大濠公園をランニング中に下半身を露出 公然わいせつ事件で取調べ ~①~

大濠公園をランニング中に下半身を露出したとして、公然わいせつ事件で取調べを受けている事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

参考事件 

会社員のAさんは、毎日、仕事終わりに大濠公園をランニングすることが日課ですが、その際に、仕事のストレスを発散するために、女性に対して下半身(性器)を露出し、女性の驚いた姿を見ることに快感を感じていました。
Aさんは、悪いことだと分かりながらも、他の方法でストレスを発散させることができず、これまで、この様な公然わいせつ行為を10回以上しています。
そしてついに、自宅を訪ねてきた福岡県中央警察署の警察官に追及を受けました。
ただAさんは正直に話すことができず「知らない。」と言って容疑を否認しました。
すると、昨日、再び警察官が自宅を訪ねてきて、自宅を捜索されてランニング時に着用しているジャージ等を差し押さえられ、再び事件への関与を問い質されましたが、先日と同様に否認しました。
Aさんは、公然わいせつ罪で警察に逮捕されるのではないかと不安で、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部に法律相談しました。
(フィクションです)

公然わいせつ罪

公然とわいせつな行為をした者には、公然わいせつ罪(刑法174条)が成立します。

公然性
まず公然わいせつ罪でいう「公然と」とは、わいせつな行為を不特定又は多数の人が認識できる状態をいい、実際に認識される必要はなく、その可能性があれば足ります。
ちなみに、認識する者が特定された者だけであっても、多数人に及ぶ場合は「公然性がある」と判断されます。
逆に、特定、少人数の場合は、原則として公然性は否定されますが、特定、少人数に対する密室におけるわいせつ行為であっても、一定計画の下に反復する意図で、特定小人数が、不特定多数の中から観客として選出された者である場合は、公然性が認めらる場合があるので注意しなければなりません。

わいせつ行為
続いて、公然わいせつ罪でいう「わいせつな行為」について検討します。
公然わいせつ罪でいう「わいせつな行為」とは、性欲の刺激、満足を目的とする行為で、善良の風俗に対し、一般人に羞恥心を感じさせるものをいいます。
各都道府県の迷惑防止条例においても「卑猥な言動」が禁止されていますが、条例との違いは、条例にはわいせつな言語が含まれるのに対して、公然わいせつ罪でいうわいせつ行為に言動は含まれません。
公然わいせつ罪の代表例としては、性器の露出です。

故意
公然わいせつ罪は、故意犯ですので、過失によって本罪に該当する行為を行っても処罰の対象となりません。
行為者が、法的に公然性があることを認識したり、その行為はわいせつ行為に該当することを認識していなくても、公然わいせつ罪の故意は認められます。

明日のコラムでは、Aさんの行為を検討し、公然わいせつ罪の量刑や弁護活動等について解説します。

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