【強盗】強盗罪で早期釈放を実現
強盗罪と早期釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
福岡県大牟田市に住むAさんは,ある日の夜中,人通りの少ない路上を歩いていたVさんの背後から,Vさんに対し,左手に持っていた刃物を突き付け,「金を出せ,騒ぐと殺すぞ」などと言いました。Aさんはそのまま刃物を突き付けながら,Vさんから現金2万円入りの財布を右手で受け取り,その場から逃走しました。しかし,後日,Aさんは,福岡県大牟田警察署に強盗罪で通常逮捕されました。Aさんは自分の行ったことを全面的に認め、逮捕当初から示談の意向を示していたところ、勾留後2日目となって示談が成立し釈放されました。また、釈放後、Aさんに対する刑事処分は不起訴となりました。
(フィクションです。)
~強盗罪~
強盗罪は刑法236条に規定されています。
刑法236条
1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は,強盗の罪とし,5年以上の有期懲役に処する。
2項 前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,前項と同様とする。
今回、Aさんに適用されるのは刑法236条1項です。
一般に、「暴行」とは人の身体に対する有形力の行使,「脅迫」とは人に畏怖させるに足りる害悪の告知のことをいいます。しかし、強盗罪の「暴行」「脅迫」は,相手方の反抗を抑圧する程度に強いものでなければならないとされています。そして,強盗罪の暴行、脅迫か否かは,
・犯行の時刻・場所その他周囲の状況
・凶器使用の有無
・凶器の形状性質
・凶器の用い方など犯行の手段方法
・犯人,相手方の性別,年齢,体力
などを総合的に考慮して判断されます。
「強取」とは,上記の「暴行」「脅迫」により,相手方の反抗を抑圧して財物を自己又は第三者に移すことをいいます。通常は,犯人が被害者自身から直接財物を奪取することが多いと思いますが,必ずしもその必要はなく,反抗を抑圧された被害者から交付を受けてもよいとされています。
~逮捕後の流れ~
警察に逮捕されると、警察の留置場(留置施設)に収容されます。
逮捕後の流れは、
①逮捕
↓
②警察官による弁解録取→釈放
↓
③送致(送検)
↓
④検察官による弁解録取→釈放
↓
⑤検察官による「勾留請求」
↓
⑥勾留質問→釈放
↓
⑦裁判官による「勾留決定」
という手続を踏みます(なお、この間、不服申し立て等により釈放を早めることも可能です)。
①から③まで最大で48時間、①から⑤まで最大で72時間拘束されます。
したがって、①から⑦まで概ね3日間を要します。
なお、②の段階、③の段階、⑥の段階で釈放されることがあります。
⑦勾留決定があった場合は、逮捕された際に収容された留置場へ収容されるでしょう。
勾留の期間は、検察官の勾留請求があった日から「10日間」で、その後、やむを得ない事由がある場合は最大「10日間」延長されることがあります。
~早期釈放に向けて~
強盗罪は5年以上の有期懲役と重たい罪ですから、⑤検察官による勾留請求、それを受けての⑦勾留決定はやむを得ないかもしれません。
しかし、Aさんのようにはやくから罪を認め、被害者に対し示談意向を示している場合は勾留後も早期釈放のチャンスはあります。
このように早期釈放のためにははやくから示談意向を示し、示談を成立させることが重要です。
示談には早期釈放のメリットのほか、不起訴獲得にもつながりやすくなります。
早期釈放、不起訴処分獲得に向けて示談をご検討中の方ははやめに弁護士にご相談ください。
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