本人の同意があってもダメ!!
家出少女に頼まれて自宅に泊めたとして、未成年者略取罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説します。
事件内容
会社員のAさんはネットゲームで知り合った女子高生とSNSでやり取りをして仲良くしていましたが、先日、この女子高生から、親と喧嘩をしたので家出したいと相談を受けました。
そして、女子高生から「2、3日でいいので家に泊めて欲しい。」とお願いされたAさんは、女子高生を福岡県糟屋郡の自宅に招き入れて、自宅に泊めて上げたのです。
そうしたところ、女子高生が自宅にきて三日後の夜、福岡県粕屋警察署の捜査員が訪ねて来て女子高生を保護しました。
女子高生の両親が捜索願を出して警察が捜査をしていたようです。
Aさんも警察署まで任意同行されて取調べを受け、その後、未成年者略取罪で逮捕されました。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)
未成年者略取罪
未成年を本来の生活環境から離脱させて自己又は第三者の実力支配下に移すと「未成年者略取罪」となります。
未成年者略取罪は、刑法第224条に、未成年者誘拐罪と共に規定されている法律で、未成年者誘拐罪は、その手段が「欺罔」や「誘惑」である場合に成立する犯罪で、それ以外の手段を用いた場合が『未成年者略取罪』となります。
ちなみに未成年者略取罪は、未成年者の自由を保護すると共に、親権者等の保護監督権も保護している法律ですので、例え未成年者本人(今回の場合だと女子高生)の同意があったとしても、未成年者略取罪は成立します。
未成年者略取罪の罰則
未成年者略取罪の法定刑は「3月以上7年以下の懲役」です。
罰金刑の規定がないため有罪が確定すると、執行猶予を獲得しなければ刑務所に服役しなければなりません。
そのため、未成年者略取罪で逮捕された場合は、まず起訴されない(不起訴を獲得できる)ように、そして起訴された場合は執行猶予を獲得できような弁護活動を推進します。
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