Archive for the ‘強制わいせつ・強制性交等’ Category

【事例解説】不同意わいせつ罪とその弁護活動(路上で前を歩く女性の背後から胸を揉んだケース)

2025-07-31

【事例解説】不同意わいせつ罪とその弁護活動(路上で前を歩く女性の背後から胸を揉んだケース)

今回は、路上で前を歩く女性の背後から胸を揉んだという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:路上で前を歩く女性の背後から胸を揉んだケース

福岡県警は、福岡市の路上で、徒歩で帰宅途中の女性Vさんに後ろから近づきわいせつな行為をしたとして、市内に住むAさんを不同意わいせつの疑いで逮捕しました。
警察によりますと、Aさんは、福岡市内の路上で、歩いて帰宅途中のVさんに背後から近づいて胸を揉むなどした疑いが持たれています。
Vさんから抵抗されたAさんは走ってその場から離れましたが、付近の防犯カメラを解析するなどの捜査により、Aさんの犯行を特定し逮捕に至りました。
警察の調べに対してAさんは「性的欲求を満たすためにやってしまった」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,不同意わいせつ罪について

〈不同意わいせつ罪〉(刑法第176条第1項)

次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
第1号 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
第2号 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
第3号 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
第4号 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
第5号 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
第6号 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
第7号 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
第8号 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

刑法不同意わいせつ罪は、①1号から8号までに該当する行為又は事由若しくはこれらに類する行為又は事由により、②同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、③わいせつな行為をした者は、④婚姻関係の有無にかかわることなく成立します。
被害者が同意をしない意思を(1)形成(2)表明し若しくは(3)全うすることが困難な状態にさせまたはその状態にあることとは、以下のような場合をいいます。
(1)被害者が同意しない意思を形成することが困難な状態とは、性的行為をするかどうかを考えたり、決めたりするきっかけや能力が不足していて、性的行為をしない、したくないという意思を持つこと自体が難しい状態を言います。
例えば、アルコールや薬物等の影響により正常な判断ができない状態にある場合などです。
(2)被害者が同意しない意思を表明することが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を持つことはできたものの、それを外部に表すことが難しい状態をいいます。
例えば、職場の上司や経済的に優位にある者に、その地位を利用して不利益が生じる可能性などを言われることで、拒否することができなくなっている状態にある場合などです。
(3)被害者が同意しない意思を全うすることが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を外部に表すことはできたものの、その意思のとおりになることが難しい状態をいいます。
例えば、加害者側の暴行や脅迫などにより抵抗することができない状態にある場合などです。
(参照:法務省 性犯罪関係の法改正等Q%A Q4A4
そして、わいせつな行為とは「いたずらに性欲を興奮または刺激せしめ、かつ普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」をいいます。
具体的には、無理矢理抱きついたり、身体に触ったり、陰部に触るなどの行為が該当します。
上記の事例では、Aさんは、徒歩で帰宅途中のVさんに背後から近づいて胸を揉んだ行為は「わいせつな行為」に当たります(③)。
また、Aさんが当該行為をするにあたってVさんに事前の同意をとるなどしておらず不意打ち的に行われたものといえ、Vさんは同意しない意思を表明し、形成し又は全うするいとまがなかったといえます(①,②)。
したがって、上記事例のAさんには不同意わいせつ罪が成立することが考えられます。

2,身柄拘束の回避に向けた弁護活動

不同意わいせつ罪で逮捕され、その後勾留されると、原則10日間、延長が認められた場合にはさらに10日間、最長で20日間身柄拘束されることになります。
そして、被疑者勾留による身柄拘束中は、被疑者は留置施設内で生活を厳しく管理・規制され、家族や友人など外部との交流も制限されるなど、身体的・精神的に多大な負担を被ることが考えられます。
また、身柄拘束により職場への出勤や学校への出席などできなくなるため、職場からの解雇や、犯罪の被疑者として捜査されていることが学校へ発覚することで、学校側から停学処分や退学処分を下されてしまう可能性もあります。
しかし、被疑者勾留による身柄拘束を回避することができれば、そのような不利益を被らずに済むかもしれません。
被疑者勾留は、検察官が勾留請求し、裁判官が請求を認めることで行われます。
そこで、弁護士は、検察官や裁判官に対して意見書を提出することで被疑者を勾留しないようはたらきかけます。
そもそも、被疑者勾留は、被疑者が定まった住居を有しない場合や、被疑者による逃亡や証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合に認められます。
そのため、例えば、上記事例におけるAさんの家族や親族がAさんを監督し、捜査機関や裁判所への出頭の機会を確保することを約束する身元引受を行うという事情があれば、Aさんの逃亡のおそれを否定し得る客観的な事情となります。
以上のような弁護活動を通じて、被疑者勾留による身柄拘束の回避を目指します。
もっとも、意見書の提出は、検察官が勾留請求して裁判官がその請求を認めて被疑者勾留を決定するまでに行う必要があるため、ご家族等が不同意わいせつ罪身柄拘束されてしまった場合には、少しでも早く弁護士に相談されることをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において不同意わいせつ罪の当事者となってしまった方、あるいは家族・親族が不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡市支部には刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、不同意わいせつ罪をはじめとするさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績がございます。
不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束されずに捜査を受けている、あるいはこれから捜査を受けるおそれのある方に対しては、初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
また、家族・親族が不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては、弁護士が直接身柄拘束を受けている方のもとに赴く初回接見サービス(有料)をご提供しております。
フリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にご相談ください。

【事例解説】不同意わいせつ罪とその弁護活動(路上で泥酔状態の女性にキスをするわいせつな行為をしたケース)

2025-07-06

【事例解説】不同意わいせつ罪とその弁護活動(路上で泥酔状態の女性にキスをするわいせつな行為をしたケース)

今回は、路上で泥酔状態の女性にキスをするわいせつな行為をしたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:路上で泥酔状態の女性にキスをするわいせつな行為をしたケース

福岡県警は、福岡市の路上で泥酔状態の女性Vさんにキスをするわいせつな行為をしたとして、会社員のAさんを不同意わいせつの疑いで逮捕しました。
警察によりますと、Aさんは、深夜、福岡市中央区の繁華街で、路上で泥酔して寝ていたVさんに複数回キスをした疑いが持たれています。
2人の間に面識はありませんでした。
現場を目撃した人が110番通報し、駆け付けた警察官がAさんを確保しました。
その後の捜査を経て、Aさんを逮捕しました。
警察の調べに対して、Aさんは「間違いありません」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,不同意わいせつ罪について

〈不同意わいせつ罪〉(刑法第176条第1項)

次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
第1号 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
第2号 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
第3号 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
第4号 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
第5号 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
第6号 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
第7号 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
第8号 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

刑法不同意わいせつ罪は、①1号から8号までに該当する行為又は事由若しくはこれらに類する行為又は事由により、②同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、③わいせつな行為をした者は、④婚姻関係の有無にかかわることなく成立します。
被害者が同意をしない意思を(1)形成(2)表明し若しくは(3)全うすることが困難な状態にさせまたはその状態にあることとは、以下のような場合をいいます。
(1)被害者が同意しない意思を形成することが困難な状態とは、性的行為をするかどうかを考えたり、決めたりするきっかけや能力が不足していて、性的行為をしない、したくないという意思を持つこと自体が難しい状態を言います。
例えば、アルコールや薬物等の影響により正常な判断ができない状態にある場合などです。
(2)被害者が同意しない意思を表明することが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を持つことはできたものの、それを外部に表すことが難しい状態をいいます。
例えば、職場の上司や経済的に優位にある者に、その地位を利用して不利益が生じる可能性などを言われることで、拒否することができなくなっている状態にある場合などです。
(3)被害者が同意しない意思を全うすることが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を外部に表すことはできたものの、その意思のとおりになることが難しい状態をいいます。
例えば、加害者側の暴行や脅迫などにより抵抗することができない状態にある場合などです。
(参照:法務省 性犯罪関係の法改正等Q%A Q4A4
そして、わいせつな行為とは「いたずらに性欲を興奮または刺激せしめ、かつ普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」をいいます。
具体的には、無理矢理抱きついたり、身体に触ったり、陰部に触るなどの行為が該当します。
上記の事例において、Vさんは、アルコールの影響で泥酔状態にあることは、刑法第176条第1項第3号に該当します(①)。
次に、①によりVさんは同意しない意思を形成することが困難な状態にあるといえます(②)。
そして、2人の間に面識は無く、深夜に路上で泥酔していたVさんに複数回キスをすることは「わいせつな行為」に該当するといえます。
したがって、上記事例のAさんには不同意わいせつ罪が成立することが考えられます。

2,身体拘束の回避に向けた弁護活動

不同意わいせつ罪で逮捕され、それに続いて勾留されてしまうと、最長で23日間、身体拘束され、捜査機関の取調べを受けることになります。
被疑者勾留は、検察官が請求し、裁判官がその請求を認めることで勾留決定となり、被疑者は原則10日間(延長が認められればさらに10日間)身体拘束されます。
その間、被疑者は職場に出勤することや学校に登校することなどができなくなり、10日間も無断欠勤すれば職場からの解雇や、犯罪の被疑者として捜査を受けていることが学校側に発覚すれば停学や退学など重い処分を下される可能性もあります。
しかし、身体拘束を阻止できれば、そのような不利益を回避できるかもしれません。
前述の通り、被疑者勾留による身体拘束は、検察官が勾留請求して裁判官がその請求を認めることで勾留決定となります。
そこで、弁護士は、検察官と裁判官に意見書を提出することで身体拘束をしないようはたらきかけることができます。
被疑者勾留は、被疑者が住居不定や被疑者に逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断された場合に認められるため、被疑者がそれらの要件に該当しないことを示す客観的な証拠を収集し、意見書と一緒に提出します。
意見書の提出は、検察官に対して勾留請求しないよう1回と、それでも検察官が勾留請求した場合は裁判官に勾留請求を認めないよう1回の計2回の機会があります。
もっとも、被疑者勾留が決定した後は意見書を提出することはできませんので、ご家族などが不同意わいせつ罪で逮捕され身体拘束されてしまった場合には、少しでも早く弁護士に相談されることをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において不同意わいせつ罪の当事者となってしまった方、あるいは家族・親族が不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡市支部には刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、不同意わいせつ罪をはじめとするさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績がございます。
不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束されずに捜査を受けている、あるいはこれから捜査を受けるおそれのある方に対しては、初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
また、家族・親族が不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては、弁護士が直接身柄拘束を受けている方のもとに赴く初回接見サービス(有料)をご提供しております。
フリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にご相談ください。

【事例解説】不同意わいせつ罪とその弁護活動(駅構内で女子高校生の臀部を揉んだケース)

2025-06-02

【事例解説】不同意わいせつ罪とその弁護活動(駅構内で女子高校生の臀部を揉んだケース)

今回は、駅構内で女子高校生の臀部を揉んだという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:駅構内で女子高校生の臀部を揉んだケース

福岡県警は、福岡県内の駅構内で女子高校生Vさんの臀部を揉んだとして、福岡市に住む会社員Aさんを不同意わいせつで現行犯逮捕しました。
警察によりますと、Aさんは、通勤途中に、福岡県内の駅のエスカレーターや電車の中でVさんの臀部を制服のスカートの上から揉んだ疑いが持たれています。
被害を受けたVさんが駅員に被害を相談し、その後、警察に通報して駆け付けた警察官によりその場で逮捕されました。
警察の調べに対して、Aさんは「性欲を抑えきれなかった」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,不同意わいせつ罪について

〈不同意わいせつ罪〉(刑法第176条第1項)

次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
第1号 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
第2号 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
第3号 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
第4号 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
第5号 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
第6号 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
第7号 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
第8号 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

刑法不同意わいせつ罪は、①第1号から第8号までに該当する行為又は事由若しくはこれらに類する行為又は事由により、②同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、③わいせつな行為をした者は、④婚姻関係の有無にかかわることなく成立します。
被害者が同意をしない意思を(1)形成(2)表明し若しくは(3)全うすることが困難な状態にさせまたはその状態にあることとは、以下のような場合をいいます。
(1)被害者が同意しない意思を形成することが困難な状態とは、性的行為をするかどうかを考えたり、決めたりするきっかけや能力が不足していて、性的行為をしない、したくないという意思を持つこと自体が難しい状態を言います。
例えば、アルコールや薬物等の影響により正常な判断ができない状態にある場合などです。
(2)被害者が同意しない意思を表明することが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を持つことはできたものの、それを外部に表すことが難しい状態をいいます。
例えば、職場の上司や経済的に優位にある者に、その地位を利用して不利益が生じる可能性などを言われることで、拒否することができなくなっている状態にある場合などです。
(3)被害者が同意しない意思を全うすることが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を外部に表すことはできたものの、その意思のとおりになることが難しい状態をいいます。
例えば、加害者側の暴行や脅迫などにより抵抗することができない状態にある場合などです。
(参照:法務省 性犯罪関係の法改正等Q%A Q4A4
そして、わいせつな行為とは「いたずらに性欲を興奮または刺激せしめ、かつ普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」をいいます。
具体的には、無理矢理抱きついたり、身体に触ったり、陰部に触るなどの行為が該当します。
上記の事例では、Aさんは、駅のエスカレーターや電車の中でVさんの臀部を揉んだことは、Vさんの事前の同意をとっておらず不意打ち的に行われたものといえ、Vさんは同意しない意思を表明し、形成し又は全うするいとまがなかったといえます。
そして、Vさんの臀部を制服のスカートの上から揉むという行為は、単に触る行為などと比べると強度なものといえ、「わいせつな行為」に当たるといえます。
したがって、上記事例のAさんには不同意わいせつ罪が成立することが考えられます。

2,不起訴処分獲得に向けた弁護活動

不同意わいせつ罪で逮捕され、検察官により起訴されて有罪判決を受けると、たとえ執行猶予付判決を獲得できたとしても前科が付いてしまいます。
前科が付くと、職場から解雇されたり、公務員または会社の採用時に前科の有無を確認され判断材料にされ得るなどの不利益が生じます。
しかし、不起訴処分を獲得することができれば、裁判は開かれないため有罪判決を受けるおそれはなく、前科が付くこともありません。
不同意わいせつ罪を含む性犯罪事件では、検察官が起訴する前に被害者との間で示談が成立していれば、不起訴処分の獲得を十分に期待できます。
そのため、なるべく早い段階で被害者と示談交渉を試みることが重要となります。
もっとも、示談交渉は事件の当事者同士でも行うことはできますが、不同意わいせつ罪を含む性犯罪事件では、被害者側は加害者に怖い思いをさせられており、直接連絡されることは避けたいと考えるのが通常といえます。
また、被害者側も自分の連絡先を加害者に教えることはしたくないと考え、捜査機関に自分の連絡先を加害者に教えないよう求めるでしょう。
そのような状態で、示談交渉を試みることは難しいといえます。
しかし、示談交渉の相手が弁護士であれば、被害者の連絡先が加害者側に伝わるおそれもないため、安心して示談交渉に応じてもらえることも珍しくありません。
示談交渉の際に、まずは被害者に加害者が反省していることや被害弁償をする準備があること、犯行現場には近寄らないなどの再犯防止への取り組みなどを伝えることで、示談の成立を目指します。
そして、繰り返しになりますが、検察官が起訴する前までに被害者との間で示談が成立していることが、不起訴処分獲得を実現するうえで重要となるので、不同意わいせつ罪を含む性犯罪事件を起こしてしまった場合には、少しでも早く弁護士に相談されることをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において不同意わいせつ罪の当事者となってしまった方、あるいは家族・親族が不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡市支部には刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、不同意わいせつ罪をはじめとするさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績がございます。
不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束されずに捜査を受けている、あるいはこれから捜査を受けるおそれのある方に対しては、初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
また、家族・親族が不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては、弁護士が直接身柄拘束を受けている方のもとに赴く初回接見サービス(有料)をご提供しております。
フリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にご相談ください。

【事例解説】不同意わいせつ罪とその弁護活動(自転車に乗り追い抜きざまに女性の尻を触ったケース)

2025-04-16

【事例解説】不同意わいせつ罪とその弁護活動(自転車に乗り追い抜きざまに女性の尻を触ったケース)

今回は、自転車に乗り追い抜きざまに女性の尻を触ったという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:自転車に乗り追い抜きざまに女性の尻を触ったケース

福岡県警南警察署は、住宅街で自転車に乗り、歩いていた女性Vさんの尻を追い抜きざまに触ったとして、Aさんを不同意わいせつの疑いで逮捕しました。
警察によりますと、Aさんは、福岡市南区の住宅街で自転車に乗り、前方を歩いていた女性の尻を触った疑いが持たれています。
被害に遭ったVさんが同署に被害を届け出たことで事件が発覚しました。
その後、事件現場での聞き込みや現場付近の防犯カメラの映像を解析するなどの捜査を経て、Aさんの犯行を特定し、逮捕に至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「間違いありません」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,不同意わいせつ罪について

〈不同意わいせつ罪〉(刑法第176条第1項)

次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
第1号 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
第2号 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
第3号 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
第4号 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
第5号 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
第6号 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
第7号 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
第8号 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

刑法不同意わいせつ罪は、①1号から8号までに該当する行為又は事由若しくはこれらに類する行為又は事由により、②同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、③わいせつな行為をした者は、④婚姻関係の有無にかかわることなく成立します。
被害者が同意をしない意思を(1)形成(2)表明し若しくは(3)全うすることが困難な状態にさせまたはその状態にあることとは、以下のような場合をいいます。
(1)被害者が同意しない意思を形成することが困難な状態とは、性的行為をするかどうかを考えたり、決めたりするきっかけや能力が不足していて、性的行為をしない、したくないという意思を持つこと自体が難しい状態を言います。
例えば、アルコールや薬物等の影響により正常な判断ができない状態にある場合などです。
(2)被害者が同意しない意思を表明することが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を持つことはできたものの、それを外部に表すことが難しい状態をいいます。
例えば、職場の上司や経済的に優位にある者に、その地位を利用して不利益が生じる可能性などを言われることで、拒否することができなくなっている状態にある場合などです。
(3)被害者が同意しない意思を全うすることが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を外部に表すことはできたものの、その意思のとおりになることが難しい状態をいいます。
例えば、加害者側の暴行や脅迫などにより抵抗することができない状態にある場合などです。
(参照:法務省 性犯罪関係の法改正等Q%A Q4A4)
そして、わいせつな行為とは「いたずらに性欲を興奮または刺激せしめ、かつ普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」をいいます。
具体的には、無理矢理抱きついたり、身体に触ったり、陰部に触るなどの行為が該当します。
上記の事例では、Aさんは自転車に乗り追い抜きざまにVさんの胸を触るという「暴行」を加えています(①)。
そして、自転車で追い抜きざまに胸を触るという行為は、極めて短い時間に行われているため、Vさんは「同意しない意思を形成…することが困難な状態」にあったといえます(②)。
また、胸を触るという行為は、いたずらに性欲を興奮または刺激させ、かつ普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為といえ、「わいせつな行為」に当たります(③)。
したがって、上記事例におけるAさんの行為には、不同意わいせつ罪が成立することが考えられます。

2,身体拘束からの解放に向けた弁護活動

不同意わいせつ罪で逮捕されると最大72時間、逮捕に続いて勾留されると最大で20日間(原則10日、延長されるとさらに10日)、身柄拘束され、捜査機関による取調べを受けることになります。
被疑者は、勾留されている間、一挙手一投足を厳しく規制・監視される環境で生活することを余儀なくされ、また、家族や友人など外部との接触も制限されて一人きりで捜査機関による取調べに臨まなければならないなど、被疑者が抱える肉体的・精神的な負担は相当なものであるといえます。
そこで、そのような負担を解消するためには、被疑者を勾留による身柄拘束から少しでも早く解放する必要があるといえます。
そもそも、被疑者勾留は、被疑者が定まった住居を有しない場合や、被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合に認められます。
そのため、身柄拘束からの早期解放を実現するためには、それらの要件を否定し得る客観的な証拠や事情を収集・主張していくことが重要となります。
そのような弁護活動を通じて、被疑者勾留による身柄拘束からの早期解放をめざします。
もっとも、刑事弁護はスピードが命であるため、自身が捜査機関から捜査の対象になっている場合や、ご家族等が逮捕・勾留されてしまった場合は少しでも早く弁護士に相談されることをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において不同意わいせつ罪の当事者となってしまった方、あるいは家族・親族が不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡市支部には刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、不同意わいせつ罪をはじめとするさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績がございます。
不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束されずに捜査を受けている、あるいはこれから捜査を受けるおそれのある方に対しては、初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
また、家族・親族が不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては、弁護士が直接身柄拘束を受けている方のもとに赴く初回接見サービス(有料)をご提供しております。
フリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にご相談ください。

【事例解説】不同意わいせつ罪とその弁護活動(路上で女性の胸を触り車で逃走し、その後逮捕されたケース)

2025-03-07

【事例解説】不同意わいせつ罪とその弁護活動(路上で女性の胸を触り車で逃走し、その後逮捕されたケース)

今回は、路上で女性の胸を触り車で逃走し、その後逮捕されたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:路上で女性の胸を触り車で逃走し、その後逮捕されたケース

福岡県警は、福岡市中央区の路上で女性Vさんの胸を触ったとして、同区に住むAさんが不同意わいせつの疑いで逮捕しました。
Aさんは、福岡市中央区の路上を歩いていたVさんに車の中から声をかけ、その後車から降りてVさんの胸を触り、車で逃走した疑いが持たれています。
警察によりますと、被害に遭った後すぐにVさんが警察に通報し事件が発覚、また通報したVさんがAさんの車の特徴を覚えていて、その情報をもとに捜査をし、Aさんの逮捕に至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「性的欲求を満たすためにやってしまった」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,不同意わいせつ罪について

〈不同意わいせつ罪〉(刑法第176条第1項)

次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
第1号 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
第2号 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
第3号 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
第4号 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
第5号 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
第6号 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
第7号 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
第8号 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

刑法不同意わいせつ罪は、①1号から8号までに該当する行為又は事由若しくはこれらに類する行為又は事由により、②同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、③わいせつな行為をした者は、④婚姻関係の有無にかかわることなく成立します。
被害者が同意をしない意思を(1)形成(2)表明し若しくは(3)全うすることが困難な状態にさせまたはその状態にあることとは、以下のような場合をいいます。
(1)被害者が同意しない意思を形成することが困難な状態とは、性的行為をするかどうかを考えたり、決めたりするきっかけや能力が不足していて、性的行為をしない、したくないという意思を持つこと自体が難しい状態を言います。
例えば、アルコールや薬物等の影響により正常な判断ができない状態にある場合などです。
(2)被害者が同意しない意思を表明することが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を持つことはできたものの、それを外部に表すことが難しい状態をいいます。
例えば、職場の上司や経済的に優位にある者に、その地位を利用して不利益が生じる可能性などを言われることで、拒否することができなくなっている状態にある場合などです。
(3)被害者が同意しない意思を全うすることが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を外部に表すことはできたものの、その意思のとおりになることが難しい状態をいいます。
例えば、加害者側の暴行や脅迫などにより抵抗することができない状態にある場合などです。
(参照:法務省 性犯罪関係の法改正等Q%A Q4A4
そして、わいせつな行為とは「いたずらに性欲を興奮または刺激せしめ、かつ普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」をいいます。
具体的には、無理矢理抱きついたり、身体に触ったり、陰部に触るなどの行為が該当します。
上記の事例では、AさんはVさんの胸を触るという「暴行」(①)を加えてVさんが「同意しない意思を…全うすることが困難な状態」にさせ(②)、また胸を触るという行為は「わいせつな行為」にも該当し得るため(③)、Aさんには不同意わいせつ罪が成立することが考えられます。

2,不起訴処分獲得に向けた弁護活動

不同意わいせつ罪で逮捕され、検察官により起訴されて有罪判決を受けると、たとえ執行猶予付判決を獲得できたとしても前科が付いてしまいます。
前科が付くと、職場から解雇されたり、公務員または会社の採用時に前科の有無を確認され判断材料にされ得るなどの不利益が生じます。
しかし、不起訴処分を獲得することができれば、裁判は開かれないため有罪判決を受けるおそれはなく、前科が付くこともありません。
不同意わいせつ罪を含む性犯罪事件では、検察官が起訴する前に被害者との間で示談が成立していれば、不起訴処分の獲得を十分に期待できます。
そのため、なるべく早い段階で被害者と示談交渉を試みることが重要となります。
示談交渉は事件の当事者同士でも行うことはできますが、不同意わいせつ罪を含む性犯罪事件では、被害者側は加害者に怖い思いをさせられており、直接連絡されることは避けたいと考えるのが通常と言えます。
また、被害者側も自分の連絡先を加害者に教えることはしたくないと考え、捜査機関に自分の連絡先を加害者に教えないよう求めるでしょう。
そのような状態で、示談交渉を試みることは難しいと言えます。
しかし、示談交渉の相手が弁護士であれば、被害者の連絡先が加害者側に伝わるおそれもないため、安心して示談交渉に応じてもらえることも珍しくありません。
示談交渉の際に、まずは被害者に加害者が反省していることや被害弁償をする準備があること、犯行現場には近寄らないなどの再犯防止への取り組みなどを伝えることで、示談の成立を目指します。
もっとも、繰り返しになりますが、検察官が起訴する前までに被害者との間で示談が成立していることが、不起訴処分獲得を実現するうえで重要となるので、不同意わいせつ罪を含む性犯罪事件を起こしてしまった場合には、少しでも早く弁護士に相談されることをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において不同意わいせつ罪の当事者となってしまった方、あるいは家族・親族が不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡市支部には刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、不同意わいせつ罪をはじめとするさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績がございます。
不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束されずに捜査を受けている、あるいはこれから捜査を受けるおそれのある方に対しては、初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
また、家族・親族が不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては、弁護士が直接身柄拘束を受けている方のもとに赴く初回接見サービス(有料)をご提供しております。
フリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にご相談ください。

【事例解説】不同意性交等罪とその弁護活動(客として訪れた女性に対し施術中にわいせつな行為をしたケース)

2025-02-10

【事例解説】不同意性交等罪とその弁護活動(客として訪れた女性に対し施術中にわいせつな行為をしたケース)

事例:客として訪れた女性に対し施術中にわいせつな行為をしたケース

福岡市内の整骨院で客として訪れた女性Vさんに対して、施術中にわいせつな行為をしたとして、柔道整復師のAさんが不同意性交等の疑いで逮捕されました。
警察によりますと、Aさんは、マッサージを受けるために客として訪れたVさんに対して、同意を得ずに施術中に鼠径部を触ったり陰部に指を挿入するなどのわいせつな行為をした疑いが持たれています。
被害に遭ったVさんが警察に相談したことで事件が発覚し、警察が聞き込みなどの捜査をし、容疑が固まったことでAさんを逮捕するに至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「欲を抑えきれずにやってしまった」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,不同意性交等罪について(刑法177条)

第1項 前条第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第179条第2項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、5年以上の有期拘禁刑に処する。
第2項 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。
第3項 16歳未満の者に対し、性交等をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。
前条刑法第176条第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由
①暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
②心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
③アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
④睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
⑤同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
⑥予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
⑦虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
⑧経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

刑法不同意性交等罪は、①~⑧までの行為や原因により、被害者が同意をしない意思を(1)形成し(2)表明し若しくは(3)全うすることが困難な状態にさせまたはその状態にあることに乗じて、性交等をした場合に成立します。
(1)被害者が同意しない意思を形成することが困難な状態とは、性交等をするかどうかを考えたり、決めたりするきっかけや能力が不足していて、性交等をしない、したくないという意思を持つこと自体が難しい状態を言います。
例えば、アルコールや薬物等の影響により正常な判断ができない状態にある場合などです。
(2)被害者が同意しない意思を表明することが困難な状態とは、性交等をしない、したくないという意思を持つことはできたものの、それを外部に表すことが難しい状態をいいます。
例えば、職場の上司や経済的に優位にある者に、その地位を利用して不利益が生じる可能性などを言われることで、拒否することができなくなっている状態にある場合などです。
(3)被害者が同意しない意思を全うすることが困難な状態とは、性交等をしない、したくないという意思を外部に表すことはできたものの、その意思のとおりになることが難しい状態をいいます。
例えば、加害者側の暴行や脅迫などにより抵抗することができない状態にある場合などです。
(参照:法務省 性犯罪関係の法改正等Q%A Q4A4
上記の事例では、Aさんは、マッサージを受けるために客として訪れたVさんに対して、Vさんの同意なく鼠径部に触る、陰部に指を挿入するなどのわいせつな行為をしています。
Aさんのそれらの行為は刑法第176条第1項第1号の「暴行」若しくは第5号に該当することが考えられます。
また、Aさんは、Vさんが「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態に…あることに乗じて」陰部に指を挿入しているため、「性交等」を行っています。
以上より、Aさんの上記行為には、不同意性交等罪が成立することが考えられます。

2,不起訴処分獲得に向けた弁護活動

不同意性交等罪の法定刑は5年以上の有期拘禁刑であり、起訴を経て裁判となり有罪判決を受けると、刑務所で服役しなければならない可能性が非常に高いです。
というのも、不同意性交等罪の刑罰の下限は5年以上の有期拘禁刑であるところ、執行猶予付判決を獲得するためには、判決によって言い渡される刑罰が3年以下であることが条件の1つだからです。
また、上記の事例では、Aさんは柔道整復師の資格を持っていますが、柔道整復師の資格は罰金以上の刑に処せられた場合には欠格事由に該当し、免許が取り消しとなります(柔道整復師法第4条第3号参照)。
しかし、被害者との間で示談が成立し不起訴処分を獲得できれば、裁判が開かれず有罪判決を受けることもなくなるため、刑務所での服役や資格・免許の取り消しなどを回避できるかもしれません。
被害者と示談が成立することは、検察官の起訴・不起訴処分の判断に影響を持つだけでなく、被疑者が身柄を拘束されている場合には、早期の身柄解放に期待が持てます。
示談交渉は事件の当事者同士でも行うことはできます。
もっとも、不同意性交等罪を含む性犯罪の被害者は、加害者側からとても怖い思いをさせられていることから、強い処罰感情を有していることが多いです。
加えて、怖い思いをさせられた加害者側から直接連絡されることに強い抵抗感を抱き、当事者同士での示談交渉は難しいと言えます。
しかし、交渉の相手が弁護士であれば、守秘義務を負っているため被害者の連絡先が加害者側に伝わることを心配する必要がなく示談交渉に応じてもらえる期待が高まり、加害者側が反省・謝罪の意思を有していることなどを冷静かつ丁寧に説明することができます。
以上より、不起訴処分を獲得するためには、被害者と示談を成立させることが重要となりますが、当事者同士での示談交渉はあまり得策とは言えず、法律の専門家であり交渉に強い弁護士に相談されることをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において不同意性交等罪の当事者となってしまった方、あるいは家族・親族が不同意性交等罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡市支部には刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、不同意性交等罪をはじめとするさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、豊富な実績がございます。
不同意性交等罪の当事者となり身柄拘束されずに捜査を受けている、あるいはこれから捜査を受けるおそれのある方に対しては、初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
また、家族・親族が不同意性交等罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては、弁護士が直接身柄拘束を受けている方のもとに赴く初回接見サービス(有料)をご提供しております。
フリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にご相談ください。

【事例解説】不同意わいせつ罪とその弁護活動(路上で女性の背後から近づいて口を塞ぐなどの暴行を加えて胸を触ったケース)

2024-12-27

【事例解説】不同意わいせつ罪とその弁護活動(路上で女性の背後から近づいて口を塞ぐなどの暴行を加えて胸を触ったケース)

今回は、路上で女性の背後から近づいて口を塞ぐなどの暴行を加えて胸を触ったという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:路上で女性の背後から近づいて口を塞ぐなどの暴行を加えて胸を触ったケース

福岡市の路上において、わいせつ目的で通行中の女性Vさんの背後から近づき口を塞ぐなどの暴行を加えて胸を触ったとして、不同意わいせつの疑いで会社員のAさんが逮捕されました。
事件後、Vさんが警察に被害届を提出したことで、警察が現場周辺の聞き込みや防犯カメラの映像を解析するなどの捜査を行い、Aさんの犯行を特定し、逮捕に至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「性的欲求を満たすためにやりました」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,不同意わいせつ罪について

〈不同意わいせつ罪〉(刑法第176条第1項)

次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
第1号 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
第2号 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
第3号 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
第4号 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
第5号 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
第6号 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
第7号 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
第8号 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

刑法不同意わいせつ罪は、①1号から8号までに該当する行為又は事由若しくはこれらに類する行為又は事由により、②同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、③わいせつな行為をした者は、④婚姻関係の有無にかかわることなく成立します。
被害者が同意をしない意思を(1)形成(2)表明し若しくは(3)全うすることが困難な状態にさせまたはその状態にあることとは、以下のような場合をいいます。
(1)被害者が同意しない意思を形成することが困難な状態とは、性的行為をするかどうかを考えたり、決めたりするきっかけや能力が不足していて、性的行為をしない、したくないという意思を持つこと自体が難しい状態を言います。
例えば、アルコールや薬物等の影響により正常な判断ができない状態にある場合などです。
(2)被害者が同意しない意思を表明することが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を持つことはできたものの、それを外部に表すことが難しい状態をいいます。
例えば、職場の上司や経済的に優位にある者に、その地位を利用して不利益が生じる可能性などを言われることで、拒否することができなくなっている状態にある場合などです。
(3)被害者が同意しない意思を全うすることが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を外部に表すことはできたものの、その意思のとおりになることが難しい状態をいいます。
例えば、加害者側の暴行や脅迫などにより抵抗することができない状態にある場合などです。
(参照:法務省 性犯罪関係の法改正等Q%A Q4A4
そして、わいせつな行為とは「いたずらに性欲を興奮または刺激せしめ、かつ普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」をいいます。
具体的には、無理矢理抱きついたり、身体に触ったり、陰部に触るなどの行為が該当します。
上記の事例では、AさんはVさんの背後から近づき、口をふさぐなどの「暴行」(①)を加えてVさんが「同意しない意思を…全うすることが困難な状態」にさせて(②)胸を触るという「わいせつな行為」をしている(③)ため、Aさんには不同意わいせつ罪が成立することが考えられます。

2,不起訴処分獲得に向けた弁護活動

不同意わいせつ罪で逮捕され、検察官により起訴されて有罪判決を受けると、たとえ執行猶予付判決を獲得できたとしても前科が付いてしまいます。
前科が付くと、職場から解雇されたり、公務員または会社の採用時に前科の有無を確認され判断材料にされ得るなどの不利益が生じます。
しかし、不起訴処分を獲得することができれば、裁判は開かれないため有罪判決を受けるおそれはなく、前科が付くこともありません。
不同意わいせつ罪を含む性犯罪事件では、検察官が起訴する前に被害者との間で示談が成立していれば、不起訴処分の獲得を十分に期待できます。
そのため、なるべく早い段階で被害者と示談交渉を試みることが重要となります。
示談交渉は事件の当事者同士でも行うことはできますが、不同意わいせつ罪を含む性犯罪事件では、被害者側は加害者に怖い思いをさせられており、直接連絡されることは避けたいと考えるのが通常と言えます。
また、被害者側も示談交渉のために自分の連絡先を加害者に教えることはしたくないと考え、捜査機関に自分の連絡先を加害者に教えないよう求めるでしょう。
そのような状態で、示談交渉を試みることは難しいと言えます。
しかし、示談交渉の相手が弁護士であれば、被害者の連絡先が加害者側に伝わるおそれもないため、安心して示談交渉に応じてもらえることも珍しくありません。
示談交渉の際に、まずは被害者に加害者が反省していることや被害弁償をする準備があること、犯行現場には近寄らないなどの再犯防止への取り組みなどを伝えることで、示談の成立を目指します。
もっとも、繰り返しになりますが、検察官が起訴する前までに被害者との間で示談が成立していることが、不起訴処分獲得を実現するうえで重要となるので、不同意わいせつ罪を含む性犯罪事件を起こしてしまった場合には、少しでも早く弁護士に相談されることをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県において不同意わいせつ罪の当事者となってしまった方、あるいは家族・親族が不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡市支部には刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、不同意わいせつ罪をはじめとするさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績がございます。
不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束されずに捜査を受けている、あるいはこれから捜査を受けるおそれのある方に対しては、初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
また、家族・親族が不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては、弁護士が直接身柄拘束を受けている方のもとに赴く初回接見サービス(有料)をご提供しております。
フリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にご相談ください。

【事例解説】不同意わいせつ罪とその弁護活動(路上で女性の口を手でふさぎ胸を触ったケース)

2024-08-29

【事例解説】不同意わいせつ罪とその弁護活動(路上で女性の口を手でふさぎ胸を触ったケース)

今回は、福岡県春日市の路上で女性の背後から近づき、手で口をふさいで胸を触るなどわいせつな行為をしたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:路上で女性の口を手でふさぎ胸を触ったケース

福岡県春日市の路上で女性の胸などを触ったとして、春日警察署は春日市在住の会社員Aさんを不同意わいせつの疑いで逮捕しました。
春日警察署によりますと、Aさんは、帰宅途中だったVさんに背後から近づき、手で口をふさいだうえで胸を触るなどわいせつな行為をした疑いが持たれています。
調べに対し、Aさんは「間違いありません」と容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,不同意わいせつ罪について

〈不同意わいせつ罪〉(刑法176条1項)

次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
1号 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
2号 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
3号 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
4号 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
5号 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
6号 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
7号 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
8号 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

刑法不同意わいせつ罪は、①1号から8号までに該当する行為又は事由若しくはこれらに類する行為又は事由により、②同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、③わいせつな行為をした者は、④婚姻関係の有無にかかわることなく成立します。
被害者が同意をしない意思を(1)形成(2)表明し若しくは(3)全うすることが困難な状態にさせまたはその状態にあることとは、以下のような場合をいいます。
(1)被害者が同意しない意思を形成することが困難な状態とは、性的行為をするかどうかを考えたり、決めたりするきっかけや能力が不足していて、性的行為をしない、したくないという意思を持つこと自体が難しい状態を言います。
例えば、アルコールや薬物等の影響により正常な判断ができない状態にある場合などです。
(2)被害者が同意しない意思を表明することが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を持つことはできたものの、それを外部に表すことが難しい状態をいいます。
例えば、職場の上司や経済的に優位にある者に、その地位を利用して不利益が生じる可能性などを言われることで、拒否することができなくなっている状態にある場合などです。
(3)被害者が同意しない意思を全うすることが困難な状態とは、性的行為をしない、したくないという意思を外部に表すことはできたものの、その意思のとおりになることが難しい状態をいいます。
例えば、加害者側の暴行や脅迫などにより抵抗することができない状態にある場合などです。
(参照:法務省 性犯罪関係の法改正等Q%A Q4A4

そして、わいせつな行為とは「いたずらに性欲を興奮または刺激せしめ、かつ普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」をいいます。
具体的には、無理矢理抱きついたり、身体に触ったり、陰部に触るなどの行為が該当します。
上記の事例では、AさんはVさんの背後から近づき、口をふさぐという「暴行」を用いてVさんが「同意しない意思を…全うすることが困難な状態」にさせて胸を触るという「わいせつな行為」をしているため、Aさんには不同意わいせつ罪が成立することが考えられます。

2,示談交渉について

不同意わいせつ罪は被害者が存在する犯罪であるため、被害者との示談交渉を試みます。
示談交渉は事件の当事者同士でも行うことはできますが、不同意わいせつ罪などの性犯罪関係の場合、被害者は加害者に連絡先を知られたくないと思うこと、そして被害者は加害者から直接連絡されることに恐怖や不安を感じて示談交渉を拒否する可能性が高いと言えます。
しかし、守秘義務を負う弁護士であれば、被害者の方に連絡先が加害者に知られないことを説明して、安心して示談交渉に応じていただける可能性が高まるといえます。
また、示談も内容はさまざまであり、宥恕(加害者の謝罪を受け入れ、加害者に対する刑事処罰を望まないという意味)付き示談や刑事告訴の取消しや被害届の取下げを内容に加えた示談などがあります。
もっとも、これらの内容を加えた示談を成立させるためには、刑事事件に対する高度な知識や経験が要求されるため、示談交渉は交渉のプロである弁護士に依頼することをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県春日市において不同意わいせつ罪の当事者となってしまった方、あるいは家族・親族が不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡市支部には刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、不同意わいせつ罪をはじめとするさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績がございます。
不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束されずに捜査を受けている、あるいはこれから捜査を受けるおそれのある方に対しては、初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
また、家族・親族が不同意わいせつ罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては、弁護士が直接身柄拘束を受けている方のもとに赴く初回接見サービス(有料)をご提供しております。
フリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にご相談ください。

【事例解説】不同意性交等罪とその弁護活動(被害者を脅迫して性的暴行を加えたケース)

2024-06-29

【事例解説】不同意性交等罪とその弁護活動(被害者を脅迫して性的暴行を加えたケース)

今回は、被害女性の背後から口を塞ぎ、脅迫して性的暴行を加えたという架空の事例を想定して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:被害者を脅迫して性的暴行を加えたケース

福岡県大野城市の路上で、歩いて帰宅途中だった会社員Vさんの背後から突然抱きついて口を塞ぎ、「声を出したら殺す」などと脅迫し、その後、人のいない場所まで連れていきVさんの陰部に指を入れるなどの性的暴行を加えたとして、福岡県春日市在住の自営業Aさんが逮捕されました。
Aさんは性的暴行を受けた後、警察に連絡し、事件が発覚しました。
警察は犯行現場付近の防犯カメラの映像を解析したところ、不審な動きをしているAさんの姿が映っており、特定に至りました。
警察の調べに対して、Aさんは「性的欲求を満たすためにやった。」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,不同意性交等罪について(刑法177条)

1項 前条第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第179条第2項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、5年以上の有期拘禁刑に処する。
2項 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。
3項 16歳未満の者に対し、性交等をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。
※前条(刑法176条)第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由
①暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
②心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
③アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
④睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
⑤同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
⑥予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
⑦虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
⑧経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

刑法不同意性交等罪は、①~⑧までの行為や原因により、被害者が同意をしない意思を(1)形成し(2)表明し若しくは(3)全うすることが困難な状態にさせまたはその状態にあることに乗じて、性交等をした場合に成立します。
(1)被害者が同意しない意思を形成することが困難な状態とは、性交等をするかどうかを考えたり、決めたりするきっかけや能力が不足していて、性交等をしない、したくないという意思を持つこと自体が難しい状態を言います。
例えば、アルコールや薬物等の影響により正常な判断ができない状態にある場合などです。
(2)被害者が同意しない意思を表明することが困難な状態とは、性交等をしない、したくないという意思を持つことはできたものの、それを外部に表すことが難しい状態をいいます。
例えば、職場の上司や経済的に優位にある者に、その地位を利用して不利益が生じる可能性などを言われることで、拒否することができなくなっている状態にある場合などです。
(3)被害者が同意しない意思を全うすることが困難な状態とは、性交等をしない、したくないという意思を外部に表すことはできたものの、その意思のとおりになることが難しい状態をいいます。
例えば、加害者側の暴行や脅迫などにより抵抗することができない状態にある場合などです。
(参照:法務省 性犯罪関係の法改正等Q%A 4A4
上記の事例では、AさんはVさんに対して、突然背後から抱きつき口を塞いで「声を出したら殺す」などという「暴行」・「脅迫」を用いて、Vさんが「同意しない意思を…全うすることが困難な状態にさせ」て、Vさんの陰部に指を入れるなどの性的暴行を加えており「性交等」をしたといえるため、Aさんに不同意性交等罪が成立することが考えられます。

2,考えられる弁護活動

(1)身柄拘束からの早期解放

被疑者段階における身柄拘束には逮捕・勾留がありますが、逮捕・勾留による身柄拘束は最長で23日間続きます。
そして、被疑者勾留がなされるのは、被疑者が住居不定、被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれが認められる場合です。(刑事訴訟法207条1項本文60条1項各号
そのため、それらを否定し得る客観的な事情や証拠の収集・主張活動を通じて、早期の身柄解放を目指します。
上記の事例では、AさんはVさんとの面識はないため、Vさんに証言をさせないように働きかける現実的可能性は低く、また、犯人がAさんであると特定に至った防犯カメラの映像は既に捜査機関に押収されているとの事情があれば、Aさんによる隠滅は不可能であるため、証拠隠滅のおそれは低いと言えます。
さらに、被疑者の家族等が被疑者の身元を引き受けるという事情は、被疑者の監督が見込めるため、被疑者の逃亡のおそれを否定し得る客観的な事情となるでしょう。

(2)示談交渉

不同意性交等罪を含む被害者が存在する場合には、被害者との示談交渉を試みます。
示談交渉は当事者同士でも行うことはできますが、不同意性交等罪のような性犯罪の場合、被害者は加害者から連絡されることを拒否することが考えられます。
また、被害者としても加害者に自分の連絡先を知られたくないと思うでしょう。
そこで、弁護士が間に入り、捜査機関経由で被害者とのコンタクトを試み、弁護士が守秘義務を負っているため被害者の連絡先が加害者に知られることはないことなどを説明することで、示談交渉を試みます。
被害者が示談交渉に応じる場合には、加害者の立場から、加害者が謝罪・反省していることを伝え、被害者の自宅・職場等やその経路付近には近づかないことや示談金のお支払いなどを提示して、示談の成立を目指します。
もっとも、示談と一口に言ってもその効果は様々であることから、示談の内容に宥恕条項(加害者を許し、加害者に対する刑事処罰を望まないことを意味する条項)や被害届の取下げや刑事告訴の取消などの約定を加えて成立させることが肝要です。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県春日市において不同意性交等罪の当事者となってしまった方、あるいは家族・親族が不同意性交等罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡市支部には刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、不同意性交等罪をはじめとするさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、豊富な実績がございます。
不同意性交等罪の当事者となり身柄拘束されずに捜査を受けている、あるいはこれから捜査を受けるおそれのある方に対しては、初回無料でご利用いただける法律相談をご提供しております。
また、家族・親族が不同意性交等罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては、弁護士が直接身柄拘束を受けている方のもとに赴く初回接見サービス(有料)をご提供しております。
フリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にご相談ください。

【事例解説】不同意性交等罪で逮捕された場合の前科回避ための弁護活動(顔見知りの女子中学生とみだらな行為をしたケース)

2024-05-23

【事例解説】不同意性交等罪で逮捕された場合の前科回避ための弁護活動(顔見知りの女子中学生とみだらな行為をしたケース)

今回は、顔見知りの女子中学生とみだらな行為をして逮捕されたというニュース記事を参考にして、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:顔見知りの女子中学生とみだらな行為をしたケース

去年12月、福岡県粕屋郡にある駐車場で顔見知りの女子中学生Vさんとみだらな行為をしたとして、会社員のAさんが不同意性交の疑いで逮捕されました。
不同意性交の疑いで逮捕されたのは、福岡県春日市の会社員Aさんです。
Aさんは、福岡県粕屋郡にある駐車場でVさんが16歳未満であることを知りながら、みだらな行為をした疑いが持たれています。
警察によりますと、Aさんは、Vさんの親族と知り合いで、Vさんとも顔見知りだったということです。
Vさんが通院先の看護師に被害を相談し、看護師から連絡を受けたVさんの母親が警察に被害を届け出たことで事件が発覚しました。
取り調べに対し、Aさんは、「被害者と性行為したことは間違いありません」と容疑を認めているということです。
rkb 4/2(火)13:37配信の記事を参考にして、内容や地名を一部変更し引用しています。)

1,不同意性交等罪について(刑法177条)

1項
前条第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第179条第2項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、5年以上の有期拘禁刑に処する。
2項
行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。
3項
16歳未満の者に対し、性交等をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。

※前条(刑法176条)第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由

暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

不同意性交等罪は、①~⑧までの行為や原因により、被害者が同意をしない意思を(1)形成し(2)表明し若しくは(3)全うすることが困難な状態にさせまたはその状態にあることに乗じて、性交等をした場合に成立します。
(1)は被害者が同意しない意思を形成することが困難な状態とは、性交等をするかどうかを考えたり、決めたりするきっかけや能力が不足していて、性交等をしない、したくないという意思を持つこと自体が難しい状態を言います。
例えば、アルコールや薬物等の影響により正常な判断ができない状態にある場合などです。
(2)は被害者が同意しない意思を表明することが困難な状態とは、性交等をしない、したくないという意思を持つことはできたものの、それを外部に表すことが難しい状態をいいます。
例えば、職場の上司や経済的に優位にある者に、その地位を利用して不利益が生じる可能性などを言われることで、拒否することができなくなっている状態にある場合などです。
(3)は被害者が同意しない意思を全うすることが困難な状態とは、性交等をしない、したくないという意思を外部に表すことはできたものの、その意思のとおりになることが難しい状態をいいます。
例えば、加害者側の暴行や脅迫などにより抵抗することができない状態にある場合などです。(参照:法務省 性犯罪関係の法改正等Q%A Q4A4
性交等」には、性交、肛門性交、口腔性交の他に、膣や肛門に、陰茎以外の身体の一部または物を挿入する行為も含まれます。
そのため、無理やり相手の陰部に手で触れた場合には不同意わいせつ罪刑法176条)の成立が検討されることになりますが、指を陰部に挿入した場合には不同意性交等罪が成立することになります。
また、「わいせつなもの」とは、いたずらに性欲を興奮又は刺激せしめ、かつ普通人の正常な羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものを言います。
当該行為がわいせつなものではないと誤信させ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした場合にも成立します。(2項
被害者が16歳未満の者である場合に、その者に対して性交等をすれば不同意性交等罪が成立します。
ただし、被害者が13歳以上16歳未満の者で、加害者が20歳未満の場合、加害者が被害者よりも5歳以上年長である場合に、性交等をすれば不同意性交等罪が成立します。
被害者が13歳~15歳の場合、加害者が18歳~20歳だと問題になります。
例えば、18歳のXさんが、15歳のYさんに対して性交等を行った場合、Yさんは16歳未満ですが、年齢差が5歳未満であるため処罰の対象外となります。

2,前科を避けるための弁護活動

不同意性交等罪は被害者が存在する犯罪です。
そのため、被害者側との間で示談交渉を進め、被害者側に対して謝罪や被害に対する弁償等を行い、示談の成立を目指します。
示談は当事者同士でもすることはできますが、通常は拗れて上手くいかないことが多いです。
また、特に性犯罪の場合は、捜査機関は加害者に対して被害者の連絡先を教えることは非常に少なく、被害者側も加害者からの連絡を受けてくれる可能性も極めて低いです。
しかし、弁護士が間に入ることで、被害者の方に丁寧な説明を行うことができ被害者の方も安心して交渉を行うことができ、示談成立の可能性が高まります。
示談といっても加害者側だけに都合のいい内容での示談は期待できません。
被害者側の意向や意見をくみ取りつつ、宥恕条項(被害者の謝罪等を受け、加害者に対する刑事処罰を望まないことを意味する条項)や、刑事告訴の取消や被害届の取下げなどの約定を加えたかたちでの示談を成立させることが必要不可欠であると言えます。
これらの示談交渉は、法律についてあまり詳しいとは言えない一般の方が行うことは難しいため、法律の専門家である弁護士に依頼することがオススメです。
不同意性交等罪で逮捕・勾留により身柄を拘束されていても、示談が成立していれば、被疑者に証拠隠滅または逃亡のおそれはないと判断され、早期の身柄解放が期待できます。
被疑者が逮捕されてから起訴されるまで最大でも23日間しかありません。
その間に示談を成立させることができれば、公訴を提起されずに済むことが期待できます。
公訴を提起されてしまえば、例えば勤め先を解雇されるとか、結婚している場合には離婚など社会生活を送るうえで大きな障害となることが予想されます。
そのため、不同意性交等罪で逮捕されてしまった場合には、少しでも早く弁護士の力をかりることが重要と言えます。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県粕屋町において不同意性交等罪の当事者となってしまった方、またはご家族等が不同意性交等罪で身柄を拘束されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部ぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱っており、刑事事件・少年事件に対する様々な経験や高い実績があります。
不同意性交等罪で在宅捜査を受けている方や刑事告訴されるおそれのある方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が不同意性交等罪の当事者となり身柄を拘束されている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
お気軽にご相談ください。

« Older Entries

keyboard_arrow_up

0120631881 無料相談予約はこちら LINE予約はこちら