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【事例解説】覚醒剤使用事件における別件逮捕の違法性(前編)
軽犯罪法違反(凶器携帯)の容疑で逮捕中に行われた強制採尿により、覚醒剤取締法違反(使用)の容疑で逮捕された架空の事件を参考に、覚醒剤使用事件における別件逮捕の違法性とその弁護活動について、前編・後編に分けて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
参考事件
福岡市在住の自営業男性A(32歳)が深夜、同市中央区中洲の路地に佇んでいたところ、巡回中の福岡県中央警察署の警察官Pに気づき慌てた様子で立ち去ろうとしました
PはAを呼び止め、Aの様子から覚醒剤使用の疑いがあると考え、職務質問を行ったところ、Aは氏名や住所を明らかにしませんでした。
また、PはAの承諾を得て所持品を検査したところ、覚醒剤などの薬物は発見できませんでしたが、ポケットに刃渡り5.5センチメートルのカッターナイフを所持していたことから、軽犯罪法違反(凶器携帯)の容疑でAを現行犯逮捕しました。
警察署で取調べを行ったPは、Aに任意での尿検査を提案しましたが応じなかったため、令状により強制採尿したところ、覚醒剤の陽性反応が出たことにより、Aは覚醒剤取締法違反(使用)の容疑で逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
軽犯罪法違反での逮捕について
Aは、正当な理由がなく刃物を隠して携帯していた、として軽犯罪法違反で逮捕されました(同法第1条第2号参照)。
軽犯罪法違反の法定刑は、拘留又は科料のみ規定されているため、いわゆる「軽微犯罪」として、通常の要件に加えて、犯人の住居若しくは氏名が明らかでない場合又は犯人が逃亡するおそれがある場合、に限り現行犯逮捕が認められます(刑事訴訟法第217条)。
Aは、職務質問に対し氏名や住所を明らかにしなかったため、現行犯逮捕の要件を一応充たしていたものと考えられます。
軽犯罪法違反での逮捕が、要件を充たすため逮捕時点では違法でないと認められたとしても、取調べにおいて、Aに任意での尿検査を提案し、Aが応じなかったため強制採尿するなど、軽犯罪法違反での逮捕による身体拘束を利用して、覚醒剤取締法違反(使用)での捜査を行っていることから、違法な別件逮捕と言えないでしょうか。
次回の後編では、別件逮捕の違法性について、解説します。
覚醒剤使用事件で別件逮捕が行われた場合の弁護活動
覚醒剤使用が疑われる事件においては、被疑者が任意採尿に応じない場合、裁判官の強制採尿令状を得られるまでの間、被疑者を身体拘束する法的な根拠がないことなどから、被疑者を実質的に拘束する手段として別件逮捕が行われ、別件逮捕の違法性が争われる事例が見受けられます。
別件逮捕の違法性が認定されたことにより、違法な別件逮捕による身体拘束を利用して得られた証拠の証拠能力が否定された結果、無罪となった裁判例が数多くあります。
他方で、別件逮捕の違法性を認定しつつも、得られた証拠の証拠能力までは否定せず有罪とされた裁判例もあるため、公判で別件逮捕の違法性を主張することにより無罪を争うことは容易ではありませんが、弁護人が、起訴される前の段階で検察官に対し、別件逮捕の違法性を十分な説得力をもって主張することで、検察官が不起訴処分を選択する可能性を高めることができると考えられます。
福岡県の刑事事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、覚醒剤使用などの薬物事件で、不起訴処分を獲得した実績があります。
ご家族が覚醒剤使用の容疑で逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
【事件解説】覚醒剤を麻薬と誤認して所持した被疑者を麻薬取締法違反で起訴
覚醒剤取締法違反(所持)で逮捕されていた被疑者が、覚醒剤を麻薬と誤認していたことなどから、罪名が切り替えられ麻薬取締法違反(所持)で起訴された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
事件概要
福岡県宗像市内の自宅で覚醒剤を所持していたとして、覚醒剤取締法違反(所持)の容疑で逮捕されていた会社員男性A(32歳)が、麻薬取締法違反(所持)で起訴されました。
Aは、覚醒剤の成分が入った錠剤0.2グラムを所持していたとして覚醒剤取締法違反(所持)の容疑で逮捕されていました。Aは取調べにおいて、「錠剤は以前大麻を購入した際に、おまけでもらったものであり、覚醒剤とは知らなかった。MDMA(合成麻薬)だと思っていた。」と供述していたとのことです。
(過去に報道された実際の事件に基づき、一部事実を変更したフィクションです。)
覚醒剤取締法違反(所持)と麻薬取締法違反(所持)について
「覚醒剤」とは、「覚醒剤取締法」において、フエニルアミノプロパン及びフエニルメチルアミノプロパン、又は同種の覚醒作用を有する物などと定義されています。
覚醒剤の所持は重大犯罪であり、10年以下の懲役に処するとされています(同法41条の2第1項)。
「麻薬」とは、「麻薬及び向精神薬取締法」(「麻薬取締法」)において規定される麻酔作用を持つ薬物の総称であり、ジアセチルモルヒネ等(ヘロイン)、コカイン、モルヒネなど、76種の薬物が指定されています。
麻薬の所持は、ジアセチルモルヒネ等の場合は特に重く10年以下の懲役、それ以外の麻薬の場合は7年以下の懲役に処するとされています(同法第64条の2、第66条)。
本件で、Aが誤認していたと主張するMDMA(合成麻薬)の所持は、それ以外の麻薬所持の場合にあたり、7年以下の懲役の対象となります。
覚醒剤を麻薬と誤認して所持した場合に成立し得る罪
本件Aは、法定刑が7年以下の懲役の麻薬取締法違反(所持)(「軽い罪」)の認識で、法定刑が10年以下の懲役の覚醒剤取締法違反(所持)(「重い罪」)を犯していることになりますが、この場合、Aに何罪が成立し得るのか問題となります。
「重い罪」に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその「重い罪」に当たることとなる事実を知らなかった者は、その「重い罪」によって処断することはできない、と規定されています(刑法第38条第2項)。
Aが、対象薬物が覚醒剤であると本当に知らなかったのか、関係者の証言や客観的証拠も踏まえて事実認定されることとなりますが、その立証ができない場合、同条により「重い罪」である覚醒剤取締法違反(所持)は成立しないこととなります。
しかし、覚醒剤取締法違反(所持)と麻薬取締法違反(所持)は、薬物の濫用による保健衛生上の危害を防止するために、禁止された薬物の所持に対する取締規定である点で共通していること、取締りの方法、対象薬物の有害性や外観等が類似していることから、罪名の異なる犯罪ではありますが、実質的に重なり合う犯罪であると考えられます。
このような場合、「重い罪」が成立しないとしても、「重い罪」と「軽い罪」が実質的に重なり合う限度で「軽い罪」が成立し得るとされることから、本件では、「軽い罪」である麻薬取締法違反(所持)が成立し得るとされるため、罪名が切り替えられ麻薬取締法違反(所持)で起訴されたと考えられます。
薬物事件で故意を否認する場合の弁護活動について
薬物事件において、対象薬物であることを知らなかったとして故意を否認する場合は、弁護活動としては、被疑者(被告人)の主張に合理性が認められるよう、被疑者(被告人)から事件の経緯を聴き取り、客観的な証拠を収集した上で、嫌疑不十分による不起訴処分などを求めることが考えられます。
このような否認事件の場合は、捜査機関による取調べが厳しくなる可能性が高くなるため、被疑者(被告人)と綿密な接見を行い、自己に不利な供述をしないよう取調べ対応についてのアドバイスを行うことが考えられます。
また、薬物事件では、逃亡や罪証隠滅の恐れがあるとして、勾留が決定・延長され身体拘束が長期化したり、接見等禁止決定が付いたりする可能性が高いため、身体拘束からの解放や接見等禁止決定の解除に向けた弁護活動も重要となってきます。
事件の内容によって対応も様々に異なるため、刑事事件に強く、薬物事件の刑事弁護の経験豊富な弁護士への相談をお勧めします。
福岡県の刑事事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強く、覚醒剤所持などの薬物事件で、不起訴処分を獲得した実績があります。
ご家族が覚醒剤などの薬物所持の容疑で逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
【事例解説】所持品検査に違法性の疑いのある覚醒剤所持事件
職務質問に伴う所持品検査により、覚醒剤所持が発覚し現行犯逮捕された架空の事件を参考に、所持品検査の違法性と押収された証拠の証拠能力について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
参考事件
福岡市在住の自営業男性A(28歳)が深夜、同市中央区天神の路地に佇んでいたところ、巡回中の福岡県中央警察署の警察官Pに気づき慌てた様子で立ち去ろうとしました
PはAを呼び止め、Aの挙動不審な様子から、何らかの犯罪の嫌疑があると考え、Aに職務質問を行い、所持しているバッグの中身を見せるように言いました。
Aが拒否してその場を去ろうとしたため、PはAの進路を塞ぎ、Aのバッグを掴んで開き、中から粉末入りの小袋と注射器を発見しました。その場で検査したところ、粉末が覚醒剤であると判明したため、Aは覚醒剤所持の容疑で現行犯逮捕され、覚醒剤と注射器は証拠として押収されました。
(事例はフィクションです。)
所持品検査の違法性について
警察官は、何らかの犯罪の嫌疑がある者に対し、職務質問を行うことができます(警察官職務執行法第2条第1項)。
職務質問に伴い所持品検査を行うことは、職務質問の効果をあげる上で必要性、有効性の認められる行為であるとして、許容される場合があるとされますが、任意の職務質問に附随する行為として許容される以上、所持人の承諾を得て、その限度で行うのが原則とされます。
本件で、Aは所持品検査を承諾しておらず、Pはその場を立ち去ろうとするAの進路を塞いだ上、Aのバッグを掴んで開いています。
詳細な状況次第ではありますが、本件所持品検査は、Aの意思に反して、所持品の捜索・押収を受けることのない権利(憲法第35条)を侵害する強制処分(個人の意思を制圧して憲法の保障する重要な法的利益を侵害するもの)であるとして、捜索・差押令状なく行うことが違法と判断される可能性があります。
また、強制処分に至るものではないと判断された場合でも、本件所持品検査の必要性・緊急性を考慮の上、具体的状況の下で相当と認められる限度を超えた処分として、なお違法と判断される可能性はあります。
違法な所持品検査により押収された証拠の証拠能力
本件所持品検査が違法と判断されたとしても、Aが押収された覚醒剤を所持していた事実に変わりはないため、Aはこれを所持していたことによる覚醒剤取締法違反(所持)で有罪と認定され得るでしょうか。
これについて、証拠収集手続に令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが将来における違法捜査抑止の見地からして相当でないと認められる場合、証拠能力を否定すべきと解されています。
証拠能力とは、証拠として公判廷に提出して事実認定に供しうる能力とされますので、証拠能力が否定される場合、当該証拠に基づく有罪認定はできなくなります。
本件に照らすと、所持品検査に、令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これによって押収された覚醒剤等を証拠として許容することで、将来同様の違法な所持品検査が繰り返されるおそれがあり相当でないと認められる場合、押収された覚醒剤等の証拠能力が否定され、これらを証拠としては覚醒剤取締法違反(所持)で有罪と認定されないことになります。
所持品検査に違法性の疑いのある覚醒剤所持事件の弁護活動
覚醒剤使用・所持などの薬物事件では、令状又は本人の許可なく行われた居室への立ち入りや、実質逮捕に相当するような任意同行などについて、捜査の違法性が認定され、違法な捜査により得られた証拠の証拠能力が否定された結果、無罪となった裁判例が数多くあります。
他方で、捜査の違法性を認定しつつも、得られた証拠の証拠能力までは否定せず有罪とされる場合もあるため、公判で捜査の違法性を主張することにより無罪を争うことは容易ではありませんが、弁護人が、起訴される前の段階で検察官に対し、所持品検査の違法性を十分な説得力をもって主張することで、検察官が不起訴処分を選択する可能性を高めることができると考えられます。
福岡県の刑事事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件に強く、覚醒剤所持などの薬物事件で、不起訴処分を獲得した実績があります。
ご家族が覚醒剤所持の容疑で逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
【事件解説】覚醒剤共同使用 保護責任者遺棄罪で逮捕
覚醒剤を共同使用し、容態が悪化した知人を放置したとして、保護責任者遺棄罪で逮捕された事件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
事件概要
覚醒剤を共同使用していたところ、容態が悪化した知人男性V(28歳)に対し適切な措置を怠り放置したとして、福岡市中央区在住の会社員男性A(32歳)が保護責任者遺棄罪の容疑で逮捕されました。
福岡県警中央警察署の調べによると、Aは、Aの自宅で覚醒剤を共同使用していたVの容態が悪化したにもかかわらず4時間ほど放置し、その後消防に通報しましたが、救急隊が駆け付けたときにはVの意識はなく、その後くも膜下出血で死亡が確認されたとのことです。
警察の調べに対し、Aは保護責任者遺棄罪の認否を明らかにしていません。
(過去に報道された実際の事件に基づき、一部事実を変更したフィクションです。)
保護責任者遺棄罪とは
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者が、これらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、3月以上5年以下の懲役に処する、と定めています(刑法第218条)。
保護責任者遺棄罪は、ある場所から別の場所へ運ぶという作為的な行為(移置)のみならず、置き去りや不保護といった不作為をも処罰対象とする犯罪のため、犯罪の成立には、「保護する責任」(作為義務)を有する者であることが求められます。
「保護する責任のある者」とは、子どもの親権者や老人ホームの介護職員など、法令や契約により義務を負う者のみならず、人気のない道路で倒れている他人を介抱した通行人や、飲み会で泥酔した人と同席の友人など、善意で引き受けた場合や社会通念上相当な場合(条理)に保護義務が生じることもあります。
本件のような薬物の共同使用の場合、元男性俳優が、MDMAを共同使用して薬物中毒で意識不明になった女性への適切な処置を怠ったとして保護責任者遺棄罪で有罪となった例があるなど、状況次第で、条理により「保護する責任のある者」と認定されることがあります。
本件で、例えば、当時Aの自宅にAとV以外の者がおらず、容態の悪化したVの保護はAが行うほかない状況だったとすれば、Aは「保護する責任のある者」と認定され得ます。
その場合、容態が悪化した「病者」のVを、「保護する責任のある者」であるAが4時間ほど放置したことは、「遺棄した」(置き去り)又は「生存に必要な保護をしなかった」ものとして、保護責任者遺棄罪が成立する可能性が高いです。
なお、逮捕時点での容疑は保護責任者遺棄罪ですが、今後の捜査で、Aが適切な措置をしていればVが死亡しなかった疑いが強まれば、被疑罪名が保護責任者遺棄致死罪、AがVへの殺意を持って放置した疑いが強まれば被疑罪名が殺人罪、となる可能性もあります。
覚醒剤共同使用による保護責任者遺棄罪の刑事弁護
保護責任者遺棄罪でも懲役刑しかない重い罪でありますが、保護責任者遺棄致死罪で有罪になると、3年以上20年以下の懲役が科せられる可能性があります。
本件では、Aは保護責任者遺棄罪の認否を明らかにしていないとのことですが、早めに弁護士と接見し、事件の見通しや取調べ対応などについて法的な助言を得ることが重要です。
また、被害者対応や覚醒剤取締法違反(使用)容疑への対応など、行うべき弁護活動が多岐にわたるため、刑事事件に強い弁護士に依頼し、適切な弁護活動を早く開始してもらうことをお勧めします。
福岡県の刑事事件に関するご相談は
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件に強く、保護責任者遺棄罪や薬物事件の弁護活動の実績が多数あります。
覚醒剤共同使用による保護責任者遺棄罪でご家族が逮捕されるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
【福岡県の薬物事件】警察で採尿されました…逮捕されますか?
『警察で採尿されました…逮捕されますか?』
このご質問に、福岡県の薬物事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の弁護士がお答えします。
相談内容
私は覚醒剤の前科があります。
昨日、博多警察署の警察官に職務質問された際に任意採尿を求められたので、警察署に移動して自然排尿した尿を提出しました。
実は1週間前に友人からもらった覚醒剤を使用していたのですが、簡易鑑定では覚醒剤反応が出ずに帰宅することができました。
本鑑定では覚醒剤反応が出るのでしょうか?もし覚醒剤反応が出た場合、逮捕されますか?
(この相談内容は実際にあったご相談を基にしたフィクションです。)
この相談はフィクションですが、同じような内容の相談が、薬物事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部によくあります。
今回は、この質問に薬物事件に強い弁護士がお答えします。
Q1 本鑑定で覚醒剤反応が出るのか?
採尿直後に、警察官が行う鑑定は、簡易鑑定です。
もし、覚醒剤の使用直後から15日までの間に採尿された場合は、簡易鑑定で覚醒剤反応が出なかった場合でも、科学捜査研究所で行う本鑑定で覚醒剤反応が出る可能性はあります。
Q2 本鑑定で覚醒剤反応が出た場合逮捕されますか?
逮捕される可能性は非常に高いです。
覚醒剤の使用事件の取調べは、覚醒剤を使用した経緯や、覚醒剤の使用時期、使用量、使用方法だけでなく、覚醒剤の常習性や、使用した覚醒剤の入手先に至るまで幅広く行われるため、逮捕、勾留される可能性が非常に高いです。
またQ2の質問に続いて、多い皆様からの質問が
「採尿されてどれぐらいで逮捕されますか?」
といった内容です。
科学捜査研究所での本鑑定に要する時間や、逮捕状を請求するまでの時間が法律的に定まっていないことから、逮捕までの時間はハッキリとお答えできません。
採尿から数日後に逮捕された方もいますし、遅い方は採尿から1カ月以上経過して逮捕された方もいます。
まずは弁護士に相談を
覚醒剤の使用事件で警察に逮捕されるか不安のある方、福岡県で薬物事件に強い弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、薬物事件に関するご相談を初回無料で承っておりますので、ご相談を希望される方は フリーダイヤル 0120-631-881 までお気軽にお問い合わせください。
シンナーを所持!!毒劇法違反で警察に逮捕
シンナーを所持していたとして、毒劇法違反で警察に逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
事件内容
左官工をしている少年Aさん(18歳)は、職場の倉庫で保管しているシンナーを盗み出し、隠れて吸引していました。
逮捕された日も、仕事終わりに倉庫からシンナーを持ち出し人目に付かないところで吸引し、残ったシンナーを持って原付で帰宅していたのですが、その道中に信号無視をしたとして、八幡西警察署の警察官に取締りを受けました。
そしてその際に、シンナー臭がしたことから、原付のメットインの中を調べられて吸引目的でシンナーを所持していたことが発覚し、毒物及び劇物取締法違反で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
毒物及び劇物取締法(毒劇法)
毒物及び劇物取締法(「毒劇法」とする)でシンナーの
①無登録販売等
②知情販売・授与
③摂取・吸入・摂取吸入目的所持
を禁止しています。
毒劇法が制定された当初、この法律は、毒物及び劇物について、保健衛生上の見地から必要な取り締まりを行うことを目的(毒劇法第1条参照)として、毒、劇物の指定と、指定毒、劇物の製造、輸入、販売、取扱い等を規制していました。
そして昭和47年当時、青少年の間でシンナー等の有機溶剤製品の濫用が社会問題化されことから、シンナーの濫用を規制するために、上記事項が新たに禁止されたのです。
かつては、少年の薬物事件の大半を毒劇法事件が占めていましたが、最近は、大麻や、脱法ドラッグ、覚醒剤による薬物事件がほとんどで、Aさんの様にシンナーの吸引目的所持違反で警察に逮捕される少年は減ってきているです。
なお、各禁止事項には、罰則も定められており
①無登録販売等に違反すると「3年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又はこの併科」
②知情販売、授与に違反すると「2年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はこの併科」
③摂取・吸入・摂取吸入目的所持に違反すると「1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金又はこの併科」
です。
成人が毒劇法違反で検挙された場合は、この法定刑内で刑事罰を受けることになりますが、再犯を繰り返さない限りは、毒劇法違反で実刑判決となる可能性は非常に低いでしょう。
福岡県の薬物事件に強い弁護士
福岡県内の薬物事件にお困りの方、ご家族が、シンナーの所持で警察に逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
LSDを使用して救急搬送 麻薬取締法違反で逮捕~②~
~昨日からの続き~
昨日は、LSDを規制している法律「麻薬及び向精神薬取締法」について解説しました。
本日は、麻薬及び向精神薬取締法で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
LSD施用で逮捕されたら
LSDに限らず薬物事件で逮捕されたら、その後勾留となる可能性は高いと言えます。
「勾留」とは、被疑者・被告人を拘禁する裁判およびその執行をいいます。
逮捕後にとられる勾留は、被疑者勾留又は起訴前勾留と言われます。
勾留となるには①勾留の理由、及び②勾留の必要性が認められる場合です。
勾留の理由
勾留の理由とは、「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること」、並びに
・定まった住居を有しないこと
・罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があること
・逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があること
のいずれかに該当する場合に認められます。
また、勾留の理由がある場合でも、被疑者を勾留することにより得られる利益と、これにより被る被疑者の不利益を比較衡量した結果、被疑者を勾留することが必要であること、つまり、②勾留の必要性も勾留の要件となります。
薬物事件の場合、外で再犯を犯す可能性が高いことや、薬物関係者(入手先や譲渡し先など)と罪証隠滅を図る可能性もあると判断されやすく、勾留に付される可能性が高くなっています。
接見禁止
勾留に加えて、弁護士以外との接触を禁止する接見禁止に付されることもあります。
接見禁止に付された場合、被疑者の家族であっても、被疑者と面会することが出来ません。
ただでさえ、外界と遮断された閉鎖的な空間に拘束されているため、身体的にも精神的にも厳しい状況に置かれている被疑者ですが、家族との面会の機会がなくなってしまうことで、更なる苦痛が生じることが想像されます。
まずは弁護士に相談
ご家族等が、麻薬及び向精神薬取締法違反で警察に逮捕された場合には、薬物事件にも対応する弁護士にご相談・ご依頼ください。
ご家族との面会を実現するため接見解除に向けた活動を行います。
また、長期身体拘束されている被疑者との接見を重ね、取調べ対応についての適切なアドバイスを提供し、被疑者の精神的不安を取り除きます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、薬物事件を含めた刑事事件・少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
ご家族がLSDをはじめとした薬物事件で逮捕されてお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
LSDを使用して救急搬送 麻薬取締法違反で逮捕~①~
LSDを使用して救急搬送され、後日、麻薬取締法違反で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
参考事件
大学生のAさん(22歳)は、博多市内にあるクラブで知り合った外国人からLSDを購入しまし、そのLSDをクラブのトイレで使用したのですが、それからしばらくして気分が悪くなり、その後の記憶はなく、気付くと、病院のベットの中でした。
医師から聞いた話によりますと「博多駅近くの路上で倒れていたところを救急搬送された。薬物の多量窃取による中毒症状で治療を行ったが、尿から、合成麻薬の成分が検出されたので警察に通報している。」とのことで、すでにAさんの尿は警察によって差し押さえられているとのことでした。
そして1週間ほど入院したAさんは、退院と同時に、福岡県博多警察署によって、麻薬取締法違反で逮捕されました。
(フィクションです)
合成麻薬LSD
LSDは、リゼルグ酸ジエチルアミド又はリゼルギン酸ジエチルアミドであり、非常に強烈な作用を有する半合成の幻覚剤です。
LSDの純粋な形状は透明の結晶ですが、液体の形で製造することもできるため、その形状は、水溶液をしみこませた紙片、錠剤、カプセル、ゼラチン等様々なようです。
LSDは、無臭、無味、無色で、極めて微量で効果を持ち、その効用は摂取量だけでなく、窃取経験や精神状態、周囲の環境により大きく異なり、LSDを乱用すると、幻覚、幻聴、時間感覚の欠如、強烈な幻覚作用が現れます。
麻薬取締法による取締り
LSDは、1970年より「麻薬及び向精神薬取締法」(以下、麻薬取締法)による取締りの対象となりました。
麻薬取締法は、麻薬及び向精神薬の輸入、輸出、製造、製剤、譲渡等について必要な取締を行うとともに、麻薬中毒者について必要な医療を行う等の措置を講ずること等により、麻薬及び向精神薬の濫用による保健衛生上の危害を防止し、もって公共の福祉の増進を図ることを目的とする法律です。
麻薬取締法が規制対象としている麻薬とは、同法別表第1に掲げる物です。
LSDは、1970年に規制麻薬に追加されました。
このため、LSDの輸入、輸出、製造、製剤、小分け、譲渡し、譲受け、交付、施用、所持、廃棄は禁止され、違反者に対しては罰則が科されます。
刑罰については、麻薬のなかでも、「ゼアセチルモルヒネ」(いわゆる、「ヘロイン」)と「ヘロイン以外の麻薬」に分けられており、ヘロインの場合に刑罰が重くなります。
ヘロインの施用についての刑罰は、10年以下の懲役、営利目的であれば1年以上の有期懲役、又は情状におり1年以上の有期懲役及び500万円の罰金です。
一方、ヘロイン以外の麻薬の施用については、7年以下の懲役、営利目的であれば、1年以上10年以下の懲役に処し、又は情状により1年以上10年以下の懲役及び300万円の罰金に処されるとされます。
~明日に続く~
【即日対応可能】福岡県若松警察署に弁護士を派遣※電話予約OK
【即日対応可能】福岡県若松警察署への弁護士派遣について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県若松警察署への弁護士派遣(初回接見サービス)は
フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)
までお電話ください。
参考事件
Aさんは、1カ月ほど前に、北九州市若松区の路上に駐車した車内で仮眠をとっていたところ、警ら中の福岡県若松警察署の警察官に職務質問されました。
実はこの時Aさんは、インターネットで知り合った密売人から購入した覚醒剤を車内に隠し持っており、職務質問の際に、この覚醒剤が見つかってしまったのです。
ただ見つかった覚醒剤はもう2週間以上前に使用した際の残りで、1回の使用分にも満たない量でした。
そのため、警察官はその場で簡易鑑定せず押収して、一度持ち帰ったのです。
そして今朝、Aさんは、自宅を訪ねて来た福岡県若松警察署の捜査員に逮捕されてしまいました。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)
福岡県若松警察署
〒808-0066
福岡県北九州市若松区くきのうみ中央1番1号
電話番号 093-771-0110
福岡県若松警察署に弁護士を派遣する費用
交通費込み 44,110円
覚醒剤所持事件
皆さんご存知のとおり覚醒剤を所持することは犯罪です。
覚醒剤取締法で覚醒剤の所持は禁止されており、違反して有罪が確定すると10年以下の懲役が科せられます。
初犯であれば、ほぼ執行猶予付きの判決となりますが、覚醒剤等の薬物事件は再犯率が高いのが特徴で、実際に、複数回、同種の薬物事件で有罪判決を受ける方は珍しくありません。
再犯の場合は、執行猶予が付きにくくなり、実刑判決が言い渡されることも珍しくないので注意しなければなりません。
覚醒剤所持事件の弁護活動
覚醒剤所持事件等の薬物事件の弁護活動においては、まず違法薬物を押収された捜査の過程をしっかりと検討する必要があります。
違法捜査によって、証拠品である覚醒剤等の違法薬物が警察に押収されていた場合は、それを理由に無罪判決を勝ち得ることもできるので、まず証拠品が適法に押収されたのか、採尿に至るまでの捜査が適正だったのか等をしっかりと検討する必要があるのです。
また裁判までに、監視監督体制を整えて、再発防止策を講じることも重要な弁護活動の一つとなります。
福岡県若松警察署に弁護士を派遣
福岡県若松警察署に派遣できる即日対応可能な弁護士をお探しの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
福岡県若松警察署に弁護士を派遣する 初回接見サービス のご予約については、24時間対応しているフリーダイヤルでお待ちしております。
【即日対応可能】福岡県城南警察署に弁護士を派遣※電話予約OK
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フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)
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参考事件
無職のAさんは、福岡市城南区の自宅において大麻を栽培していました。
仕事をしていないAさんは、栽培した大麻をインターネットで知り合った大麻愛好家に密売して得たお金で生活しています。
密売した客が大麻所持罪で逮捕されたことをきっかけに、Aさんにまで捜査が及び、Aさんは、営利目的大麻栽培の容疑で福岡県城南警察署に逮捕されてしまいました。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)
福岡県城南警察署
〒814-0133
福岡市城南区七隈7-41-15
電話番号 092-801-0110
福岡県城南警察署に弁護士を派遣する費用
交通費込み 38,170円
大麻取締法
大麻取締法では、大麻の所持、譲渡、譲受、輸出入、栽培が禁止されており、Aさんの行為は、栽培の違反になるでしょう。
大麻取締法第3条第1項
大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない
ここでいう大麻取扱者とは、大麻栽培者及び大麻研究者のことです。
大麻栽培者とは、都道府県知事の免許を受けて、繊維若しくは種子を採取する目的で大麻草を栽培する者のことです。
また大麻研究者とは、都道府県知事の免許を受けて、大麻を研究する目的で大麻草を栽培し、大麻を使用する者のことです。(大麻取締法第2条)
栽培の禁止
大麻取締法第24条に大麻の栽培を禁止する旨と、その罰則が明記されています。
大麻取締法第24条第1項には、「大麻を、みだりに栽培し~(中略)~た者は、7年以下の懲役に処する。」旨が明記されています。
ここでいう「みだりに」とは、社会通念上正当な理由が認められないという意味です。
上記のとおり、法律上、大麻の栽培が認められているのは大麻取扱者だけですので、それ以外の者が大麻を栽培すれば、この「みだりに」と言えるでしょう。
大麻取締法第24条第2項「営利の目的で、大麻を栽培した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する」旨が明記されています。
営利の目的とは、犯人が自ら財産上の利益を得たり、第三者に得させることを、動機・目的とすることを意味します。
簡単に言うと、営利目的に大麻を栽培することとは、販売して利益を得ることを目的に大麻を栽培することです。
大麻を営利目的で栽培していたことは、栽培した大麻を実際に販売していたかどうか、またそれによって利益を得ていたかどうかによって立証されます。
大麻栽培の罪は、営利目的でなければ、初犯であれば執行猶予付の判決が十分に望めます。逆に、営利目的が認められてしまうと、初犯であっても実刑判決の可能性が十分に考えられます。
営利目的の大麻栽培や、譲り渡し事件は、これまでの密売実績や、密売の規模、栽培の規模等によって、その量刑は左右されます。
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