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【事例解説】公務執行妨害罪とその弁護活動(近隣住民とのトラブルで駆け付けた警察官の胸ぐらを掴んだケース)

2024-09-14

【事例解説】公務執行妨害罪とその弁護活動(近隣住民とのトラブルで駆け付けた警察官の胸ぐらを掴んだケース)

今回は、近隣住人とトラブルになり、通報を受けて駆け付けた警察官の胸ぐらを掴んだという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:近隣住民とのトラブルで駆け付けた警察官の胸ぐらを掴んだケース

福岡市城南区で、通報を受けて駆け付けた警察官の胸ぐらを掴んだとして、城南区在住のAさんが公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕されました。
福岡県警察城南警察署によりますと、Aさんは、近所の住民とゴミの出し方で口論となり、その住人が警察に通報したところ、駆け付けた警察官に対して悪態をつき、胸ぐらを掴んだとのことです。
警察の調べに対し、Aさんは「カッとなってやってしまった」と容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,公務執行妨害罪について

〈公務執行妨害罪〉(刑法95条1項)

公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

刑法公務執行妨害罪は、①公務員が②職務を執行するに当たり、③暴行又は脅迫を加えた場合に成立します。
①「公務員」とは、法令により公務に従事する職員をいいます。
法令とは、法律、命令、条例を指します。
公務とは、国または地方公共団体の事務をいいます。
職員とは、法令上の根拠に基づき国または地方公共団体の機関として公務に従事する者をいます。
②「職務を執行するに当たり」とは、公務の執行の際に、という意味であり、また執行される職務については適法なものであることが要求されます。
仮に違法であっても公務であれば保護されるとなれば、それは公務員の身分や地位を保護することになり、公務執行妨害罪が公務の円滑の執行、すなわち公務を保護するとした趣旨に反すると考えられているからです。
職務」とは、ひろく公務員が取り扱う各種各様の事務のすべてであるとされています。(最高裁判決昭和53年6月29日
③「暴行又は脅迫を加えた」における「暴行」とは、不法な有形力の行使を言い、「脅迫」とは、相手方を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知を言います。
公務執行妨害罪が公務の円滑な執行を保護している趣旨からすれば、暴行または脅迫は、公務員による職務の執行を妨害するに足りる程度のものであれば良いと考えられています。
また、「暴行」は、直接公務員の身体に向けられる必要はなく、職務執行を妨害するに足りる程度の暴行と言えれば、間接的に公務員に向けられた暴行(間接暴行)でも、公務執行妨害罪は成立します。
過去の裁判例では、覚せい剤取締法違反の現行犯逮捕の現場において、警察官に証拠として差し押さえられた覚せい剤入り注射液入りアンプルを足で踏みつけて破壊した事案では、間接暴行により警察官の職務執行を妨害したとして、公務執行妨害罪の成立を認めています。(最高裁判決昭和34年8月27日
また、公務執行妨害罪は、公務員が職務を執行するに当たり、暴行または脅迫が加えられた時点で既遂となり、現実に職務執行が妨害されたことを要しません。
上記の事例で考えると、警察官という「公務員」に対して胸ぐらを掴むという「暴行」を加えた時点で、公務執行妨害罪は既遂となります。

2,身体拘束回避に向けた弁護活動

公務執行妨害罪で逮捕されると、最長で72時間、捜査機関により身柄を拘束されます。
そして、被疑者が定まった住居を有しない場合、被疑者に証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合、検察官は、担当裁判官に対して、勾留請求します。
そして、勾留請求が認められると、被疑者は勾留されることになり、原則として10日、さらに必要があると判断された場合には10日を超えない範囲で延長が認められるため、最長で20日間、身柄を拘束されることになります。
勾留の最中、被疑者は厳しく行動を規制され、また、家族や友人など外部との接触も制限される可能性があり、身体的にも精神的にも大きな負担や恐怖を抱えることになります。
そして、勾留されれば当然ながら会社に出勤することなどもできなくなるので、職を失い、収入が無くなる可能性もあります。
このように、勾留による身柄拘束にはさまざまな不利益が考えられます。
そこで、勾留による身柄拘束を回避するための弁護活動を行います。
前述したように、被疑者勾留は、被疑者が住居不定、被疑者に証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合に、検察官が裁判官に勾留請求し、認められた場合に勾留されることになります。
そのため、それらの要件を否定し得る客観的な証拠や事情を収集し、検察官や裁判官に対して勾留の必要性がない旨の意見書を提出し、勾留による身柄拘束の回避を目指します。
例えば、被疑者の家族が被疑者を監督することを約束する身元引受書があれば、それは被疑者の逃亡のおそれを否定し得る客観的な証拠となるため、それを意見書に添付して検察官に提出することができます。
もっとも、勾留に対する意見書は、被疑者が勾留される前に検察官や裁判官に提出する必要があるので、逮捕された場合には、少しでも早く弁護士に依頼することをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内においてご家族が公務執行妨害罪の当事者となり警察に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験しており、当該分野において高い実績を誇ります。
ご家族等が公務執行妨害罪の当事者となり身柄を拘束されてしまった方のもとの弁護士が面会に赴く初回接見サービス(有料)をご用意しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

【事例解説】詐欺罪とその弁護活動(マッチングアプリで知り合った女性からお金を騙し取ったケース)

2024-09-05

【事例解説】詐欺罪とその弁護活動(マッチングアプリで知り合った女性からお金を騙し取ったケース)

今回は、マッチングアプリで知り合った女性からお金を騙し取ったという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:マッチングアプリで知り合った女性からお金を騙し取ったケース

マッチングアプリで知り合った女性から現金約100万円を騙し取ったとして、福岡県警察中央警察署は、福岡市中央区に住む会社員Aさんを詐欺の疑いで逮捕しました。
Aさんは、マッチングアプリで知り合った女性Vさんと結婚願望があるかのように装って交際し、「キャッシュカードを止められてしまった。支払いのためのお金がほしい」などと嘘をつき、複数回にわたり現金約100万円を騙し取った疑いが持たれています。
中央警察署がVさんから相談を受けたことで事件が発覚し、捜査を経てAさんの逮捕に至りました。
警察の調べに対し、Aさんは容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,詐欺罪について

〈詐欺罪〉(刑法246条1項)

人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

刑法詐欺罪は、人を欺いて財物を交付させた場合に成立します。
「人を欺」く行為(欺罔行為)とは、欺罔行為の相手方を錯誤に陥らせる行為、すなわち相手方が財物や財産上の利益を交付(処分)しようと判断する際の、その判断の重要な事項を偽ることを言います。
「財物」とは、所有権の対象となり得る物であれば広く保護されますが、経済的にも主観的にも全く無価値な物は保護されません。
過去の裁判例では、メモ紙1枚(大阪高等裁判所判決昭和43年3月4日)やちり紙13枚(東京高等裁判所判決昭和45年4月6日)などが財物性を否定されています。
詐欺罪は、欺罔行為→相手方の錯誤→錯誤に基づく交付(処分)行為→財物または財産上の利益の移転がそれぞれ原因と結果の関係になければなりません。
欺罔行為を行ったが、その相手方が錯誤に陥らず別の理由(例えば、欺罔行為者にお金がないことを知っていて憐みからお金を渡したなど)で交付(処分)行為を行った場合は、詐欺罪は既遂とはならず未遂にとどまることになります。
そして 、詐欺罪は他人の財産を侵害する犯罪であるため、条文上の記載はありませんが成立には財産的損害の発生が必要とされています。
財産的損害が発生したか否かは経済的に評価して損害が発生したかどうかを実質的に見て判断されることになります。
過去の裁判例では、価格相当の商品を提供したとしても、事実を知ればお金を払わないといえるような場合において、商品の性能等につき真実に反する誇大な事実を告知して相手方を誤信させてお金を受け取った場合には、相手方に対する詐欺罪が成立するとしたものがあります。(最高裁判決昭和34年9月28日
上記の事件では、AさんはVさんとの結婚願望があるかのように装い交際し、キャッシュカードが止められて、その支払いのためのお金がほしいなどと嘘をつき、Vさんからお金を騙し取っているため、Aさんには詐欺罪が成立する可能性があります。

2,早期の身柄解放に向けた弁護活動

詐欺罪で逮捕・勾留されると、最長で23日間、身柄を拘束され、捜査機関による取調べを受けることになります。
その間、被疑者は行動を厳しく規制され、家族や友人や恋人など外部との交流も制限されます。
また、逮捕・勾留による身柄拘束中は、当然ですが職場に勤務することができなくなるので休むことになりますが、無断で休ませてもらえる職場などなかなかありません。
そうなれば、被疑者は職を失う可能性が極めて高くなります。
また、被疑者に養う家族がいれば、収入が減り、今まで通りの生活を送ることが厳しくなるかもしれません。
そのため、少しでも早い身柄拘束からの解放を実現する必要があります。
被疑者勾留は、被疑者が定まった住居を有しない場合、被疑者に証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合に認められます。
そのため、早期の身柄解放に向けた弁護活動としては、それらの要件を否定し得る客観的な証拠や事情を収集・主張していくことになります。
例えば、被疑者が家族と同居しており、その家族が被疑者の監督をすることを約束し、身元引受書を作成すれば、被疑者の住居不定や逃亡のおそれを否定する客観的な証拠となります。
早期の身柄解放を実現するためには、少しでも早い段階からこのような弁護活動を行う必要があるため、逮捕・勾留された場合には少しでも早く弁護士に依頼することをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において詐欺罪の当事者となりお困りの方、あるいはご家族等が詐欺罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に関する知識・経験が豊富な弁護士が在籍しております。
詐欺罪の当事者となりお困りの方に対しては、初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が詐欺罪の当事者となりお困りの方に対しては、初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

【事例解説】傷害罪とその弁護活動(コンビニで他の客と口論になり仲裁に入った従業員を殴って怪我させたケース)

2024-08-26

【事例解説】傷害罪とその弁護活動(コンビニで他の客と口論になり仲裁に入った従業員を殴って怪我させたケース)

事例:コンビニで他の客と口論になり仲裁に入った従業員を殴って怪我させたケース

福岡県警察城南警察署は、福岡市城南区にあるコンビニエンスストアにおいて、男性従業員Vさんに暴行を加えて怪我を負わせたとして、福岡市城南区に住む会社員Aさんを傷害の疑いで逮捕しました。
城南警察署によりますと、Aさんは客としてコンビニエンスストアに訪れ、別の客と口論になり、Vさんが仲裁に入ったところ、Vさんの顔を殴ったとのことです。
Vさんは口から出血する怪我を負いました。
警察の調べに対して、Aさんは「気が高ぶりつい殴ってしまった」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,傷害罪について

〈傷害罪〉(刑法204条)

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法傷害罪は、人の身体を「傷害」した場合に成立します。
傷害」するとは、人の生理的機能を侵害することをいいます。
例えば、創傷、打撲傷や擦過傷のような外傷の他に、めまい、失神、嘔吐、中毒などの症状を引き起こさせることや、病気に罹患させたり、PTSDを発症させることなども「傷害」に該当します。
傷害」は、通常、殴る・蹴るなどの有形的方法によってなされますが、「傷害」の結果を発生させるものであれば、無形的な方法によるものでも傷害罪は成立します。
ただし、無形的方法による場合には傷害の故意が必要になります。
傷害の故意とは、人の生理低機能を侵害することへの認識、つまり自分の行為が相手の生理的機能を侵害すること認識しながら行為に及ぶことをいいます。
無形的方法による「傷害」と認められたものとして、無言電話を掛け続けて相手を精神衰弱症に陥らせた場合(東京地裁判決昭和54年8月10日)や、性病に罹患している者が自己の性器を他人の性器に押し付けて性病に罹患させた場合(最高裁判決昭和27年6月6日)などがあります。
上記の事例では、AさんはVさんに対して顔を殴るという暴行を加えて、口から出血させる怪我を負わせており「傷害」しているといえるため、Aさんには傷害罪が成立することが考えられます。

2,身柄拘束の回避に向けた弁護活動

傷害罪で逮捕されると、被疑者は警察で24時間、その後検察に身柄を送検されて48時間、身柄を拘束され、取調べを受けることになります。
そして、検察官が必要があると判断した場合、裁判官に対して勾留請求し、認められれば、被疑者は勾留されることになります。
被疑者勾留は、逮捕に比べて身柄拘束期間が長く、原則として10日、さらに必要があると判断された場合には10日を超えない範囲で延長が認められるため、最長で20日間身柄を拘束されます。
上記の事例のように、被疑者が会社に勤めている場合には、勾留が続いている間は仕事を休まなければなりませんが、10日間も無断で休ませてもらえる会社はなかなか存在しないため、被疑者は職を失う可能性があります。
また、被疑者に養う家族がいれば、収入減がなくなり、経済的に苦しい状況になる可能性もあります。
そのため、弁護士は、検察官・裁判官に対して勾留に対する意見書を提出します。
被疑者勾留は、被疑者が定まった住居を有しない場合、被疑者に証拠隠滅または逃亡のおそれがあると判断された場合に認められます。
そこで、弁護士は、被疑者が逮捕されて勾留を請求されている段階であれば、勾留の必要性がないことを示す意見書を提出します。
それにより検察官の勾留を請求しなければ、被疑者は釈放されることになります。
それでも検察官が勾留請求した場合には、裁判官に対して意見書を提出し、勾留決定しないよう働きかけます。
このように、勾留を阻止する機会は2回ありますが、勾留決定されてからではその機会を失うため、逮捕されてしまった場合にはできるだけ早く弁護士に相談されることをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において傷害罪の当事者となりお困りの方、またはご家族等が傷害罪の当事者となり身柄を拘束されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績を誇ります。
傷害罪の当事者となり身柄を拘束されていない方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が傷害罪の当事者となり身柄を拘束されている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
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【事例解説】建造物侵入罪とその弁護活動(公民館にある女性用トイレに侵入したケース)

2024-08-17

【事例解説】建造物侵入罪とその弁護活動(公民館にある女性用トイレに侵入したケース)

今回は、福岡市内にある公民館の女性用トイレに侵入したという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:公民館にある女性用トイレに侵入したケース

福岡市内の公民館にある女性用トイレに正当な理由なく侵入したとして、建造物侵入の疑いで福岡市内に住む会社員のAさんが逮捕されました。
警察によりますと、福岡市内の公民館から「男性が女性用トイレに入っていた」と届け出があり、公民館の館長や目撃者の徴取を行うなどの捜査を行い、Aさんを特定し逮捕に至りました。
警察の調べに対し、Aさんは「女性が用便する音を聞くために女性トイレに入った事に間違いはありません」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,建造物侵入罪について

〈建造物侵入罪〉(刑法130条前段)

正当な理由がないのに、…人の看守する…建造物…に侵入し…た者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

建造物侵入罪は、正当な理由がないのに、人の看守する建造物に侵入した場合に成立する刑法の犯罪です。
人の看守する」とは、他人が事実上管理・支配しているという意味であり、例えば、管理人や監視員が置かれているとか、施錠されている場合がこれに該当します。
建造物」とは、住宅・邸宅以外の工作物で、屋根があり壁や柱で支えられて土地に定着し、人が出入りできる構造のものを言います。
例えば、官公庁の庁舎、学校の校舎、工場、駅舎、神社などが「建造物」に該当します。
侵入」とは、管理権者の意思に反する立ち入りを言います。
そのため、管理権者の承諾がある場合には、管理権者の意思に反する立ち入りとは言えず「侵入」には該当しないことになります。
もっとも、立ち入りについて承諾があったとしても、その承諾の範囲外の場所に立ち入れば、その部分については承諾が無いと言えるため、「侵入」に該当します。
過去の裁判例では、銀行のATMを利用する他の客のカードの暗証番号などを盗撮する目的で、銀行員が常駐しないX銀行支店出張所に営業中に侵入した場合には、X銀行支店の支店長の承諾を欠くとして、建造物侵入罪が成立するとしました。(最高裁判決平成19年7月2日
また、建造物侵入罪において承諾し得る看守者は、当該建造物の管理権者です。
上記の事例で言えば、「人の看守する」公民館の管理権者である館長が公民館への立ち入りを承諾し得る看守者であり、男性であるAさんが女性用トイレに入ることについて承諾は無かったと言えるため、Aさんの公民館の女性用トイレへの立ち入りは「侵入」に該当し、建造物侵入罪が成立することが考えられます。

2,身柄拘束からの解放に向けた弁護活動

逮捕・勾留による身柄拘束は、最長で23日間続き、その間に警察と検察の取調べが行われます。
被疑者勾留は原則10日、延長が認められればさらに10日を超えない範囲で身柄を拘束されます。
そのため、被疑者勾留は、延長が認められなかったとしても10日間は警察署の留置施設にて身柄を拘束される可能性があります。
そうなれば、上記の事例のように、被疑者がどこかに勤めている場合には、その間勤め先を無断欠勤することになりますが、10日も無断欠勤を許してくれる勤め先はあまりなく、懲戒解雇などの不利益を被ることになります。
そこで、弁護士は被疑者の早期の身柄解放に向けた弁護活動を行います。
そもそも、被疑者勾留が認められるのは、被疑者に証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合です。(刑事訴訟法207条1項本文60条1項各号
そのため、それらのおそれを否定し得る客観的な証拠や事情の収集活動を通じて早期の身柄解放の実現を目指します。
例えば、被疑者と被害者とが面識がない場合、被疑者が被害者の住所や連絡先を知らず、被害者を威迫するなどして証拠の隠滅を図るおそれは低く、証拠隠滅のおそれを否定し得る客観的な事情と言えます。
また、被疑者に養っている家族がいる場合や定職についている場合には、それらを捨ててまで逃走することは一般的に見て考え難いため、そのような事情は被疑者の逃亡のおそれを否定し得る事情となります。
以上のような弁護活動を行い、被疑者の早期の身柄解放の実現を目指します。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において建造物侵入罪の当事者となりお困りの方、あるいはご家族等が建造物侵入罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は刑事事件・少年事件を専門的に取り扱っている法律事務所であり、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、当該分野において高い実績を誇ります。
建造物侵入罪の当事者となり捜査機関の捜査を受けている方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が建造物侵入罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

【事例解説】窃盗罪とその弁護活動(コンビニエンスストアで雑貨など商品を万引きしたケース)

2024-08-08

【事例解説】窃盗罪とその弁護活動(コンビニエンスストアで雑貨など商品を万引きしたケース)

今回は、コンビニエンスストアで化粧品など商品を万引きしたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:コンビニエンスストアで雑貨など商品を万引きしたケース

福岡市南区内のコンビニエンスストアで雑貨、飲食物や化粧品の3点(合計約1万円)を盗んだとして、福岡県警察南警察署は、福岡市南区在住の会社員Aさんを窃盗の容疑で逮捕しました。
警察によりますと、Aさんの万引きに気付いた店員が警察に通報し、現場に駆け付けましたが、Aさんは既に店から立ち去っていました。
その後、防犯カメラの映像を確認するなどの捜査によりAさんを特定し、逮捕に至りました。
警察の調べに対し、Aさんは「盗んだことに間違いありません」と供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,窃盗罪について

〈窃盗罪〉(刑法235条)

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

一般的に万引きと呼ばれる行為は、刑法では窃盗罪に該当します。
そして、窃盗罪は、①他人の財物を②窃取した場合に成立します。
また、上記の他に③故意(刑法38条1項)と条文上明記されてはいませんが④不法領得の意思が必要になります。
①他人の「財物」とは、所有権の対象であれば広く保護の対象となります。
しかし、経済的にも主観的にも価値が認められないような場合には、保護の対象となりません。
判例では、メモ紙1枚(最高裁判決昭和43年3月4日)やちり紙13枚(東京高裁判決昭和45年4月6日)などが財物性を否定されています。
②「窃取」とは、占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除し、目的物を自己又は第三者の占有に移すことを言います。
③故意とは、犯罪事実の認識・認容を言い、窃盗罪の場合は他人の財物を窃取することを認識し、窃取することになっても構わない(認容)していることを言います。
④不法領得の意思とは、Ⓐ権利者を排除して他人の物を自己の所有物として(権利者排除意思)、Ⓑその経済的用法に従いこれを利用・処分する意思(利用処分意思)を言います。
Ⓐの権利者排除意思は、窃盗罪使用窃盗(例えば、他人の自転車を数分間勝手に乗り回すことなど)を区別するために必要とされます。
Ⓑの利用処分意思は窃盗罪毀棄・隠匿罪との区別のために必要とされます。
例えば、会社の同僚を困らせる目的で、仕事で使うパソコンを持ち帰った場合は、窃盗罪ではなく器物損壊罪刑法261条)の成立が検討されることになります。
上記の事例では、Aさんは雑貨などの商品を窃取しており、コンビニエンスストアの商品を窃取することを認識しているため、Aさんに窃盗罪が成立することが考えられます。

2,身柄拘束の回避に向けた弁護活動

窃盗罪で逮捕されると、警察で48時間、検察で24時間身柄を拘束され、取調べを受けることになります。
その後、検察官がさらに被疑者の身柄を拘束する必要があると判断した場合、検察官は裁判官に対して逮捕よりも長期の身柄拘束である勾留を請求します。
そして、検察官の勾留請求が認められると、被疑者は勾留されることになります。
勾留期間は、原則として10日、さらに必要があると判断された場合は10日を超えない範囲で延長が認められます。
そのため、逮捕から計算すると、最長で23日間、身柄拘束を受けることになります。
勾留による長期の身柄拘束は、被疑者だけでなくその家族にも様々な影響を及ぼします。
10日も無断欠勤を許してくれる勤め先というのはなかなか無いため、勤め先から解雇されることも考えられます。
職を失うということは収入が無くなることになるため、これまで通りの生活を送ることは難しくなるでしょう。
このように、勾留による身柄拘束は被疑者やその周囲に対して様々な不利益をもたらすことがあると言えます。
しかし、勾留請求の前に事件を受任した場合には、勾留による身柄拘束の回避に向けた弁護活動を行うことができます。
被疑者の勾留が認められるのは、被疑者が住居不定、被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合です。
そのため、弁護士は、検察官が勾留請求する前に、被疑者が勾留の要件を充たさない旨の意見書を提出し、勾留請求しないよう働きかけ、被疑者の身柄拘束の解放を求めます。
また、仮に検察官が勾留請求したとしても、裁判官にも意見書を提出し、検察官が勾留決定をしないよう働きかけて身柄拘束からの解放を求める活動を行うことができます。
勾留に対する意見書は、被疑者が勾留される前に提出する必要があるため、逮捕された場合にはできるだけ早く弁護士に依頼することがオススメです。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において窃盗罪の当事者となりお困りの方、あるいはご家族等が窃盗罪の当事者となりお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験してきました。
窃盗罪の当事者となりお困りの方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が窃盗罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

【事例解説】暴行罪とその弁護活動(路線バス車内で乗車マナーを注意され運転手に暴行を加えたケース)

2024-07-23

【事例解説】暴行罪とその弁護活動(路線バス車内で乗車マナーを注意され運転手に暴行を加えたケース)

今回は、福岡市内の路線バスの車内で、運転手に乗車マナーを注意されたことで腹を立てて運転手に暴行を加えたという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:路線バス車内で乗車マナーを注意され運転手に暴行を加えたケース

福岡市内を運行する路線バスの車内で、運転手Vさんに乗車マナーを注意され、暴行を加えた疑いで福岡市西区在住の会社員Aさんが現行犯逮捕されました。
福岡県警察西警察署によりますと、Aさんは福岡市内で運行する路線バスに乗車中、バスの運転手Vさんの肩付近を叩いたり、足を蹴ったりした疑いが持たれています。
Aさんは前の座席に足を乗せるなど乗車マナーが悪かったことから、Vさんから車内アナウンスで注意されたもののやめなかったため、停車した際にVさんが直接Aさんに声をかけたところ、Aさんが暴行を加えたとのことです。
同乗していた別の乗客が警察に通報して、駆けつけた警察官によりAさんは現行犯逮捕されました。
警察の調べに対し、Aさんは「注意されたことで腹が立った」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,暴行罪について

〈暴行罪〉(刑法208条)

暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

暴行罪は、「暴行」を加えたが、被害者に「傷害」の結果が発生しなかった場合に成立します(発生した場合は同じく刑法に定められた傷害罪が成立します)。
暴行」とは、人の身体に対する不法な有形力の行使をいいます。
殴る・蹴る・引っ張るなどのが「暴行」の典型例です。
傷害する」とは、人の生理的機能を侵害することをいい、「傷害するに至らなかったとき」とは、殴る・蹴る・引っ張るなどの暴行により、被害者に打撲・擦過傷・創傷などの外傷を負わせることをいいます。
また、被害者の身体に直接接触しなくても、傷害の危険を有する有形力の行使があれば、暴行罪は成立します。
過去の裁判例では、人の数歩手前を狙って石を投げつける行為や、被害者の目の前で包丁を胸や首をめがけて突き付ける行為などが、「暴行」に該当すると判断され、暴行罪が成立しました。

2,身柄拘束の回避・解放放に向けた弁護活動

暴行罪で逮捕されると最長で警察で48時間、その後検察のもとに身柄が移送されて24時間、身体拘束を受けることになります。
そして、検察官は、被疑者が定まった住居を有しない場合、被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断した場合、裁判官に対して勾留請求を行い、認められれば被疑者は勾留されることになります。
被疑者勾留は原則として10日、さらに必要があると判断された場合には、10日を超えない範囲で延長が認められます。
そのため、被疑者段階での身柄拘束は、逮捕時から計算して最長で23日間続く可能性があります。
身柄拘束中、被疑者はその一挙手一投足を規制・監視されるなど身体的な自由を厳しく制限されます。
また、勾留が認められれば、10日ないし20日の間、逮捕に続いて身柄を拘束されることになりますが、被疑者は、その間、仕事に行けなくなるなどの制限を受けます。
10日ないし20日間、無断で休ませてもらえる勤め先など通常考えられず、被疑者は職を失うという不利益を被る可能性があります。
そこで、弁護士は身柄拘束の回避・解放に向けた弁護活動を行います。
先述した通り、勾留は、被疑者が住居不定の場合や被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断した場合、検察官が裁判官に請求し、裁判官が勾留の必要性があると判断した場合になされます。
しかし、弁護士であれば、検察官や裁判官に対して、勾留の必要性がない旨の意見書を提出することができます。
これにより勾留されずに身柄を解放してもらえる可能性があります。
また、もし勾留請求が認められ被疑者が勾留されてしまったとしても、準抗告勾留取消請求を行い、早期の身柄拘束からの解放を目指します。
身柄拘束を受けた被疑者に対する弁護活動は時間との戦いでもあります。
そのため、ご家族やご友人等が身柄を拘束されてしまった場合には、少しでも早く弁護士によるサポートを受けることがなによりも大切であると言えるでしょう。

3,少しでも早く弁護士に相談を

福岡県内において暴行罪の当事者となってしまった方、あるいはご家族等が暴行罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部に少しでも早くご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件・少年事件に特化した弁護士が在籍しており、暴行事件を含むさまざまな刑事事件・少年事件を経験しており、法な実績があります。
暴行罪の当事者となり身柄拘束を受けていない方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が暴行罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までご連絡ください。

【事例解説】恐喝罪とその弁護活動(被害者に因縁をつけて暴行を加えて金銭を奪ったケース)

2024-07-20

【事例解説】恐喝罪とその弁護活動(被害者に因縁をつけて暴行を加えて金銭を奪ったケース)

今回は、被害者に因縁をつけて暴行を加えて金銭を奪い取ったという架空の事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

事例:被害者に因縁をつけて暴行を加えて金銭を奪ったケース

知人女性を巡ってトラブルとなり、福岡市東区在住の会社員Vさんに因縁をつけて首を絞めるなどの暴行を加え、コンビニのATMで現金20万円を引き出させ奪ったとして、福岡市城南区在住の自営業Aさんが逮捕されました。
Aさんは、犯行当時、はVさんの自宅で知人女性を巡り口論となり、AさんがVさんに因縁をつけ、首を絞めるなどの暴行を加えて、金銭を払うよう要求し、近くのコンビニのATMで現金20万円を引き出させ、それを奪い取った疑いが持たれています。
Vさんに怪我はありませんでした。
福岡県警城南警察署の調べに対し、Aさんは「間違いありません」などと供述し、容疑を認めているとのことです。
(事例はフィクションです。)

1,恐喝罪について

〈恐喝罪〉(刑法249条)

1項 人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

恐喝罪は、人を恐喝して、財物または財産上の利益を交付させた場合に成立する刑法に定められた犯罪です。
恐喝」とは、相手方の反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫・暴行を加えることを言います。
脅迫とは、相手方を畏怖させる程度の害悪の告知を言い、相手方の反抗を抑圧させるに足りない程度のものを言います。
暴行とは、相手方を畏怖させる程度の有形力の行使を言い、相手方の反抗を抑圧させるに足りない程度のものを言います。
暴行は、相手方を畏怖させる性質のものである限り、直接に相手方に加えられることを要しません。
なお、相手方の反抗を抑圧させる程度の脅迫・暴行が加えられた場合、強盗罪刑法236条)の成立が検討させることになります。
上記の事例においては、VさんはAさんから首を絞めるなどの暴行を受けていますが、Vさんに怪我は無く、Aさんの暴行はVさんの反抗を抑圧するに至らない程度の暴行であり、「恐喝」に該当するため、恐喝罪が成立すると考えられます。
交付させ」る行為(交付行為)とは、相手方を恐喝行為によって畏怖させ、畏怖に基づいて財産または財産上の利益を犯人自身または第三者に移転させることを言います。
そして、恐喝罪は、恐喝行為→相手方の畏怖→畏怖に基づく交付行為→財物または財産上の利益の移転が、それぞれ原因と結果の関係を有していることが必要となります。
例えば、お金に困った犯人が被害者を脅迫してお金を渡すように要求したが、被害者は畏怖せず、犯人がお金に困っているという事情を知っており、憐みからお金を犯人に渡した場合には、脅迫行為と犯人の畏怖、畏怖に基づく交付行為の間に因果関係が認められないため、恐喝罪は既遂とならず、未遂にとどまることになります。

2,身体拘束の回避・解放に向けた弁護活動

恐喝罪で逮捕されると、警察で48時間、その後検察に身柄が送致されて24時間拘束されて取調べを受けることになるため、逮捕時から起算して最長で72時間身柄を拘束されることになります。
また、被疑者が定まった住居を有しない場合、被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合、検察官は裁判官に勾留請求し、認められた場合には、被疑者は勾留されることになります。
被疑者勾留は、原則として10日、事件が複雑であるとか、証拠の収集に時間がかかるなどやむを得ない理由があると認められた場合には10日を超えない範囲で延長が認められるため、最長で23日間身柄を拘束される可能性があります。(刑事訴訟法208条
そこで、弁護士は身柄拘束の回避・解放に向けた弁護活動を行います。
被疑者勾留は、検察官の請求によって裁判官が判断します。
そこで、被疑者が逮捕されて勾留を請求されている段階であれば、勾留の必要性がないことを示す意見書を提出することができます。
それにより検察官の勾留請求が却下されれば、被疑者は身柄を解放されることになります。
また、勾留請求が認められ、被疑者が勾留されてしまった場合でも、準抗告勾留取消請求を行い、被疑者の早期の身柄解放を目指します。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において恐喝罪の当事者となりお困りの方、ご家族等が恐喝罪の当事者となり身柄拘束を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部は、これまでにさまざまな刑事事件・少年事件を経験し、恐喝罪をはじめとする刑事事件・少年事件に関する豊富な実績があります。
恐喝罪の当事者となりお困りの方は初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が恐喝罪の当事者となり身柄拘束を受けている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
まずはフリーダイヤル「0120-631-881」までお気軽にお電話ください。

【事例解説】性的姿態等撮影未遂罪とその弁護活動(女子中学生の背後から衣服の中を撮影しようとしたケース)

2024-06-13

【事例解説】性的姿態等撮影未遂罪とその弁護活動(女子中学生の背後から衣服の中を撮影しようとしたケース)

今回は、商業施設内で女子中学生のショートパンツの中を撮影しようとしたというニュース記事を参考に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:女子中学生の背後から衣服の中を撮影しようとしたケース

福岡市東区の商業施設で、女子中学生Aさんのショートパンツの中を撮影しようとしたとして自称アルバイトのAさんが逮捕されました。
性的姿態等撮影の疑いで逮捕されたのは、福岡市東区の自称アルバイトAさんです。
Aさんは、福岡市東区の商業施設内の書店で、本を読んでいたVさんのショートパンツの中を撮影しようとした疑いがもたれています。
警察によりますと、保安員がスマートフォンを持って店内を徘徊するAさんを発見。
不審に思い、監視を続けていたところ、AさんがVさんの背後から、履いていたショートパンツの中に、スマートフォンを差し込んだため、警察に通報しました。
Aさんはそのまま店から立ち去りましたが、乗っていたバイクのナンバーの解析や防犯カメラなどの捜査から関与が浮上。警察官がAさんの自宅に向かい、事情を聴いていたところ、盗撮を認めたということです。
取り調べに対し、Aさんは容疑を認めたうえで「性的欲求を満たすため」などと話しているということです。
(事例はフィクションです。)

1,性的姿態等撮影罪について

〈性的姿態等撮影罪〉

性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の映像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下「性的姿態撮影等処罰法」と言います。)
2条 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処する。
1号 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
 人の性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
 イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治40年法律第45号)第177条第1項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態
2号 刑法第百176条第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
3号 行為の性質が性的なものではないとの誤信をさせ、若しくは特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信をさせ、又はそれらの誤信をしていることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
4号 正当な理由がないのに、13歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影し、又は13歳以上16歳未満の者を対象として、当該者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為
2項 前項の罪の未遂は、罰する。
3項 前2項の規定は、刑法第176条及び第179条第1項の規定の適用を妨げない。

いわゆる盗撮行為については、これまでも各都道府県が定める迷惑防止条例などにより処罰の対象となっていました。
しかし、迷惑防止条例は、都道府県ごとに処罰対象が異なるなど、必ずしもこれらの条例などでは対応しきれない場合もありました。
そこで、そのような場合に対応するために、2023年7月13日に性的姿態撮影等処罰法が施行され、性的姿態等撮影罪を設けることで盗撮行為を厳罰化し、都道府県ごとに処罰対象が異なるといった状態も解消されることになりました。
性的姿態等撮影罪は、正当な理由がないのに、ひそかに、人の性的な姿態を撮影した場合に成立します。
正当な理由」とは、例えば、医師が救急搬送された意識不明の患者の上半身裸の姿を医療行為上のルールに従って撮影する場合などが、これに該当すると考えられます。
また、「ひそかに」とは、撮影される者の意思に反して自分の性的な姿態等を撮影されることを言います。
被害者が13歳以上16歳未満の者で、加害者が20歳未満の場合、加害者が被害者よりも5歳以上年長である場合に、正当な理由なく性的な姿態等を撮影すれば性的姿態等撮影罪が成立します。
被害者が13歳から15歳の場合、加害者が18歳から20歳の場合が問題となります。
例えば、18歳のXさんが、15歳のYさんの性的な姿態等を撮影すれば、Yさんは16歳未満ですが、年齢差が5歳未満であるため、性的姿態等撮影罪は成立せず、処罰の対象外となります。
なぜ、被害者が13歳以上16歳未満の場合には、年齢差が5歳以上年長の者の行為しか処罰されないのかについて、13歳以上16歳未満の者は、相手との関係が対等でなければ性的姿態等を撮影されることについて自由な意思決定が難しくなると考えられているからです。
どのような場合に相手との関係が対等でなくなるのかについて、一般的に、相手との年齢差が大きくなればなるほど、社会経験等の差から対等ではなくなると考えられます。
また、性的姿態等撮影罪には未遂を処罰する規定があることから、正当な理由がないのに、ひそかに、性的な姿態等を撮影する行為を行えば、結果として性的な姿態等が撮影されていなくても、未遂として処罰されることになります。
上記の事例で言えば、Aさんは、正当な理由がないのに、Vさんの意思に反して(「ひそかに」)、Vさんのショートパンツの中(「人が身に着けている下着のうち現に性的な部分を直接若しくは間接に覆っている部分」)に、スマートフォンを差し込んだ時点で、実際にスマートフォンにVさんのショートパンツの中が撮影されたデータ等が残っていなくても、性的姿態等撮影未遂罪が成立することになります。
なお、被害者が18歳未満の場合に、自己の性的好奇心を満たす目的で、被害者を撮影する行為は、児童ポルノ製造罪児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項)が成立し、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。

2,身柄拘束回避・解放、不起訴処分獲得に向けた弁護活動

性的姿態等撮影未遂罪で逮捕された場合は、最長で72時間身柄を拘束されることになります。
そして、72時間を超えて、検察官がさらに身柄を拘束する必要があると判断した場合、裁判所に対して逮捕よりも長期の身柄拘束である勾留を請求します。(刑事訴訟法205条1項
勾留による身柄拘束は、原則として10日間、さらに10日を超えない範囲で延長することが認められているので、最長で20日間、身柄を拘束されることになります。(刑事訴訟法208条
被疑者に対して勾留が認められるのは、勾留の理由や勾留の必要性があると判断された場合です。
勾留の理由は、被疑者が定まった住居を有しない、被疑者による証拠隠滅または逃亡のおそれがあると判断された場合に認められることになります。(刑事訴訟法207条1項本文60条1項各号
勾留の必要性は、被疑者の身柄を拘束しなければならない必要性と、身柄拘束によって被疑者が受ける不利益とを比較して、勾留することが相当と言えるかにより判断されます。
そこで、身柄拘束回避のための弁護活動としては、勾留の理由や必要性を否定し得る客観的な事情や証拠の収集の活動を行います。
例えば、被疑者が家族と同居していて、同居している家族が身元引受人となり被疑者を監督するという事情があれば、住居不定と逃亡のおそれを否定し得る客観的な事情になります。
また、上記の事例のように、盗撮行為に使ったスマートフォンが既に捜査機関に押収されていれば、被疑者による証拠隠滅のおそれを否定できると言えるでしょう。
それらの事情が存在しても検察官の勾留請求が認められ、被疑者が勾留されてしまった場合には、身柄拘束からの解放に向けた弁護活動を行います。
まず、被疑者がいかなる理由に基づいて勾留されてしまったのかを知るために、勾留理由の開示請求を行います。(刑事訴訟法207条1項本文82条~86条
そして、理由が明確になれば、前述のようなそれらの理由を否定し得る客観的な事情や証拠の収集や主張をしていくことで、身柄拘束からの早期解放を目指します。
性的姿態等撮影罪は、被害者が存在する犯罪でもあります。
そこで、弁護士は、加害者に代わって被害者との示談交渉を行います。
示談交渉は事件の当事者同士でもすることはできますが、当事者同士での示談交渉はあまりうまくいかないことが多いです。
特に、性的姿態等撮影罪のような性犯罪の場合、被害者側は加害者側に対して自分の連絡先を知らせたくないと考えるのが一般的であることから、加害者が被害者とコンタクトをとることは難しいと言えます。
しかし、弁護士を間に入れることで、被害者の方に安心して頂き、加害者の立場から被害者に対して謝罪・反省の意思を伝えたり、被害弁償等を行うことができれば示談の成立に対して十分な期待が持てると言えます。
そして、示談と言っても加害者側に一方的に都合のいい内容での示談を成立させることは難しく、被害者側の意向をくみ取りつつ、宥恕条項(加害者を許し刑事処罰を望まないことを意味する条項)や被害届の取下げや刑事告訴の取消等の約定を加えた内容での示談を成立させることが肝要です。
また、示談が成立していれば、被疑者による証拠隠滅や逃亡のおそれは低いと判断され、早期の身柄解放や、起訴猶予による不起訴処分の獲得も期待できます。
以上より、性的姿態等撮影罪で逮捕されてしまった場合には、少しでも早く弁護士に依頼することをオススメです。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において性的姿態等撮影罪で逮捕等により身柄を拘束されてしまった、あるいは性的姿態等撮影罪で在宅で捜査を受けている方など、性的姿態等撮影罪でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には、刑事事件に特化した弁護士が在籍しており、刑事事件・少年事件に対する豊富な経験や実績がございます。
ご家族等が性的姿態等撮影罪で身柄を拘束されている方に対しては初回接見サービス(有料)を、性的姿態等撮影罪で在宅事件として捜査を受けている等の方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、それぞれご提供しております。
お気軽にご相談ください。

【事例解説】偽計業務妨害罪とその弁護活動(知人名義でホテルに虚偽の宿泊予約をして業務を妨害したケース)

2024-05-02

【事例解説】偽計業務妨害罪とその弁護活動(知人名義でホテルに虚偽の宿泊予約をして業務を妨害したケース)

今回は、宿泊施設のホームページから知人の男性名義で虚偽の宿泊予約をして宿泊施設の業務を妨害したというニュース記事に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:知人名義でホテルに虚偽の宿泊予約をして業務を妨害したケース

知人名義で勝手にホテルを予約したりピザの配達を注文したりしたとして、福岡県は県職員(公務員)Aさんを停職2カ月の懲戒処分にしました。
福岡県などによりますと、Aさんは去年3月、佐賀県と群馬県にある宿泊施設のホームページから知人の男性名義で虚偽の宿泊予約をしたとして、去年8月、佐賀県警偽計業務妨害容疑などで逮捕されました。
Aさんはその後、不起訴処分となりましたが、福岡県の聞き取りに事実関係を認めていました。
Aさんはほかにも、同じ知人男性の自宅に2万円分のピザの配達を勝手に注文する迷惑行為も行っていました。
Aさんは「知人男性に恨みがあった」と話しているということです。
KBC 3/18(月) 21:15配信の記事を一部変更し引用しています。)

1,偽計業務妨害罪について

〈偽計業務妨害罪〉

虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。刑法233条後段)

偽計業務妨害罪は、①虚偽の風説を流布して、または②偽計を用いて③の④業務を⑤妨害した場合に成立します。
①「虚偽の風説を流布し」とは、客観的な真実に反するうわさや情報を不特定または多数の人に言いふらすこと(伝播させる)ことを言います。
例えば、実際にはそのような事実は無いのに、「あのスーパーで買ったレトルトパウチ食品にゴキブリが入っていた」などと言った虚偽の事実を不特定または多数の人に言いふらし、そのようなうわさや評判を広めさせるような行為を言います。
②「偽計」とは、人を欺罔し、または人の錯誤や不知を利用する行為を言います。
例えば、弁当の代金を支払う意思はなく弁当屋を困らせる目的で、弁当100個を注文する電話で注文し、架空の住所まで配達させた場合や、上記の事例のように、宿泊代金を支払うつもりがないのにホテルに宿泊予約をする行為などが「偽計」に当たります。
③「」とは、自然人のみならず法人その他の団体も含まれます。
そのため、お店や団体に対しても偽計業務妨害罪は成立します。
④「業務」とは、職業その他社会生活上の地位に基づいて継続して従事する事務のこと言います。
職業として継続して行われる社会生活上の活動であれば広く保護されますが、娯楽目的での自動車の運転や趣味として行うスポーツなどの個人的な活動は保護の対象とはなりません。
⑤「妨害した」について、判例は、業務妨害罪は業務の平穏かつ円滑な遂行そのものを保護の対象としていることから、現実に業務遂行が妨害される必要はなく、業務を妨害するおそれのある行為が行われれば足りるとしています。(最高裁判決昭和28年1月30日
上記の事例で言えば、宿泊予約をすることにより、ホテル側には予約者に対する客室の準備や提供などの業務が発生します。
しかし、宿泊予約が虚偽であればそれらの業務は不要であり、また、他の利用客にその客室を提供するという本来できたであろう業務ができなくなったと言えます。
そのため、ホテル側の客室の準備や他の利用客への客室の提供などの業務を妨害したと言え、Aさんに偽計業務妨害罪が成立したと考えられます。

2,偽計業務妨害罪で逮捕された場合の弁護活動

偽計業務妨害罪で逮捕・勾留などに身柄を拘束された場合の弁護活動としては、早期の身柄解放に向けた活動や不起訴処分の獲得するための活動を行うことが考えられます。
勾留による被疑者の身柄拘束が認められるのは、被疑者に証拠隠滅や逃亡のおそれが認められるからです。(刑事訴訟法207条1項本文60条1項各号
そのため、それらのおそれを否定し得る客観的な事情や証拠の収集活動を行います。
例えば、犯罪に使用したスマホやパソコンなどの電子端末は既に捜査機関に押収されていれば、被疑者によるそれらの処分は不可能であるため被疑者の証拠隠滅のおそれを否定する客観的な事情となります。
また、被疑者の家族や親族が身元引受人となって被疑者を監督することにより、被疑者の裁判所や捜査機関への出頭の機会を確保することができれば、逃亡のおそれを否定する事情になり得ます。
その他の活動としては、被害者との示談交渉が挙げられます。
加害者が被害者に対して加えた損害や被害を弁償することで、示談の成立を目指します。
ただし、示談と言っても、加害者にとって一方的に都合のいい内容での示談の成立は難しいため、被害者の意向を加味しながら、宥恕条項(加害者を許し、刑事処罰を望まないことを内容とするもの)や被害届の取り下げや刑事告訴取消などの約定を加えた内容で示談を成立させることが必要不可欠です。
当事者同士で示談交渉を行うことはできますが、当事者同士での交渉は上手くいかないことが通常です。
しかし、弁護士が間に入れば、被害者の方に冷静かつ丁寧な説明をすることができるため、示談交渉が上手くいく可能性が高まります。
また、示談が成立していれば、早期の身柄解放や起訴猶予による不起訴処分の獲得も期待できます。
そのため、偽計業務妨害罪で逮捕・勾留されてしまった、または在宅で捜査を受けている場合には、少しでも早く弁護士に依頼することをオススメします。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において偽計業務妨害罪の当事者となってしまった方、またはご家族等が当事者となってしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には刑事弁護に関する経験や実績が豊富な刑事事件に特化した弁護士が在籍しており、偽計業務妨害罪の当事者となり在宅で捜査を受けている方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が当事者となり身柄を拘束されている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
お気軽にご相談ください。

【事例解説】脅迫罪とその弁護活動(入院中に看護師に対して自身が暴力団である旨を告げて脅迫したケース)

2024-04-29

【事例解説】脅迫罪とその弁護活動(入院中に看護師に対して自身が暴力団である旨を告げて脅迫したケース)

今回は、入院中に看護師に対して「俺はやくざだ」などと告げて脅迫したというニュース記事に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部が解説致します。

事例:入院中に看護師に対して自身が暴力団である旨を告げて脅迫したケース

福岡県警察中央警察署は23日、暴力団の構成員Aさんを脅迫の疑いで逮捕しました。
Aさんは21日午後7時ごろから約20分の間、福岡市内の病院において女性看護師Vさんに「めんどくせえから殺してやるぞ」「俺やくざなんだから」などと脅迫した疑いが持たれています。
警察によりますと、当時Aさんは福岡市内の病院に入院中だったということです。
22日に別の病院職員から警察に「入院していた患者が看護師を脅した」と通報があり、事件が発覚しました。
調べに対し、Aさんは「一切そういう言葉は使っていません」と容疑を否認していて警察は動機や当時の状況などを詳しく調べています。
STVニュース北海道 3/24(日) 10:29配信のニュース記事を一部変更し引用しています。)

1,脅迫罪について

〈脅迫罪〉(刑法222条

1項 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2項 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

脅迫罪は、①生命、身体、自由、名誉又は財産に対して②害を加える旨を告知して③を④脅迫した場合に成立します。
脅迫罪における③「」とは、自然人を言い、④「脅迫」とは、一般に人を畏怖させるに足りる害悪を告知することを言います。
また、害悪の告知が相手方に伝わった時点で既遂となり、その結果として相手方が現実に畏怖したかどうかは問われません。
そのため、例えば、職場の同僚に殺害予告を内容とするメールを送ったところ、それを一読した同僚が豪胆な性格であったために畏怖しなかった場合でも、脅迫罪が成立することになります。
また、①加害の対象は、1項生命、身体、自由、名誉または財産であり、2項は告知の相手方の親族の生命、身体、自由、名誉または財産でなければなりません。
2項における「親族」は民法上の親族であるため、告知の相手方の恋人や内縁関係にある者に対しての加害の告知は2項の処罰の対象にはなりません。
(なお、1項の処罰の対象となる可能性があります。)
そして、②告知の方法については何の制限もありません。
そのため、文書、口頭、態度などいずれの方法でもよく、また、行為者が直接相手方に告知する場合でだけでなく、第三者を媒介にして間接的に告知する場合でも脅迫罪は成立します。

2,脅迫罪の成立を争う場合の弁護活動

上記の事例では、Aさんは「一切そういう言葉は使っていません」と脅迫の事実を否定しています。
そのため、犯罪の成立を争う場合の弁護活動の一つとして、脅迫罪に該当する行為を否定する客観的な事情や証拠の収集活動を行うことが挙げられます。
例えば、捜査機関の主張が十分な証拠や事実に基づいていないことを指摘することで、嫌疑不十分よる不起訴処分や起訴された場合には無罪判決の獲得を目指します。
また、脅迫罪で逮捕・勾留により身柄を拘束されている場合には、早期の身柄解放に向けた弁護活動を行います。
逮捕に対する不服申立てはできませんが、勾留に対しては不服申立てを行うことができます。
勾留に対する不服申立て手続きとして、準抗告刑事訴訟法429条1項)と勾留取消請求刑事訴訟法87条)があります。
準抗告とは、そもそも勾留するための要件が満たされていないことを裁判所に申し立て、勾留の決定を取り消し、検察官の勾留請求を却下するよう求める手続きです。
被疑者に勾留が認められるのは、被疑者に証拠隠滅や逃亡のおそれがあると判断された場合です。(刑事訴訟法207条1項本文60条1項各号
そのため、それらのおそれが認められないことを証明する客観的な証拠や事情があれば、そもそも勾留は認められないことになるため、勾留の裁判の取消や変更を求めて準抗告を申し立てることになります。
勾留取消請求とは、当時は勾留が認められていたが、後発的な事情の変化により勾留を認める必要がなくなった場合に、裁判所に勾留の取消しを求める手続きです。
例えば、勾留の裁判により勾留が決定された後に被害者との示談が成立した場合などには、勾留取消請求をすることが考えられます。
身柄拘束が長く続けば、身体的にも精神的にも負担が増大することも考えられ、その間に職を失うなど社会生活に影響が生じるおそれがあります。
そのため、犯罪の成立を争う場合や早期の身柄解放をお望みの場合には、少しでも早く弁護士に依頼することがオススメです。

3,まずは弁護士に相談を

福岡県内において脅迫罪の当事者となってしまった方、ご家族等が当事者となってしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部にぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所福岡支部には刑事弁護に関する経験や実績が豊富な刑事事件に特化した弁護士が在籍しており、脅迫罪の当事者となり在宅で捜査を受けている方に対しては初回無料でご利用いただける法律相談を、ご家族等が当事者となり身柄を拘束されている方に対しては初回接見サービス(有料)を、それぞれご提供しております。
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