少年が大麻所持で逮捕
福岡県久留米市内の中学校に通う少女Aさん(15歳)は、知人から勧められて大麻を吸引していたところ、福岡県久留米警察署の警察官から職務質問、所持品検査を受けてしまいました。Aさんは、ズボンの右ポケットの内に大麻入りのチャック付きポリ袋を入れていたため、警察官に大麻取締法違反(所持の罪)で逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたAさんの両親は驚き、学校に通報されてしまうのか不安になり、少年事件に強い弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
~ 少年と大麻 ~
近年は、インターネット等で比較的容易に大麻を入手できるようになっています。
大麻はインターネットでも購入できる時代です。また、未成年であってもスマートフォンやパソコンを利用でき、容易にインターネットの世界へ飛び込める時代となっていますから、未成年であっても、一歩間違えれば大麻をはじめとする薬物に汚染されてしまう危険を有しています。
そして、少年と大麻に関して、注目していただきたい数字が出ています。
平成30年度版犯罪白書によると、少年の覚せい剤取締法違反における検挙人員は平成10年から減少傾向にありますが、大麻取締法違反については平成25年まで減少傾向にあったものの、以下のとおり、その後、急激に増加しています。あくまでも検挙された人員ですから、すでに大麻に手を出している少年を含めるとさらに数は増えるものと思われます。
平成25年 58人
平成26年 77人
平成27年 144人
平成28年 206人
平成29年 292人
~ 逮捕されたら学校に通報されるの? ~
福岡県では、県内の小学校、中学校、高等学校に通う児童、生徒が逮捕された場合、「ふくおか児童生徒健全育成サポート制度運用要綱(以下、要綱)」に従って、警察と学校とが相互に必要な情報の交換をしているようです。
要綱では、警察から学校へ通報される事案を規定しており、その中には
逮捕事案
も規定されています。
しかし、
捜査、調査その他の理由により連絡をすることができないと認めるときは、連絡をしないことができる
と規定されており、逮捕されたからといって必ず通報されるというわけもなさそうです。
~ 通報を回避するには? ~
そこで、通報を回避するには、通報による被る不利益等を丁寧に説明するなどして警察や学校へ働きかけを行っていく必要があります。
警察がどの段階で学校に通報するか分かりませんから、「通報を回避したい」という場合は、はやめに弁護士の弁護活動にかかる委任契約を結ぶ必要があります。
~ 早期釈放には? ~
また、学校や知人らに事件のことがばれてしまう原因として、少年が「突然、学校を欠席する」、「長期間、学校を欠席する」ことが挙げられます。
そこで、身柄を拘束された場合は一刻も早い釈放(社会復帰)が望まれます。
逮捕されると、
①逮捕(警察の留置施設等)→②検察官送致→③勾留請求→④勾留決定(留置施設等)→⑤家庭裁判所送致→⑥観護措置決定(少年鑑別所)
という流れをたどってしまいます。
①から②まで最大で48時間、①から③まで最大で72時間あります。
したがって、この間に、警察、検察、裁判所に働きかけて少年の釈放を求めていきます。
④勾留決定が出た場合、勾留の期間は勾留請求の日から最大で20日間(一定の事件を除く)です。しかし、その間も、検察や裁判所に働きかけ て少年の釈放を求めていくことは可能です。
勾留後、少年の身柄が事件とともに⑤家庭裁判所へ送致(同行)され、⑥観護措置決定が出た場合、少年は少年鑑別所に収容されます。この場面でも検察にや家庭裁判所に働きかけて少年の釈放を目指すことは可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。