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福岡県久留米警察署の時効事件 公訴時効の成立について

2022-07-07

~公訴時効の成立~
福岡県久留米警察署の時効事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

事件

福岡県久留米市に住むAさんは、数日前に、知人から「10年以上前に盗んだバイクだから大丈夫。」と言われて、バイクを無償で譲り受けました。
このバイクを修理して使用していたAさんは、久留米市内の路上を走行中に、信号無視をしてしまい、福岡県久留米警察署の警察官に取締りを受けました。
その際に、Aさんのバイクの車体番号が削られていたことを不審に思った警察官から、バイクについて追及を受けたAさんは「10年前の話なので、もう時効が成立しているので大丈夫だと思って、知人からもらった」等と、これまでの経過を警察官に説明したのです。
(フィクションです)

公訴時効

刑法では、犯罪が行われた後、公訴されることなく一定期間が経過した場合には、公訴が提起できなくなる公訴時効が規定されています。
公訴時効が成立する時期は、その犯罪の法定刑の大小を基準として規定されており、以下の通りです。

①人を死亡させた罪:法定刑に応じて、公訴時効なし,または30年、20年、10年
②死刑に当たる罪:25年
③無期懲役または禁錮:15年
④長期15年以上:10年
⑤長期15年未満:7年
⑥長期10年未満:5年
⑦長期5年未満または罰金:3年
⑧拘留または科料:1年

窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」ですので、上記⑤に当たります。(窃盗罪の公訴時効は7年)
ですからAさんの知人が言うように、バイクを盗んだのが10年以上前であれば、バイクを盗んだ窃盗事件については時効が成立していることになりますので、バイクを盗んだ犯人が刑事罰が科せられることはありません。

盗品等無償譲受罪

盗品等無償譲受罪とは、盗品その他財物に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けることで、刑法第256条で「3年以下の懲役」の罰則が規定されています。
盗品その他財物に対する罪とは、窃盗罪や横領罪によって不法領得した財物は当然のこと、詐欺罪や恐喝罪によって不正に取得した財物も対象になります。
また、財産罪によって領得された財物が盗品等となるのですが、ここにいう犯罪行為は、構成要件に該当する違法行為であれば足り、必ずしも有責であることを必要としません。
つまり財産罪を犯した犯人が、刑事未成年者であったり、親族間の犯罪に関する特例の適用によって刑の免除を受たりしている場合や、本犯の公訴時効が完成している場合でも、盗品等無償譲受けの罪は成立してしまうのです。
財産罪の実行行為に加担していた者は、財産罪の共犯となるので、盗品等の罪の主体にはなり得ませんが、財産罪の教唆者や幇助者は、財産罪の実行行為を分担するのではないので、盗品等の罪の主体となり得ます。
盗品等無償譲受罪故意犯です。
この罪が成立するには、行為者に盗品であることの認識がなければなりません。
この認識は、いかなる財産罪によって取得した物なのか、犯人や被害者が誰なのか等の詳細まで必要とされませんが、その財物が何らかの財産罪によって領得された物であることの認識は必要です。

福岡県久留米市の刑事事件を相談するのなら

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福岡県田川警察署に傷害罪で逮捕 正当防衛で無罪を主張

2022-07-06

福岡県田川警察署の傷害事件で逮捕された方が正当防衛で無罪を主張している件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

事件内容

会社員のAさんは、妻と高校生の息子の3人で福岡県田川市に暮らしています。
高校生の息子は、数年前から家庭内暴力が激しく、つい2週間ほど前も、息子の暴力でAさんは頭を擦過する怪我を負っていました。
そうした中、事件当日も、家の中で暴れ出した息子をAさんが制止させようとしたのですが、息子ともみ合いになった際にAさんは、息子の顔面を数発殴ってしまいました。
その直後に、妻の通報で福岡県田川警察署の警察官が駆け付け、Aさんは傷害罪現行犯逮捕されてしまったのです。
Aさんは、正当防衛無罪を主張しているようです。
(フィクションです)

違法性阻却事由

犯罪は、構成要件に該当し、違法であり、かつ有責の場合に成立すると理解されます。
「構成要件」とは、法律により犯罪として決められた行為の類型をいいます。
また問題となる行為が、構成要件に該当したとしても、その行為が違法、つまり法律上禁止されているものでなければなりませんが、例外的な事情が存在する場合には、構成要件に該当する行為であっても違法性が認められないことがあります。
この特段の事情を「違法性阻却事由」と言います。
刑法で規定されている違法性阻却事由には、「正当行為」、「正当防衛」、「緊急避難」があります。

正当防衛の構成要件

正当防衛とは、「急迫不正の侵害」に対して、「自己又は他人の権利を防衛するため」やむを得ずした行為」を言います。

①急迫不正の侵害
「不正な侵害」とは、違法性を有する権利を侵害する危険をもたらすものであり、これが行為に限定されるかは学説上争いがあります。
そして、この不正な侵害は「急迫」したものでなければなりません。
すなわち、被侵害者の法益が侵害される危険が切迫したものであることが必要となります。

②自己又は他人の権利を防衛するため
被侵害者自身による防衛行為のみならず、被侵害者以外の者による防衛行為についても正当防衛が肯定されます。
また、正当防衛として許されるのは、侵害者の法益を侵害する場合であり、防衛行為に限られます。
防衛行為であるためには、客観的に防衛行為としての性質を有していることに加え、「防衛の意思」があることも必要となります。
防衛の意思は、客観的状況から判断されますが、防衛に乗じて積極的に攻撃した場合には防衛の意思が否定されることもあります。

③やむを得ずにした行為
防衛するため、やむを得ずした行為であるためには、防衛のために当該行為が必要であった(必要性)こと、及び防衛のために必要最小限度のものであった(相当性)と言えなければなりません。

以上のような要件を満たして初めて正当防衛が認められ、違法性がないため処罰されないことになります。
しかし、正当防衛を判断する明確な基準はなく、当時の状況証拠やそれまでの人間関係といった様々な客観的情報により総合的に判断されることになります。
過剰防衛とみなされる場合もありますので、刑事事件に強い弁護士に相談するのが良いでしょう。

福岡県田川市の傷害事件で、正当防衛が成立するのかどうかお困りであれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談下さい。
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福岡県直方市の人身事故 ひき逃げ事件に強い弁護士②

2022-07-05

~昨日のコラムの続き~

昨日は、ひき逃げとはどんな行為をいうのかご紹介しました。
本日は、ひき逃げ事件を起こしてしまった場合に問われる罪と、その罪の重さをご紹介いたします。

ひき逃げそのものに関する罪

ひき逃げそのものに関する罪は、大きく

①救護義務違反(道路交通法117条)
②事故報告義務違反(道路交通法119条1項10号)

の2つに分けられます。

① 救護義務違反

救護義務違反はさらに、

●人の死傷が当該運転者の運転に起因する場合

●それ以外の場合

に分けられます。
 
人の死傷が当該運転者の運転に起因する事故を起こした場合の罰則は「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と大変重たいです。

「人の死傷が当該運転者の運転に起因する場合」とは、ご自身の運転が原因となって交通事故(人身事故)が発生した、ということ、つまり、ご自身の運転と交通事故による人の死傷との間に因果関係が認められる場合をいいます。
通常、後ほどご紹介する「過失運転致死傷罪」に問われた場合はこの罰則が適用されると考えてもらっていいかもしれません。

ご自身の運転が原因で交通事故が発生していない場合の罰則は「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
ご自身に過失があるかないかにかかわらず、交通事故(人身事故)が起きた場合は、車両等を運転する方は停止義務、救護義務を負い、これに違反した場合は罰則を科されるおそれがある、ということは是非知っていただきたいと思います。

② 事故報告義務違反
  
事故報告義務違反の罰則は「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」です。

ひき逃げと併せて問われる可能性のある罪

ひき逃げと併せて問われる罪としては、主に「過失運転致死傷罪」です。
過失運転致死傷罪は、自動車運転上の過失によって人を死傷させた場合に問われる罪で、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、法律)7条に規定されています。
罰則は「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」です。

福岡県直方警察署の人身事故を扱っている法律事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、ひき逃げなどの交通事件・刑事事件専門の法律事務所です。
ひき逃げを起こしお困りの方は、まずは

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また、ひき逃げの容疑ですでに警察に逮捕された方のもとに弁護士を派遣する初回接見サービスについては ⇒⇒こちらをクリック

福岡県直方市の人身事故 ひき逃げ事件に強い弁護士①

2022-07-04

ひき逃げ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県直方市に住む主婦のAさんは、パートを終え、車を運転して帰宅途中に、見通しのよい道路を走行していたところ、急に車道に飛び出してきた自転車と接触する交通事故を起こしてしまいました。
Aさんは、ドアミラーで自転車が転倒したのを確認しましたが、「相手が急に車道に飛び出してきたのだから自分は悪くないし、ちょっとした接触だからたいした怪我もしていないだろう」と考え、車を停止させることなく交通事故現場を立ち去ったのです。(後日、自転車を運転していた男性が加療約3週間の怪我を負っていたことが判明した)。
その結果Aさんは、現場付近の防犯ビデオ映像や、交通事故現場に残されていた痕跡などから福岡県直方警察署にひき逃げの容疑で逮捕されてしまいました。
逮捕を知ったAさんの夫は、弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)

この記事をご覧の方にも、日頃、ニュースなどで「当て逃げ」もしくは「ひき逃げ」の報道を耳にされることは多いのではないでしょうか?
ひき逃げを行うと助かったであろうはずの命をも奪うことになりかねず、それゆえ交通事故の中でも重大事故の一つに挙げられます。
もっとも、交通事故を起こすと気が動転してしまい、適切な措置をとりにくいものです。
今回は、そのひき逃げについてご紹介していきたいと思います。

ひき逃げはどんな行為?

ひき逃げがどんな行為か細かくみていきましょう。
ひき逃げとは、

①誰が→車両等の運転者が

②どんな場合に→人身事故を起こした場合に

③どんなことをした→必要な措置を講じなかった

場合のことをいいます。

これに対して、当て逃げとは、

①誰が→車両等の運転者が

②どんな場合に→物損事故を起こした場合に

③どんなことをした→必要な措置を講じなかった

場合のことをいいます。

「必要な措置」とは? 

では、「必要な措置」とはどんな措置なのでしょうか?
この点については、道路交通法72条1項に規定されていますから、この規定をさらに細かくみていきます。

ア、ただちに車両等の運転を停止しなければならず、事故現場から立ち去ってはいけません。(停止義務:道路交通法72条1項前段)

イ、負傷者を救護し、危険を防止するための措置を講じなければなりません。(救護義務:道路交通法72条1項前段)
その上で、負傷者を救護し、道路における危険を防止するなどの必要な措置を講じなければなりません。
  
「負傷していない(怪我をしていない)」などと勝手に自己判断してはいけません。
負傷しているかどうかは素人では判断しづらく、医者の判断を待ってはじめて明らかとなるのがほとんどなので、「負傷しているかどうか分からない」という場合も救護義務が生じ、これを取らなかった場合は救護義務違反となりますから注意が必要です。

「負傷者を救護」する例としては

 ・現場において応急の手当てを取る
 ・119番通報する
 ・病院への搬送

などが挙げられます。
  
また「道路における危険を防止する」は「必要な措置」の例示に過ぎません。
ですから、道路内、道路外を問わず、必要とあるならば危険を防止するための措置を取る必要があります。

ウ、警察官に事故を届け出なければならない。(事故報告義務:道路交通法72条1項後段)
上記したア、イと同時に、警察官に事故内容などを報告しなければなりません。
ア、イの措置はとったものの、「交通事故を起こしたことがばれたくない」「他の犯罪がばれるのが怖い」などを理由に、警察に事故を届け出なかった場合は事故報告義務違反となります。

~明日は、ひき逃げの罪や、罪の重さなどについてご紹介していきます。~

福岡県嘉麻警察署に強制わいせつ事件の自首を検討

2022-07-03

福岡県嘉麻警察署に強制わいせつ事件の自首を検討している件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

自首を検討している強制わいせつ事件

福岡県嘉麻市に住む会社員のAさんは、自宅近くの路上で一人で歩いている女性を見つけました。
この女性がすごく好みだったAさんは、思わず女性に近づき、抱き着いてしまいました。
女性が悲鳴を上げたことで、我に返ったAは、すぐにその場から逃走しました。
家に帰り、とんでもないことをしてしまったと思ったAさんは、警察署に自首することに決め、自首に付き添ってくれる弁護士を探すことにしました。
そこで、Aさんは翌日すぐに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部の無料法律相談を利用し、その日のうちに弁護士と共に福岡県嘉麻警察署自首しました。
(この事例はフィクションです。)

強制わいせつ事件

今回の事件でAさんは、路上において、いきなり女性に抱き着いていますが、このような事件は、痴漢ではなく強制わいせつ罪となってしまう可能性が高いです。
強制わいせつ罪は、刑法第176条に規定されており、起訴されて有罪が確定すると「6月以上10年以下の懲役」が科せられることになります。
このように強制わいせつ罪は、罰金刑の規定がない重い罪になっています。

さらに、今回のAさんの行為で女性が倒れたりして傷害を負ってしまったような場合は、強制わいせつ致傷罪となってしまう可能性があります。
強制わいせつ致傷罪となってしまうと「無期又は3年以上の有期懲役」と非常に重い罰則が規定されており、無期の法定刑が規定されていることから、裁判員裁判の対象事件となります。

自首

今回のAさんは、犯行後すぐに逃走しています。
現場から逃走しているということで、後日、逮捕されてしまう可能性も高いといえるでしょう。
現代では、街中や路上であっても防犯のためにカメラが設置されていることも多く、今回の事例のように路上での犯行であっても犯人が特定される可能性が十分にあります。
そのため、自首の検討をしていくことも必要となってくるでしょう。
自首については、刑法第42条に規定されています。

刑法第42条第1項
「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる」

まず、自首は「捜査機関に発覚する前に」行われる必要があります。
今回のAさんは、翌日には、福岡県嘉麻警察署に自首していますが、事件後すぐに女性が通報し、Aさんの犯行であることまで特定されていたような場合には、自首が成立しないこともあります。
さらに、「その刑を減軽することができる」とあるので、必ず減軽されるというわけでもないのです。
自首は警察署に出頭すれば成立するというものでもないので、自首をお考えの場合は一度刑事事件に強い弁護士に相談したほうがよいでしょう。

自首と逮捕

自首したり、自首が成立しなかったとしても捜査機関から連絡がある前に出頭することで、逮捕の可能性は低くなることが予想されます。
逮捕可能性には、逃亡のおそれも関係してくることから、自ら出頭することにより、逃亡のおそれがないことをアピールすることができます。
もちろん、自首をすれば必ず逮捕されないということではないので注意が必要です。

自首に同行する弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では、刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っていますので、是非一度ご検討ください。
ご予約は

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福岡県飯塚警察署で起訴後勾留 保釈に強い弁護士

2022-07-01

福岡県飯塚警察署で起訴後勾留されている方の保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県飯塚警察署で起訴後勾留

無職のA子さんは、福岡市内のデパートで万引きしたハイブランド商品を、インターネットのオークションサイトに出品して得たお金で生活していました。
そうしたところ、福岡県飯塚警察署の内偵捜査を受け、2ヶ月以上前に窃盗罪逮捕され、その後、万引き等で再逮捕を繰り返し、現在は警察等の捜査を終えて、5件の窃盗罪で起訴されています。
A子さんは、起訴後も福岡県飯塚警察署起訴後勾留によって身体拘束を受けているのですが、保釈を希望しているようです。
(フィクションです。)

保釈とは

刑事事件を起こしてしまい逮捕され、勾留が付いた後に起訴された被告人が裁判で判決が出るまでの間に釈放されることを保釈といい、刑事訴訟法に規定されています。

必要的保釈

権利保釈ともいい、刑事訴訟法第89条に規定されています。
以下の場合を除いては、裁判官は保釈の請求があった場合、保釈を許さなければなりせん。

1 死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したとき

2 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき

3 被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき

4 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき

5 被告人が被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき

6 被告人の氏名又は住居が分からないとき

保釈を請求したときに上記の事由に当てはまらなければ、保釈は必ず認められます。

職権保釈

職権保釈は、裁量的保釈とも言われ、刑事訴訟法90条に規定されています。
その内容は

「裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認められるときは、職権で保釈を許すことができる」

と明記されています。

職権保釈は必要的保釈とは違い、明確な要件が規定されているわけではなく、条文に挙げられている事情を考慮して判断します。
そこで、必要的保釈が認められない場合でも裁判官の判断で保釈が認められる可能性があります。
弁護人は釈放後の住所が定まっていることや監督者がいることを主張し、逃亡や罪証隠滅のおそれがないことを証明したり、身体拘束が長引くことによる自身や家族、会社などの不利益を主張していったりすることにより、保釈が認められるように活動していきます。

義務保釈

なお、上記の必要的保釈、職権保釈のほかに義務保釈といわれるものがあります。
この義務保釈は刑事訴訟法91条に規定されており、勾留による拘禁が不当に長くなったときに請求があれば保釈を許さなければならないと規定されています。

保釈保証金(保釈金)

保釈が認められた場合、定められた保釈保証金、いわゆる保釈金を納めなければなりません。
この保釈保証金については判決が出ると返還されるのですが、保釈の際に付された条件に違反したり、罪証隠滅を行ったり、逃亡したりすると保釈は取り消され、保釈保証金についても没収されてしまうことになります。

保釈に強い弁護士

保釈は被告人本人や法定代理人、配偶者、直系親族、兄弟姉妹なども請求することはできますが、様々な要件や事情が考慮されることになるので、やはり専門家である弁護士に依頼するようにしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部では保釈に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っていますので、

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福岡県豊前警察署の人身事故 危険運転と過失運転の違いについて②

2022-06-30

昨日に続いて、福岡県豊前警察署の人身事故を参考に、危険運転と過失運転の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

過失運転致死傷罪と危険運転致死傷罪の違い

まず、大きな違いは法定刑です。
過失運転致傷罪が「七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金」であるのに対し、危険運転致死傷罪は「人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役」です。
特に、危険運転致死罪の場合、1年以上の有期懲役ですから、起訴され、有罪となれば実刑判決を受ける可能性も十分にあります。

次に、前者は過失、すなわち不注意によって交通事故を起こした場合に適用されるのに対し、後者は故意、すなわち法律5条各号に規定されている状態・状況を運転者が認識しながらあえて自動車を運転して交通事故を起こした場合に適用される法律です。

たとえば、法律5条5号の「赤色信号」を例にしましょう。
運転者が前方の赤色信号を認識しつつ、あえてこれに従わず交差点に進入したと認められる場合(かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転した場合)は危険運転が適用される可能性が高いでしょう。他方、不注意によって赤色信号を示していた交差点に進入してしまい交通事故を起こした場合は過失運転が適用されるでしょう。

危険運転か過失運転かは、交通事故態様や事故時。事故後の状況などを総合して判断されます。
よって、捜査の結果、危険運転から過失運転になったり、あるいはその逆となることもあります。

危険運転致死罪は裁判員裁判になる

危険運転致死罪で起訴(公判請求)されると、刑事裁判は裁判員裁判によって行われます。
裁判員裁判は、裁判所によって無作為に選出された国民が、裁判に参加し、裁判官と共に被告人の処分を決定する裁判のことです。
通常の刑事裁判では裁判官が判決を決定していたことから、法律家目線からの刑事罰しか決定していませんでしたが、裁判員裁判制度が導入されてからは、一般人も審議に参加するようになり、少なからず一般人の意思が刑事罰に反映されるようになりました。
そういった事が影響しているのか、かつては年間10人以上の死刑判決が言い渡されていましたが、裁判員裁判制度が導入されてからは死刑判決が減少傾向にあると言われています。。

危険運転で捜査を受けてお困りの方は弁護士までご相談ください。

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福岡県豊前警察署の人身事故 危険運転と過失運転の違いについて①

2022-06-29

福岡県豊前警察署の人身事故を参考に、危険運転と過失運転の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

福岡県豊前警察署の人身事故

福岡県豊前市の運送会社に勤務するAさんは、福岡県豊前市内の道路をトラックで走行中、対面信号が赤色信号表示を示していたにもかかららず交差点に進入し、青色信号表示に従って横断歩道上を横断していた歩行者の女性をはねて死亡させる交通事故を起こしました。この交通死亡事故により、Aさんは危険運転致死罪の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、危険運転致死罪ではなく過失運転致死罪の適用と求めていこうと考えています。
(フィクションです。)

人身事故で適用される罪

人身事故で適用される罪の一つに、過失運転致死傷罪危険運転致死傷罪があります。
ともに、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、法律)」という法律の中で規定され、前者は法律5条に、後者は法律2条に規定されています。

過失運転致死傷罪

法律5条 
 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

危険運転致死傷罪

法律5条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。

一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為

三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為

四 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

五 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

六 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

明日のコラムでは、過失運転致死傷罪と危険運転致死傷罪の違いを解説します。

福岡県門司警察署の詐欺事件 半額シールを貼り替え

2022-06-28

半額シールの貼り替えによる福岡県門司警察署の詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

北九州市門司区に住む会社員のAさんは、毎晩のように仕事帰りに近所のスーパーに寄ってお弁当等を購入しています。
Aさんがお弁当を購入する夕刻の時間帯は、半額シールが貼られている商品と、そうでない商品が陳列されていることから、半年ほど前からAさんは、自分の欲しいお弁当に半額シールを貼り替えて商品を購入していたのです。
そうした行為を毎晩のように続けていたところ、ある日、半額シールを貼り替えた商品をレジで購入した際にスーパーの警備員に呼び止められて、事務所に連れて行かれました。
どうやら数カ月前から警備員はAさんのことを監視していたらしく、Aさんは通報で駆け付けた福岡県門司警察署の警察官によって警察署に連行され、詐欺罪で取調べを受けることになりました。
(フィクションです。)

半額シールの貼り替えた商品を購入すると詐欺罪になる 

お店で商品を万引きすれば窃盗罪(刑法235条)に問われますが、今回のように、半額シールを貼り替えて正規の値段より安く商品を購入した場合は、店員を騙して商品を手に入れたとして詐欺罪(刑法246条)に問われる可能性があります。

刑法246条
1 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 (略)

詐欺罪は、客観的には、

①欺罔行為(騙す行為)→②錯誤→③錯誤に基づく処分行為による財物の移転(交付行為)→④財産上の損害

の一連の流れがあり、主観的には、

犯人の①~④までの「故意(認識)」が必要ということになります。

Aさんの事件を検討すると、勝手に半額シールを貼り替えた商品をレジ担当の店員に渡す行為が、①の欺罔行為に当たり、このAさんの行為によってレジを担当する店員は、Aさんが渡した商品について「半額の商品だ。」と錯誤に陥り、正規の値段よりも安い(半額)代金をAさんに請求し、Aさんに商品を渡すことになり、最終的に財産上の損害を被ることになるので、Aさんの行為が詐欺罪に当たることが間違いないでしょう。

詐欺罪の量刑

上記したように詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。
起訴されて有罪が確定すればこの法定刑内で刑事罰が科せられることになるのですが、起訴されて有罪となっても執行猶予を獲得することができれば、刑務所に服役しなくてもすみます。
ただAさんの場合、スーパー内での犯行であることから証拠が明らかである可能性が高い上に、余罪が複数あることを考えると、無罪を獲得することは非常に困難でしょう。
そのため少しでも軽い刑事罰を望むのであれば、被害者であるスーパーに対して被害弁償や謝罪をして示談を締結しておく必要があります。

詐欺事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、詐欺罪をはじめとする刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
刑事事件でお悩みの方は、まずはお気軽に

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福岡県行橋警察署に逮捕 行橋市内のスナックが無許可営業

2022-06-27

スナックの無許可営業福岡県行橋警察署に逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。

行橋市内でスナックを無許可営業

福岡県行橋警察署は、風俗営業の許可が必要なスナックを無許可で営業していたとして、行橋市内に住むAさんが逮捕されました。
約10年前にお店をオープンした時にAさんは、風営法で規制されていない業態でスナックを経営していましたが、数年前から接待をするようになり、許可が必要な状態となりましたが、風俗営業の許可を得ずに営業を続けていました。
こうしたことから管轄の福岡県行橋警察署から警告を受けていましたが、その後も許可を得ず営業を続けていたAさんは、最終的に逮捕されることになりました。
(フィクションです)

スナックとは

風営法とは、正式には「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」という名称の法律で、通称として「風営法」や「風適法」と呼ばれています。
風営法上で規制されている業態としては、

①第1号営業:キャバクラやホストクラブ等顧客を接待する飲食店
②第2号営業:照度10ルクス以下の飲食店
③第3号営業:客席の広さが5㎡の飲食店

等が挙げられます。
また、パチンコ店やゲームセンター等が風営法上の規制の対象となっており、その他性風俗店やダンスクラブも規制の対象となっています。
ただし、スナックの場合には線引きが難しい場合があり、接待を含まない場合には風俗営業とは認められないことがありますが、実際は大半の場合風俗営業とみなされます。

スナックの無許可営業で逮捕されると

接待を含むスナックを無許可で営業していた場合、風営法に違反する行為となります。
逮捕後に起訴され有罪判決を受けると、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又は懲役と罰金の併科」が科せられることになります。
また、その他行政上の処分が下され、一定期間店の営業ができなくなる場合があります。

無許可営業の弁護活動

刑事事件の弁護活動としては、被害者との示談交渉がありますが、風営法の無許可営業は被害者がいないため示談することはできません。
ですので弁護活動としては

①弁護士を通じて反省していることを捜査機関に示す
②事実関係を正直に話し、早期の身柄解放を求めること

以上の弁護活動があります。
詳しい弁護活動に関しては一度弁護士に相談することをお勧めします。

福岡県行橋市の刑事事件に強い弁護士

福岡県行橋市の刑事事件でお困りの方、ご家族やご友人がスナックの無許可営業で逮捕された方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にご相談ください。
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