Archive for the ‘性犯罪’ Category

【事例解説】わいせつ目的で幼児を多目的トイレに連れ込み逮捕(前編)

2023-08-06

 わいせつ目的で幼児を多目的トイレに連れ込み、わいせつ誘拐罪などで逮捕された架空の事件を参考に、わいせつ誘拐罪、監禁罪、不同意わいせつ罪の成立とその弁護活動及び未遂と中止未遂ついて、前編・後編に分けて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

 福岡県糟屋郡内のショッピングモールで、女児V(4歳)を多目的トイレに連れ込み、わいせつな行為をしようとしたとして、福岡市在住の会社員の男A(25歳)が、わいせつ誘拐、監禁、不同意わいせつ未遂の容疑で逮捕されました。
 福岡県粕屋警察署の調べによると、犯行当時、玩具売場で母親から離れて1人で遊んでいるVに、「お母さんが探している」と嘘を告げ、わいせつ行為を行う目的で、玩具売場外の多目的トイレに連れ込んで中から鍵をかけたところ、Vが泣き叫んだため解放したとのことです。
 Aは容疑を認めており、「Vが泣いてかわいそうになったので、わいせつ行為には及んでいない」と供述しているとのことです。
(事例はフィクションです。)

わいせつ誘拐罪及び監禁罪について

 未成年者を誘拐した者は、未成年者誘拐罪(法定刑は3月以上7年以下の懲役)が成立しますが、わいせつ目的があった場合、被害者が成人の場合と同様、わいせつ誘拐罪(法定刑は1年以上10年以下の懲役)が成立します(刑法第224、225条)。

 「誘拐」とは、欺罔又は誘惑を手段とし、人を従来の生活環境から離脱させ、自己又は第三者の事実的支配下に置くこと、とされます。
 本件で、AはVに「お母さんが探している」と嘘を告げて「欺罔」しており、「わいせつ行為を行う目的」で、母親のいる玩具売場外の多目的トイレに連れ込んでおり、Vを「従来の生活環境から離脱」させ「事実的支配下」に置いたものとして、わいせつ誘拐罪が成立し得ます。

 また、不法に人を監禁した者は、監禁罪(法定刑は3月以上7年以下の懲役)が成立します(刑法第220条)。
 監禁罪は、人の身体的活動の自由を奪う犯罪とされますが、幼児であっても自らの意思に基づき活動する能力を通常有するため、対象の「人」に含まれます。「監禁」とは、人が一定の区域内から脱出することが不可能又は著しく困難にすること、とされます。

 本件で、AはVを多目的トイレに連れ込んで中から鍵をかけており、4歳のVが自らトイレから脱出することは著しく困難であると考えられ、監禁罪も成立し得ます。

不同意わいせつ罪について

 16歳未満の者に対しわいせつな行為をした者は、被害者の同意の有無にかかわらず、一定の例外を除き、不同意わいせつ罪が成立します(刑法第176条)。

 同罪は、令和5年の性犯罪規定に関する刑法改正によって、従来の強制わいせつ罪に代わり、新たに創設された犯罪で、令和5年7月13日から施行されました。
 法定刑は、6月以上10年以下の拘禁刑、とされています(「拘禁刑」はまだ施行されていないので、それまでは「懲役」になります。)。

 なお、強制わいせつ罪では、被害者の同意の有無にかかわらず犯罪が成立する被害者の年齢が「13歳未満」であったところ、不同意わいせつ罪では「16歳未満」に引き上げられています(但し、被害者の年齢が13歳以上16歳未満の場合は、加害者と被害者の年齢差による一定の例外があります。)。

 次回の後編では、不同意わいせつ罪未遂中止未遂について解説していきます。

幼児に対するわいせつ誘拐罪などの弁護活動

 幼児が被害者となるわいせつ誘拐罪不同意わいせつ罪などは、被害児童の今後の日常生活や対人関係に深刻な影響を及ぼす可能性があり、悪質と評価されやすく、被害者側との示談が成立したとしても不起訴処分を得られるとは限りません。
 しかしながら、示談の成否は、起訴された場合の量刑や執行猶予の判断にも影響を及ぼし得るため、示談を成立させることはなお重要と言えます。

 示談交渉は通常、被害者本人と行うものですが、被害者が幼児である場合は、当然ながら、両親等の保護者と行うこととなります。
 保護者は、子どもの心身に深刻な被害を受けたということで、犯人を許せないという処罰感情が強いことが一般的であり、示談交渉を断られる可能性もあるため、刑事事件に強く、示談交渉の経験の豊富な弁護士への相談をお勧めします。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は刑事事件に強く、未成年者が被害者である様々な性犯罪において、保護者との示談締結により不起訴処分刑の減軽などを獲得した実績があります。
 ご家族が幼児に対するわいせつ誘拐罪などで逮捕されご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

【事例解説】‘18歳’の児童にわいせつな行為 児童買春で取調べ

2023-07-13

 出会い系サイトに18歳と偽り登録した児童にわいせつな行為を行ったとして取調べを受けた事件を参考に、児童買春罪とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

 福岡市在住の会社員男性A(26歳)は、同市内在住の女子高校生V(17歳)と出会い系サイトで知り合い、Vの欲しがっている化粧品の購入を約束する代わりに、Vを自宅に招いてAの性器を触らせるなどのわいせつな行為を行いました。
 Vが被害にあった別の事件の捜査から、AとVのやり取りが判明し、Aは児童買春の容疑で警察の呼び出しを受け、取調べを受けました。
 警察の取調べに対し、Aは、Vが出会い系サイトで年齢を18歳と登録していたため、Vが18歳未満であるとは知らなかったと供述しています。
(事例はフィクションです。)

児童買春とは

 「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(児童買春・児童ポルノ規制法)第2条では、児童買春とは、(1)児童(18歳未満の者)等に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、(2)児童に対し性交等をすること、と定めています。

 「対償」は、必ずしも金銭に限らず、アクセサリーや食事などでも、性交等の見返りとして与えるものであれば該当し得ます。なお、供与する相手方は、児童本人のほか、買春の周旋者や保護者等も対象です。
 「性交等」は、自己の性的好奇心を満たす目的で、児童に自己の性器等(性器、肛門又は乳首)を触らせる行為も含みます。

 本件で、17歳の児童Vに対し、Aの性器を触らせることは「性交等」にあたり、その見返りとしてVに化粧品の購入を約束することは「対償の供与」にあたり得るため、Aに児童買春の罪が成立し得ます。
 児童買春で有罪となった場合、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科せられます。

児童が年齢を詐称していた場合

 Aは、Vが出会い系サイトで年齢を18歳と登録していたため、Vが18歳未満であるとは知らなかったと供述しています。

 児童買春が成立するには、性交等を行った時点で、相手が18歳未満であるであることの認識(故意)が必要ですが、「もしかしたら18歳未満かもしれない」又は「18歳未満でもかまわない」程度の認識(いわゆる「未必の故意」)であってもこれを満たします。

 出会い系サイトで年齢を偽って登録することは一般的に容易であることから、それをもって故意を否認することは通常困難と考えられます。

 なお、仮に故意がなかったことが認められたとしても、福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)で処罰される可能性は残ります。

児童買春の刑事弁護

 児童買春は、児童に対する性的搾取を防止するという社会的法益があるため、被害者との示談が成立したとしても不起訴処分を得られるとは限りません。
 しかしながら、示談の成否は、不起訴処分略式起訴(罰金刑)の選択、正式起訴された場合でも量刑判断に影響を及ぼすため、示談を成立させることはなお重要です。

 児童買春事件の被害者は未成年者のため、通常、示談交渉は両親等の保護者と行うこととなりますが、保護者が子の被害に憤慨するなど感情的になり、被害者本人との示談交渉の場合よりも難航するおそれがあるため、刑事事件に強く、示談交渉の経験の豊富な弁護士への相談をお勧めします。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は刑事事件に強く、児童買春事件での相手方との示談成立により、不起訴処分略式処分(罰金刑)で事件が終了した実績が数多くあります。

 児童買春で自身やご家族が警察の取調べを受けるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

【事例解説】未成年者と交際 淫行条例違反で取り調べ

2023-06-19

 未成年者と交際し性交したことで、福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)で取り調べを受けた事件を参考に、福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件

 福岡県糸島市の飲食店店長の男性A(27歳)は、アルバイト従業員の女子高校生V(17歳)と交際関係になり、同市内のA自宅やホテルで性行為を複数回行いました。
 事実を知って憤慨したVの両親から警察に通報があり、Aは福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)の容疑で警察の呼び出しを受け、取り調べを受けることとなりました。
(事例はフィクションです。)

福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)とは

 福岡県青少年健全育成条例第31条は、青少年(18歳未満の者)に対し、淫行又はわいせつな行為をしてはならない、と定めています。

 判例によると、「淫行」とは、(ア)青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交等、又は(イ)青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交等、と解釈されています。

 福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)で有罪となった場合、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。

真剣な交際関係であったことの主張

 Aは、Vと真剣な交際関係であったとして、行った性行為は、上記(ア)又は(イ)に該当する性交等ではなく、福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)は成立しないと主張することが考えられます。

 本件で、Vの両親は交際を認知しておらず、事実を知った後すぐに警察に通報していることは、真剣な交際関係であったかの判断において不利な事情になると考えられます。

 また、過去の裁判例から、当事者の年齢、知り合った際の当事者間の立場の違い、知り合ってから交際するまでの経緯と期間、交際内容、交際してから性行為するまでの期間、性行為してからの交際内容、など様々な要素を勘案して判断されることが予想されます。

福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)の弁護活動

 真剣な交際関係にあったことを主張して罪の成立を争うことは容易でないと思われるため、被害者との示談を成立させ不起訴処分を目指すことも、現実的な選択肢の一つとなります。

 被害者が未成年者のため、通常、示談交渉は両親等の保護者と行うこととなりますが、本件のように、保護者が子の被害に憤慨するなど感情的になり、被害者本人との示談交渉の場合よりも難航するおそれがあるため、刑事事件に強く、示談交渉の経験の豊富な弁護士への相談をお勧めします。

 示談金の支払いと併せて、子と今後一切接触しないことを誓約することにより、示談書に「刑事処罰を求めない」旨の宥恕条項を入れてもらうことで、不起訴処分を得られる可能性を高めることが期待できます。

福岡県の刑事事件に関するご相談は

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、性犯罪を含む刑事事件を多数取り扱い、福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)事件において、示談締結による不起訴処分を獲得している実績があります。

 福岡県青少年健全育成条例違反(淫行)で自身やご家族が警察の取り調べを受けるなどしてご不安をお抱えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部へご相談ください。

路上で女子高生に乱暴 強制わいせつ致傷罪で逮捕

2023-03-21

路上で女子高生に乱暴したとして、強制わいせつ致傷罪で逮捕された事件を参考に、強制わいせつ致傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件(3月16日配信のTNCテレビ西日本の記事を参考)

昨年12月12日午後9時ころ、福岡県糟屋郡の路上において、女子高生が背後から来た男に押し倒されて、身体を触られる等の被害にあい、全治約1週間ほどの怪我をしました。
この事件で、現場周辺の防犯カメラ映像などから40代の犯人が特定されて16日、強制わいせつ致傷罪逮捕されたのですが、逮捕された男は「背後から抱きついたが、酒を飲んでいたので覚えていない部分もある」などと供述しているようです。

強制わいせつ致傷罪

まず「強制わいせつ罪」とは、刑法第176条に規定されている犯罪で、13歳以上の男女に対して、暴行や脅迫を用いてわいせつな行為をすることで成立する犯罪ですが、被害者が、13歳未満の男女の場合は、単にわいせつな行為をするだけで成立します。
強制わいせつ罪の法定刑は、6月以上10年以下の懲役です。
そして、この強制わいせつの際に、相手に傷害を負わせると強制わいせつ致傷罪となります。
強制わいせつ致傷罪の法定刑は、無期又は3年以上の懲役と厳しいものです。

起訴されると裁判員裁判に

強制わいせつ致傷罪で起訴(公判請求)されると、その後の刑事裁判は裁判員裁判によって行われます。
裁判員裁判は、通常の刑事裁判のように裁判官だけが判決をくだすのではなく、無作為に選出された一般人(裁判員)が裁判に参加し審査に加わるため、通常の刑事裁判よりも起訴されて判決が言い渡されるまで時間がかかってしまいます。
また弁護人は、裁判の審理中も、法律的知識のない裁判員にわかりやすく説明し、弁護側の主張を理解してもらう技術と工夫が必要とされるので、裁判員裁判については経験豊富な弁護士に任せることをお勧めします。

強制わいせつ致傷罪に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
強制わいせつ致傷罪逮捕されてしまった方へは、ご依頼いただいたその日のうちに弁護士が面会する 初回接見サービス のご利用をお勧めします。
福岡県内の刑事事件でお困りの方は フリーダイヤル 0120-631-881 までお気軽にお電話ください。

大濠公園をランニング中に下半身を露出 公然わいせつ事件で取調べ ~②~

2023-03-18

本日のコラムでは、Aさんの行為を検討し、公然わいせつ罪の量刑や弁護活動等について解説します。

Aさんの行為

Aさんは、不特定多数の人が利用する公園で下半身(性器)を露出しています。
これは公然わいせつ罪の代表的な行為で、公然性も認められるので公然わいせつ罪となるでしょう。

公然わいせつ罪の量刑

公然わいせつ罪の法定刑は「6月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金又は拘留もしくは科料」です。
罰則規定は非常に軽いものですが、初犯であっても犯行が明らかであれば、略式起訴されて罰金刑となる可能性が非常に高いです。
ちなみに、拘留は30日未満刑事施設に留置する刑で、科料は、1000円以上1万円未満の財産刑です。

公然わいせつ罪の弁護活動

公然わいせつ罪は、健全な性秩序ないし性的風俗を保護法益にしている法律ですので、法律的に、公然わいせつ罪に被害者は存在しません。
しかし実質的に被害を被った方は存在するわけで、その様な方に対して謝罪と弁済することによって不起訴処分が望めます。
Aさんの事件の場合ですと、Aさんのわいせつ行為を目撃した女性が実質的な被害者となるので、そのような方と示談することによって不起訴処分になる可能性があるのです。

公然わいせつ罪で逮捕されるリスク

上記したように、公然わいせつ罪の軽微な犯罪の一つですので、犯行を認めていれば逮捕される可能性は低いでしょう。
しかしAさんのように、任意の事情聴取で犯行を否認した場合は、逮捕されれてしまうリスクがあります。
ですから公然わいせつ罪で警察の捜査を受けている方は、早急に、刑事事件に強い弁護士に法律相談することをお勧めします。

まずは弁護士に相談を

福岡市中央区の刑事事件でお困りの方、公然わいせつ罪で、警察署に逮捕されるおそれのある方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。

大濠公園をランニング中に下半身を露出 公然わいせつ事件で取調べ ~①~

2023-03-17

大濠公園をランニング中に下半身を露出したとして、公然わいせつ事件で取調べを受けている事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件 

会社員のAさんは、毎日、仕事終わりに大濠公園をランニングすることが日課ですが、その際に、仕事のストレスを発散するために、女性に対して下半身(性器)を露出し、女性の驚いた姿を見ることに快感を感じていました。
Aさんは、悪いことだと分かりながらも、他の方法でストレスを発散させることができず、これまで、この様な公然わいせつ行為を10回以上しています。
そしてついに、自宅を訪ねてきた福岡県中央警察署の警察官に追及を受けました。
ただAさんは正直に話すことができず「知らない。」と言って容疑を否認しました。
すると、昨日、再び警察官が自宅を訪ねてきて、自宅を捜索されてランニング時に着用しているジャージ等を差し押さえられ、再び事件への関与を問い質されましたが、先日と同様に否認しました。
Aさんは、公然わいせつ罪で警察に逮捕されるのではないかと不安で、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部に法律相談しました。
(フィクションです)

公然わいせつ罪

公然とわいせつな行為をした者には、公然わいせつ罪(刑法174条)が成立します。

公然性
まず公然わいせつ罪でいう「公然と」とは、わいせつな行為を不特定又は多数の人が認識できる状態をいい、実際に認識される必要はなく、その可能性があれば足ります。
ちなみに、認識する者が特定された者だけであっても、多数人に及ぶ場合は「公然性がある」と判断されます。
逆に、特定、少人数の場合は、原則として公然性は否定されますが、特定、少人数に対する密室におけるわいせつ行為であっても、一定計画の下に反復する意図で、特定小人数が、不特定多数の中から観客として選出された者である場合は、公然性が認めらる場合があるので注意しなければなりません。

わいせつ行為
続いて、公然わいせつ罪でいう「わいせつな行為」について検討します。
公然わいせつ罪でいう「わいせつな行為」とは、性欲の刺激、満足を目的とする行為で、善良の風俗に対し、一般人に羞恥心を感じさせるものをいいます。
各都道府県の迷惑防止条例においても「卑猥な言動」が禁止されていますが、条例との違いは、条例にはわいせつな言語が含まれるのに対して、公然わいせつ罪でいうわいせつ行為に言動は含まれません。
公然わいせつ罪の代表例としては、性器の露出です。

故意
公然わいせつ罪は、故意犯ですので、過失によって本罪に該当する行為を行っても処罰の対象となりません。
行為者が、法的に公然性があることを認識したり、その行為はわいせつ行為に該当することを認識していなくても、公然わいせつ罪の故意は認められます。

明日のコラムでは、Aさんの行為を検討し、公然わいせつ罪の量刑や弁護活動等について解説します。

示談交渉を弁護士に任せずに自分ですると…証人威迫罪等で逮捕も

2023-02-11

示談交渉を弁護士に任せずに自分ですると証人威迫罪等で逮捕される可能性があることを、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事例

福岡県糸島市に住んでいるAさんの息子は隣人の風呂場を盗撮する事件を起こしてしまいました。
事件は在宅で進んでいくことになったのでAさんは弁護士には頼らずに自分で被害者と示談交渉をしていくことに決めました。
Aさんは被害者の自宅を訪ね、被害届を取り下げるようにお願いしたのです。
その際に被害者から色々と文句を言われたことに憤慨したAさんは、被害者に対して「こっちが下手に出ているうちに示談しとけ」等と言いました。
このことを被害者が警察に相談したらしく、Aさんは証人等威迫の罪で逮捕されることになりました。
(この事例はフィクションです)

証人等威迫

証人威迫罪とは、刑法第105条の2に規定されている犯罪で、その内容は「自己若しくは他人の刑事事件の捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者又はその親族に対し、当該事件に関して、正当な理由がないのに面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する」です。

証人等威迫罪は、「自己若しくは他人の刑事事件」とされている点で他人の刑事事件を対象としている証拠隠滅罪よりも適用範囲が広いといえます。
さらに「必要な知識を有すると認められる者」とは現にその知識を有する者に限られず、具体的状況から、そのような知識を有すると認められるものであれば足り、現に捜査機関の取調べを受けている者や裁判の証人として呼ばれている者などでも、将来その可能性がある者でもよいとされています。
なお、親族に内縁者は含まず、民法により限定されます。
証人等威迫罪では面会の強請強談威迫が禁止行為として規定されています。
「面会の強請」とは、面会の意図のないことの明らかな相手に対して面会を強要することをいい、これは相手方の住居や事務所などで直接行うことが必要で書面や電話によるものは含まれません。
そして、「強談」は相手方に対し、言語により強いて自己の要求に応ずるよう迫ることをいい、「威迫」とは言語や動作で威力を示して相手方が不安困惑の念を生じさせることをいいます。
この強談威迫に関しては直接の方法に限らず、文書や電話などを送付する方法も含まれると判断された裁判例もあります。

示談は弁護士にお任せを

盗撮事件は示談が非常に重要となりますので、被害者と直接やりとりをする示談交渉については専門家である弁護士を間に入れて交渉を行っていくことが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、示談交渉に強い弁護士が無料法律相談初回接見を行っています。
ご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせください。

元交際相手にメッセージを送信 ストーカー規制法違反で逮捕

2023-02-08

元交際相手にメッセージを送信したとして、公務員の男がストーカー規制法違反で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

事件内容(2月8日配信のFBS福岡放送記事を引用)

元交際相手の女性に対してSNSで、6日間で13回のメッセージを送信したとして、公務員の男がストーカー規制法違反で、福岡県城南警察署に逮捕されました。
記事によりますと、これまでの逮捕された男は元交際相手に対してメッセージを送信していたようで、警察からは『警告』を受けていたようです。
警告後もメッセージを送信したことから今回の逮捕となったようで、逮捕された男は「拒まれていることは分かっていたが、忘れることができなかった」と供述し、容疑を認めているようです。

ストーカー規制法違反

ストーカー規制法とは、正確には「ストーカー行為等の規制等に関する法律」という法律です。
この法律は、ストーカー行為を規制すると共に、ストーカー被害を受けている被害者を保護する内容が規定されています。
この法律でいうところのストーカー行為とは、同一の者に対し、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等を反復してすることを意味します。
※つきまとい等については、同法第2条を参照
特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、同一の人に対してSNSでメッセージを送信する行為は、ストーカー行為と考えられるので、逮捕された男の行為は、ストーカー規制法違反に抵触すると考えて間違いありません。

ただ別れた元恋人に対して復縁を求めたり、好意を持った人に交際を求めるのはよくある話しなので、警察は、被害者から相談を受けたとしても、緊急性があったり、悪質な行為内容でなければ、すぐに被害届を受理して刑事事件かするわけではなく、まずは、行為者に対して「警告」をするようにしているようです。
しかし、この警告に従わなかった場合は、すぐに逮捕される可能性があります。
特に最近では、ストーカー規制法違反で警告を受けていた男が、元交際相手を殺害する事件が発生しているので、福岡県警ではストーカー事件に対して厳しく対処する傾向があるでしょう。

まずは弁護士に相談を

福岡県内で、ご家族がストーカー規制法違反で警察に逮捕されたり、ご自身がストーカー規制法違反で警察の取調べを受けている方は、刑事事件に強い弁護士が所属する、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、刑事事件専門弁護士による法律相談を無料で、逮捕された方のもとに弁護士を派遣する初回接見には即日対応していますので、まずはフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。

女性アルバイトに対するセクハラ 刑事事件に発展するのか…!?

2023-01-30

女性アルバイトに対するセクハラが、刑事事件に発展するのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事例

Aさんは、北九州市の飲食店で店長をしています。
Aさんが店長をしている飲食店は、全国にチェーン展開するお店で、Aさんはこの会社の正社員でもあり、お店では、アルバイトを10人ほど雇用しています。
ある日、会社から「女性アルバイトが店長にセクハラされたと会社に訴えている。」と言われました。
Aさんは、日常的に、スキンシップのつもりで女性アルバイトの身体に触れていたのですが、この行為をセクハラだと訴えているようです。
(フィクションです。)

ハラスメント問題

職場におけるハラスメント問題は、数年前に社会問題となり、多くの会社では厳正に対処する傾向にあります。

スキンシップのつもりで触ってしまった…
部下を鼓舞するつもりで軽く頭を叩いてしまった…
部下を叱責する際に大声で怒鳴ってしまった…

といった、悪気なくついついしてしまった行為でも、相手のとらえ方によっては大事になりかねません。
そしてその対応を誤ってしまうと思いがけない結果に陥るかもしれません。
セクハラと認定されるか、その行為が刑事事件に該当するかは別の話です。
Aさんの行為がセクハラとして認定された場合でも、刑事事件と扱われない場合もありますし、逆に、セクハラとしては認定されなかったものの、刑事事件として扱われて刑事罰が科せられることもあります。
そこでセクハラ問題の対処法として大切なのは、専門家に自分の行為を相談してあらゆる可能性を考えて幅広く対処することでしょう。

セクハラが刑事事件化されるケース

Aさんのような女性社員に対するスキンシップは、暴行罪強制わいせつ罪迷惑防止条例違反といった法律や条例の適用を受け、刑事事件として扱われる可能性が十分に考えられます。
ここで注意しなければいけないのは、刑事事件として扱われた場合、その行為で有罪が確定すれば刑事罰を受けることです。
この刑事罰は、前科となってしまうので、今後の生活に影響を及ぼすこともあります。

セクハラ事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、セクハラ問題で、まだ刑事事件化していないお悩みについてのご相談を初回無料で承っております。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部無料法律相談を希望される方は
フリーダイヤル 0120-631-881
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強制性交容疑で逮捕 勾留延長を阻止し釈放(不起訴

2022-12-29

強制性交容疑逮捕、勾留された男性の勾留延長を阻止し釈放させた後に不起訴を獲得した事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

事件の概要

無職のAさんは、知人の女性に対して性的暴行をはたらいたとして、強制性交罪の容疑で、福岡県飯塚警察署逮捕されました。
逮捕後勾留が決定したAさんでしたが、Aさんは「女性の同意を得た上で性行為に及んだ。」と主張して、一貫して無罪を主張していました。
にもかかわらず、検察官がAさんの取調べ未了を理由に10日間の勾留延長を裁判所に請求したことから、弁護人はその請求に反論しました。
その結果、勾留延長を阻止することに成功し、更には不起訴を獲得することができました。
(実際に起こった事件を基にしたフィクションです。)

強制性交等罪

強制性交等罪は刑法177条に規定されています。

刑法第177条

13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

まず、強制性交等罪は「暴行」、「脅迫」を手段とする犯罪です。
相手方を殴る、蹴る、羽交い絞めにする、押し倒すなどが「暴行」の典型ですが、「暴行」の程度は、相手方の反抗(抵抗)を著しく困難にさせる程度のものが必要とされています。「脅迫」についても同様です。
なお、相手方が13歳未満の場合は「暴行」、「脅迫」の手段は不要です。
つまり、13歳未満の者と認識しつつ「性行等」を行えば、強制性交等罪に問われます。

法律上、強制性交等罪が成立するには上記のような要件が必要となりますが、実際のところ、相手の同意なく性交に及んだ場合に、強制性交等罪として刑事事件化される事が少なくないようなので注意が必要です。
ただ当然のこと、そういった場合は「同意の有無」がその後の刑事裁判で争点となるケースが多く、明らかな暴行や脅迫がない強制性交等事件については、検察側も起訴するかどうかを慎重に見極めている印象があります。

勾留延長の阻止

刑事事件において「勾留」とは、逮捕された被疑者や、起訴された被告人を、刑事施設(留置場や拘置所)に拘束することです。
ここでは被疑者の勾留について解説します。
警察等に逮捕された被疑者は、釈放された場合を除き、逮捕から48時間以内に検察官に送致され、送致を受けた検察官は、被疑者を釈放する場合を除いて、24時間以内に裁判所に対して被疑者の勾留を請求しなりません。
そして裁判所が勾留を決定した場合、その日から10日間、被疑者は身体拘束を受けることになります。
最初の勾留決定によって被疑者の身体拘束ができるのは10日間ですが、その後、10日間までは、裁判所の許可があれば勾留期間を延長することができます。
勾留延長の際も、検察官が裁判所に対して勾留延長を請求するのですが、それに対して弁護人は「勾留延長をしないように」と、裁判所に求めることができますし、一度、勾留延長が認められたとしても、その決定に異議申し立てを行ったり、その決定の取り消しを求めることができます。

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