の所持・栽培・譲受・譲渡し・研究目的使用を禁止しています。
大麻の所持・栽培・譲受・譲渡・研究目的使用が許される「大麻取扱者」というのは、大麻栽培者と大麻研究者です。
前者は、都道府県知事の免許を受けて、繊維もしくは趣旨を採取する目的で大麻草を栽培する者をいい、後者は、都道府県知事の免許を受けて、大麻を研究する目的で大麻草を栽培・使用する者をいいます。
大麻の所持・栽培・譲受・譲渡し・研究目的使用が許される「大麻取扱者」でない者が、大麻の所持・栽培・譲受・譲渡し・研究目的使用を行った場合には、大麻取締法違反となり刑事罰が科される可能性があります。

大麻の違法栽培に対する罰則については、大麻取締法第24条に規定されています。

第二十四条 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、七年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び三百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

「みだりに」というのは、「違法に」という意味で、この場合、許可を受けていないのに大麻を栽培等することを意味します。
大麻の違法栽培の法定刑は、7年以下の懲役です。
営利目的であった場合は、刑が加重され10年以下の懲役、情状により10年以下の懲役と300万円以下の罰金となります。

Aさんらは、大麻の栽培ほう助罪に問われています。
ほう助」については、刑法第62条に規定されています。

第六十二条 正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
2 従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。

ほう助犯は、「正犯をほう助した者」のことです。
ほう助犯が成立するためには、
ほう助者が「正犯をほう助」し、
②被ほう助者が犯罪を実行した
ことが必要となります。

①正犯をほう助すること
ほう助行為とほう助の故意が必要です。
ほう助行為は、実行行為以外の行為によって正犯を補助し、その実行行為を容易にする行為を行うことです。
ほう助の方法は、物理的であると精神的であるとを問いません。
また、正犯をほう助する意思も必要です。
ほう助の意思の内容については、学説により争いがあるところですが、被ほう助者である正犯が犯罪の結果を発生させることまでの認識・認容を意味すると一般的に理解されています。

②被ほう助者が犯罪を実行したこと
ほう助行為は行われたものの、正犯者が実行の着手に至らなかった場合、つまりほう助の未遂は、不可罰となります。
一方、被ほう助者が実行行為に出たものの、その犯罪が未遂に終わった場合を未遂犯のほう助といいますが、この場合は処罰の対象となります。

さて、Aさんは、用具を販売した客が大麻を栽培することを知らなかったと供述しています。
ほう助の故意を否認しているわけです。
主観的要件のため、ほう助の故意を立証することは容易ではありません。
しかし、故意を推認させるような証拠、例えば、客がAさんから大麻の栽培方法についてアドバイスを受けていた事実などがあれば、Aさんが単に「知らなかった」と主張しても通らないでしょう。
また、捜査機関の取調べにおいて、被疑者が供述した内容が供述調書として後の公判で証拠として使用される可能性がありますが、その取調べにおいて、故意があったと思わせるような供述が取られると、後々に争うことは難しいのです。
ですので、被疑者段階での取調べ対応はしっかりと行うことが重要です。

ご家族が刑事事件を起こしてしまった場合には、すぐに刑事事件に強い弁護士に接見を依頼されるのがよいでしょう。
弁護士は、逮捕された方から事件の詳細を伺った上で、今後の流れや取調べ対応について的確なアドバイスを行います。
特に、否認事件の場合には、自分の意に反した供述調書がとられないよう注意を払い取調べに対応する必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
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薬物事件で保釈なら

2020-03-24

薬物事件で保釈なら

薬物事件保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県糸島市に住むAさんは、同区内の自宅アパートで、覚せい剤を注射する方法で使用しました。しかし、翌日、Aさん宅に福岡県糸島警察署の捜索が入り、尿の任意提出を求められ提出したところ、尿から覚せい剤成分が検出されたことから、Aさんは覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されてしまいました。Aさんは勾留され、国選弁護人が選任されましたが、国選弁護人の弁護活動には満足していませんでした。そして、10日間の勾留期間を経た後、Aさんは覚せい剤取締法違反で起訴されてしまいました。そこで、Aさんの父親は、国選弁護人から私選弁護人への切り替えを検討しており、Aさんを保釈してもらいたいと考えています。
(フィクションです)

~ 保釈とは ~

保釈とは、被告人(裁判にかけられた人)に対する勾留の執行(効力)を停止して、その身柄拘束を解くことをいいます。「被告人」とは起訴され、刑事裁判にかけられた人をいいますから、あくまで保釈請求は「起訴後」しかすることができません。

~ 保釈のメリットと保釈されないデメリット ~

保釈のメリットとしては以下の点が挙げられます。

①精神的、肉体的負担の軽減
→起訴されると自動的に2か月間の勾留が決まります。また、起訴されてから初めての裁判があるまで、裁判の準備期間などを考えると早くても1か月を要します。この間の留置場、拘置所暮らしの生活は多大な精神的、肉体的負担を伴いますが、保釈されればこれらの負担から解放されます。

②様々な処分を免れる
→身柄を拘束されていると会社、学校を休むことを理由に解雇、退学などの処分に繋がるおそれがあります。通常よりも早期に保釈されることによりこうした処分を免れる可能性があります。

③家族が安心する、負担が減る
→勾留中は限られた範囲でしか接見(面会)することができません。保釈されればこうした制限を気にする必要はありません。何よりご家族が安心されます。ご家族が留置場等へ面会に行く手間も省けます。

④裁判に向けた十分な打合せができる
→接見室だと事実上の制限があってなかなか十分な打ち合わせをすることができません。保釈されればいつでも弁護士に相談できるわけですし、何より落ち着いて、時間をかけて打合せを行うことができます。

⑤再犯防止に向けた対策を取ることができる
→身柄拘束中は、薬物の専門機関に通院するなどの具体的な再犯防止に向けた行動を取ることができません。保釈されれば再犯防止に向けた具体的な行動をとることができます。また、そのことが執行猶予獲得などの有利な結果に繋がる可能性があります。

~ 保釈の注意点 ~

ただ、保釈はメリットだけではありません。
以下の点に注意する必要があります。

①多額の保釈保証金が必要となる
→保釈保証金の額は、被告人の認否、事案の内容等に鑑みて裁判官(裁判所)が決めます(日産のカルロスゴーン社長が保釈保証金1億円を納付したことはニュースになりました)。決して安い金額ではなく、通常の簡易な事件でさえ100万円~150万円を準備する必要があります。

保釈条件を遵守する必要がある
→保釈を許可するにあたっては・裁判所から呼び出された場合は必ず出頭する・住居地を変更するには裁判所の許可を受ける・被害者への連絡は弁護人を介する
・被害者、目撃者、共犯者などの事件関係者と接触しない・薬物に近寄らないなどの条件を付けられます。全くフリーな状態で釈放されるわけではありません。

③保釈保証金は没収され、収容されるおそれがある
→決められた条件を守らなければ納付した保釈保証金は没収され、再び留置施設等に収容されるおそれがあります。カルロス・ゴーン被告も保釈条件を守らなかった結果、保釈保証金を没収され保釈許可決定が取り消されています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。

【覚せい剤】覚せい剤所持と即決裁判

2020-03-16

【覚せい剤】覚せい剤所持と即決裁判

覚せい剤所持と即決裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県久留米市に済むAさんは覚せい剤約0.03グラムを所持していたとして福岡県久留米警察署に現行犯逮捕され、その後勾留されました。Aさんは事実を認めており(前科なし)、弁護士は必要ないと思い、私選弁護人や国選弁護人を選任していません。そして、ある日、Aさんは検察官から「事件を起訴するが、刑事裁判は即決裁判に付したい、そのために弁護人を選任して欲しい」と言われました。Aさんは即決裁判が何か分からず、接見に来た家族に頼んで、刑事・薬物事件に強い弁護士に刑事弁護、即決裁判への対応を依頼してもらうようにしました。
(フィクションです。)

~ 覚せい剤所持、どこからが起訴、不起訴? ~

覚せい剤の所持は覚せい剤取締法によって処罰されます。
「所持」とは、「事実上の実力支配関係」とも言われています。すなわち、自分が直接手にしている必要はなく、社会通念上本人の実力支配、管理の及ぶ場所に保管していればいいとされています。
所持には①単純(非営利目的)所持と②営利目的所持の2種類があります。
①の法定刑は「10年以下の懲役」、②は「1年以上の有期懲役又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金」です。

なお、単純所持の場合、所持の量によっては

不起訴

となる場合もあります。
どこまでの量が不起訴で、どこからの量が起訴であるのかの基準は分かりません。
しかし、人によって異なりますが、1回の覚せい剤の使用量は

0.02g~0.03g

と言われています。
ですから、1回の使用分にも満たない0.00★程度の所持量であれば不起訴となることもあるでしょう。

~ 即決裁判とは ~

即決裁判とは、即決裁判対象事件について、事案が明白かつ軽微であって、証拠調べが速やかに終わるなどの事情があるときに、原則、1回の審理で判決の言い渡しまで行う裁判手続をいいます。
勾留中に起訴されると自動的に2か月の勾留が決まります。しかも、起訴されてから初めての裁判が行われるまでに早くても1か月程度を要するでしょう。

しかし、事案が軽微であって犯罪の成否に争いがなく、執行猶予付き判決が見込まれる事件についてさえ上記の手続きを取ることは、被告人(起訴された方)にも負担であるばかりか円滑な社会復帰の妨げとなるおそれがあります。また、そうした方をいつまでも収容する収容側にも大きな負担となります。

そこで、即決裁判手続きが認められています。
即決裁判を受けるメリットとしては、
1 審理は申立て後、原則、14日以内に開かれ1回で終わること
2 必ず執行猶予判決を言い渡されること(実刑判決は言い渡されない)
3 1、2に関連し、審理当日(判決当日)に釈放され、早期の社会復帰が可能となること
などが挙げられます。
他方、デメリットとしては
1 必ず有罪判決が言い渡されること
2 量刑不当を理由に控訴できるが、事実誤認を理由とする控訴はできないこと
などが挙げられます。

覚せい剤所持罪は即決裁判の対象となります。また、覚せい剤の所持量が微量であること、Aさんに前科がないこと、Aさんが事実を認めていることに鑑みれば、本件が即決裁判に付される可能性は十分あります。検察官が即決裁判の申立てをする場合は、被疑者の同意が必要です。また、即決裁判には上記のようなデメリットがあるため、裁判官は、被疑者が同意をするかどうかを明らかにしようとする場合において、被疑者に弁護人がいないときは、請求により、被疑者のために(国選の)弁護人を選任しなければならないとされています(さらに、即決裁判は、弁護人がいなければその審理を開くことができません。

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【危険ドラッグ】ダッシュボード内から危険ドラッグが発見!

2020-01-25

ダッシュボード内から危険ドラッグが発見!

危険ドラッグについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県古賀市に住むAさんは、車を運転中、後方から走ってきた福岡県粕屋警察署の警察官が運転するパトカーに呼び止められました。Aさんは車を停止させ、警察官の職務質問や所持品検査に応じました。すると、Aさんの車のダッシュボード内から、薬のようなものが発見されました。警察官が薬の成分を簡易検査すると「危険ドラッグ」であることが判明しました。そこで、Aさんは危険ドラッグを所持していたとして薬機法違反(所持罪)で現行犯逮捕されました。Aさんは、警察官や接見に来た弁護士に「危険ドラッグは私のものではない。」「友人か誰かが私の知らないうちにそこに隠したとしか考えられない。」「ダッシュボード内に入っていると知らなかった。」などと話しています。
(フィクションです)

~ 危険ドラッグ ~

危険ドラッグは、おもに、麻薬や覚醒剤の構造を変えた薬物のことをいいます。

危険ドラッグを規制する法律は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、略して「薬機法」と呼ばれる法律です。
薬機法では、

 中枢神経の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(以下、略)として、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するもの

を「指定薬物」とし(薬機法2条15項)、指定薬物の

・製造
・輸入
・販売
・授与
・所持
・購入
・譲受
・医療等の用途以外の用途の施用

を禁止しています(薬機法76条の4)。

薬機法が制定される前までは、危険ドラッグは「脱泡ドラッグ」や「違法ドラッグ」などと呼ばれていました。

業として(反復継続する意思で)の、製造、輸入、販売、授与、所持(販売又は授与の目的で貯蔵し、陳列した者に限る)の場合は、

5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金。又は併科(薬機法83条の9)

単なる、製造、輸入、販売、授与、所持(販売又は授与の目的で貯蔵し、陳列した者以外)、購入、譲受、医療等の用途以外の用途の施用の場合は

3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又は併科(薬機法84条26号)

です。

~ Aさんの所持罪は成立する? ~

薬機法違反の所持罪が成立するには、「所持」していたことに加えて、危険ドラッグを所持していた「認識」があったことが必要です。
では、Aさんに危険ドラッグを所持していた認識を認めることはできるでしょうか?
Aさんが危険ドラッグの所持の認識を否認していることから問題となります。

この点、確かに、Aさんの車のダッシュボードから危険ドラッグが発見された、という事実は、Aさんの認識を推認させる状況証拠(間接事実)となりえます。
だからといって、それだけでAさんに危険ドラッグの所持の認識があると断定することはできません。
Aさんが言うように、第三者の持ち物である可能性も否定できないからです。

薬物の所持事案では、本件のように薬物の所持の「認識」を否認される方が多くいます。
その際、薬物がどういう経緯で、どこに、どういう形、状況で保存されていたのかがポイントとなります。
これらの事情が「認識」を推認させる事情ともなり得るからです。

捜査機関での取調べでは、上記の点に加えて、交友関係なども厳しく追及されることでしょう。
しかし、その際、どう対応してよいか分からない、という方も多いかと思われます。
そんなときは弁護士に対応を依頼ください。
弁護士でであれば、捜査機関の違法、不当な取調べに対し適切に対処することができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

【覚せい剤】覚せい剤の逮捕のきっかけ

2020-01-23

覚せい剤の逮捕のきっかけ

覚せい剤について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県大川市に住むAさん(56歳)は、仕事や職場での人間関係からストレスが溜まっていました。そこで、Aさんは覚せい剤を使ってストレスを発散しようと思い、ネットを通じて売人を見つけ、売人から覚せい剤を入手して覚せい剤の使用を繰り返していました。そうしたところ、Aさんの言動が徐々におかしくなり、職場の上司から福岡県筑後警察署へ通報されたことをきっかけにAさんは覚せい剤取締法違反(使用罪)で逮捕されました。Aさんの家族が、弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです。)

~ 覚せい剤は違法! ~

最近は、元有名芸能人が覚せい剤で逮捕されたり、福岡県では、大川市の中学校で勤務する現役の教諭が覚せい剤で逮捕されるなど、覚せい剤に関連するニュースが相次いでいます。

覚せい剤や麻薬等は、それを乱用する人間の精神や身体をボロボロにし、人間としての生活を営むことをできなくするだけでなく、場合によっては死亡することもあります。
また、薬物の乱用による幻覚・妄想が、殺人、放火等の凶悪な犯罪や交通事故を引き起こします。また、覚せい剤は暴力団組織などの犯罪組織の活動資金のネタとしても使われており、その活動資金を基に新たな犯罪、新たな被害者を生み出しかねません。
このように、覚せい剤は、乱用者本人のみならず、周囲の人、さらには社会全体に対しても、取り返しのつかない被害を及ぼしかねないものです。
こうしたことから、覚せい剤、麻薬等の使用、所持等は法律により厳しく禁止されています。

~ 覚せい剤取締法の法定刑 ~

覚せい剤取締法で規定されている法定刑は以下のとおりです。

覚せい剤の場合

□輸入・輸出・製造
・単純(営利目的以外)→1年以上の有期懲役
・営利目的      →無期若しくは3年以上の懲役または情状により1000万円以下の罰金併科

□所持・譲渡・譲受
・単純(営利目的以外)→10年以下の懲役
・営利目的      →1年以上の有期懲役又は情状により500万円以下の罰金併科

□施用・使用
・単純(営利目的以外)→10年以下の懲役
・営利目的      →1年以上の有期懲役又は情状により500万年以下の罰金併科

【覚せい剤原料】
□輸入・輸出・製造
 単純(営利目的以外)→10年以下の有期懲役
 営利目的      →1年以上の有期懲役又は情状により500万年以下の罰金併科

□所持・譲渡・譲受
 単純(営利目的以外)→7年以下の懲役
 営利目的      →10年以下の懲役又は情状により300万円以下の罰金併科

□施用・使用
 単純(営利目的以外)→7年以下の懲役
 営利目的      →10年以下の懲役又は情状により300万円以下の罰金併科

~ 覚せい剤の逮捕のきっかけとは ~

覚せい剤の所持等が発覚すれば、逮捕される可能性は高いと思われます。
覚せい剤が発覚するきっかけには、様々なものがあります。

中でも最も多いのは、警察官による街頭や検挙件数の多い地域での、職務質問・所持品検査です。
覚せい剤を使用している疑惑のある人は、痩せていたり、顔色が悪かったり、やけにキョロキョロして落ち着きがなく挙動不審なところがあります。
仮に、外見上、明らかにこれらの症状が分からなくても、警察官は経験上、何となく覚せい剤に関与している疑いがある者であることを嗅ぎつける能力を有しています。
先にご紹介した大川市の教諭は職務質問がきっかけで逮捕されました。
他にも、売人や覚せい剤仲間が逮捕されたこと、匿名の捜査機関への通報などから逮捕に繋がるケース、家族が医療機関や捜査機関に通報して逮捕につながるケースもあります。

いつ、どこから、どんなルートで発覚するか分かりません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

覚せい剤譲受事件の身柄解放活動

2019-11-18

覚せい剤譲受事件の身柄解放活動

本日は、覚せい剤やおとり捜査、起訴後の釈放(保釈)について、あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します

福岡県糸島市に住むAさんは、福岡市内の路上において、「薬物の密売人」と言われる男からから覚せい剤を3万円で譲り受けたところ、突然、男から「警察だ。」と言われて、警察官数名に囲まれてしまい、覚せい剤取締法違反(覚せい剤の譲り受け罪)で現行犯逮捕されてしまいました。その後、Aさんの尿から覚せい剤成分が検出され、Aさんは覚せい剤取締法違反(使用罪、譲り受け罪)で起訴されてしまいました。
(フィクションです)

~ 覚せい剤取締法違反 ~

覚せい剤取締法(以下、法といいます)では、使用罪を

10年以下の懲役(法41条の3第1項第1号)

に、譲り受け罪も

10年以下の懲役(法41条の2第1項)

としています。ただし、営利目的が認められる場合は、

1年以上の有期懲役(法41条の2第2項)又は情状により、1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金

とされています。

~ おとり捜査 ~

今回、Aさんはおとり捜査で現行犯逮捕されています。
おとり捜査とは、

捜査機関又はその依頼を受けた捜査協力者が、その身分や意図を相手方に秘して犯罪を実行するように働きかけ、相手方がこれに応じて犯罪の実行に出たところで現行犯逮捕などにより検挙する捜査手法

と解されており、あくまで任意捜査として許容される、とするのが最高裁判所の考え方です(最決平成16年7月12日)。
被害者や目撃者のいない薬物犯罪では、通常の捜査手法では犯人を検挙することが難しい、というのが理由の一つのようです。

~ 覚せい剤と起訴後釈放 ~

覚せい剤をはじめとする薬物犯罪では、その悪質性や多数の関係者が関与している可能性があることから、逮捕されるおそれが非常に高く、しかも一度逮捕されると起訴されるまではなかなか釈放されづらい、というのが特徴です。

したがって、一日でも早く釈放されたい、という場合は起訴後の釈放を目指すことが現実的といえます。
起訴後の釈放とは、つまり、「保釈」のことを意味しています。
ここで、保釈とは被告人に対する勾留の執行(効力)を停止して、その身柄拘束を解くことをいいます。
起訴後の身柄拘束期間は起訴前に比べ長期間となることが想定されていることから、起訴後に限って「保釈(請求)」という制度が認められています。

~ 保釈の注意点 ~

保釈は、あくまで勾留の停止にすぎません(勾留の効力が消滅したわけではない)。また、メリットだけではありません。以下の点に注意する必要があります。

まず、多額の保釈保証金が必要となる。保釈保証金の額は、被告人の認否、事案の内容等に鑑みて裁判官(裁判所)が決めます。決して安い金額ではなく、通常の簡易な事件でさえ100万円~150万円を準備する必要があります。

次に、保釈条件を遵守する必要があります。裁判所が保釈を許可するにあたっては
・裁判所から呼び出された場合は必ず出頭する
・住居地を変更するには裁判所の許可を受ける
・被害者への連絡は弁護人を介する
・被害者、目撃者、共犯者などの事件関係者と接触しない
・薬物に近寄らない
などの条件を付けられ、仮に保釈中にこれらの条件を守らなければ保釈は取り消され、保釈金は没収されて収容されてしまいます。

ご家族が薬物事件で逮捕、勾留、起訴され、保釈をご検討中の方は弁護士までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずは、0120-631-881までお気軽にお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの受け付けを行っております。

覚せい剤のおそろしさ

2019-11-15

覚せい剤のおそろしさ

覚せい剤について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

Aさんは福岡市中央区の路上を歩いてたところ、前方から来た福岡県中央警察署の警察官から職務質問と所持品検査を受けました。その結果、Aさんの右ポケット内からパケ入りの白色粉末を発見されてしまいました。そして簡易検査の結果、陽性であることが判明したことからAさんは覚せい剤取締法違反(所持罪)で現行犯逮捕されました。

~ 田代まさしさん逮捕が物語る薬物のおそろしさ ~

先日、田代まさしさんが再び覚せい剤取締法違反(所持罪)で逮捕されました。
最近では、今年の7月に薬物依存症をテーマとしたNHKの番組に出演するなど薬物依存から脱却しようという姿勢が見えていただけに非常に残念です。
田代さんは、2000年に盗撮(東京都迷惑行為防止条例違反)で書類送検されたことをきっかけに、4度、薬物事件で逮捕され、今回の逮捕が5度目となります。
このことからも、いかに薬物がおそろしい薬かお分かりいただけると思います。

また、体に対する薬物のおそろしさだけがピックアップされているようですが、薬物は社会的にもとても害を及ぼすものです。
薬物を使用するということは、その裏には薬物を作ったり、売ったりする人間がいることを意味します。そして、そこで得られたお金は暴力団などの反社会的勢力の資金源となって新たな犯罪、新たな犯罪被害者を生み出しかねません。また、薬物使用によって暴力的になり暴行、傷害、殺人など暴力事犯や危険運転など起こして死傷者を出すなどの悲惨な交通事故を引き起こす危険が高くなります。

薬物には使った本人の体をむしばみその人の人生を破壊することはもちろん、社会にとっても害であることをぜひ忘れないでいただきたいと思います。

~ 覚せい剤取締法 ~

覚せい剤取締法で禁止している覚せい剤の所持には、①単純(非営利目的)所持と②営利目的所持の2種類があります。

①の法定刑は「10年以下の懲役」です。他方、②の法定刑は「1年以上の有期懲役又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金」で、①よりさらに重たくなっています。

「所持」とは、「事実上の実力支配関係」とも言われています。すなわち、自分が直接手にしている必要はなく、社会通念上本人の実力支配、管理の及ぶ場所に保管していればいいとされています。ある日、突然、警察のガサが入り、自宅部屋のタンス内から覚せい剤を押収されたとき、覚せい剤(所持の罪)で逮捕されるのはこのためです。

営利目的とは、覚せい剤を所持する動機が財産上の利益を得る、ないしはこれを確保する目的に出たことをいうとされています。本人が営利目的を有していたかどうかは、専ら本人の内心に関わる事情ですから、営利目的があったかい否かは、

・覚せい剤を所持する量
・所持の態様 
・覚せい剤以外の押収品の内容

などから判断されます。

~ 薬物事件の特徴 ~ 

覚せい剤事件をはじめとする薬物事件の場合、高い確率で逮捕・勾留されます。
薬物事件の場合、覚せい剤の入手(輸入等)→売却→譲り受け(譲り渡し)→使用という一連の流れを踏み、その過程には多くの関係者が関与しています。にもかかわらず、その関与者全員が検挙されることは稀です。したがって、たとえ特定の犯人を検挙できたとしても、他の未検挙者と通謀するなどして罪証隠滅行為をすると疑われてしまう可能性が高いのです。

そのため、薬物事件では、勾留によっては罪証隠滅行為を防止できないとして接見禁止決定を出されることが多いと思われます。接見禁止決定とは、弁護人あるいは弁護人となろうとする者以外の者との接見を禁止する決定を言います。

~ 薬物から脱却するには周囲のサポートが不可欠 ~

一度薬物に手を染めてしまった場合、その状態から脱却することは容易ではありません。
ご家族のサポートがあっても難しいでしょう。
ですから、ご家族以外の専門家の助言、サポートを受け、適切な治療を受けることが必要です。
弁護士はそのためのお手伝いをさせていただきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、薬物事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

少年が大麻所持で逮捕

2019-10-22

少年が大麻所持で逮捕

福岡県久留米市内の中学校に通う少女Aさん(15歳)は、知人から勧められて大麻を吸引していたところ、福岡県久留米警察署の警察官から職務質問、所持品検査を受けてしまいました。Aさんは、ズボンの右ポケットの内に大麻入りのチャック付きポリ袋を入れていたため、警察官に大麻取締法違反(所持の罪)で逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたAさんの両親は驚き、学校に通報されてしまうのか不安になり、少年事件に強い弁護士にAさんとの接見を依頼しました。

~ 少年と大麻 ~

近年は、インターネット等で比較的容易に大麻を入手できるようになっています。
大麻はインターネットでも購入できる時代です。また、未成年であってもスマートフォンやパソコンを利用でき、容易にインターネットの世界へ飛び込める時代となっていますから、未成年であっても、一歩間違えれば大麻をはじめとする薬物に汚染されてしまう危険を有しています。

そして、少年と大麻に関して、注目していただきたい数字が出ています。
平成30年度版犯罪白書によると、少年の覚せい剤取締法違反における検挙人員は平成10年から減少傾向にありますが、大麻取締法違反については平成25年まで減少傾向にあったものの、以下のとおり、その後、急激に増加しています。あくまでも検挙された人員ですから、すでに大麻に手を出している少年を含めるとさらに数は増えるものと思われます。

平成25年  58人
平成26年  77人
平成27年 144人
平成28年 206人
平成29年 292人

~ 逮捕されたら学校に通報されるの? ~

福岡県では、県内の小学校、中学校、高等学校に通う児童、生徒が逮捕された場合、「ふくおか児童生徒健全育成サポート制度運用要綱(以下、要綱)」に従って、警察と学校とが相互に必要な情報の交換をしているようです。
要綱では、警察から学校へ通報される事案を規定しており、その中には

逮捕事案

も規定されています。
しかし、

捜査、調査その他の理由により連絡をすることができないと認めるときは、連絡をしないことができる

と規定されており、逮捕されたからといって必ず通報されるというわけもなさそうです。

~ 通報を回避するには? ~ 

そこで、通報を回避するには、通報による被る不利益等を丁寧に説明するなどして警察や学校へ働きかけを行っていく必要があります。
警察がどの段階で学校に通報するか分かりませんから、「通報を回避したい」という場合は、はやめに弁護士の弁護活動にかかる委任契約を結ぶ必要があります。

~ 早期釈放には? ~

また、学校や知人らに事件のことがばれてしまう原因として、少年が「突然、学校を欠席する」、「長期間、学校を欠席する」ことが挙げられます。
そこで、身柄を拘束された場合は一刻も早い釈放(社会復帰)が望まれます。
逮捕されると、
 
①逮捕(警察の留置施設等)→②検察官送致→③勾留請求→④勾留決定(留置施設等)→⑤家庭裁判所送致→⑥観護措置決定(少年鑑別所)
 
という流れをたどってしまいます。 

①から②まで最大で48時間、①から③まで最大で72時間あります。
したがって、この間に、警察、検察、裁判所に働きかけて少年の釈放を求めていきます。
④勾留決定が出た場合、勾留の期間は勾留請求の日から最大で20日間(一定の事件を除く)です。しかし、その間も、検察や裁判所に働きかけ て少年の釈放を求めていくことは可能です。
勾留後、少年の身柄が事件とともに⑤家庭裁判所へ送致(同行)され、⑥観護措置決定が出た場合、少年は少年鑑別所に収容されます。この場面でも検察にや家庭裁判所に働きかけて少年の釈放を目指すことは可能です。
  
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

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