5年前に起こした強盗事件で逮捕された事件を参考に、強盗罪の公訴時効について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
参考事件
自営業をしているAさんは、約5年前、当時無職でお金に困っていたAさんは、久留米市の路上において、通行人に対して果物ナイフを突きつけ、現金数万円を強取する強盗事件を起こしましたが、警察に逮捕されたりすることなく、現在に至ります。
そしてつい先日、飲み屋でトラブルになった相手に対して暴行したとして、福岡県久留米警察署で取調べを受けました。
その際にAさんは、DNAを採取されてしまいました。
Aさんは、このDNAがきっかけとなって、5年前に起こした強盗事件で逮捕されるのではないかと非常に不安です。
(フィクションです。)
強盗事件
数ある犯罪の中でも強盗罪は重い事件の一つです。
強盗事件が発生すると、管内だけでなく周辺の警察署まで緊急配備がかかると共に、現場では綿密な初動捜査が行われます。
そんな初動捜査で、警察が特に力を入れているのが現場に遺留されたDNAの採取です。
かつての犯罪捜査では、現場指紋が犯人逮捕につながる重要な証拠と言われていましたが、科学捜査を進歩と共に、DNAが犯人を特定する有力な証拠となる事件が増加しています。
ちなみに強盗事件は刑法第236条に規定されている犯罪で、その法定刑は5年以上の有期懲役です。
今回の事例となっているAさんの事件は、被害者にナイフを突きつけて現金を強取しているので被害者が怪我を負っていることはないと思いますが、仮に、被害者に怪我をさせて現金等の金品を強取した場合は、強盗致傷罪や強盗傷人罪が成立することとなり、その法定刑は無期懲役又は6年以上の有期懲役と非常に厳しいものになります。
公訴時効
公訴時効とは、犯罪を終了してある一定期間経過すると、起訴を提起できなくなることです。
公訴時効の期間は、犯した犯罪の法定刑によって様々で、最長で30年(無期の懲役又は禁錮に当たる罪)、最短で1年(拘留又は科料に当たる罪)です。
ちなみに公訴時効は、犯人を逮捕するまでではなく、起訴を提起するまでの期間なので、逮捕から起訴までの捜査に要する時間を考えると、公訴時効が成立する2~3週間前に犯人を逮捕しなければ、検察が犯人を起訴するのは難しいでしょう。
ちなみに強盗罪の公訴時効は10年です。
警察は、基本的に公訴時効をむかえるまで捜査を継続しているので、どんな事件であっても「絶対に逮捕されない」と確信するのは、公訴時効を経過してからになります。
ただし注意しなければいけないのは、殺人罪(未遂を除く)や、強盗殺人罪など、「人を死亡させた罪」のうち、法定刑の上限が死刑であるものについては、公訴時効は存在しません。
刑事事件に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
過去に起こしてしまった事件で不安のある方や、ご家族、ご友人が強盗事件を起こして警察に逮捕されてしまった方等からのご相談を、フリーダイヤル0120-631-881にて、24時間年中無休で承っておりますので、お気軽にご相談下さい。